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2014年11月30日

ERDLパターン・ブーニー・ハット(Hat, Camouflage(Tropical Combat) Type II)

こんにちは。当地大阪はお昼頃は穏やかに晴れて寒さは和らいでいます。ただいま少し曇って来まして15時50分の気温は19度と11月上旬の暖かさだそうです。
また今回も定刻を4時間ほど過ぎての投稿となってしまいました。

さて今回は、自分でも驚きましたが、初めてのユニフォーム関係のネタとなります。
投稿するにあたって、そういえばヘルメットやフィールド・ジャケット、トラウザーズなどの衣類関係を今までネタにしていなかった事に気がつきました。今後ちょくちょくネタにしていきたいと思います。

今回はヴェトナム戦時に使われた俗称ブーニー・ハット(Boonie Hat)のERDL迷彩版である「Hat, Camouflage(Tropical Combat) Type II)」です。
これが世に出る前には、ERDL迷彩ではなくOD色で虫除けネット付きの「Hat, Jungle, with Headnet 」や、それがリップ・ストップ生地で作られた「Hat, Jungle, with Insect Net, Cotton Wind Resistant Poplin Rip-Stop, Quarpel Treated, OG-107」などがあります。
いわゆるジャングル・ファティーグがOD色からERDL迷彩に移行していく流れと同じくして帽子の方もERDL迷彩になったものです。

↓まずは全景。

程良く褪色しています。入手時は使用痕がほとんどない状態でしたが、コレクションとしてではなく「日常用」に普通に使っていましたのでこのようになりました。

↓もう少し真上に近い方から。ERDL迷彩についてはここでは敢えて詳しく触れませんが(初耳のかたはひとまずこちら→Wikipediaをご参照ください。他にもいろんな方のブログやHPがあるので探して見て下さい。)、いわゆるERDLの「グリーン優性パターン」(グリーン・リーフ)の生地が使われています。


↓左側面から。通気のための非常に目の細かい「金属メッシュ・ハトメ」が両側に2つずつ設けてあります。また、ぐるりをODナイロン製ウェブ・テープで巻かれていますが、これはさらなるカモフラージュ用に植物の小枝などを挿すためのものです。

ツバは前身のモノより大きくなり約3インチ幅となり、一層日光や雨を凌ぐのに効果的です。日焼けに弱い私もこの夏野外では手放せませんでした。

↓通気孔たる「金属メッシュ・ハトメ」の拡大。結構大きいので実際蒸れを感じたことはありません。


↓裏面。目がとても細かいです。


↓頭にかぶさる帽体のてっぺんは、前になだらかに傾いています(画像左側が前です)。


↓正面から。

↓後面から。帽体の前と後ろの高さの違いがお分かり頂けると思います。


↓帽体もツバもリップ・ストップ生地製です。


↓内側です。画像の上方向が前、下方向が後ろです。


↓角度を変えての内側です。

上の画像はストロボを焚きました。↓下の画像はストロボなし。帽体のてっぺん部分は生地一枚仕立てなので裏側に迷彩柄は出てませんが、帽体側面は生地が両裏合わせで、ツバも芯を挟んで裏面も迷彩生地を当てて仕立てられていますので迷彩柄が出ています。


↓ナイロン製の顎紐があります。手の上に見えるのは長さ調節用の革製のタブです。


↓このようになっていて・・・、

↓余分な部分の顎紐を引っ張って顎にフィットさせて着用します。

顎紐として使わずに、ツバが耳に被さって聴覚が鈍くならないようにするため、顎紐をツバの縁から帽子の上に廻して、ツバが水平よりも上向きになるようになったところで顎紐を帽体の上で締める使い方をした例もあります。

