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2020年08月10日

M1919A4 機関銃用T&E(T & E Mechanism for M1919A4 Machine Gun)

みなさん、こんにちは。
梅雨が明け、本格的に夏がやってきました。当地大阪は昨日の最高気温が34.8℃で、お昼に2時間ほどの間外出したのですが頭がフラフラしそうな暑さでサッサと用事を済ませて家に戻ってエアコンの冷気を部屋に充満させました。
どこへ行く時もマスク着用必須で暑苦しいですが、新型コロナウィルスの蔓延防止の為頑張っています。

さて本来は隔週日曜日の正午を投稿定刻としている本ブログですが、前回投稿から約一カ月もあけてシレっとお送りする今回の投稿ネタはM1919A4 機関銃用T&E (Traverse & Elevation mechanism for M1919A4 Machine Gun)です。早よ本体やれよというお声が聞こえて来そうですがもうちょっとお待ちください。

↓M1919A4 .30口径ブローニング機関銃用のT&Eです。機関銃本体下部とM2トライポッドのトラバーシング・バーとの間にこれを取り付けて、機関銃の照準線を高精度でコントロールする際に用いるモノで…なんていうことはもうご存知の方ばかりだと思いますが、初心者の方にも分かりやすいブログを目指しておりますので、敢えて記します。T&EのTはTraverseの略で水平方向の横行を、EはElevationの略で鉛直方向の仰俯を意味し、基準照準から照準線の方向が上下左右にどっちを向いているかを把握するための機械装置です。
上部右側に見える鎖で繋がれた太いピンは機関銃本体と結合させるのに用いるエレベーション・ピン、左端の円いツマミは左右の向きを司るトラバーシング・ハンドホイール。真ん中の大きく厚い円盤は仰俯角を調節するエレベーティング・ハンドホイール・アッセンブリー。その下はM2トライポッドのトラバーシング・バーに引っ掛けるトラバーシング・スライドです。


↓FM(Field Manual)23-55の1945年7月版からの引用です。各部の正式名称はこちらをご参照ください。上の画像とこのイラストとでは、エレベーティング・ハンドホイール・アッセンブリーの形状が若干違っていますが(イラストでは側面が5目盛ごとに大きく切り欠かれていますが、画像のものは切り欠きはありません)、製造時期による差異です。イラスト最下部の横に伸びている黒く着色されたものはM2トライポッドのトラバーシング・バーで、それに上からトラバーシング・スライドを掛けて、右上へピョコッと延びているトラバーシング・スライド・ロック・レバーを右回りに締めて固定します。もちろんロックせずにトラバーシング・バーにトラバーシング・スライドを載せるだけにし、自由にスライド出来る状態にしておいて機関銃の向きを左右方向に自在に動かすことも出来ます。


↓こちらはやや時代が下って1969年6月版のTM(Technical Manual) 9-1005-212-25からの分解図です。各部品にパーツナンバーが振られてあり、当然正式名称がありますが、ここではその一覧表は揚げません。上記TMをご参照願います。


↓無可動(不稼働)実銃と共に入手した際はグリスまみれでベトベトでした。


↓トラバーシング・スライドをトラバーシング・バーに掛けてロックした状態のもとで、このトラバーシング・ハンドホイールを廻して左右方向の微調整をおこなう事が出来ます。


↓こちらのエレベーティング・ハンドホイールを左右に回して仰俯角の上下微調整が出来ます。


↓トラバーシング・スライドの左側面。武器科のマークのフレイミング・ボムの刻印が逆さになってます。それともう一つダイヤ型?


↓アングルを変えて。なんだかよく分かりません。


↓エレベーティング・スリーブ・プラグの側面に何やら凸モールドで文字があるような。刻印ではなくて鋳造のモールドなのでカッチリしていません。


↓ヨーク下面のモールド。「M2/ 1040」。こちらは判読しやすいですが、何のことやら。


↓同じヨークのこっちのモールド「B166489」、これは分かります。このパーツのリファレンス・ナンバーです。




以上、何か掴みどころの無いような纏まりの無いような記事になってしまいました。
先ほど気象庁の発表によれば大阪の10時58分の気温が35.3℃。ウェザーニュースの予報では枚方で37℃になるとのこと。
もうどこにも行かないぞと決めました。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。ご機嫌よう、さようなら。


  

Posted by Sgt. Saunders at 12:48Comments(0)Fire arms

2020年07月12日

U.S. M2トライポッド・後期型(M2 Cal..30 Tripod Mount・Later-type)

みなさん、こんにちは。
新型コロナウィルス感染者が東京で一日3ケタの数で増えだしました今日この頃、当地大阪は梅雨入りしてからもう3週間余りが経とうとしています。
梅雨の雨自体は嫌いではありません。湿度が高くても気温が下がれば何とかしのげますし、本来はシトシトと降る雨音は静かに時を過ごすのにちょうどよい良いBGMになります。雨が少しだけ降って、気温の低下には繋がらず、その後陽が差してきて気温が上がり、ムシムシと高温多湿の状態になるのはイヤです。

しかし先週来の九州を中心とした線状降水帯の影響による豪雨は論外です。河川氾濫が発生し、多くの家屋が浸水・水没、土砂崩れによる倒壊・流失等甚大な災害が発生して多数の生命が失われることになってしまいました。謹んでお悔やみ申し上げます。行方不明の方も多くあり、一刻も早く発見されるよう願っております。

そしてまた、令和2年ももう7月も半ば近くになりました。一年の半分が過ぎ去ってしまいました。月日の経つのは実に速いです。先々週の日曜日の雨の止み間に近所の公園で蝉が「ジーーーーーーー」と鳴いているのに気付き、もうすぐ夏が来ることを教えてくれました。

もう一つ。先日当ブログの累積訪問者数が10万人を超えました。2013年8月11日にスタートして約7年。1日あたり約40名の方にご訪問頂いたことになります。今回の記事が159本目で、よくこんな7年も続いたなと思います。

さて、今回のネタは当ブログを始めた当初サラッとご覧いただいた事がありまして(記事タイトルは「M1919A4 続き 『Cal..30 M2 Tripod』」)、全く深掘りすることはありませんでしたM1919A4ブローニング30口径機関銃(M1919A4 Cal..30 Machine Gun)用のM2トライポッド(三脚)(M2 Cal..30 Machine Gun Tripod Mount)です。

↓まず全体画像です。拡げると家の中では撮影し辛いので外で撮りました。


↓真上から。Aの字型になります。


↓折り畳んだ状態です。拡げなければ家の中で画が撮れます。余分な汚い背景にはどうぞお目をお瞑り下さい。OD塗装ではないパーカライズド仕上げです。1943年中頃くらいまではOD塗装が一般的であったように考えております。重量は6.35kg。しかし本当に屋内と屋外ではこんなにも色合いが違って見えるんですねー。

ここで申し上げます。実は私、最近知ったのですが、M2トライポッドにも初期型(Early type)と後期型(Late type)とがあり、私の所有しているモノは後期型にあたるのだそうです。
と申しますのは、FM 23-45 Browning Machine Gun, Caliber .30, HB, M1919A4, Ground. の1943年4月12日版によれば、そのSECTION Ⅵ TRIPOD MOUNTING パラグラフ49のdで、「ピントル・ブッシングの縁に沿うようにして25ミルごとの小目盛、100ミルごとの大目盛が刻まれているトラヴァーシング・ダイヤルを持ち、トラヴァーシング・バー・スリーブ・ラッチが右側のトレイル・レッグの上面に付いているのが1942年の夏までに製造されたM2トライポッド初期型…」との記述があり、私の持っているモノにはそんなトラヴァーシング・ダイヤルはありませんし、トラヴァーシング・バー・スリーブ・ラッチは上面ではなく下面に付いています。「M2トライポッド」の中にトラヴァーシング・ダイヤルが付いている初期モノと、付いていない後期モノが存在している事を知りませんでした。まだまだ勉強が足りません…。

↓上記FM 23-45の中のFIGURE 16 ②「Late type, machine-gun tripod M2」として概要図があります。初期型の「トラバーシング・ダイヤル」は無く、トラバーシング・バー・スリーブ・ラッチは「下面」(図中では「UNDERNEATH」)にあると書かれています。よって私のモノはこの図のものに該当する「後期型」でありまして、ブログタイトルにもその旨表示いたしました。


↓ひっくり返しました。画像左側の前脚を起こし、後脚を左右へ開くとそれに伴ってトラヴァーシング・バー両端のスリーブが左右の脚をスライドし、「A」の字型を形成します。画像では下側の脚、つまり右脚のスリーブを右脚に見えているトラヴァーシング・バー・スリーブ・ラッチでしっかり留めてM1919A4を載せる準備完了です。


↓トライポッド・ヘッド。ピントルを差し込む円いブッシングの中に少しだけ見えているのはピントルの溝に噛み込んでトライポッドとピントルとを結合させるためのピントル・ラッチ。その右方にピントル・ラッチ・レバーがあります。あと何やらたくさん標記があります。この標記を1インチ×2インチくらいの銘板に収めて、マウント・ヘッドの前脚の付け根部分にネジ留めされているというパターンのM2トライポッドもあります。OD塗装になっているM2トライポッドは大体そのパターンになっているような気がします。


↓ドローイング・ナンバーはC 59336、「E.P.」はまたあとでも出て来ますが、製造者「EVANS PRODUCTS CO.」の略。
Noに続く長方形枠からはみ出しながらの「236705」は製造シリアルナンバー、右の小長方形枠からはみ出て、且つ薄い「ABQ」が意味するのは1942年から1946年まで武器科のデトロイト管轄区長であったAlfred Bixby Quinton Jr.准将による「検定合格印」です。

その下は制式名称「MOUNT, TRIPOD CAL..30 M2」、さらにその下に製造者名「EVANS PROD. CO.」と製造年「1944」。M2トライポッドのWW2中の製造分であることに嬉しさを感じるとともにイギリス軍やイスラエル軍などに払い下げられたりして変に刻印が改変されたりしていない事にも喜びを覚えます。

↓前脚(フロント・レッグ)はマウント・ヘッドにボルトとナットで開閉に支障が無く且つ不意に開いてしまわない程度の適度なタイトさで結合されているだけです。


↓前脚を展張させました。地面をしっかり掴むための大きく長い蹄が印象的です。


↓後脚も同様です。


↓トライポッド・ヘッド裏側です。円いブッシングの左側に見える爪切りの刃先のようなモノがピントル・ラッチで、このラッチを抜き差しするレバーが左側に伸びています。下方のドローイング・ナンバーC 59335はトライポッド・ヘッド・ボトム・プレートを指し、こちらにも製造者EVANS PRODUCTS CO.の略である「E.P.」の刻印が打たれています。ヘッド上下面のプレートの間に両脚を収めるための空間を確保するためのスペーサーが2つの小さい方のナットで留められています。大きい方の2つのナットは両脚の付け根をトライポッド・ヘッドに結合させるためのモノです。


↓ブッシングを固定するネジの直ぐ右上にOrdnance Corpsの検査済み証である兵科章「フレイミング・ボム」の小刻印。


↓ピントル・ラッチとレバー。ピントルが挿されて結合している状態の位置。


↓ラッチが引っ込んでピントルとの結合を解いた状態。


↓左脚とトラヴァーシング・バーの左スリーブとトラヴァーシング・バーの左端。右脚の下側にあるトラヴァーシング・バー・スリーブ・ラッチが少し見えてます。


↓トラヴァーシング・バーには水平射角を見るための5ミルの小目盛、100ミルの大目盛が刻まれています。


↓トラヴァーシング・バーの裏側にドローイング・ナンバーC-59333と製造者の略称「E.P.C.」が打たれてます。こっちにはCompanyのC.が付いてます。


↓トラヴァーシング・バーはブルー染めのモノもありますが、本個体は他の部分と同じくパーカライズド仕上げです。水平射角を定めるための目盛が左に450ミル、右に425ミルが刻まれています。


↓トラヴァーシング・バー・スリーブ・ラッチでスリーブを留めますと、A型のトライポッドがしっかり出来上がります。



以上微細に見て参りましたが、いかがでしたでしょうか。
さあ、今度はM1919A4本体を載せて…と行きたいところですが、まだまだ雨が続きますかね。錆が出ないようにしないといけないのでこの時期少し億劫です。オイルを吹いてプチプチで包んで保存しているのですが、ちゃんと錆が出ることなく綺麗な姿を保っているのか不安です。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:08Comments(0)Fire arms-RelatedFire arms

2020年06月21日

U.S. M19A1 弾薬箱(再び)(U.S. M19A1 Ammunition Box(Reprise))

