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2017年08月27日

M13 ガン・カバー(Cover, Gun, M13)

こんにちは。
近所の公園ではシャンシャンシャンシャンシャンシャンに代わってホーシツクツクツクツクツク・ホーシツクツクツクツクツク・ホーシツクツクツクツクツクが頑張っています。ということは、お子さんの宿題の手伝いに御父母様が奔走している時期になったということか…と思いきや、近頃は夏休みは8月の月末一週間前には終わり、2学期が始まるんですね。大阪だけかな?
8月一杯は夏休みで、最後の2日間は残してた宿題を必死にやってた(あがいてた)思い出があるのですが…。2学期が8月の途中から始まる…?何か違和感を感じます。

さて、前回水冷式のM1917(M1917A1)ブローニング30口径機関銃用のM7マシンガン・カバーをご紹介しましたが、今回はそのM1917(A1)に代わるべく、空冷式で設計しなおされ新たに造られたM1919A4ブローニング30口径機関銃用のカバー、M13ガン・カバーのご紹介です。
前回記事のM1917(A1)用のM7マシンガン・カバーと同じく、ピントルの付いた銃本体を三脚から下ろした状態でカバーするものです。まあ、三脚に銃を載せたままの状態でこのカバーを掛ける事もあったでしょうが、仕様はピントル付き本体をグルッと包み込むものとなっています。

まずそのM1919A4機関銃について。
↓これがM1919A4です(Modern Firearms & Ammunition (http://modernfirearms.net/index-e.html)より画像引用)。重たく嵩張る水冷ジャケットを廃して軽量化されただけでなく、その水を確保・維持するという課題も無くなりました。通常は画像の様に三脚・M2トライポッド(←過去記事に飛びます)に載せて運用します。

↑右側面。

↑左側面。画像では弾薬が金属リンクで連結されていますが、布製の給弾ベルトも使えます。

↓これはロック・アイランド造兵廠の図面から。


M1919A4機関銃について、より詳しくはこちら(←Wikipediaが開きます)をご覧下さい。ここで私がしたり顔でご説明するには及びません。


↓まず全容です。銃を収納した姿での右側面です。カバー本体はodシェード#3のダック(ズック)製、縁取りテープはシェード#7。銃身が収納される部分は既に筒状になっていて、それより後ろのレシーバーを覆う部分は3つのLift-the-Dotでくるんで留めるという裁断・造りになってます。


↓後ろ半分。右下の茶革のカップはピントルを収める部分です。


↓ピントル収納カップ。ピントルの形状に合わせて立体的に造られています。WWⅡ後、朝鮮戦争の頃には製造工程簡略化のため、革を2枚合わせにした封筒型のペラペラ構造に替わります。


↓名称「COVER, GUN M13」とFederal Catalog ナンバー「24-C-1412-20」のスタンプ。


↓銃身先端部分です。「布を革で補強」ではなく、「革部品」となっています。


↓左側面です。前回記事のM7マシンガン・カバーはこちら側でカバーを留めていましたが、このM13では右側面で留める構造です。何か理由はあるのでしょうか?


↓銃身収納部分に天地逆さにスタンプがあります。


↓読みやすいようにひっくり返しました。「FUNGUS PROOFED TYPE I」「SCHMACHT & KALE - 1945」。防カビ処理済みであることを示す表示スタンプと、実施業者名、実施年です。


↓グリップ部分の拡大です。グリップ背面から下方に伸びたカバーの舌状部分をグリップとトリガーとの間に托し込んでLift-the-Dotで留めるようになってます。


↓グリップ背面が当たる部分にカバーの製造者・製造年のスタンプ。「BRESLEE MFG. CO.」「1944」。


↓レシーバー右側面のボルト・ハンドルは、このM13カバーでは外側には出さずに覆ってしまう構造です。雨水・砂塵を完全に防げます。M7マシンガン・カバーではカバーの外にボルト・ハンドルを出すスリットのある構造になっていました。


↓カバー内側、フロント・サイトが触れる部分は革の補強が当てられています。


↓そのすぐ下側のピントル収納部。


↓銃を抜き取りました。


↓天地をひっくり返して後ろ半分。こちらには特に革の補強などはありません。



以上縷々見て参りました。odシェード#7のモノ、ゴム引き布製のモノ等時代が下るにつれて幾つものバージョン違いがあります。
M1919A4機関銃はヴェトナム戦争中まで使用されましたが、その頃までこのカバーはバージョンを改めながら使用され続けました。
また、私のコレクションにはありませんが、三脚に載せたままの状態でカバーするタイプのモノも派生して生まれています。