↓ラベル類は後ろ側にあります。


↓まずこちら。制式名称、DSAナンバー、コントラクト・ナンバー、製造者名とサイズ表記。


↓こちらは注意書きと洗濯方法について。

曰く、「注意 最初のルース・フィットが以後の快適さのために必要です。(←注:洗濯すると縮むので最初は大きめを選べという意)」、「洗濯 部分洗いは生地を傷める。石鹸や洗剤を用いて華氏140度(60℃)の湯で洗うこと。撥水性を回復させるため少なくとも3回はすすぐこと。脱水機にかけるか手で絞ること。中温で乾燥機にかけるか干して乾かすこと。糊づけしないこと。」


この帽子は本当に実用に向いてます。夏の強い日差しの下でも、ツバが広いので頬や耳の後ろ、首筋にかけての日焼けを防いでくれますし、通気性が良いので頭皮が蒸れません。洗濯も楽で重宝しています。ただ、最近はサイズの良いモノがあまり無いのか、値段が高騰しているようです。時々eBayでも見かけますが、レプリカでは?と思われるモノもあるようで注意が必要です。

それでは今回の初の衣類ネタ、この辺で失礼します。また・・・。




  

Posted by Sgt. Saunders at 15:55Comments(0)米軍(U.S.)Headgears

2014年11月16日

5.56x45 NATO弾 装弾子(5.56x45 NATO stripper clip & mag filler )

無表情な私は誰でしょう?

裏の顔は少し笑ってる?


こんにちは。ようやくWWⅡETO装備で快適にサバゲが出来る季節となって来ました。晩秋の週末の午後いかがお過ごしでしょうか。
今回は珍しく定刻前に投稿完了出来ました。

さて今回はM16系のマガジンに素早く弾込めするのに使うクリップとローダーについてです。例によって「実銃は無理だからせめてアクセサリーくらいは・・・コレクション」からのネタです。

あらかじめカートをロードしたマガジンをバンダリアに入れて予備弾薬として携行するのが普通の兵士の姿ですが、M16A1ライフル用のバンダリアは1つのポケットに以下に出てきます10連クリップが2本づつ入れられて支給されます。そのまま最前線へ持って出て行ったのでは、ドンパチ中に空きマガジンにロードするハメになってしまいますから、最前線へ出る前に空きマガジンにカートをロードしておきます。その時に使うのがローダーです。
もちろんマガジンに1発づつ手でカートを装填することもありますが、クリップとローダーの組み合わせで一気に押し込んで装填できます。

↓今回のレシピはこちらです。

左からM16系用20連マガジン、マガジン・ローダー、10連ストリッパー・クリップとダミー・カートです。


↓冒頭の画像はマガジン・ローダー(英語ではmagazine fillerとも)のアップでした。

裏側から見ると口角が上がってて、若干笑っているように見えます。

↓表側から見ると口角が下がってて、ちょっと不気味です。やや上から見ている所為もありますが。


↓金属板を打ち抜きプレスしてリン酸塩処理(パーカライジング処理)して作られています。


↓マガジンに嵌める側(下側)です。


↓クリップを挿し込む側(上側)です。


↓製造者「G.G.G.」とドローイング・ナンバー「11010484」の刻印があります。


マガジンにカートを装填していきます。
↓まずマガジン後端に上からローダーを嵌めます。


↓マガジン側面のリブにローダーの爪が噛み合わさりますので上下に振るなどしなければ外れません


↓これでローダーのセット完了。


↓10連クリップを用意します。クリップもローダーと同じく金属板を打ち抜きプレスしてリン酸塩処理(パーカライジング処理)して作られています。


↓製造者「G.G.G.」と「ASSY(ASSEMBLY:部品)」とドローイング・ナンバー「11010483」の表記。


↓カートが滑り落ちないよう真鍮製の薄い板バネによりカート後方から前向きにテンションが与えられています。かつ、これでもかという位に、小さいベロがカートがはみ出すのを押さえているようです。