みなさん、こんにちは。
当地大阪は梅雨の中休み。朝晩は気温が18℃ほどまで下がって肌寒く感じるほどで日中はそこそこ晴れ間があり陽射しが暑く感じます。
「休業要請全面解除」とか「都府県境越境自由化」とかで、情緒面では何かホッとした感じがあって、それはそれで良いのですけれども、「お上のお許しが出た」と受け取っておられる方々が多いような気がして何か違和感を覚えます。同調圧力との親和性の高い日本国内の人民意識を、メディアを巧みに使って自粛を誘導した結果、今のところ海外のような爆発的ウィルス蔓延となるのを防ぐ作用が一定程度はあったことは歴然たる事実と見る事ができましょう。この点は事実上・結果に於いて良しとすべきものなのでしょうが…。戦時下の「贅沢は敵だ!」、「欲しがりません勝つまでは!」を想起して、同調圧力というのはこのようなものなのかなと考えさせられるここのところ数ヶ月間です。

さて今回は過去記事でも出ました「U.S. M19A1 弾薬箱(U.S. M19A1 Ammunition Box)」の補追版です。過去記事の最後で「欲を言えば1969年以前の表示モノ」が欲しいと申しておりましたのですが、今般1966年7月付ステンシルのモノが手に入りまして、その嬉しさの発露の記事投稿です。M19A1弾薬箱がどんなモノであるかは過去記事をご覧下さい。今回の記事は「ステンシル違い」の既出モノ紹介にとどまります。故に「補追版」です。

↓これです。モノとしては特に変哲の無いM19A1弾薬箱です。ステンシルが何を意味しているかは過去記事をご参照ください。


↓ココがこの個体を入手しようと思わせたポイントです。「7-66」とありまして、「1966年7月箱詰めした」とのステンシルです。ベトナム戦争中でも1970年より前のモノが何故か魅力を感じます。それは例えばWWII装備品でも1945年スタンプのモノよりも1944年スタンプのモノが欲しいというのと同じくらいの程度のもので、特に何か思い入れがあるという訳ではありません。


↓照明が反射してて済みません。蓋上面のステンシルは過去記事のものと同様です。


↓「蓋の開く側じゃなくてヒンジ側ですよ」との注意喚起黄色帯表示も同じです。


↓ヒンジ側の下方にある製造者表示。S.C.Fがどのようなメーカーなのかはまだ分かりません…。


↓錆が結構ありますが、比較的綺麗な方なので満足しています。



今回の記事は以上です。
弾薬箱のコレクションは場所を取りそうに思われがちですが、中に小物のコレクションを収納すれば良き保存庫となりますので便利です。ただ湿度管理は必要ですが。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。さようなら。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:25Comments(2)Fire arms-RelatedFire arms

2020年03月22日

M1グレネード・プロジェクション・アダプター(M1 Grenade Projection Adapter)

みなさん、こんにちは。
新型コロナウィルスの影響で縮こまっていますね。私はあんまり気にしてはいませんが、外出する際はマスクをして同調圧力対策しています。
もちろん手洗いはしっかりやって感染を防ぐとともに、万が一知らぬうちに感染してしまっていたとしても拡散させることの無いように努めています。お彼岸の3連休というかたも多いかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。定刻を一時間半過ぎてお送りします。

グレネード・プロジェクション・アダプターとは、手榴弾をライフルと専用のカートリッジを使って、手で投擲するのとは桁違いの距離に飛ばすためのアダプターです。
もう6年以上も前の記事(←クリックで別ウィンドウが開きます)で「『M1A2』は持っていますが、WWII中の製造バージョンである『M1』は、まだ未蒐集です」と申しておりましたが、今般期せずして手に入れる機会を得まして、しかも製造年の異なる(1944年と1945年)2個体で、程度もそこそこ良く、たいへん喜んでおります。

↓まずはなんちゃってMk2手榴弾を掴ませているM1A2(右端)とも合わせて3個体集合画像です。左2つが今般入手出来たM1です。


↓見難いので手榴弾を外しました。左2つのM1はWWⅡ版のやや濃いOD塗装です。
右端のM1A2は製造年が1969年の明るいODで、ヴェトナム戦頃では一般的なライム・グリーンです。左の2つのM1が4本爪、右のM1A2が3本爪であるのがお分かりいただけますか。「爪は4本も要らん。3本で十分じゃ。」という簡素化が「M1A1」で図られ、「M1A2」でも続きました。とは言え、爪をチューブに取り付けるためのネジ孔が、今取り付けられている3本爪の分とは別に3箇所穿かれています(少しずれた位置に孔が見え隠れしているのがお分かり頂けますでしょうか?)。ですので、この個体は「『M1』として4つのネジ孔があけられたチューブを使い、新たに2つの孔を穿って『M1A2』として3つ爪を取り付けて作られた『M1チューブ流用M1A2』である。」と言えると思います。その簡素化の一方で、M1A1からは手榴弾の底部が収まる部分にカップが追加されました。


↓Mk2手榴弾の安全レバーを、一つだけ長い爪にあるアーミング・クリップに通してから4本の爪を手榴弾の凸凹の溝に噛ませて保持させます。


↓後継のM1A2も基本的構造は同じです。


↓飛翔安定フィン。左の2つがM1、右端がM1A2。しかし実はさっきから右端のモノを「M1A2」と呼んでますが、「M1A2」の飛翔安定フィンにはスロットが開けられている筈なのですが、この個体には開けられていません。M1のように飛翔安定フィンにスロットが無くて3本爪であれば本来は「M1A1」なのです。でもあとで見ますようにステンシルで「M1A2」と表記されている以上、この個体は「M1A2である」という事に致します...。私自身は「M1」は4本爪でフィンはソリッド、スロットの両方があり、「M1A1」は3本爪でフィンはソリッド、「M1A2」は3本爪でフィンはスロット、という解釈をしているのですが、必ずしも完全にこの解釈には合致しないモノがあるのは事実です。先ほど上で申しましたように製造部材(部品)の在庫を流用する過程で特徴の混在するモノが生まれた、としか説明のしようがないところだと思います。


↓取り敢えず左端のモノからステンシルを見て行きます。画像上のモノ。「ADAPTER, GRENADE PROJECTION, M1」との制式名称表記と、「GML 43」。GMLはまず恐らく製造者だと思いますが、今回急いで調べましたがまだ特定できていません…。「43」は「1943年」の意味ではなくて製造ロットだと思います。なぜなら…


↓その「GML 43」の下に「1945」とあるからです。こちらが「1945年製造」を表しています。


↓次に2つ目のM1です。1つ目のM1と同様「ADAPTER, GRENADE PROJECTION, M1」と制式名称表記があり…


↓その下に「J.J.N. 15」とあります。こちらも入手して以来ネットで調べていますが未解明です。 製造者とロット表記だと思います。さらにその下に「1944」とあり、これが「1944年製造」を表します。


↓ついでにこの個体のステンシルについても。冒頭でも記しました過去の記事ではステンシルについては詳細に言及していませんでしたので今ここで。「ADAPTER, GRENADE PROJECTION, M1A2」との制式名称表記がありまして、その下に「LOT UOD500-12」とあります。「UOD」とはオレゴン州のUmatilla Ordnance Depotの略で、「500-12」は製造ロット番号。さらにその下に…


↓「1945 MOD 3-69」とありまして、これは私なりの解釈ですが、「1945年製造のモノを1969年3月に改修(modified)した」の意だと判断しております。


↓なんちゃってMk2手榴弾をM1に固定しました。安全レバーを含めヒューズ部分がWWIIのMk2手榴弾とは形状が若干異なります。


↓M1カービンに取り付けたM8グレネード・ローンチャーに装着しようとするの図。(哀れ!MGC製M1カービンの樹脂製フロントサイトガードが左右両側ともモゲているではありませんか!もうこの「バレル・着剣ラグ・フロントサイト一体型パーツ」はこの世に残ってないでしょうから、そのうちフロントサイト部分を削り落として実物サイトを取り付けようかと思っています。)


↓発射準備完了!


↓ここからはおまけ的な。1944年2月14日付のFM23-30「HAND AND RIFLE GRENADES ROCKET, AT, HE, 2.36-INCH」です。


↓今回の「M1 Grenade Projection Adapter」についてその構造と仕組の説明があります。


↓M1カービン用のM8グレネード・ローンチャーも載ってます。あ、もちろんガーランド小銃用のM7グレネード・ローンチャーにも使えますよ。




以上やや駈け足で見て参りました。
3本爪のM1A2はまだまだ世界中にサープラス品として残っているのか、eBayやガンショップなどでUS$25~US$50前後で売りに出されているのをよく見ます。WWII時製造のM1は、やはり現存数が少ないためでしょうけれどもM1A2よりも若干価格は高く、程度によってはUS$100前後の値が付くことがあります。価格はそれ程高くないかもしれませんが売りに出される機会はそう多くはないので、目にしたら入手しておくべきモノの部類に入ると思います。私が今回そうでした。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。さようなら。


  

Posted by Sgt. Saunders at 13:26Comments(0)Fire arms

2019年12月29日

M1906 30口径弾ダミー・カートリッジ(US M1906 Cal..30 Dummy Cartridges)

みなさん、こんにちは。
歳末のお忙しいところご訪問頂きありがとうございます。
私も家の大掃除の合間を縫って、2019年(令和元年)を締めくくるべく、投稿定刻の隔週日曜日の正午に間に合わせようと奮闘しておりましたが、3時間余り過ぎてしまいました。
みなさんは迎春準備は如何ですか?

さて今年最後にお送りしますのは、最近になってオリジナルのカートン入りでの入手が叶いましたダミー・カート、「M1906 30口径弾ダミー・カートリッジ(M1906 Cal..30 Dummy Cartridges)」です。私の「実銃は持てないので、せめてアクセサリーは実物を...」コレクションに新たに仲間入りした子です。

↓まずカートンの全体像です。カードボード製の箱に内容物を記したラベルが貼ってあります。


↓全体的にやや程度はくたびれていますが私的には「Acceptable」。この時代まで良く生きながらえていてくれたことに感謝です。画像では分かり難いですが、ラベルはダミー・カートであることを意味する緑色です。もうかなり褪色してしまってます。

「20発ダミー・カートリッジ」の表示のほか、製造者「フランクフォード造兵廠(Frankford Arsenal)」製、ロット番号「101」との表示があります。

↓入手時には既に開封されていました。


↓保管状況が良くなかったみたいで錆?オイル?で若干美観は損ねていますが、私は満足しています。


↓ラベルは上面を廻って背面まで及んでいます。


↓横からべりッと開けます。嘘です。既に開いてました。


↓クリップにまとめられたダミー・カートがカードボードを挟んで上下互い違いに逆さまに収まっていました。


↓カートンの中ではこのように収まっていました。いわゆる30-06弾で、M1903スプリングフィールド小銃やM1917エンフィールド小銃用の5発組クリップに収まって、クリップ4つで計20発です。


↓ダミーであることが視覚・触覚でも分かるよう薬莢部分がコルゲート加工されています。


↓一発取り出して簡単ですが磨いてみました。磨くのと磨いていないのと、やっぱり見栄えが全然違いますね。


↓30-06弾ですからM1903スプリングフィールド小銃やM1917エンフィールド小銃、M1ガーランド小銃、将又M1917A1やM1919A4機関銃の動作に使えます。


↓ヘッドスタンプ「43」、「FA」。1943年Frankford Arsenal製である事が分かります。


↓クリップです。下の方に指紋痕が付いてます。ちょっと磨いたぐらいじゃ落ちませんでした。


↓クリップ側面。M1903スプリングフィールド小銃やM1917エンフィールド小銃の装填に使う際の「ここまで突っ込んだら十分」ポッチがあります。


↓クリップの構造が分かります。真鍮製のガワと板バネ。


↓もっと接近して真横から。


↓カートのリムをこの様にガワと板バネの間に挟み込ませて保持させます。ま、こんなのはどんなクリップも同じ仕組みです。


↓板バネをガワにどう固定しているかは、クリップの種類により様々で、本クリップではガワ両末端の切り欠きに板バネの凸を噛みこませて固定しています。画像では板バネを1cm程引き出しています。



以上慌ただしく見て参りましたが如何でしたでしょうか。

「実銃は持てないので、せめてアクセサリーは実物を...」コレクションとして今回のような軍純正のダミーカートや軍用薬莢に弾頭を付けたダミーカート、またカードボード製の箱だけであっても貴重な資料としてコツコツと集めてきていますが、種類が多くてとても全種類をコンプリートするのは無理なので、ある程度のところで打ち止めになるべきではありますが、目の前にあるとつい欲が出てしまいます。
因みにカードボード製の箱は海外で実物を精巧にコピーしたモノが廉価で売られていますので、雰囲気を楽しむにはそれで十分だと思います。しかしながら、私はやはり「実物」にしかない重みと言いますか凄みと言いますか、そちらの方も捨てがたく、今後も適切な価格であればまた心を動かされると思います。


今年も公私ともに色んなことがありました。
日本の各地を襲った自然災害や、政治に関する醜聞など思い返せば沢山ありすぎてあっという間に記憶のかなたに置き去りにしてしまっています。私事では身内・縁者に大病をした者等は無く、不幸事はありませんでしたが、本当に有難いことです。みなさんはどの様な一年でしたか?