銃器に関するモノは、「実銃は持てないので、せめてアクセサリーくらいは…」という想いからコレクションしてきておりますが、今回のM13と前回のM7は、さすがにコレクションしようかどうか、売りに出されているのを見ても迷いました。何しろ当時は未だM1917(A1)機関銃やM1919A4機関銃はトイガン化されておらず、不稼働(無可動)実銃などの入手は夢のまた夢でしたから、それら用のアクセサリーなどは手に入れても楽しみようが無かったからです。
しかし、いつの日か不稼働(無可動)実銃、或いはモデルガンなどトイガンの形でM1917A1やM1919A4が手に入ったときに楽しめるではないか!その時に入手不能になっていたら後悔するではないか?!という考えから、やっぱりコレクションしておこう!と、入手しました…。

現在不稼働(無可動)のM1919A1を持つことができていますが、普段このカバーを直接掛けたりはしていません。一度掛けたままにしてしまったことがありまして、その際銃が少し錆び、その錆が移ってしまったのです。それ以降は銃本体にオイルを吹いて、さらにプチプチでくるんだ上でこのカバーで包んでいます。

このM13ガン・カバー、現在eBayやミリタリーショップで程度の差こそあれ$30位から$70位で出ているようです。中には「何でこんな?」と思わせるような価格設定になっているケースも目にしますが、平均的な価格で見た場合比較的入手はし易いと思います。
私が入手したのは7、8年前だったと思いますが、$60位だったと思います。上で触れましたように幾つかバージョン違いのモノが売りに出ていましたが、やはりWWⅡ時の製造で、カーキ色(odシェード#3)という条件を満たしていたのがこれでした。odシェード#7のモノも…とも思いましたが、これ一つで十分だと考え、現在もまだ入手していません。まだ入手しようと思えば比較的容易だからです。

それでは今回はこの辺で失礼します。







  

Posted by Sgt. Saunders at 08:00Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms-Related

2017年08月13日

M7 マシンガン・カバー(Cover, Machine gun, M7)

おはようございます。
当地大阪では今朝方は比較的気温が低かったせいかシャンシャンシャンシャンシャンシャン…の大合唱が始まるのは7時を過ぎてからでした。いつもなら午前5時過ぎにはもう大合唱が始まっているのですが。
今年もすぐ近所の児童公園からの大合唱が連日続いています。思いっきり鳴いてその短い一生を全うして欲しいです。何年か前からは「うるさい」とは思わず、一生懸命鳴いて欲しいと思うようになりました。

今回を含め直近4本の投稿は、平均すると隔週刊ペースに戻ってきました。このままペースを維持できるでしょうか?
今回はコレクションなさっておられる方があまり多くなさそうな、WWⅡUS陸軍歩兵モノのコレクションとしては恐らくちょっと(かなり?)マイナーで人気も無なさそうなモノのご紹介です。

↓これはM1917A1 cal..30 Browning Machine gunです。この無可動実銃をコレクションしたのではありません。この機関銃の本体を揺架から取り外して運搬する際に使われた「M7 マシンガン・カバー(Cover, Machine gun, M7)」が今回ご紹介するモノです。


↓これはロック・アイランド造兵廠の図面でのM1917A1です。図中に「重さ 38ポンド(17.2kg)(水無しで31.6ポンド(14.3kg))」とあります。重たいですねー。


↓こちらは軍発行のマニュアルから。M1917(上)およびM1917A1(下)。M1917はWWI休戦の僅か2か月程前の頃に投入が開始され、その後ボトム・プレートやリア・サイト等の改良・変更を経てM1917A1が生まれました。WWⅡでは当初から、のち朝鮮戦争、一部はヴェトナム戦まで使用されました。これらM1917およびM1917A1 cal..30 Browning Machine gunについての詳解はここでは致しません。詳しくお知りになりたい方はこちら(←Wikipediaが開きます)をどうぞ。


↓Wikipediaから。ウォーター・ジャケットにキャリング・ハンドルが付いたのはWWⅡに入ってからです。揺架に嵌めるピントルが付いています。


↓はい、すみません。やっと今回のネタ、M7 マシンガン・カバー(Cover, Machine gun, M7)の登場です。右側面です。上の画像の銃の向きとカバーの向きを合わせています。
画像の左方が握把(グリップ)側、右方がウォータージャケット側です。下にピョコっと突き出ている革製のカップにピントルが収まるようにして機関銃本体を収納します。その左上の円い革の真ん中には銃のボルト・ハンドルを外側に出すためのスリットが切られています。ほか、要所要所が革で補強されています。中に銃があるかの様にカバーをなるべく立体的に膨らませて撮影しています。色目は所謂「od シェード #3」です。#7のモノはまだ目にしたことがありません。


