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2015年05月31日

M1961マガジン・ポケット(Magazine Pocket for M14 Rifle)

こんにちは。

のっけから少し愚痴らせて下さい。
「わが国の存立を根底から覆す」のはどんな状態を指すのか、野党議員からの質問には曖昧模糊な答弁で、まったくつまびらかにしない首相と政府与党。
相手側からの一方的な「軍事的挑発」ならばともかく、「存立を根底から覆される」ほどの事態が発生するに至る余地を許すような外交手腕・危機管理能力しか持っていないのか? 
それはそれで無能さを晒すことに外ならない、情けないことですよと言いたい。
「ポツダム宣言を読んでいない」とか憲法学者・芦部信喜を知らないなど、憲法「改正」や安保法制「改正」を自らの政治的使命と考える政治家がそんな程度で許されるのか?
本会議で議席の前の方に座っている与党議員が景気づけに野次るのと違い、特別委員会の場でいやしくも一国の首相たる地位にある者が野党議員に対して「早く質問しろよ」などと野次るという全く品位に欠ける言動。こんな者を首相の座に置いていてよいのでしょうか?自民党議員・支持者の方はどのように受け止めているのでしょう。
長々と失礼いたしました。

さて、今回はVN戦中にアメリカ海兵隊が採用した、M14ライフル用M1961マガジン・ポケット(M-1961 M-14 Rifle Magazine Ammunition Pocket)を見ていきます。

M-14ライフルはご存じの通り、M1ライフル(ガーランド)に替わって米陸軍および海兵隊のどちらにも採用されましたが、陸軍はM14ライフル専用のマガジン・パウチ(ポケット)を新たに創らなかったのに対し、海兵隊はM14ライフル専用に、このマガジン・パウチ(ポケット)を制式化しました。陸軍はM14ライフルが制式化される前から使っていた多用途の「Pouch, Small Arms, Ammunition, Universal」や 「Case, Small Arms, Ammunition」をそのままM14ライフルのマガジン用として使用し続けましたが、海兵隊はわざわざM14ライフル専用のモノを創りました。


↑フラップはスナップ・ボタン留め。下端部にはダブルフックワイヤー連結用のハトメがあります。グレネード・パウチ等を吊るすのに用いられます。


↑裏面。2個の雄スナップボタンの背中が見えます。


↑この様に後ろ側がループ構造になっていて、ここへM1961ピストル・ベルト(BELT, INDIVIDUAL EQUIPMENT)を通し、ピストル・ベルトに設えられた雌スナップ・ボタンにポケットの雄スナップ・ボタンを嵌めて固定します。上下2個ありますが、固定に使うのは1個で、兵士の体格や気分に合わせてどちらかを使います。また、マガジン自体の重さを利用して素早くマガジンを取り出せるよう上下逆さまに装着する者もありました。M1961ピストル・ベルト(BELT, INDIVIDUAL EQUIPMENT)については拙稿「U.S.ピストル・ベルト・30's~60's(The evolution of the US pistol belts)」の③をご参照下さい。


↑この様に海兵隊用のM1961ピストル・ベルトへ通し固定します。


↑フラップを開けるとスタンプがあります。また、本個体は、丈の長いいわゆる「後期型」で、丈の若干短い「前期型」もありますが、私はまだ入手していません。


↑「POCKET, AMMO, MAG M-14 RIFLE」。DSAは100-4592。因みに初期のモノにはDSAの前身のQM-CTM表示になっているモノがありました。FSN(Federal Stock Number)は8465-823-6936。


↑ポケットの底には水抜き用のハトメ穴。


↑M14ライフルの20連マガジンが1個入ります。



↑ベルト装着用の雄スナップの裏2種。どちらもロードアイランド州プロビデンスの「RAU FASTENER CO.」社製。



↑フラップの雌スナップも同じです。

以上駆け足で見て参りました。M14ライフルはその後程無くM16に制式小銃の座を譲ってしまう関係からか、このポケットの製造量は少なかったのでしょうか。しかし30年くらい前のCOMBAT!マガジンの通販広告では新品デッドストックが1個800円で売られてます。マイナーな存在だったから安値だったのでしょうか。今では品薄なのか新品なら1個2,000円は下りません。東京マルイからM14が出た時は高騰するかなぁと思ってましたが、流通量は非常に少なかったように記憶しています。今持っているモノを大事にしたいと思います。


それでは今回はこの辺で。

  

2015年05月17日

ハドソン製・十四年式拳銃(後期型)(Nambu Type 14 pistol "Later model")

こんにちは。
当地大阪は、いわゆる「大阪都構想」で盛り上がって・・・いる人は盛り上がってるし、そうでない人も多く、投票の行方は全く分かりません。
私は大阪市民ではありませんので投票資格は無いのですが、十数年前までは大阪市民でしたので関心は十分あります。賛成票が反対票より一票でも多ければ「民意は『賛成』」となりますので、現状ではまだ考えがまとまらずに判断に迷っている人は、取り敢えず「反対」に投票しておいて、今回は「否決」とし、恐らく賛成派の方はまた何度でも今回のように住民投票を仕掛けると思いますので、今後また新たに構想の内容が十分周知され、自身で十分咀嚼し理解したときに、あらためて判断すればよいのではと思います。