↓ローダー上部にクリップを挿し込みます。マガジンの向きを反転させました。


↓クリップが止まるとこまでしっかり挿し込みます。


↓あとは一気に上からカートを押しこみます。


↓最終弾がマガジン・リップ内に収まりました。


↓空のクリップを取り除きます。まだ10発しか装填してませんので、本来ならばもう一本クリップを用意して同じ要領で装填します。


↓ローダーを外してカート装填終了です。ローダーが嬉しそうにしています。



以上、「こんなモン誰でも知ってるわい」と言われそうなご案内でした。

これを見ていると、「サバゲの電動ガンもいいけど、モデルガンもやっぱり捨て置けないなぁ」という思いをあらたにします。
モデルガンの、火薬による撃発・排夾アクションの面白さと同様、マガジンにカートを詰める行為にも、また楽しさを感じます。久しぶりにモデルガンをブッ放したくなって来ました。

今回はこの辺で終わります。それではまた次回・・・。

  

Posted by Sgt. Saunders at 10:28Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms-Related

2014年11月03日

US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【4】(US Army Ammunition Pouch in VN War【4】)

当地大阪ではあまりぱっとしない曇りがちな天候の続く連休ですが、今朝は青空が見えます。皆さまの処はいかがでしょうか?
今回も定刻の日曜正午を大きく過ぎての投稿です。

前回コットン素材製のM1956装備(M1956 Individual Load-Carrying Equipment)のM16A1ライフル用20連マガジン・ケース(パウチ)(Case, Small Arms, Ammunition, M16A1 Rifle)について触れました。
今回はその後継となる、ナイロン素材製のM1967装備の一環としてのM16A1ライフル用20連マガジン・ケース(パウチ)、「Case, Ammunition, M-16, 20-Round Magazine」についてです。

今回ご紹介するこのM16A1ライフルの20連マガジン用のケース(パウチ)は、前回ご紹介したM1956装備(コットン)の「Case, Small Arms, Ammunition, M16A1 Rifle」に代わるモノとして1968年3月15日に制式採用されたのですが、翌年の1969年1月30日には新規に導入される30連マガジン用に開発された「Case, Small Arms Ammunition (Nylon), 30 Round Magazine (M16 And M16E1 Rifle)」が新たに採用されます。僅か10ヶ月余りで次世代モノが出たのでした。

前回ご紹介したM1956装備(コットン)の「Case, Small Arms, Ammunition, M16A1 Rifle」も制式採用は1967年8月29日であり、それに代わって今回のモノが出ましたので、今回のモノより更に超々短命の僅か6か月余りでの世代交代となっていたのでした。

↓「Case, Ammunition, M-16, 20-Round Magazine」です。M1967装備(ナイロン)の構成要素の一つです。


↓これは前回ご紹介のM1956装備(コットン)の「Case, Small Arms, Ammunition, M16A1 Rifle」です。素材がコットンからナイロンへ変わったことの他、蓋の留め具が変わった点以外の基本的構造はほぼ同じであることが分かります。


↓蓋の裏側のスタンプ。ほとんど消えかかっていますが・・・、

「Case, Ammunition, M-16, 20-Round Magazine」の表記に続き、FSN(Federal Stock Number=連邦備品番号)として「8465-935-6780」と記されている筈です。名称の表記はこの他にもFSNが同じで「CASE, SM. ARMS, AMMO. M16 RIFLE」とするモノ、「CASE, SMALL ARMS AMMUNITION NYLON M16 RIFLE」とするモノなどもあり、統一が図られていなかったようです。

↓裏面。 

コットンの20連マガジン・ケースと変わりありません。スライド・キーパーが2つあり、背面上部からは、やはりサスペンダーへの連結用ストラップが伸びています。

↓そのストラップ。長さ調節用のバックルはそれまでの2つの部品で作られていたモノからワンピースの鋼板打ち抜きバックルへ変更され、そのバックルにサスペンダー連結用クリップの付いたテープが縫い付けられています。