↓ペタンコにした状態です。右側面から上面です。上面前後にスリングを取り付けるためのDリンクがあります。右方ウォーター・ジャケットが収まる部分の先っちょ半分は筒状に縫製されていて、そこから後ろは開いています。左方末端は丁度握把(グリップ)が収まる部分ですが、Lift-the-Dotが一つ使われていて銃をくるむ様になっています。


↓反対側、左側面です。画像左側がウォーター・ジャケット側です。こちらの側面で銃をくるむ様にしてカバーして前後2本のストラップとバックルを使って固定します。上面にスリングを取り付けてみました。


↓左側面から下面です。左端の大きく円い革部分に銃のウォーター・ジャケットの先端が収まります。ピントル収納カップのすぐ銃口側に大きい革部分のそのまた上から細い革が当てられていますが、これはまたあとでカバー内側のご説明のところで詳解します。


↓銃を収めたつもりの状態の上面です。向こうが銃口方向、手前がグリップ方向です。前後にあるDリンクにスリングを連結して肩に掛けることができます。手前のグリップが収まる部分はこのようにLift-the-Dotでカバーを留めるようになっています。銃上面のリア・サイトから前方のウォーター・ジャケットの中ほどまで革で補強されています


↓前後方向は同じまま、裏返しにしました。ピントル収納部分の革カップが目立ちます。


↓スタンプの拡大。「COVER, MACHINE GUN, M7」とドローイング・ナンバー「D-30780」。その左下のは...?


↓「FUNGUS PROOFED TYPE I」、「THE FALA CO.  1944(5?)」と、防カビ処理済みであることを示すスタンプと、実施業者名、実施年のスタンプです。


↓銃口側の円い革部分。ウォーター・ジャケットが円筒形ですから、それが収まる部分なので末端がこのように円くなっているのには合点が行きます。白っぽくなってるのは革のワックスが浮き出てきているものです。


↓拡大しました。「BOYT -41-」と刻印されています。Boyt Harness Companyによる1941年製造であることが分かります。


↓内側です。指で押さえている部分は銃のグリップが収まるところです。ここだけLIFT-the-DOTが使われています。画像中央、円く生地が抜かれている部分にはピントルが収まります。そのすぐ銃口側に生地が裂けているように見える部分(さきほど「あとで詳解します」と申しました部分です)、実際生地は切れていますが、ここは外側から革で覆われていまして、銃のピントル部分とウォーター・ジャケットのとの間の形状にフィットするように立体的に裁断されています。画像右側の方が塞がっていますが、ウォーター・ジャケットが入っていく筒状部分です。カバー底部後方、銃のボトム・プレートが当たる箇所はこのように内側で革の補強が施されています。ボルト・ハンドルを通す部分も内側に革が当てられています。


↓そのウォーター・ジャケットが入って行く先端です。厚さ約3cmの木製の円い型枠が嵌め込んであり、ここにウォーター・ジャケットを嵌めるようになってます。



いかがでしたか?実戦では本体はそのまま裸の状態で担いで運搬していたのが一般的であったような印象を持っております。このカバーが使われている様子を捉えた写真を探してみましたが、発見できませんでした。マイナーな存在であることは否めません…。

でもまあ、いつの日か「レア・アイテム」として脚光を浴びるのを楽しみにしてコレクションに加えた経緯があります。
アメリカのミリタリーショップでもう20年程も前に購ったモノで、価格は確か65ドルくらいだったかと記憶しています。当時円ドル相場は1USドルが100円を割っていましたので(90円の頃くらいに購ったか?と思います)「そんなに安くはないけどそれほど高くもない。まあマイナーな存在だけど段々高騰するかもしれないし、今のうちにコレクションしておこうかな。」という軽い気持ちでのコレクション入りでした。

M1917A1はモケイパドックさんが確か電動ガンとして製造されたかと思うのですが、これをサバゲに使用している方には今回のカバーはおすすめです。フィールドまでの運搬に使うのはもちろん、ゲーム開始と同時にこのカバーで最前線までM1917A1を運び、据え付け場所を選定したら素早くカバーから取り出して三脚と組み合わせて供用開始!やってみたいですねぇ。

それではまた次回、もう多分ツクツクボウシの合唱に替わっている頃になるかと思いますが、それまで御機嫌よろしく。さようなら。



  

Posted by Sgt. Saunders at 09:12Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms-Related