それでは今回はこの辺で失礼いたします。今年もご覧いただきありがとうございました。
来年もまた徒然なるままに駄文を書き連ねて参りますが、どうぞよろしくお願いします。さようなら。


  

Posted by Sgt. Saunders at 15:21Comments(0)Fire arms-RelatedFire arms

2019年11月17日

7.62×51mm NATO弾とM13リンク(7.62 NATO & M13 Belt Cartridge Link)

みなさん、こんにちは。
当地大阪でも朝晩の通勤帰宅時にはコートが必要になって来ました。しかしながら日中の気温は20度近くまで上がることもあります。
近所の児童公園の桜もほぼ紅葉となり、ハラハラと落ちていってます。

さて、今回の投稿ネタは「実銃は持てないのでせめてアクセサリーは…」コレクションから「M13リンク」で繋いだ「7.62×51mm NATO弾(以下「7.62 NATO」とします)」であるところの「米軍制式名称:M80 7.62mm Ball Cartridge(ボール・カートリッジ)(以下「M80ボール」とします)」のダミー・カートリッジ」をお送りします。最近まとまった量を入手する機会に恵まれましたので記事に致します。

1950年代後半にM14ライフルやM60機関銃が制式採用されますが、それらに用いられ、1970年代後半からはM60機関銃に替わるM240機関銃にも引き続き使用されているのがM80ボールです。民生品の名としては一般的に「.308ウィンチェスター」と呼ばれています。
ミリタリア・コレクターとしては、やはり「.308ウィンチェスター」ではなく、M80ボールをコレクションしたいところですが、当局による近年のダミー・カート排斥キャンペーン?により海外からの実弾撃ち殻薬莢の個人輸入が難しくなる中、M16系ライフルやM249LMG(SAW)等用の5.56×45mm NATO弾とM27リンク(←クリックで過去記事が開きます)に比べてより一層入手が難しい状況です。
そんな中、ちょっとまとまった量を入手する機会を得まして、今回記事として投稿いたします。

↓このような画はいつ見てもワクワクします。なんて事を書くと公安にマークされるんでしょうか。全部磨くのは大変でしたので3発だけ磨いて一番上に乗っけました。


↓はい、磨いてないカートとリンクです。リンクで繋いでいるという事はM60機関銃にフィードさせるという事です。後ろに写っている弾薬箱の表記に従えば、本当はM62トレーサー弾1発とM80ボール4発の組み合わせになっていなければならないのですが、すみません。全部M80ボールです。M62トレーサーに見せるには弾頭をオレンジ色に着色する必要があります。


5.56×45mm NATO弾とM27リンク(←クリックで過去記事に飛びます)で見たM27リンクと同様裏側は薬莢部分の露出が多い作りです。まあ5.56×45mm NATOもM27リンクもこの7.62 NATOとM13リンクをスケールダウンしただけのものですからね。当然と言えばそれまでです。


↓カートは色んな製造年のモノが混じりあってます。


↓端っこから3発外して磨きました。でも真鍮も銅も磨いたあと数日経つとすぐに曇ってきます。


↓タンブラーなんて持ってませんのでピカールで一つずつ磨きました。真鍮の金色の輝きとあかがねのコントラストはいつ見ても美しいですね。例によって手指の指紋・掌紋には画像加工を施しています。


↓ヘッド・スタンプを見ます。12時の位置にNATO規格弾であることを表す「〇に十」の丸十マーク。7・8時の「LC」は「Lake City Army Ammunition Plant」製、4・5時の「63」は1963年製であることを示します。1963年と言えばビートルズが1月にリリースした2枚目のシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」が3月2日付けのメロディー・メーカー誌のシングル・トップ50で1位を獲り、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが4月に遊説先のメンフィスで白人に暗殺され、5月にはヴェトナムのユエで行われた反政府デモで警察がデモ隊に発砲して死者が出、6月には仏教徒に対する抑圧を世界に知らしめるため、僧侶のティク・クァン・ドクがサイゴンのアメリカ大使館前で予告焼身自殺をしました。11月にはケネディ大統領がテキサス州ダラスで暗殺されます。日本ではアニメ鉄腕アトムが放映開始、エースコックのワンタンメンが発売され、梓みちよの「こんにちは赤ちゃん」がヒットし、映画「史上最大の作戦」が公開されたそうです。


↓別の例です。12時の位置にNATO規格弾であることを表す「〇に十」の丸十マーク。7・8時の「RA」はRemington Arms Company製の意、4・5時の「70」は1970年製であることを示します。1970年と言えば隣国カンボジアで内戦が始まりました。ヴェトナムを巡ってはアメリカのニクソン大統領が北ベトナム政府との「パリ和平会談」を開始させました。 日本では大阪万博が開幕し、日本航空よど号ハイジャック事件が発生、銀座にマクドナルド日本第1号店がオープンし、皆川おさむの「黒ネコのタンゴ」がヒットしたそうです。4月にはポール・マッカートニーがイギリスの大衆紙『デイリー・ミラー』でビートルズからの脱退を発表しました。


↓カートを保持するのはM27リンクと同様、画像右手前にあるスプーン上の突起がカート後端のエクストラクション・グルーヴに掛かるようになっています。


↓後方に引き抜くか、前方へ押し出すか、どちらでも抽筒できるのもM27リンクと同じです。


↓リンクの接続は…


↓輪っかに合わせて…


↓カートを蝶番の軸のように差し込んで…


↓スプーンの形状になっているところがカート後端のエクストラクション・グルーヴに掛かるまで…


↓差し込んで…


↓完了です。


↓M13リンクを見ます。名称の刻印と「GCK」の刻印。GCKがどんなメーカーなのか、ちょっと調べましたが分かりませんでした。


↓ココにもNATO規格準拠を示す丸十マークがあります。


↓もう一つ別のリンク。「M13」の名称表示と「WM」の製造者表示。WELLS MARINE INC.という会社はWW2以前よりメタル・リンクを製造・供給しています。「4」はロット番号です。


↓こちらにもNATO規格準拠を示す丸十マークがあります。



以上見て参りました。
7.62 NATOはヴェトナム戦コレクションに欠かせません。既に申しましたがM14ライフルやM60機関銃の脇役に必要です。M14ライフルについては彼の東京マルイ製電動ガンとホビーフィックス製の無発火モデルガンを持っていますが、モデルガンのマガジンに7.62 NATOのダミーをフル装填したくてその入手は必然でした。M13リンクで繋いだ7.62 NATOはM60機関銃の脇役になりますが、私はまだ電動ガン・モデルガン・不可動実銃等いずれの形でもM60機関銃は持ってません。いつの日か手に入れたいと思っています。
また、M19A1弾薬箱の中身を埋めるためにも7.62 NATOのダミー・カートは必要で、どちらかと言うとそのために7.62 NATOを蒐めてきました。そこそこの量を手に入れる事ができたので満足しています。

最近は5.56 NATO弾はオークションやショップのHPでも売りに出されていることが多いですが、7.62 NATO弾はそれに比して出品・販売されているのを見る機会が圧倒的に少ないように感じます。出ているのを見ると、即購入を考えてしまいます。欲を言えば、出来れば60年代~70年代前半の製造分が良いですねぇ。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。さようなら。











  

Posted by Sgt. Saunders at 12:05Comments(0)Fire arms-RelatedFire arms

2018年11月25日

ダミー・カートリッジあれこれ(Dummy Cartridges)

皆さんこんにちは。
紅葉も進み、当地大阪もやっと初冬と言えるような寒い日々を迎え、拙宅周辺の木々も紅に染まり落葉も多くなり始めました。
ヒトより暑がりの私でも流石に朝晩はコートが必要です。
今日は昨日に続き雲の少ない快晴で、風は少し冷たいものの日向に居れば暖かさを感じることが出来るいいお天気です。

さて年末も近くなり、コレクショを少しお手入れしたのですが、今回の投稿では今までにネタとして取り上げたモノも含め、ダミーカートを改めて眺めてみます。隔週日曜日の正午を本ブログの投稿定刻とする一応の自己目標から若干早く投稿できました。

実銃の所持は無理で、無可動(不稼働)実銃は高くてそう易々とは入手できない以上、私はモデルガンやガスガン、エアーガンで「銃器」コレクション欲求を満たさなければなりません。例え狩猟・競技目的でのライフル所持が認められたとしてもピストルは勿論、軍用銃は持てません。
で、仕方が無いので「せめてアクセサリー類は『本物』を...」ということでダミーカートやスリング、マガジンなどの脇役集めに走ってきました。


取り敢えずダミーカートを数種類並べてみました。

左から(↓色付きのモノは過去記事で採り上げたモノで、別ウィンドウで過去記事ページが開きます)
7.92mmモーゼル弾(Patrone schweres Spitzgeshoß)(軍制式撃ち殻薬莢に弾頭を付けたダミー)、
.30-06弾(M2 Cal..30 Ball)(軍制式撃ち殻薬莢に弾頭を付けたダミー)、
③.30-06弾(M40)(軍制式ダミー)、
7.62×51mm(7.62 NATO弾)(M63 NATO 7.62mm Dummy)(軍制式ダミー)、
5.56×45mm(5.56 NATO弾)(軍制式撃ち殻薬莢に弾頭を付けたダミー)、こちらのリンクもご覧ください。)
.30カービン弾(7.62×33mm)(M13 Cal..30 Carbine Dummy)(軍制式ダミー)、
.45ACP(M1921 Cal..45 Dummy)(軍制式ダミー)、
9mmルガー弾(Pistolenpatrone 08)(軍制式撃ち殻薬莢に弾頭を付けたダミー)、

撮影技術についてはお目をお瞑り下さい…。いい眺めだなーと気分が高揚します。
過去の投稿で、ダミー・カートリッジには大別して「生粋の軍用ダミー」と「撃ち殻の薬莢に弾頭を付けたダミー」があると記したことがありました。「生粋の軍用ダミー」には実物軍用品としての魅力を、「撃ち殻の薬莢に弾頭を付けたダミー」には「実弾のように見えるモノ」としての魅力を感じて蒐集してきましたが、近年どちらも入手機会が減って来ていて、コレクションしていく困難さが増しています。


【私の頭の中のダミー・カート類型図】

「ダミー・カートリッジ」―――「生粋の軍用ダミー」(A)
               |
               |
                —「撃ち殻薬莢に弾頭付けダミー」――—「軍用薬莢使用ダミー」(B)
               |                       |
               |                       |
                |                        —「民生用薬莢使用ダミー」(C)
                |
                 ―「金属削り出しダミー」(D)



(A)は上述しましたように「実物軍用品としての魅力」から蒐集したくなります。
「軍用実弾のように見えるモノ」としての魅力の点からは、(C)よりも(B)の方がより良いのは言うまでもありませんが、7.62NATO弾以前のモノに関しては出物がかなり減って来ており、(B)の入手は年々厳しくなっています。(C)は競技用での民生用薬莢は掃いて捨てるほどあるようで、特に.30-06弾や、7.62NATOの民生版である.308ウィンチェスター弾等はヤフオクなどでも絶えず出品されていますので、それを入手すれば、とりあえず軍用実弾がジャラジャラあるような「つもり」になれます。ピストル弾や現在あまり使われない・製造されないモノは(D)のようにミリタリーショップやガンショップなどで真鍮等の金属棒から削り出しで再現されているモノがあります。


昔、といっても、もう10余年以上前ですが、ダミーカートを個人輸入しようとした時に税関(外郵出張所)で止められ、自宅宛てに「輸入許可証」を出せとの通知が来たことがありましたが、「撃ち殻で、側面には孔が開けられており、当然ながら火薬は入っておらず、雷管も使用済みでありまして、もはや再使用は不可能となった単なる『ゴミ』ですので、銃刀法には触れません。」と、輸入割当の話ではなく、「銃刀法上の弾薬不法所持」を念頭に置いた回答しかしなくても、無言のまま通して貰って自宅まで届いたことがありました。
過去記事にあるドイツ軍の15発紙箱入り7.92mmモーゼル弾もうるさく言われない頃に沢山輸入出来ましたし、50連リンクで繋がった7.92mmモーゼル弾もなーんにもお咎め無しでした。いい時代でしたねぇ。ダミーであり危険性は無いのですから当然と言えば当然という気がするのですが。
もちろん弾頭を取り外し、ライブの雷管を装着しなおし、火薬を入れれば「実弾」として再利用できますが、雷管や火薬は入手できる人は法で規制できていますので、私のような「一般人」が実弾を作ることは出来ません。なのでダミーカートを輸入規制する必要は無いと思うのですが、どうでしょう?。
ここ数年は使用済み薬莢ですら、まあ通してくれません。輸入割当上の理由で止められる場合が殆どですが、そのような手続きは大変手間が掛かりますので、個人輸入はもうしていません。5,000個、10,000個もという話なら別ですが、200個、500個程度なら許してほしいものです。気長に国内で流通しているモノの入手に努めます。
現在は7.62NATOの「軍制式薬莢に弾頭を付けたダミー」の入手を目論んでいます。薬莢だけなら結構流通していますが、弾頭付きのモノがなかなかありません。弾頭だけ別途入手して自分でシーティングするにしてもダイスや何だと結局物入りですし…。困りました。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお目にかかれますように…
   

