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2015年09月20日

WWⅡ米海兵隊の水筒カバー(WWⅡU.S.M.C. Canteen Cover )

こんにちは。
「シルバー・ウィーク」2日目です。
当地大阪は、朝晩はヒンヤリすることが多くなってきました。
私儀、ちょっと体調に変調を来たしまして、ひっさし振りに病院のお世話になりました。と言っても風邪の類ではありません。通院は2週間おきでよく、薬でボチボチ治して行く途上です。

いわゆる安保法制が参院でも可決され、成立しました。「国民の安全を守るため云々・・・」というのが立法趣旨だと安部総理は説明しますが、私は懐疑的です。隣国がわが国の固有の領土を現実に不当に占拠し、あるいは占拠しようかという勢いを示威している現在、この法律・法制が、それらに対して如何程の抑止効果をあげることが出来るのか、甚だ疑問です。


さて今回は私の守備範囲からは少し外れるものの、最低限押さえておきたいなと蒐集しましたWWⅡUSMC(United States Marine Corps:米海兵隊)の水筒カバーの通称クロス・フラップバージョンです。
海兵隊の水筒カバーには、大戦初期まで製造された、通常の陸軍用のM-1910型と外見は非常に似ていながら、背面のワイヤー・ハンガーが真鍮ではなく鋼製、その位置が陸軍のモノよりより上の方に付けられている、内張りが無い(これには例外がありますが)といった特徴のある独自のM-1910型や、大戦中期頃からは今回採り上げます「クロス・フラップ」型が、また、ワイヤー・ハンガーの取り付け位置が高くなっているのと、正面に「USMC」のスタンプがあるほかは陸軍のM-1910と同じ造りのモノなど、幾つもの種類がありまして、今回のモノはその内のほんの一例です。

↓背景のタン・カモに溶け込んでやや見にくいですね。すみません。フラップが交差しているからクロス・フラップです。


↓背面です。背面からだと外見は一般的なM-1910カバーと良く似ています。


↓陸軍のM-1910と並べました。全然装いが違います。パイルの内張りが無い分スマートです。


↓後ろ姿は、右のM-1910の「襟」にはプリーツがある点、ワイヤー・ハンガーの位置が違う点のほかは同じように見えます。


↓底面です。本個体のパターンのものとは別に、この底の部分に直径が2.5cm程のドレイン・ホール(水抜き穴)が穿ってあるパターンのモノもあります。残念ながら未入手です(「水抜き穴」ではなく、この穴に水筒の口を差し込み、カバーをあたかも漏斗(ろうと)として水を移し替えるために使うのだとする説明を目にしますが、私は眉唾に思います(「カバーを漏斗にして入れられた水」なんて衛生的に?)。『そのように使われることもあった』という説明ならまだ分かりますが、『そのためだけに設えられた』のではないと思います)。


↓フラップを外しました。中身の水筒は陸軍が使用したモノと同じです。海兵隊専用というモノはありません。

アルミ製キャップ付きの水筒は昨今価格が高騰して来てはいますが、まだ比較的に入手しやすい方だと思います。

↓まずカップを入れ、そこへ水筒を収納するのも陸軍と同じです。


↓陸軍のM-1910カバーと異なり、内側に保温用のパイル張りはありません。これは恐らくパイル張りによって得られる保温効果というメリットよりも、海水等が浸み込んで重くなってしまうというデメリットの方を重く見たからだと思います。


↓カップの縁が当たる部分は生地が二重になっています。本体はコットン・ダック製。フラップの留め具は言わずと知れた「Lift the Dot」。


↓上の画像のモノと下の画像のモノの違いがお解り頂けますか?


上は男性兵士用、下は女性兵士用...というのは嘘です。左前・右前でもどちらでも構いません。でももし皇軍兵士が使用するならば間違いなく験(げん)担ぎで右前にするでしょうね。


もう十数年ほど前になりますでしょうか、アメリカのサープラス店のHPでこのクロス・フラップが売られているのを見た時は「海兵隊装備かぁ。まぁ、いつかは最低限一式揃えたいけど陸軍の装備すらまだ未完成だしなぁ。財政的に無理だわなぁ」と考えながら値段を見ると確か$15くらいで、「なぬ!15ドル?買お買お」と、即買いしました。このサープラス店はいわゆるコレクター相場を知らなかったらしく、安価に投げ売りしてました。
アメリカ本国のサープラス店ではこんな感じの「相場」知らずの価格設定がよくありましたが、今やeBayなどで田舎のサープラスショップでも相場が容易に分かる時代、そのようなお店・品物を見つけるのはとても難しくなりましたね。
海兵隊装備は資料も少なくて未知の分野が広すぎます。私にはとても手が回りません(財政的にも)。

それからUSMC絡みで思い出したのでご参考まで。USMCのC(Corps)ですが、くれぐれも「コープス」と発音しないようにご注意ください。「コープス」だと「死体(corpse)」の音になります。

今回は短いですが、お彼岸のお墓参りにも行かなくてはなりませんので、これにて終わります。
それでは、また...。



  

Posted by Sgt. Saunders at 11:08Comments(0)米軍(U.S.)Canteens

2015年09月06日

M-1961 コンバット・フィールドパック(US M-1961 Combat Field Pack)