さて、前回「大日本帝国陸軍の十四年式拳銃嚢(ホルスター)」をお届けしましたが、今回はその続きで懐かしきハドソン製モデルガン・十四年式拳銃(後期型)を採り上げます。タナカの十四年式を期待した方、御免なさい。なお、当記事のタイトルの英語表記中に「Nambu」と入れてますが、外国人向けには十四年式拳銃を意味するものとしてこの表記が一般的に通りが良いためです。日本の誇る銃器設計士・南部麒次郎は、この拳銃の設計には関与していませんが、主としてアメリカではNambuの名が独り歩きして、愛好家の間で「Nambu Type 14 pistol」という呼び名が広まったようです。

軍用銃に興味がある者としては、日本国内ではライヴの軍用銃を持つのは不可能ですので不可動(不稼働)実銃やモデルガンなどで我慢しなくてはなりません。
今ではマルシンから立派にガスガンという形で、CAWからはモデルガンとして、またタナカからも今回ご覧いただくハドソンの型を利用してさらに改良を加えてモデルガンとしてモデル化されています。ほかにも幾つかのトイガンメーカーからモデル化され、比較的容易にに入手できますが(私は未だですが)、私がこのモデルガンを入手した当時は、十四年式はこのモデルガンでしかモデル化されていませんでした。金額的には「おいそれ」とは参りませんでしたが、乏しい軍資金をやりくりしてやっと手に入れた経緯があります。

このモデル以前にハドソンは大きく分類すると2ロットを製造していました。今のレベルで言うとどちらも「ちょっとねぇ・・・」というレベルですが、その時々では旧軍モノをモデル化してくれた事そのものを礼賛していたものです。多少の事は脇へ置いておりました。


↑元々はもっと金ピカめっきでしたが、触りまくっている間にこの様なシャンパン・ゴールドになりました。実銃の開発経緯や機構などの説明はここでは行いません。Wikipedia(←リンクしています)などをご参照ください。左側面には安全装置の「火・安」表示と「十四年式」の刻印があります。


↑「HUDSON SMG」は、メーカー名の「ハドソン」と、いわゆる52年規制による合法モデルガンであることを示す「SMG」。


↑右側面。製造所とシリアル番号および製造時期が刻印表示されています。


↑ピンボケですみません。上段は左から旧軍ファンならご存知の造兵廠刻印(〇の中に逆8の字・名古屋造兵廠)、ロット刻印(〇の中にカタカナの「ロ」の字)、シリアルナンバー(97)です。しかしシリアルナンバーが2桁とは・・・。「普通」なら4桁とか5桁あたりを持ってくるのでは?ハドソンさんは何にこだわったのでしょう?下のフレーム部には「昭08.10」とあり、昭和8年10月製造という意味になろうかという処ですが、まず、実銃では昭和8年ならば「昭08」とはせず「昭8」と、普通にひと桁で表示されます。また、昭和8年製であるならば、トリガーガードはダルマ型になる前のまん円い「前期型」であらねばなりませんし、グリップ全面下部のマガジン抜け落ち防止板バネはまだ無い筈です。


↑その「マガジン抜け落ち防止板バネ」。マガジン・キャッチ部品とマガジンとの相性とか機械工作の精度に鑑みて、このようなモノが必要となったんでしょうが・・・。日本人はカッチリした仕事が出来る筈なんですけどねぇ。職人仕事レベルと違い、大量生産下での精度追求可能レベルは同時期の他国と比べて劣っていたことの証左でしょう。


ダミー・カートリッジ(上)とモデルガン・カートリッジ(下)。「8mm Nambu(8ミリ南部弾・8mm x 22)」はまだ細々と弾薬メーカーなどで作られています。モデルガン・カートリッジはすこし小ぶりですが、シルエットは良く似ています。


↑とはいえ、実はこのダミーカートは「38 Super Auto +P」のケースを「8mm Nambu」の形に絞って作られたモノです。「8mm Nambu」として作られてヘッド・スタンプも「8mm Nambu」などとなっているモノもちゃんとありますが、私が入手できていないだけです。



以上モデルガン、ハドソン製十四年式拳銃(後期型)いかがでしたでしょうか?
実銃はアメリカでは、もちろん程度にもよりますが、US$1,000.00程も出せばそこそこの程度のモノが手に入るようです。
パーツも色んな形で製造・供給されています。日本で、不可動実銃でこの十四年式が販売されればいいのですが。
でもまぁ現在は冒頭でも触れましたように色んなトイガンメーカーから色んな形で高いクオリティでモデル化されているのでそれで十分ですね。あと二十六年式拳銃や九四式拳銃も見事にモデル化されていますしね。また触れてみたいと思います。


それでは次回また・・・。



  

2015年05月03日

十四年式拳銃嚢(Holster for Nambu Type 14 pistol)

こんにちは。
昨日からゴールデンウィークの後半だったとは知りませんでした。
当地大阪は4日に少しお天気が崩れるほかは晴天が続くとの予報で、サバゲは暑いでしょうね。