Posted by Sgt. Saunders at 11:33Comments(0)Fire arms

2018年11月04日

5.56×45mm NATO弾とM27リンク(5.56 NATO & M27 Belt Cartridge Link)

皆さんこんにちは。
当地大阪はやや雲が多いものの、おおむね晴れてます。先週末から風邪をひいて、でも勤め人の身でありますから無理をおして出勤し続けて本日やっと投稿いたします。風邪はようやく治りそうです。隔週日曜日の正午を投稿定刻としていますが、また遅れました。

さて、今回の投稿ネタは「実銃は持てないのでせめてアクセサリーは…」コレクションから「M27リンク」で繋いだ「5.56×45mm NATO弾(米軍制式名称:M855 5.56mm ボール・カートリッジ)のダミー・カートリッジ」をお送りします。M855ならば銃弾先端が緑色に着色されていなければならないので、ここは5.56x45 NATO弾(M855)となる前の同じ5.56x45mm弾であるM193であるとします。

↓どうしようかと思いましたが、こっちの画像の方がキャッチーかと思いましてまず1番目の画像はこれにしました。少しづつ何回かに亘って入手したモノを全部繋いでみました。


↓やっぱりこちらの方が分かりやすいですかね。


↓現代ならM249LMG(SAW)、ヴェトナム戦辺りならストーナーに対応するベルトリンクです。画面(えづら)的には上の画像よりこの画像のように平並べにした方が好きです。


↓思い出して急遽スマホで撮った画像です。蓋がどっか行っちゃってますがM249アンモ・ボックスです。本当なら記載されているように「M855ボールが4発・M856トレーサーが1発」のコンビでリンクされていなければなりませんが、ご免なさい、「M193」ばっかりです。



↓ヘッド・スタンプを見ると製造年以外ほとんど全て同じ刻印です。製造者・製造年とNATO規格マークがワン・セットです。古いの・新しいの・奇麗なの・汚いの・いろいろ混合です。


↓一つをピックアップ。12時の位置の「円の中に+」のマーク、薩摩藩・島津氏の「丸に十の字」の家紋そっくりのマークが「NATO規格」であることを示すマークです。弾薬箱のステンシルでもよく見ます。7~8時の「LC」は言わずと知れた?「Lake City Army Ammunition Plant」製であることを示します。4~5時の「91」は1991年製であることを示します。


↓左は米軍でWWI以前からWWIIを経てヴェトナム戦中に7.62×51mm NATO弾を用いるM14ライフルが採用されるまで制式小銃弾だった30-06弾です。口径を小さく、重量を軽くして携行弾薬数を多くするという目的で、7.62×51mm NATO弾を経て、さらにもう一段小さくなった5.56×45mmと、ここまで小さくなりました。真ん中に7.62×51mm NATOを入れれば良かったですね。すみません。


↓上が5.56×45mm NATO弾、下は30-06弾です。実弾を撃ったことが無いので分かりませんが、やはり下の30-06弾の方が「強そう」です...。

あとでまた触れますが、下の30-06弾を繋いでいるM1リンクはカートの肩のボトルネック部分と胴体部分とをホールドしているのに対し、上のM27リンクは胴体部分だけでホールドしています。構造上M1リンクでは、カートは後方へ引き抜かれるしかありませんが、M27リンクではM1と同じくカートを後ろへ引き抜くこともできますし、逆に前へ押し出して抜くこともできます。

↓リンクで連結しないでM16系ライフルのマガジンに詰めても楽しめます。


↓リンクに移ります。さっき見たM1リンクと違い、カートの肩部分をホールドしていませんので、カートを前方へ押し出して抜くことが出来ます。


↓M27リンクです。


↓一つひとつにちゃんと刻印があります。「WM」は…何でしたっけ。メーカー名を示すものですが、どこのモノか忘れました(思い出しました!WELLS MARINE INC.でした。←30年11月10日加筆。)。2行目はシリアル、3行目はモデル名「M27」です。


↓1個のみを見るとこの様な形状です。手前左端のスプーンの形状になっているところがカート後端のエクストラクション・グルーヴに掛かってカートの前後位置が定まります。


↓反対側から見るとこうです。


↓連結の仕方はシンプルです。2つのリンクが...


↓合わさったところで…


↓カートを蝶番の軸のように差し込んで…


↓あとはさっき触れましたように、右端のスプーンの形状になっているところがカート後端のエクストラクション・グルーヴに掛かるまで差し込んで完了です。



いかがでしたでしょうか?
WWII米陸軍歩兵科一般兵士の装備品のコレクションが中心の私ですが、ヴェトナム戦歩兵装備モノにも興味がありますので、M16(A1)ライフルのマガジン充填用にと、まずはM193のダミーカートをコレクションしようとしまして、でも国内のミリタリーショップでは、カート単体のみではなく、50発単位でリンクで繋がれた状態で売り出されているケースが多く、M16のマガジンに詰める時にはリンクからバラせばいいやと、リンクで繋がった状態のモノを何度か購入してきました。
M193やM855(5.56mm NATO弾という括り)は現役ですから、国内のミリタリーショップで現在入手は容易です。
サバゲのお供にM249LMG(SAW)やストーナーを用いられているかたは、今回のベルトリンクは必携でしょうか。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。ありがとうございました。



  

Posted by Sgt. Saunders at 13:43Comments(0)Fire arms-RelatedFire arms

2018年10月14日

US M9 ピストルのマガジン(Magazine for US M9 9mm semiautomatic Pistol)

皆さんこんにちは。
金木犀の芳しい香りがふんわりと朝の空気に溶け込んで漂う季節となりました。
当地大阪は、朝晩はヒンヤリするようになりましたが、お天気が良いと昼間は汗ばむこともあり、服装の調節が難しいです。
今回も定刻から1週間と2時間余り過ぎての投稿です。

私の重点的コレクション対象はWWIIUS陸軍歩兵科兵士の一般的装備品ですが、そのほかWWIからWWII、ヴェトナム戦争を経て1990年代までの米軍が使用・制式採用した銃器にも興味を持っているところです。
WWI前に採用され、その安定した堅牢さ・メンテナンスの容易さ等から約70年もの長きに亘って制式拳銃の座にあったM1911(A1)(通称ガバメント)に代わり、より時代に適合したモノとしてトライアルを通過して新たに制式採用されたのがベレッタ社のModello 92F、即ちM9ピストル(M9 9mm Semiautomatic Pistol)です。
で、そのM9ピストル、ではなく、そのマガジンが今回の投稿ネタです。

↓ダブル・カラム-シングル・フィードです。複列配置から単列になっていく部分で給弾不良が起こらないか未だに不安です。実銃を撃つ事は無いのにです。画像に写っているカートはモデルガン用のカートリッジです。マガジン・チューブはリン酸塩皮膜処理(パーカライジング)が施されています。


↓ガバメント(左)のマガジンには.45口径ACPが7発入りますが、M9(右)には9mmパラベラムが何と15発も入ります。多弾装なのは良いのですが、.45ACPと比較して見るからに華奢な感じの9mmパラベラムでは、自分が撃つ機会も無いクセに、幾ら多弾装でも何か不安感を覚えました。普段から撃ち慣れている人はそれぞれの良さを分かっていらっしゃるので、私のようにただデカさだけでしかその弾のイメージを持てない者が何を言うかと仰るでしょうね。.45ACPの「ストッピング・パワー神話」に侵されていると思います。


↓ちょっと今回の投稿テーマからは離れますが、9mmと.45口径の比較です。(過去記事(ドイツ軍08式ピストル弾 (Pistolenpatrone 08) )の画像で恐縮です。)


↓はい、すみません。M9に戻ります。米陸軍発行のテクニカル・マニュアル(Tecnical Manual(TM)) 9-1005-317-10の1985年6月版の表紙です。M9採用当初は、マガジンのフロアー・プレートはまるでマガジン・バンパーが後付けされたように見える厚い部品でした。2つ上のガバメントとの比較写真でご覧いただけます。東京マルイをはじめとして遊戯銃等でもM9はモデル化されてますが、ほとんどのモデルは、やはりこの厚底タイプのマガジンになってます。


↓マニュアルの中身のマガジン分解方法の図です。①で示されているフロアー・プレートは先端部で最大7mm位の厚みがあります。


↓銃に装着した図ですが、フロアー・プレート先端はグリップのフロントラインと「ツライチ」になり、フィンガーレストのような前への出っ張りはありません。


↓一方こちらのフィールド・マニュアル(Field Manual(FM))23-35(3-23.35)2003年6月版では、マガジンのフロアー・プレートは金属板をプレスして作られた部品になってます。モデル92F以前のモデル92の時代のマガジンと酷似しています。あとで出て来ますが、製造工程とコストの減少及び耐久性が向上したモノであるとのパテントを持つのだそうです。


↓では、やっと現物をご覧いただきます。左側面です。前方中程にマガジン・キャッチの掛かるスリット。上端にスライド・ストッパーが入るためのスリットがあります。


↓こちら側には「SER: 9MM 9/01 CHECK-MATE IND., INC. WYANDANCH, N.Y.USA」の刻印。最初の「SER」は「Series」でしょうか?。2001年9月ニューヨーク州ワイヤンダンチのチェック=メイト・インダストリー株式会社製。


↓右側面です。左側面と同じように前方中程にマガジン・キャッチの掛かるスリットがあります。M9がアンビデクストラス仕様なので当然マガジンもそれに対応させたまでの事です。


↓こちら側には「"ASS'Y 9346413」と部品番号の刻印から始まって「RESTRICTED-LAW ENFORCEMENT/GOVERNMENT USE ONLY"(法執行機関/政府機関のみに使用が制限される)」と、近時の所持規制品でよく見られる注意書きがあります。


↓フォロワーです。樹脂製です。


↓背面です。装填している弾の数をカウントする目安となる残弾目安確認孔があります。


↓5発・10発・15発を示すようになってます。


↓フロアー・プレートです。パテントの表示「U.S. PATENT 6,055,758」は、先ほど触れましたフロアー・プレートの製造過程・機能性についてのモノです。グーグルなどで検索すればどのようなものか詳しく分かりますので、より深く追究してみたい方はどうぞ。ここでは割愛します。画像左側に「342」と、前オーナー?が引っ掻いて書いた番号があります。


↓ここからはマガジンを分解していきます。まずフロアー・プレート中央から覗くフロアー・プレート・リテイナーのスタッド部分を下へ押さえつけてロックを解除して…



↓フロアー・プレートを前方へスライドさせます。


↓後ろから見ると、この状態から...


↓この状態になります。


↓更にフロアー・プレートを前方へスライドさせて…


↓フロアー・プレート・リテイナーをバネのテンションで飛び出してこないように指で押さえてフロアー・プレートを取り去ります。もう取り去ってますが。


↓フロアー・プレート・リテイナーのスタッドは別部品ではなく凸に加工されているだけの「一体モノ」です。


↓マガジン・スプリングにこの様な方法で結合しています。


↓あとは引き抜いてバラすだけです。


↓このようにフロアー・プレート・リテイナーのスタッドがフロアー・プレートの真ん中の孔に噛み合うことによってフロアー・プレートが定位置に固定されます。


↓はい、解剖図です。


↓はい、一応反対側(裏側)もご覧ください。



以上、M9ピストルのマガジンの分解・解剖図(Anatomy & Disassembly method of the Magazine for M9 pistol)でした。
いかがでしたか?