こんにちは。
当地大阪は時折強く雨の降るお天気で、残念ながら初秋の行楽日和とは参りません。

今回は前回のM-1956コンバット・フィールドパックに続いて、その後継モデルたる「M-1961コンバット・フィールドパック」を採り上げます。
適宜M-1956と対比させながら見ていきます。予定投稿時刻を約1.5時間過ぎての投稿です。


↑上がM-1961、下↓がM-1956。全体的な形状は似ています。



↑上M-1961。フラップ上部にあるキャリング・ストラップとID入れ用のスロット、背面上部の左右両端のサスペンダー連結用ハトメ・タブも↓M-1956と同じです。



↑上M-1961、下↓M-1956。IDカードの入り口は両方とも同じく右側からです。



↑↓外見上で最も異なるのは上のM-1961ではフラップが立体的になり、マチが付いたところでしょうか。下のM-1956ではフラップが平面で肩口からの雨水の侵入はパック側面から伸びるベロが防ぎますが、上のM-1961ではフラップの肩口部分がパック側面の上部に覆い被さる形状になってます。




↑左がM-1956、右がM-1961。背面で並べてみると、丈が5cmほど長くなっているようです。


↑左がM-1956、右がM-1961。上部開口部はマチ幅はほぼ同じですが、右のM-1961では下方に向かって膨らみ、底部ではM-1956の約1.4倍ほどのマチ幅があります。側面にスライド・キーパー連結用のウェブ・ベルトがある点はどちらのパックにも共通しています。


↑底部の比較。左がM-1956、右がM-1961。容量の違いが良くお解り頂けると思います。


↑左がM-1956、右がM-1961。パックの横幅もやはり約1.3倍ほどに大きくなっています。丈、横幅、マチとも大きくなっており、容量は遥かに大きくなっています。どちらのフラップにも右端にハトメがあり、銃剣などのダブル・ワイヤー・フックを持つ装備品を下げられるようになってます。


↑フラップ内側のスタンプ。制式名称、DSAナンバー、FSNが記されています。本個体にはメーカー名のスタンプはありません。メーカー名のスタンプがあるモノもあります。
FIELD PACK, COMBAT, M-1961
DSA-1-1336-63-E
8465-823-7622


↑フラップを開けたの図。M-1956のような左右のベロはありません。因みに、詰めていますのはユティリティー・トラウザース。


↑内側にはゴム引きの防水幕があります。


↑内側に縫い張られているのではなく、底面を除いた、筒状の形状になっていまして・・・、


↑こんな風にベロベローンと表へ出すことができます。「底」がありません。


↑M-1961の背面。下は↓M-1956。ピストル・ベルトへの装着用の2つのスライド・キーパー、上部両端に1個ずつあるサスペンダー連結用のハトメ・タブ、下に伸びるポンチョ等携行用の2本のウェブ・ストラップは、両パックに共通した特徴です。



フラップを閉じるために用いるバックル。上↑がM-1961で、亜鉛合金の打ち抜きの変形「日」型。下↓がM-1956で、スティールもしくは真鍮打ち抜きの、WWⅡ時代からある「目」型バックル。ウェブ・ストラップはどちらも同じモノが使われています。



↑M-1961のバックル裏側。「RAU」とあり、老舗「RAU FASTENER CO. 」の製造です。1996年、同じファスナー・メーカー・Scovill社により買収されています。


↑サスペンダー連結用ハトメ・タブに汎用キャリング・ストラップを着けてショルダーバッグとして使えるのもM-1956と同じです。もっと昔の事をいえばM-1936 od Field Canvas Bagがキャリング・ストラップ(Strap, Carrying, od, Bag, Canvas, Field (ストック・ナンバー:74-S-333))を伴ってショルダー・バッグとして使えるのと同様です。

おまけ。↓その汎用キャリング・ストラップ(General Purpose Carrying Strap)。


↓スタンプの拡大。右端部分が不鮮明ですが、

「STRAP, CARRYING, GENERAL PURPOSE」です。
その下の「74-S-333-50」はDSAより前の物品管理用の番号たる「ストック・ナンバー」です。このストック・ナンバーからも分かるように、このストラップは、上で触れましたWWⅡ時代のM-1936 od Field Canvas Bag用のキャリング・ストラップ(Strap, Carrying, od, Bag, Canvas, Field (ストック・ナンバー:74-S-333))の後継モノです。時期的にこのストックナンバーとともにその後継たるDAナンバーも付されているモノもあります。過渡期にはよく見られます。

以上駆け足で見て参りましたM-1961とM-1956の違い、いかがでしたでしょうか?
どちらも現在入手は比較的容易な方ではないかと思いますが、流通量は確かに少なくなってきているようですね。
eBayや海外では良品が大体3,000円前後で出ています。

因みに私は高校生の頃、M-1961にショルダー・ストラップを付けて通学用のカバンとして使っておりました。テキストとノート、四角いアルミの弁当箱がキッチリ収納出来て重宝しました。懐かしい思い出です。

それでは、また......。

  

Posted by Sgt. Saunders at 13:39Comments(0)米軍(U.S.)Bags, Packs