今回は私の「寄り道コレクション」から大日本帝国陸軍の十四年式拳銃嚢(ホルスター)について。
軍用銃に興味があることから銃もコレクションする、と言っても、当然ここは日本ですから実銃の入手は一般人には無理なのでモデルガンなどで我慢するしかありません。で、せめてアクセサリーは実物を…という「せめてアクセサリーぐらいはコレクション」が展開されます。今回のホルスターも、そのコレクションのうちの一つです。


十四年式拳銃そのものについてはWikipedia(←リンクしてます)で見て下さい。ここでは割愛します。
使い込まれて深い焦げ茶色になっています。大きな蓋が二枚貝の貝殻に似ていることから、欧米ではこのタイプのホルスターは「clamshell(クラムシェル)」と呼ばれています。


裏側。ベルト・ループとショルダー・ストラップにより携行されます。ショルダー・ストラップが欠品しているモノが多い中で、この個体は程度の良いモノがちゃんと付いていました。数年前にeBayで390ドルくらいで落札したと記憶しています。


少し拡大しました。旧陸軍の装備品の金具は概して銀メッキがピカピカしているモノが多いですね。金具には漆を塗って黒くしたという記述を見たことがありますが、簡単に剥がれそうなのは予見出来ていたでしょうに。食い付きのいい塗料にするとか梨地仕上げにするとか他に無かったんでしょうか?


ショルダー・ストラップの長さ調整用バックル。少々錆があります。


フラップ留め具の拡大。フラップの端のリングからバネを内蔵した革があって、またリングを介してメスの留め金具のついたタブがあります。本体に設えられた凸オスポストにメス金具を上から通して固定。


外す時はその逆。タブを下方へ引っ張ってオスポストがメス金具の穴の大きい部分に来るようにして・・・、


持ちあげて外します。


フラップへは金属板を介してリベット留めされています。なお、この留め具の他に、「バネ内蔵革」が無く、メス金具がついた革タブがフラップに直接付けられたタイプのホルスターもあります。


フラップを開けた図。フラップの下には「予備マガジン」ではなく「予備弾薬」入れがあります。


フラップ裏側。「横潜基」と「一〇(ヒトマル)」の表記。旧海軍の横須賀潜水基地隊の略です。海軍大臣の下、鎮守府長官隷下の組織ですが軍令上は第六艦隊隷下の部隊です。このホルスター、一体どんな経緯を辿ったのでしょうか。陸軍から海軍へ貸与されたのでしょう。陸式軍衣の例もありますしね。


「一」のすぐ上に「四十昭」=昭和十四年の意。「一」の下に〇型のマーク。「〇の中に逆8の字」の名古屋(鳥居松)造兵廠かなぁと考えますが、分かりません。その左側にももう一つマークがあるように・・・。名古屋の「名」ではないかと思うのですが・・・。


予備弾薬ケース。ちゃんと独立したフラップが設えられています。革が薄めであるため、入手時は(今もその痕が残っていますが)皺くちゃでした。


フラップを開けました。予備の弾薬紙箱が2つ入るようになっています。予備「マガジン」ではなく予備「弾薬紙箱」なのが謎です。銃からマガジンを抜いて、フラップを開けて、予備弾薬小箱を取り出して破って開けて、マガジンに一発ずつ装填して再び銃へ・・・って、マガジン・チェンジするのに何秒(何分?)かかるのでしょう?


右側にある縦長の収納部は画像の通り予備撃針入れです。「予備撃針入れ」も実に興味深いです。まぁ、先が細くて破損しやすかったからなんだそうで、万一の場合に備えてのものです。


本体フラップを開けて上から覗きこみます。底の方の、右側が弧状に削られているモノは、銃身をこの右側へ誘導します。左側から底へ向かって伸びる黒い影は収納された状態のクリーニング・ロッドです。


クリーニング・ロッドはこの長さ約1.5cmのループに通して保持されます。


懐かしいハドソン製モデルガン・十四年式拳銃(後期・ダルマ型用心鉄)を収めてみました。グリップの下端までホルスターの縁で覆われていますので、サッとグリップを掴みたくても指が入る隙間が無いのでもたついてしまいます。


黄色(金色)メッキが大分薄くなってシャンパン・ゴールドぐらいになりました。


独特の180度の回転角のセイフティは有名ですね。ほかにはトンプソン・サブ・マシンガンでしか見たこと無いです。ランヤード(吊り紐)はレプリカです。


マガジンとカート。上は実物薬莢にダミー弾頭を付けたダミーカート。下はハドソン製のモデルガン・カート。形状は似ていますが、寸法はやはり違いますね。


以上、いかがでしたでしょうか?
旧軍モノは国内で買うより海外で購入した方がお手頃という場合がままあります。今もeBayだと400ドルも用意すればそこそこ良いモノが手に入ります。
何分「寄り道」コレクションからのネタで、まだまだ全然旧軍についての知識も無く、今後さらにすこしずつ勉強していきますので今回はこれでお許し下さい。

それでは、また・・・。