近年実銃関係のアクセサリー・付属品の価格はどんどん高騰していますし、当地大阪では入手機会がなかなかありません。
個人輸入の道は阻まれて久しく、大昔入手したモノを維持・保存する事しかできません。M9の実銃マガジンはこれ一つしかコレクションしていません。大事にしたいと思います。

銃本体の輸入禁止は当然ですが、マガジンくらい何とかならないものでしょうか。業者による軍払下げ品の国内での販売・購入・所持は良くて、同じモノを海外から個人輸入するのはダメという趣旨が分かりません。軍が持ち込んだモノで、特に危険なモノでなければ良いということでしょうね。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。ありがとうございました。



  

Posted by Sgt. Saunders at 14:37Comments(0)Fire arms

2018年03月18日

トンプソン短機関銃用30連マガジン(Thompson SMG 30rds. Magazine)

みなさま、こんにちは。
日中の気温が20℃を超えて4月下旬並みの陽気になったかと思えば、雨の後また一気に最低気温が2℃になり、翌日は日中15℃まで気温が上がり、まさに三寒四温で春の訪れを迎え、桜の開花予想が3月21日とされる当地大阪から、定刻通り隔週日曜日の正午にお送りいたします。
もう連日の報道で皆さんもウンザリかもしれませんが、森友文書の「書き換え」、一体どこまで解明されるのでしょう。「適当な落としどころで」何となく有耶無耶にされてしまうのでしょうか。私は綺麗に事実が解明されることを信じたいです。どこまで責任が追及されるのか、日本がまだまともな法治国家であるのかどうか、見極めることのできる機会です。注視したいと思います。

さて今回お送りしますのは前々回から続いておりますトンプソン短機関銃絡みで「トンプソン短機関銃用30連マガジン(Thompson 30rds. Magazine)」です。
前回のトンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)でも申しましたが、わが日本国では軍用銃実銃は持てないので、せめてアクセサリーだけは実物をと言うことで、もうかなり前にアメリカのミリタリー・アンティーク・ショップから入手しました。

↑銃は前回同様MGC製のモデルガンです。

↓敬愛するTV映画「COMBAT!」中のサンダース軍曹に憧れてましたので、MGC製モデルガンに附属していた20連マガジンではなくこの長い30連マガジンが長年ウォント・リストにあり、かれこれ15、6年前くらいにやっと実物で入手出来たのでした。


↓全体的に擦れ・傷がそれほど多くなく、錆も無く、ブルーがほぼ良好に残っているので気に入っています。


↓クロスビー社製(The Crosby company)であることを示す「大きいCの中に小さいCO」の刻印と「U.S.-30 CARTRIDGE-CAL .45」の表記。このクロスビー社製のモノにはバージョン違いが4種あります。表記中にピリオドが全く無い最初期モノ、刻印最後部の「.45」の「.」(ピリオド)が「CAL」の直ぐ後についている2期モノ、「CAL」と「45」の丁度真ん中についている3期モノ、「-30」と「CARTRIDGE」との間が詰まっている最終期モノの4種です。

この個体は「CAL」の直後にピリオドがあり、「-30」と「CARTRIDGE」との間に広くスペースがありますので2期モノである事が分かります。
30連マガジンは他にオート-オードナンス社(Auto-Ordnance Corp.)、スパークス-ウィシントン社(Sparks-Withington Co.)、シーモア社(Seymour)が製造していました。因みにCrosby社ですが、現在もなおニューヨークで金属加工全般を扱う会社として事業継続されてます。

↓マガジン上端とフォロワーの拡大(前部)。リップ前面がホンの少し垂直面で削られているのがお分かりいただけますか?これはクロスビー社製の初期製造分はこの部分がちょっとだけ長過ぎて、M1トンプソンで用いた時に送弾不良の原因となる例があり、オーガスタ造兵廠(Augusta Arsenal)で研削・改良されて用いられました。


↓マガジン後面です。マガジン・キャッチが嵌る穴が真ん丸ではなく円を少し上下に重ねたような形になっています。


↓フォロワーから後ろへ突き出ているタブは、実銃ではマガジンが空になった時にレシーバーのトリップを下から押し上げてトリガー・ピンを軸に回転させ、ディスコネクター・スプリングを圧縮し、シア・レバーの前方でディスコネクターをホールドして、ボルトをストップさせます。MGC製のトンプソンにはトリップなんかは再現されていませんので役に立ちません...。

このタブはフォロワーの一部分をただ単純に切って折り起こしているだけです。その折り起こしている根本に見えている直径1.5mm程の丸い孔、応力緩和孔なのですが、この孔はオート-オードナンス社製のマガジンには無いんだそうです。

↓フロアー・プレートです。この個体のように凹凸のディンプルがあるモノと無いモノとがあります。凹凸のディンプルが何のためにあるのか、今般いろいろ調べましたが分かりませんでした。単純に強度向上のためではないかと個人的には思います。



実銃のマガジンも、ダミー・カートと並び、もうこの10年程は個人輸入はまず無理ですね。もっとずっと昔は結構緩くて?何ともなかったのですが…。
マガジン・パウチ、ポケット類を入手すれば、やはり実物マガジンで埋めたいと思うのはコレクターの性?で、マガジンを入手すれば次はダミー・カートで満たしたいな...と、欲望が段階的に発展していってしまいます。
しかし最近は、と言いますか、齢を重ねるごとに物欲よりも知識欲の方がより一層増してきています。
ネットで他の方々のコレクションを見ているうちに、自分の手中に置いておく必要があるのか?他の方々が歴史的遺物として大事に保管保存するほうが、私が持ち続けるよりも良いのではないか?とも考えるようになってきました。
でもまあ「コレクター」でもあり、また、人さまの前に出るか自分の世界の中だけで悦に入るかの別はあるにせよ「コスプレイヤー」でもあるならば、モノとして持っていないと目的が達しえない訳で、ある程度自分のコレクション・リストに従って蒐めて行くことになろうと思いますが、あくまでも「ある程度」です。稀覯品を追い求めて必死になることはしんどいですし、私などはまず何より財力の問題で無理ですね。

それではこの辺で失礼いたします。次回またトンプソン絡みの記事になるのでしょうか?
うまくいけば2週間後にお会いしましょう。さようなら。








  

Posted by Sgt. Saunders at 11:59Comments(0)Fire arms

2018年03月04日

トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)

みなさんこんにちは。
弥生三月、早いですねー月日の経つのは。平昌オリンピックも無事終わりました。しばし国内外の諸問題からは目を逸らすことが出来ましたが、再びイヤでも現実の世界に目を向けなければなりません。北の核、シリア、エルサレム、TPP、加計、働き方、談合、基地、データ改竄などなど。うんざりしますが。

さて前回のトンプソン短機関銃用の20連マガジン・パウチ(Thompson 5-Cell 20rds. Magazine Pouch)に誘発されて今回お送りしますのは、
M1928A1トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)の、大昔製造されたMGC製のモデルガンです。決して無可動(不稼働)実銃ではありません。実銃の記事を期待された方には大変申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。
何しろ私儀一介のプロレタリア階級コレクターですから、無可動(不稼働)実銃をそうやすやすとは買えず、大昔製造されたモデルガンの紹介で我慢して下さい。

↓M1928A1トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)、(通称トミー・ガン)のMGC製モデルガンです。せめてアクセサリーは実物を...と30連マガジンとNOBUCKLスリングを装着しました。マガジン・キャッチ、ファイア・コントロール・レバー、セイフティのある賑やかな左側面です。

本来MGCのトンプソンに附属しているマガジンは20連なのですが、サンダース軍曹に憧れていますので普段は実物30連マガジンを装着しています。附属していた20連マガジンが現在行方不明です。実銃の採用当初は、マガジンは20連のものと50連のドラム・マガジンの2種だけでした。30連マガジンは少しあとで開発されます。

↓トリガー周りの拡大です。トリガーの前方から上、後方に掛けて伸びているのはマガジン・キャッチ。その右上に位置しているのがフル・オート(FULL AUTO)射撃かセミ・オート(SINGLE)射撃かを切り替えるためのファイア・コントロール・レバーです。つまみ自体を向けた方が選択されますので、画像の状態ではフル・オートが選択されていることになります。その後方のやや長いセイフティ・レバーも同様で撃発可(FIRE)状態になっています。

上部レシーバー側面の刻印が「MODEL OF 1921」となっています。これでは米海軍/海兵隊が第2次大戦の起こるはるか前に、発射サイクルを毎分800発から600発へ落とし、フォア・グリップを縦の握把型から水平型へ変え、銃口にカッツ・コンペンセイターを付けて「U.S. Navy, Model of 1928」として制式採用することになる前の「Model of 1921」の原型そのままの状態を再現したモデルガンになってしまってます。
実銃ではこの「1921」の末尾の「1」の上に「8」の刻印を被せて打ち、「Model of 1928」と表示しました(当初からの1928刻印も当然存在します)。同じ頃一方の米陸軍は、戦車やスカウト・カーなど騎兵科の機械化車両の増強期にあり、トンプソンはそれらの車両に搭載する兵器として適していると見、1932年3月に「non-essential limited procurement(不要不急限定調達物資)」として採用します。
しかし丁度同時にセミ・オートの新型ライフル(M1ガーランド)の開発が進められていたので、その支給開始を待つ方が良いと判断し、騎兵科としてはそれほど目立ったトンプソンの調達は行わなかったのでした。M1ガーランドが制式採用・支給開始となって間もなく、よりコンパクトでファイアー・パワーの大きいトンプソンの方が兵器として優れていると判り、1938年9月トンプソンを「Limited Procurement(限定調達物資)」から「Standard(正式採用物資)」へ変更し、名称も新たに「Submachine Gun, Caliber .45, Model of 1928A1」として制式化しました。しかしそれでもなおトンプソンは騎兵科用の予備的兵器としての格下扱いを受け、歩兵用兵器としての潜在的な価値はほとんど考えられていませんでした。生産数が増加し始めるのは第2次大戦が勃発してからです。

↓その後方にあるMGCオリジナル刻印(凸モールド)。実銃では「THOMPSON SUBMACHINE GUN(改行)CALIBRE .45 AUTOMATIC CARTRIDGE」となるところです。


↓マガジンの先端とフィーディング・ランプとのクリアランスが結構開いていて、大丈夫かなと思いますが、これが大丈夫なんですね。エキストラクターは外観だけを凸モールドで模したものになっています。マガジンの前と後ろにあるレシーバーの切り欠きは、ドラム・マガジンを銃の真横から水平にスライドさせて装着するためのガイドです。


↓カッツ・コンペンセイター(Cutts Compensater)の形状はまあまあよく再現されています。コンペンセイターとフロント・サイト(照星)を兼ねています。実銃ではパテントの表示やら「トンプソン」の商標やらの刻印がウジャウジャあります。しかしまぁ亜鉛合金への黒染が剥げまくってかわいそうです。


↓右側面です。雲形定規のようなピボット・プレートがある側で、右側面に比べるとやや静かな印象です。


↓ピボット・プレートは、これもまた凸モールドでうまく再現してあります。マガジンのすぐ後方にあるスプリング・ピンは実銃にはありません。MGCはマガジンのストッパーとしてここにピンを打ち込んでいます。画像ではその左下のマガジン・キャッチのピンにEリングが掛けられていますが実銃ではEリングなんかはありません。レシーバーに全く刻印がありませんが、実銃ではメーカー名やパテント表示がたくさんあります。


↓フォア・グリップです。スリング・スイベルが下面に設えられています。イギリス軍はここを縦型のピストル・グリップ型の握把のままで採用しましたが、米軍はこのように水平型のものに変更させて採用しました。


↓リア・サイト(照門)です。いわゆるライマン(LYMAN)・サイトで、倒すと近接照準の50ヤード、起こすと600ヤードまでの照準を合わせることが出来ます。これも良く再現されています。サブ・マシンガンにこのような高品質のサイトを載せるのはこの時代ならではの事です。


↓近接戦(50ヤード)での照準の見え方です。


↓起こした時の見え方。リア・サイトの向こうのアクチュエイター(ボルト・ハンドル)とその切れ込みを通してフロント・サイトが見えるようワザとサイティング・ラインを外して見ています。

ネジを廻したりして調整が可能か?と思うほどパッと見は結構素晴らしいですが、サイト調整は全くできません(上下左右とも動きません)。

↓バット・ストック下面のスリング・スイベル。イギリス軍のモノはストック上面にスリング・スイベルが設けられました。


↓マガジンを取り去るにはマガジン・キャッチのこの力点部分をを親指で…


↓上へ押し上げると、太い大きなピボット・ピンを支点にしてマガジン・キャッチの作用点たる爪が後方へ引っ込み、マガジン後面の穴から外れてマガジンを引き抜くことが出来ます。


↓マガジンを抜いた状態で斜め前から見てみますと…


↓よくお分かりいただけると思います。


↓赤い矢印で示しておりますようにマガジンの背部の穴にキャッチの円い爪が噛みこんでマガジンを装着固定する仕組みです。


↓マガジン背面と銃のフレームとの結合は鳩尾継ぎのように噛み合います。


↓この鳩尾継ぎは、一般的な箱型マガジンと銃本体との結合にはあまり他に例を見ません。大抵の箱型マガジンは、銃本体のマガジン・ハウジングにただ突っ込むことにより装着・結合させますが、トンプソンの場合は箱型マガジンのほかに、ドラム・マガジンも銃の横から水平にスライドさせて装着させられるような構造設計が求められたため、箱型マガジン用のマガジン・ハウジングを設けられませんでしたので、このように少し特殊な結合構造・形状となりました。