↓サスペンダー連結用クリップの表裏拡大。表側にはメーカーの刻印がありますが、どこのメーカーか確認できていません。


【1】、【2】、【3】でも申しましたように、「このケースには、この形のクリップのみが使われている」という訳ではありません。他にも作りの違う数種類のクリップが使われています。「クリップあれこれ」というタイトルで小さな記事一つ作れるくらいです。

↓蓋の留め具は大きく変わりました。「Quick Release Fastener」とか「Plastic Spring Catch Fastener」などと呼ばれるプラスティック製の留め具は軽く使いやすそうですが、私個人的には、留める時に「パチン」と音がするので(音がしないようにするためにはちょっと面倒)、あまり好感が持てません。音をたてても問題の無い所であれば大歓迎ですが。


↓内側にはコットンの20連マガジン・ケースには無かったストラップがあります。

側面に縫い込まれている長さ25センチ程のストラップを、マガジンを収める時に底の部分へ潜らせるようにして、↓このように先端を出しておくことにより、マガジンを抜き出す際に、このストラップ先端を上へ引っ張ればマガジンが下から上へせり上がるという寸法です。

WWⅠ・WWⅡのスプリングフィールド用カートリッジ・ベルトにあったモノと同じ働きです。

↓このケースにも型崩れ防止のための芯材は入っていません。クシャクシャにできます。


↓底面の水抜きハトメ穴は以前の倍ほどの大きさになっています。ケース両側面の手榴弾レバー挿しループと固定テープは以前のモノと同様の造りです。



「US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ」として【1】から【4】までお送りしてきました。今回のパウチの後継は冒頭にも記しましたように30連マガジン用の「Case, Small Arms Ammunition (Nylon), 30 Round Magazine (M16 And M16E1 Rifle)」であり、制式採用はVN戦中ですが、VN戦時の写真にこれが写っているのを見かけるのは稀で、その支給がほとんど進まないうちにVN戦終結となったのだと思います。よって私のコレクション対象には入っておらず、まだ蒐集していません。まぁいずれその内に手を出すかもしれません・・・。

アメリカのVN戦争開始時期」を1961年5月にアメリカが「軍事顧問団」を派遣した時とするか、1965年3月に海兵隊をダナンに上陸させた時とするか、あるいはその他のタイミングとするかは意見の分かれるところですが、「アメリカの軍人がヴェトナムに足を踏み入れた時期」を「アメリカのVN戦争開始」であるとすると、「VN戦装備」にはかなり広範囲のモノが含まれることなります。
1961年当時の米陸軍の歩兵用小銃はM14ライフルですが、「軍事顧問団」はそれより前のM1(M2)カービン、M3サブマシンガン(グリース・ガン)、M1(A1)サブマシンガン(トンプソン)、BAR、またM16の制式採用前のXM16E1、XM177E1(E2)等々実にさまざまな小火器を持ち込んでいました。兵士たちは自分の使い勝手の良いように従来のマガジン・パウチ、マガジン・ベルトを利用・活用・駆使していましたから、WWⅡ時からM1956までの色んな装備が混在する状態が長く続きました。水筒カバーをマグ・パウチや手榴弾ケースに使ったという話も良く聞く話ですね。

のちの1967年2月にM16A1ライフルが採用されますが、20連専用のマガジン・パウチは同時に制式化されておらず、サイズの合わない従前の汎用マガジン・パウチを利用するほかなく、8月末になってやっとサイズの合う専用マガジン・パウチが開発されたのも束の間、1968年3月には装備がナイロン素材化されたと思ったら、今度は30連マガジンが出来たので、1969年1月には30連マガジン・パウチが採用された・・・という経緯を辿ることとなります。M1956装備とM1967装備が混り合って身に着けられているのもごく一般的でした。開発・採用・支給・改良・改変が短期間に行われた結果です。


この度の一連の「US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ」は今回を以て終了します。海兵隊装備については、また別の機会に採り上げたいと思います。

それでは、また・・・。(次回は11月16日の予定です。)