マガジンとスリングについても触れたかったのですが、また後日改めての投稿といたします。

私がWWⅡ米陸軍装備に興味を持つキッカケとなったのはTV映画「コンバット!(COMBAT!)」なので、自ずとサンダース軍曹の持つM1928A1にも興味が湧き、当時MGCというトイガン・メーカー製の今回採り上げたモデルガンが欲しくてなりませんでした。が、所詮プロレタリア階級の身でありますから購入までにはそれ相当に時間を要しました。どこかのトイガン・ショップでの歳末かお盆?の大売り出しかで通常より安く売りだされているのを見て思い切って買ったのを思い出します。
モデルガンを発火させる(火薬をセットした専用カートリッジを撃発させて遊ぶ)のは品がない...未発火のまま鑑賞するのがワンランク上のマニアだよ...みたいな世界がモデルガン・マニアの間にあった時代でしたが(いまでもそう?)、やはり私はサンダース軍曹のように「デケデケデケデケデケデケッ...」とぶっ放したい衝動に駆られ、少しでも安くCPカートを手に入れて(常時定価の20%オフで販売していた、どこのお店だったかなー?やまもと?明和模型?ちょっと忘れました。)、MGキャップを一つづつセットして、手で一発づつマガジンに詰めて…...。やがて訪れるであろう興奮のピークを待ちきれず拍動が速くなるのを感じながら…。今でも想像しただけでワクワクします。
チェインバーとマズルは繋がっておらず、発火させてもマズル・ファイヤーは再現できませんが、発火炎を見たくて窓のカーテンを閉め切って部屋を真っ暗くして20連を一気に発火させたのを思い出します。エジェクション・ポートからのフラッシュは青白く見えました。床に座ってやったのですが、天井までカートが飛んで行き、危うく照明の蛍光灯が割れそうになってビビりました。私が入手したのは平玉火薬カートではなく、もうすでにCPカート仕様で回転は快調でしたね。


余談ですが、日本版Wikipediaでの「トンプソン・サブマシンガン」の「歴史」の項の中で、引用先として挙げられている“Thompson Submachine Gun: The Tommy Gun Goes to War”. American Rifleman. NRA ”の原典を見ると、何という事でしょう!私が今回の投稿で参考にさせていただいたBruce N. Canfield氏著「U.S. Infantry Weapons of World War II」におけるトンプソンについての詳解文の内容を、修飾語の意味が違わない程度に省略・換言したり、能動態を受動態にしているだけで、パクリと言われても文句が言えないような記述内容となっています。Wikipediaのトンプソンを読んでいて「あれ?前に読んだような気がするぞ?」と気がついたのですけれども、ひょっとしたらBruce N. Canfield氏はNRAの会員で、転載・引用をお許しになっていたりするのでしょうか。それならば全然いいんですけど。
もひとつ余談ですが日本版Wikipediaでの「トンプソン・サブマシンガン」のトップに「戦時中に生産されたトンプソン M1928A1」として掲載されている画像のモノは、どう見ても今回採り上げたMGC製のモデルガンの画像のように見えるのですが。こんな事でいいのでしょうか?

それでは今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。






参考文献:Bruce N. Canfield氏著「U.S. INFANTRY WEAPONS OF THE WORLD WAR II」(Andrew Mowbray Inc.出版)

  

Posted by Sgt. Saunders at 08:59Comments(2)Fire arms

2016年11月05日

M16系用20連マガジン(20 rds. Magazines for M16 Rifle ancestry )

皆さま こんにちは。
当地大阪は、朝晩などには思わず「寒っ」と口にするような季節になりました。今朝の気温は6度!秋を通り越して冬ですね。
拙宅の周りの木々も紅葉が進んできました。
WWⅡETOコスプレがやり易くなる季節の到来を嬉しく思います。

さて、今回の投稿も諸般の事情が重なった結果、前回投稿からまた1カ月超も経過してのものとなってしまいました…。
今回採り上げますのは、私の「実銃は持てないのでせめてアクセサリーを・・・」コレクションから、AR-15ライフルを米空軍が1964年にM16として制式採用し、また、陸軍が同年AR-15にフォワード・アシストを加えてXM16E1として限定採用し、1967年にはM16A1として制式採用しましたが、それらを含む、いわゆるM16系ライフル用の20連マガジンです。

まずはこの画像を。

5.56×45mm NATO弾(元祖は.223レミントン弾)を20発収めるM16系ライフル用の20連マガジン、10連クリップとダミーカートリッジ、マガジン・ローダー(←過去記事にジャンプします)です。

↓マガジンに接近。アルミ合金製で、表面は艶消しグレー色の光反射抑制・腐食防止のための陽極酸化処理がなされていますが、その被膜がエッジを中心に剥げてきています。


↓コレクションの中から2つをピックアップして見て行きます。

フォロワーはどちらもアルミダイキャスト製です。画像ではあまり差がないように見えますが、左の方はやや明るめの、右の方は鈍いグレイ色です。

↓銃に装着したときに後ろにくる面です。マガジン本体を形成するアルミ合金板がこの面でスポット溶接されて合わされています。


↓底部、フロア・プレートです。

↓文字が読みにくいので反時計回りに横に置きなおしました。上の右のモノが上、上の左のモノが下です。

表記は2行目以外は同じです。2行目は、上のモノが「CAL. 5.56MM」、下のモノが「CAL. .223」となっています。どちらも口径(caliber)を表したもので、ミリ表示かインチ表示かの違いです。一般的に1968年以前製造されたモノが「.233」表示、1969年以降製造分は「5.56 MM」表示になっているといわれています。
因みに米陸軍は1963年に.223レミントン弾に若干の改変を加えられたものを「5.56mm Ball Cartridge, M193」として制式採用しますが、のちには「5.56 NATO」として「7.62×51mm NATO」に続くNATO弾として採用されることになります。

↓2つをピックアップして見ていきます。銃に装着した場合に前側にくる部分の下端の拡大です。メーカー・ロゴマークと径2~3mmの凸が見えます。この凸は暗闇でもマガジンの前後が分かるようにと設けられたモノだそうです。マガジンのこの位置のほか中程と上端付近の計3つあります。

「UとI」もしくは横にすると「CとH」を組み合わせたように見えるこのマークですが、これらのマガジンの実質的製造者であり、サブ・コントラクターである「Okay Industries」の下部部門「Universal Industries」のUIを図案化したマーク」とする説と、「Colt のCと所在地HartfordのHを図案化したマーク」とする説があり、どっちが正解かどちらも間違いか、実はまだ知りません・・・。個人的には前者が正解ではないかと思います。

↓もう一度フロア・プレートを。「.223」と「5.56mm」の違いのほかに、微妙に書体(フォント)が違っていたり、Colt社のお馴染みの『〇の中の跳ねポニー』が微妙に違ってたりします。


↓持ってる20連マガジンを全部並べました。かなり使い込んだモノ、比較的新しいモノ、さまざまです。


↓アルミ合金製ですが、思いのほかリップの変形などはあまりありません。ちょっと意外です。


↓以前の投稿でも登場しました20連マガジン用の新旧マガジン・パウチ(ケース)。左はM1956(コットン)、右はM1967(ナイロン)。どちらも4本収納できます。


↓収納するとこんな感じです。右のM1967の方の左端とその隣のマガジンとの間にOD色のストラップが飛び出ていますが、このストラップを引き上げると左端のマガジンが上方へせり上がる様になっています。4本のマガジンが結構タイトに収納されているので、最初に一個取り出すときに少しでも素早くサッと引き出せるようにしてあります。過去記事の真ん中辺りを参照下さい。


ヴェトナム戦装備に興味が沸き、「兵士の基本的個人装備として上のマガジン・パウチを両腰に2つ着ける、ということは最低8個はマガジンを集めねば...」という強迫観念に囚われて、兎に角20連マガジンを必死で蒐めまくったのは実は最近のことです。

ずぅ~っと昔、ミリタリーの世界にWWⅡ装備品から目覚めた私は、その頃未だヴェトナム戦争モノには食指は動くことなく、当時この20連マガジンは「沖縄アメリカ屋」さんなんかで1個1,500円程度だったように思います。それが昨今オークションでも最低1個4,000円くらいはしますね。確実にデフレが進行しているのか、単に希少品になってきたのか、日銀の黒田さんはどう思うでしょうか。

さて、2013年6月に始めました当ブログ、今朝方にアクセス数が3万を超えました。ありがとうございます。
基本的に「見て貰えたら嬉しい」性格ですので、やはり皆さまからアクセス頂けるのはとてもありがたく嬉しく思います。これからもどうぞ忌憚のないご意見・間違いのご指摘をよろしくお願い申し上げます。

それではまた次回お会いしましょう。




  

Posted by Sgt. Saunders at 11:29Comments(0)Fire arms

2015年10月25日

US M7 グレネード・ランチャー(US M7 Grenade launcher)

こんにちは。
本当に秋のいい季節を満喫できるお天気が続いております大阪からお送りしています。
本日は「第5回大阪マラソン2015」が大阪市内で開催されています。私も過去ボランティアで給水コーナーや沿道整理のお手伝いをやったことがありますが、走ったことはありません。ランナーの皆さん、頑張って下さいね。

さて今回の投稿ネタはWW2中に制式採用されたライフル・グレネード・ランチャー(本当は『ローンチャー』)のひとつ、M1小銃(ガーランド)用の「M7 グレネード・ランチャー」です。日本語では「擲弾発射器」となります。
M1小銃が制式化される前のM1903小銃(スプリングフィールド)やM1917小銃(エンフィールド)にはそれぞれM1、M2グレネード・ランチャーが開発・制式化されていました。それらの小銃がM1小銃に更改制式されたのに伴いこのM7グレネード・ランチャーが生まれました。とはいえ、M1小銃が制式化されたのは1936年であったものの、全軍で完全に置換されるのはもっと後の1942年以降で、それまでの間はM1小銃用のグレネード・ランチャーはありませんでした。

↓まずご覧下さい。M7グレネード・ランチャーを使ってのM11A1練習用対戦車ライフル・グレネードの発射訓練写真です。

グレネードがランチャーに被さっててランチャー本体がほとんど見えてませんね。グレネード本体にぐるぐる巻き付けられて射手前方へと繋がっているロープはグレネード回収時に手繰り寄せるためのモノです。

↓向きが左右逆ですが、このようになっています。ごちゃごちゃした背景には目をお瞑り下さい...。


↓細かく見て行きます。全景です。表面はパーカライジング処理されています。


↓グレネードを挿す部分。先端から1cm程のところに巻きつけられているコイル・スプリングは、グレネードが装着された時に適度なテンションを与えて、グレネードが抜け落ちないよう保持するためのモノです。「6」から「2」の数字が付された線は、グレネード発射の際の飛距離等に応じて、グレネードをどの数字に合わせて装着するかを示す線です。「1」の字がありませんが、右端の線が「1」になります。過去記事「M15グレネード・ランチャー・サイト」をご参照ください。


↓例えば、上記のM15グレネード・ランチャー・サイト付属の射程表で「3」と指示されたらこのように「3」の位置にグレネードを装着します。


↓銃への取り付け側。M1小銃(ガーランド)への装着は、バイヨネット・ラグとガス・シリンダー・プラグの穴を使います。


↓M1小銃の銃口をランチャー本体へ入れようとすると必然的にガス・シリンダー・プラグの穴にランチャーのスタッドが入ります。


↓このように嵌め込んで...、


↓装着できました。


↓バイヨネット・ラグへは、切り欠きを合わせて嵌め込み、前方へ抜けないように、スイングするロックを上げて固定します。


↓位置関係はこんな感じです。


↑バイヨネット・ラグへの固定ロックが完全に上がりきっていないのは、このハドソン製のM1小銃モデルガンの部品精度が少々低いからです。ほんの0.2mm程ですけど。

↓銃口取り付け側から覗きました。この中をグレネード発射専用カートリッジ(M3 発射カートリッジ)で発生させたガスが通ってグレネードを押し出します。


↓射出側。特にコメントはありません。


↓底面の刻印。上段の「KM」はKnapp & Monarch社の意。Knapp & Monarch社は他にもメス・キットなどの金属製品を製造していました。民生用のジャグやアイロン、洗濯機など家庭用・業務用の電気製品メーカーとしても有名ですね。

2段目「M-7 LAUNCHER」、3段目「M1 RIFLE」。
他にもFay & Scott社やH.S.M.Co.(Hawley Smith Machine Company)社など数社が製造していました。


いかがでしたでしょうか?
今回見てきましたM7や過去記事のM8グレネード・ランチャーの入手は、海外のミリタリーショップからの個人輸入で行いました。もう彼此17、8年も前になります。今でしたら多分恐らく銃砲刀剣類所持等取締法により輸入許可証が無いと通関してもらえないと思いますが、当時はすぅ~っと配達されてきました。
過去記事でも記しましたが、20年ほど前に同じくすぅ~っと入手できたM15グレネード・ランチャー・サイトを最近(と言っても4、5年前)再び輸入しようとしたら「武器の部分品だ」ということで、通してくれませんでした。照準器がダメだったら発射器はもっとダメだろうなぁと思います。ただの金属筒なんですけどね。

それでは、また次回お会いしましょう! さようなら~。



  

Posted by Sgt. Saunders at 11:09Comments(0)Fire arms

2015年10月12日

U.S. Browning Automatic Rifle, Cal. .30, Model of 1918

こんにちは。

当地大阪は、朝晩かなりヒンヤリするようになりました。とてもいい気候になってまいりました。
サバゲでもWW2ETO装備を無理なくできる環境が出来てきました。ジャングル・ファティーグやHBTユティリティとはサヨナラです。
隔週日曜日の正午に投稿完了を目指しております当ブログ、身辺に色々ありまして今回大きく遅れての新記事投稿となりました。

さて今回はWW1でアメリカ軍に採用され、その後もWW2からヴェトナム戦期まで使用された数種のBAR、ブローニング・オートマティック・ライフルのうちの一つ、Model of 1918(以下M1918と表記)BARの不稼働(無可動)実銃を採り上げます。

と、ブチ上げておいてこの画像の手前側(画像下側)のモノは、「M1919A2やないか~い」と先に自分でツッ込んでおきますね。
M1918は画像奥(上)です。しかも純粋なM1918ではなく、「M1918改M1918A2」です。追い追いご説明していきます。

手前のM1918A2はVFC製の電動ガンです。もう何年も前に世に出た製品ですが、再現度は素晴らしく高く、性能も良いです。(最近ではARROW DYNAMICというメーカーから製品化されてますね。現物を手にした事は無いのですが、外見はVFCに軍配が上がりそうな印象を受けました。)この電動ガンと実銃を逐一対比させながら見て行こうかと思ってましたが、今回は要所だけ対比していきます。

とはいえ、この2つの銃、外見はバレルに握把(キャリング・ハンドル)があるか無いかぐらいしか違わないように見えます。
無理もありません。上のM1918改M1918A2は後の1940年に改良採用されたM1918A2に用いられた折畳式二脚が後付けで装着されています。これが「M1918改M1918A2」とした所以です。

↓これはWikipediaから抜粋。

一番上のモノが今回採り上げますM1918改M1918A2の元になるM1918です。M1918オリジナルには二脚はありませんでした。フラッシュ・ハイダーを取り外し、M1918A2のフラッシュ・ハイダーと二脚を取り付けて「M1918A2化」したのが今回のM1918改M1918A2です。


↑手前へ寄せました。M1918に二脚が取り付けられ「M1918A2化」されています。また、大戦末期になってM1918A2に追加装備されたキャリング・ハンドルも付けられています。


↑レシーバー上面のマーキング。製造者はMarlin-Lockwell Corporation。Winchesterが最初に25,000挺の契約を交わし、1918年中にフル稼働に達した後、Colt社と共にMarlin-Rockwell社も生産を始めました。メーカー・マーキングのすぐ左には米軍の兵器部(Ordnance Corps)
のプルーフ・マーク。バレル基部・チェインバー部上面にも小さいプルーフ・マークとその左に兵器部の兵科章マーク。


↑レシーバー左側面。M1918A2とはマガジン・ガイドがまだ無い事、リア・サイトが異なる事(M1917エンフィールド小銃とほとんど同じモノ)が分かります。セミ・フル切り替え可能で、フル・オート時の発射サイクルは550発/分でした。


↑M1917エンフィールド小銃のモノとほとんど同じリア・サイト。1,600ヤード(1,462m)までの目盛りが切られています。ウィンデージ調整は出来ません。


↑タンジェント・サイトを起こして600ヤードに合わせてみましたの図。


↑タンジェント・サイトを寝かせると100ヤード固定のピープ・サイトが起きます。


↑バレル先端部上面。フロント・サイトに近い方から順に、「M」は製造者Marlin-RockwellのM、続いて兵器部兵科章たるフレイミング・ボム、「10 18」は1918年10月製造の意。


↑フロント・サイト・ガード。ドローイング・ナンバー「5564177」。「BRI」が何なのか?恐らく製造者を表わすものだと思いますが、今回調べましたが分かりませんでした。


↑二脚(バイポッド)を開いた状態。畳んだ状態から90度開いてグラつかないように臍(ほぞ)をはめて蝶ネジで留めるというシンプルで合理的な構造ですが、蝶ネジをかなりしっかり留めないと臍が外れます。


↑二脚の足はスキッド・タイプ。M1918A1にはスパイク・タイプの足を持つ二脚が装備されてました。先にも書きましたが、M1918には元来二脚は標準装備にはなっておらず、二脚が当初から標準装備となっているM1918A2が1940年に制式採用された折、同じ二脚を古いM1918にも着けてやれとして着けてもらったのが今回のM1918改M1918A2です。


↑二脚の片方を最大限伸ばしてみました。段階式で無く、蝶ネジで任意の長さに調節できます。レンズのせいでバレルが曲がって見えますね。


↑バレル先端の二脚取り付け部周りをばらしました。右端に見えるバレルにフロントサイト・ガードを入れ、左端にほんの少し見えているフラッシュ・ハイダー兼バイポッド・カラーをバイポッド・ベースのまん丸穴に通してバレルへネジ留めします。バイポッド・ベースはバイポッド・カラーの周りを360度ぐるぐる自由に回ります。


↑手で持っているのがフラッシュ・ハイダー兼バイポッド・カラー。二脚の無い、オリジナルのM1918のフラッシュハイダーはもっと細身です。
↓これがそれです。


↑銃と一緒に撮影するのを忘れてましたので急遽今オリジナルのM1918のフラッシュハイダーだけ撮影しました。上は手前が前方、下は手前がバレル先端取り付け側(雌ネジが少し見えています)です。長さは9.7cmほど。レンズのせいでテーパーが掛かっていてラッパ型のように見えますが、円筒形です。


↑バレル先端を覗いて見ても・・・無残にも鉄材が熔かし込まれてしまっていて、ライフリングの痕跡は見えません。


↑レシーバー右側面。エジェクション・ポート(排夾孔)からボルトとボルト・ロックが見えます。


↑ボルトにプルーフマークがあるのが分かります。


↑マガジン挿入口から覗くとボルト下面が見えます。レシーバーにしっかり熔接されています。


↑バレル下部のガス・シリンダー先端のシリンダー・ロックでガス圧の調整が出来ます。


↑元来M1918には無かったキャリング・ハンドル。後に制式化されたM1918A2においても当初は標準装備ではありませんでした。M1918A2のバット・ストック(銃床)が木製からベークライトへ変わったあと大戦末期に銃の携行の便に供するためキャリング・ハンドルが取り付けられるようになり、前モデルたるM1918にも同じように取り付けられました。


↑バット・ストックはウォルナット材製。M1918A2と違って、モノポッド用のネジ穴はありません。スリング・スウィベルだけがあります。


↑バット・プレート。M1918A2のようなショルダー・レスト(肩乗せ板)はありません。


↑バット・プレートの円い扉を開けるとオイラーなどを収める空間があります。奥にはバット・ストックを銃に固定するためのバット・ストック・ボルトがあります。


↑電動ガンのM1918A2(上)とM1918改M1918A2(下)。フォアアーム(前部握把)の長さがM1918A2では短くされました。箱型マガジンには30-06弾が20発入ります。下のM1918のマガジンはWWⅡ時代のモノでパーカライズ仕上げですが、もうかなり剥げてきています。銃の表面仕上げは、M1918はブルー仕上げ、M1918A2はパーカライズ仕上げでした。因みに上の電動ガンにキャリング・ハンドルが付いていませんが、私が取り外したのであって、購入時にはちゃんとセットになってました。


以上駆け足ですが縷々見て参りました。「BAR」と言えば過去記事「M1937 BAR用マガジン・ベルト(BELT, MAGAZINE FOR B A R, M-1937)」「BARのマガジン(The magazine for BAR M1918)」でも触れましたが、TV映画「COMBAT!」のカービー一等兵がまず最初に頭に浮かびます。長くて重くて取扱いが大変だけど頼りがいのある「相棒」という感じが良く再現されていましたね。実際兵士たちの多くがこの銃に対して「大いなる信頼」、「畏敬の念」を持っていたことが色んな戦記等で明らかになっています。
手にすると、やはりズッシリとくる重みが凄みを伴って畏怖の念を持たせます。

WWⅡUS装備ファンの身としましては、M1カービン、トンプソン、M1ガーランドと入手してくると、次はBARを、となるところ、このM1918を入手した十数年前はまだBARはトイガン化されておらず、オークションで比較的廉価で出ていたこの不稼働(無可動)実銃を落札・購入したのでした。今ならもっと廉価で十分鑑賞にも耐えうるトイガンが出ていますね。サバゲでも一時はWWⅡUS勢はトンプソンだらけということがありましたが、M1ガーランド、M1カービン、そしてBARも出揃い、「COMBAT!」も容易に再現出来て良いですねぇ。

それでは、また・・・。





本記事上のデータはBruce N. Canfield氏著「U.S. INFANTRY WEAPONS OF THE FIRST WORLD WAR」(Andrew Mowbray Inc.出版)から引用しました。  

Posted by Sgt. Saunders at 08:04Comments(0)Fire arms

2015年08月09日

US M8 グレネード・ランチャー(US M8 Grenade launcher)

こんにちは。
今日は長崎に原爆が投下された日からちょうど70年になります。
毎年この日はその犠牲者の追悼式典が開催されます。原爆の、兵器としての非人道性云々の議論も重要ですが、戦争そのものの犠牲者は、戦地においても内地においても、敵も味方も、結局は大勢の「一市民」であることを忘れることなく安全保障法制について論じる必要があることを肝に銘じていたいと思います。

さて、今回定時を半日遅れで投稿しますのは、前回の「M15 グレネード・ランチャー・サイト」つながりで、M8 グレネード・ランチャー(擲弾発射器)についてです。

M8グレネード・ランチャーはM1カービン銃系用のグレネード・ランチャーです。

↑スプリングフィールド小銃用のM1や、エンフィールド小銃用のM2と同じく、銃身先端にクランプで取り付けるシンプルな構造です。
上面には「1」から「6」の数字があります。グレネード発射の際の飛距離等に応じて、グレネードをどの数字に合わせて装着するかを示すものです。前回記事「M15 グレネード・ランチャー・サイト」で触れていますのでご覧下さい。


↑下面です。


↑このようにM1カービンの銃身先端に合わせてクランプ留めします。


↑こちら側を銃身先端に被せます。


↑正面から。


↑先端部。先端の黒っぽい部分がナットで、すぐ後ろにあるスプリット・リングを留めています。このスプリット・リングが、グレネードが装着された時に適度なテンションを与えて、グレネードが抜け落ちないよう保持します。M8グレネード・ランチャーには大別してこのスプリット・リング&ナットバージョン(EARLY MANUFACTURE:初期製造分)と、このスプリット・リングとナットを廃し、代わりにM1ライフル用のM7グレネード・ランチャーのように、ランチャー本体の切り込みにコイル・スプリングを入れて、同じ役割をさせているバージョン(NEW MANUFACTURE:新製造分)の2つのタイプがあります。前者は10万4千個余りが製造され、後者は1943年の12月には既に設計図が出来、1945年8月までに約28万3千個が順次製造されました。


↑1,2,3,4,5,6,と来て「7」となりそうなところの黒くて割れ目の有るのが上述のスプリット・リングです。本体よりもほんの僅か径が太くなっていて、グレネードが抜け落ちない程度のテンションが掛かります。


↑クランプ部品の拡大。左端に☆の中にRのマークと「GRENADE LAUNCHER M-8」の刻印があります。☆にRのマークはReliance Machine & Tool Company社のモノです。

以上見て参りました。私がこのランチャー(くどいですが、本来の発音としては「ランチャー」ではなく「ローンチャ」がより原語に近いので、英語で話す時は留意して下さい)を入手したのはもう15年ほども前になります。
現在ならば個人輸入は恐らく不可能だと思われます。前回のサイトですら1年前位に個人輸入しようとした時「銃の部品である」という理屈でハネられましたからね。

それでは、また・・・。


  

Posted by Sgt. Saunders at 23:41Comments(0)Fire arms

2014年05月11日

M1カービン・マガジン 近時入手分(M1 Carbine Magazines(Recent Acquisition)

こんにちは。
きょうは母の日。みなさんはお母様に何かして差し上げたり感謝の言葉を贈ったりされるのでしょうか?実は私はまだどうしようかと考え中です。

さて今回は以前ご覧いただいたM1カービン用15連マガジンの記事の投稿後、新たに入手できた15連マガジンをご紹介します。

製造者刻印「(SP)(Standard Products社 )」と「LU(Underwood社)」です。


↓左から「U(Union Hardware)」製が2つ、「LU(Underwood)」、「U-S'G'(Saginaw Steering Divison of G.M:ゼネラルモーター社サギノー・ステアリング部)」、「SW(Stanley Works)」、「(SP)(Standard Products )」。


これでM-1カービン用15連マガジンの製造者(20者位にのぼるのだそうです)のうち、やっと5者に及びました。まだまだ途遠しです。

今回はこれにて失礼します。今までで最小ボリュームですね・・・。



  

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2014年04月13日

B.A.R.のマガジン(The magazine for BAR M1918)

みなさんこんにちは。
今回は久しぶりに装備品をやろうかなと思っていましたが、撮影した写真に日付を入れてしまっていた関係で、あまり日時を開けずに公開した方がなんとなくいいかなと思いまして、今回もまた銃器関係モノを・・・。

↓まずこれをご覧ください。

これはM1918 ブローニング・オートマチック・ライフル(Browning Automatic Rifle)【↑Wikipediaにリンクします】用のマガジンを上から撮影したものです。BARについては今更私がここで説明する必要はありませんね。ご存じないかたはWikipediaをご参照ください。画像の通り複列式弾倉です。30-06弾が20発入ります。

私とBARのファースト・コンタクトは、やはり田宮模型のミリタリー・ミニチュア・シリーズのアメリカ歩兵G.I.セットで、セカンド・コンタクトはTV映画「COMBAT!」の「カービー1等兵の銃」でした。TVでは、ややくぐもった「ドンドンドンドン・・・」という連射音が印象的で、20連射がきくことで実戦においてもBARに対する兵士からの信頼が厚かったと聞きます。
今回はそのBARのマガジンです。銃本体についてはまたの機会に。


↑この個体はパーカライジング仕上げです(もうかなりハゲて来ていますが)。30-06がテーパーのあるライフル弾ですので、底面は尻下がりの斜めになります(画像の右方向が銃口側になります)。


↑その底面。銃口の方向は上の画像とは逆です。


↑さらに拡大。「S」の刻印があります。これはマガジンを製造していた製造者の1つ「Seymour Products」社製であることを示します。


↑マガジン後端を上から。マガジン本体は鋼板を折って、この後部で合わせ目を重ねてロール巻(上から見て左巻)処理して作られます。


↑右は上で紹介済みのモノ。左は「M1918改A2」の不可動(無可動)実銃購入時に付いてきたブルー仕上げのマガジン。


↑反対側。この左側のブルー仕上げのモノは、ブルーが綺麗に残っていますが、恐らくこれは軍用ではなく、民間向けモノだと考えています。


↑底面には刻印などはありません。他のどの面にも製造者を示す刻印等がありません。作りは軍用モノと差異はありません。


↑上がブルー仕上げのモノ、下がSeymour社製のモノ。こうして比較すると下の方はリップがだいぶ傷んでいるのが分かりますね。


↑弾を抜きました。フォロワー形状は同じです。


↑下のSeymour社製のモノには、フォロワーにも「S」の刻印があります。

おまけ↓

右2つは既に上で触れたモノです。左端のモノは何でしょう?少し短い「15発用」?

↓ヒント。底面の画像です。

答えは・・・


「VFC社製電動エアーガンM1918BAR」のマガジンでした。5564076という番号は、BARマガジンのアイテム・ストック・ナンバーです。軍用のモノにもこの刻印があるモノがあります。


↑マガジンの背中。左のモノはVFC電動ガンのモノ。右側2つが実銃用。マガジン本体を構成する鋼板の合わせ目の巻き部分の、上から1センチくらいのところに切り欠きがありますが、ここにマガジン・キャッチが噛み込んで銃に装着されます。
VFCのBARは、二脚も含めて再現度が高く、気に入っています。またの機会にM1918改A2と併せてご紹介するつもりです。

それでは今回はこの辺で失礼します。

  

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2014年04月05日

M1 Rifle (Garand) - en bloc clip #2:M1ガーランドのエン・ブロック・クリップ その2

こんにちは。
当地は桜が満開に近いです。きのう一時的に雨風が強まりましたが、なんとか耐えてます。

前回に続き、M1ガーランドのエン・ブロック・クリップについて。
この銃にまつわる話として誰もが採り上げる、装填時の「指挟み」についても考えてみたいと思います。
と言っても、私には実銃がありません。ウン十年前に入手したハドソン製モデルガンM1ガーランドで装填動作を行ってみました。

↓①まず、オペレーティング・ロッドを最後端まで後退させ、ボルトがロックされたところで、レシーバーの切り欠きにクリップ後端の凸リブを合わせてフォロワーにクリップを上からあてがい・・・、


↓②押し込みます。


↓③一番下まで押し込みつつ・・・、、(米軍のマニュアルではクリップを押し込む時に、こんな風には押し込まず、下の④の画像のように右手の小指の付け根部分をロッド後端の突起に当てて保持するように指示しています。)


↓④オペレーティング・ロッドを少し後退させてロックを解除すると、その瞬間にクリップがマガジン内で固定されると同時に、オペレーティング・ロッド・スプリングがオペレーティング・ロッドを介してボルトを前方へ進めようとするので、親指をサッと離し・・・


↓⑤それに続いて同じくサッとロッドから手を離すと・・・、


↓⑥第一弾目がチェインバーへ送られます。


↓⑦装弾完了。

指を挟む人は④の時にモタつく、単なる不器用さんだけだと思います。まぁ、一度二度はやっちゃうかもしれませんけど慣れてしまえばなんともないレベルではないかと思います。
いや、実銃だとオペレーティング・ロッド・スプリングがもっと強くて挟んでしまうのか・・・?でも発火モデルのモデルガンならば、小さいキャップ火薬の力でもボルトを後退させられるようにスプリングを弱くしてやらないといけませんが、このハドソンのM1ガーランドは非発火モデルですので、スプリングを弱くする必要はありません。実銃並みとまではいかないまでも、そこそこの強さのスプリングが使われているのではないかなと思います。

↓おまけ。激発後のエジェクション・シーン(のつもり)。


↓最後の一発のエジェクションの後、


↓フォロワーと空のクリップが見えてます。


↓ボルトが完全に後退すると空クリップがクリップ・エジェクターによって上方へ跳ね上げられます。


その際に空クリップがレシーバー等と擦れて、あるいは飛び出したクリップが地に落ちる際「チーン」という小気味のいい(?)音が出ます。この音については「残弾が無くなったことを敵兵に教えるものとなり本銃の欠点である」、「いやいや銃声砲声入り乱れ、敵兵との距離もある中では、こんな音ごとき些細なものである」などといろいろに語られているのはご存じの通りです。


本物のガーランドを一度撃ってみたいです。グアムに行けば可能だそうです。ハワイでは小口径のピストルしか撃てませんでした。
ハドソン製のM1ガーランドのほかに、上野の中田商店で買った「不可動実銃」も持っていますが、レシーバーとボルトが鋳物の一体モノのようになってるし、トリガーはスプリングが無くてブラブラ状態でいま一つ迫力に欠けています。ストックへの検査官のカールトゥーシュが残っていたりして、そこには唯一「実銃感」を得ることができますけど。

エン・ブロック・クリップから少し脱線しました。申し訳ございません。
お付き合い下さり有難うございました。それでは、また・・・。
  

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2014年03月23日

M1 Rifle (Garand) - en bloc clip:M1ガーランドのエン・ブロック・クリップ

こんにちは。
当地大阪はただいま気温14度。風はほとんどなく穏やかな春の日の未の刻過ぎでございます。

さて今回はWWⅡ米軍ファンならば親しみ深いM1小銃(M1ガーランド)の「エン・ブロック・クリップ(en bloc clip)」についてほんの少し触れたいと思います。


↑接写のせいで立体感がなくて恐縮ですが、WWⅡ米軍ファンならばせめて1組は持っていたいと思うであろう8発1組クリップ。

遥か昔、かのモデルガンメーカー、ハドソンがM1をダミーカート・モデルで発売した時に別売りアクセサリーとして販売してたのが4,000円でした。当時の私にとって高嶺の花でした(今も)。いまは色んなチャンネルで、もう少し安く手に入りますね。
とは言え、クリップもダミーカートの方も近年製造の民生用のモノであったと思われます。純粋にWWⅡ時のヘッドスタンプの30-06ダミーカート8発と、純粋のWWⅡ時製造のクリップでこれをセットしたとすると、当時でも今でも4,000円ではとても足りないと思います。


↑8発を1クリップでただ挟んでいるだけの構造です。また、上下の区別は不要です。


↑特に目立った特徴の無い、本当に「クリップ」です。


↑8発を千鳥配列でクリップに挟みこむのですが、このように2通りの挟み方ができます。銃への装填には何の問題もありません。
↓前から見るとこの通り。


↓ペンで示しているフォロワー・スライドが左右に自在に動いてくれるからです。




↑クリップ後ろ側の拡大。軍用・民生用のほぼ全てのモノに、この例のように真ん中の円の内側に製造者のコードが打刻されます。
この画像の例では「SA」とあり、「Springfield Armory(スプリングフィールド造兵廠)」製であることが分かります。残念ながら私の持っているモノのうちほとんどが戦後製造のモノばかりです(「BR-W(Borg Warner製)」の刻印。但しBorg Warnerは戦中も製造しており、その場合の刻印は「B-W(と、1桁の数字)」です)。可処分所得に比較的余裕がある今でしたら少々値段が張っても買おうかなと思いますが、以前はそんな余裕はなく、ともかく「雰囲気」優先で安いダミーカートとクリップを買い溜めたのでした・・・。

最後になりましたが、「en bloc」とはフランス語で「一括で・ひとまとめで」という意味だと知ったのはほんの数年前。それまでは「人名かな、商標名かな」などと考えてました。発音も本当は「エン・ブロック」よりも「ア~ン・ブロク」に近いんですと。

それでは、また・・・・・。  

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2014年02月02日

M1カービン用15連マガジン(15 rounds magazine for US M1 Caribine)

こんにちは
新年2回目となる、超ゆっくり更新については何卒ご勘弁下さい。

今回は「US M1カービン用15連マガジン」の小コレクションです。

私とM1カービンの接点は、TV映画「コンバット!」の「ヘンリー少尉が携えている武器」として見たのが初めてでした。
もちろん何回目かの再放送でのことでして、サバイバルゲームが世に出始めの頃(1980年代初め頃)。マルシンからM1カービンがエアーガンとして発売された頃と重なります。
ヘンリー少尉に限らずアメリカ人は日本人より体が大きいので、M1カービンがまるで子供用のおもちゃの小銃のように映って見えました。

で、本物のM1カービンは所持できませんので、「せめてアクセサリーだけは」とコレクションしたのがマガジンです。
昔(もう10数年以上前ですが)は入手しやすかったのですが、最近はなかなか出ませんねぇ。


↑5本並べて背面から・・・。


↑底面も分かるように・・・。


↑フォロワーも分かるように・・・。背面に2つずつある出っ張りは銃側のマガジン脱着ボタンに引っ掛けるためのものです。ご存じですよね。
また、いわゆる複列型弾倉です。


↑左の3つにはそれぞれ製造者を表す刻印があります。左から「SW(Stanley Works)」「U-S'G'(Saginaw Steering Divison of G.M)」「U(Union Hardware)」。他にもたくさんの製造者により生産されたようです(→こちら(The M1 / M2 Carbine Magazine FAQ by James Wesley, Rawles )をご覧ください)。


↑底部プレート。補強の凹みありのモノ、平らで穴のあいているモノ、大体この2種類に大別されるでしょうか。


↑実は右の2つは・・・トイガン用のモノです。右端はMGC製モデルガンM1カービンのモノ。右から2番目がCMC製モデルガンM1カービンのモノです。


最後に真上から。左端のStanley Works(SW)製のモノだけ前面の合わせ部分が上から見て右巻きになっています。これは特に仕様書では指定はなかったのでしょうか。製造時期によってもいろいろあるのかもわかりません(未確認です)。

実銃は所持できないので、これまでMGC製モデルガンM1カービン、CMC製モデルガンM1カービン、マルシン製エアーガンM1カービンを入手してきました。マルシン製エアーガンM1カービンを一番初めに入手したのですが(1983年頃でしたか)、それに付属していたプラスティック製マガジンが、実物より若干サイズが大きく作られているというのを知らず、WWⅡ時のGIのようにストックにマガジンパウチを装着した上で、マガジンを収めようとしても、パッツンパッツンで蓋フラップがきつくて閉まらなかったのを思い出します。

それでは、また。

  

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