QRコード
QRCODE
< 2017年09>
S M T W T F S
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
オーナーへメッセージ

コレクション ブログランキングへ

スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  
Posted by ミリタリーブログ at

2017年09月10日

M-1910水筒とステンレス水筒(M-1910 Canteen & Stainless steel Canteen)

こんにちは。
当地大阪では昼間はまだ最高気温が32、3度くらいにはなりますが、朝晩は随分涼しくなりました。
このまま秋になってくれたらいいんですけど、そうはいかないのが浮世の習い。またしつこく残暑が戻ってくるのでしょうね。

9月一杯はクールビズで、勤めも半袖のワイシャツ姿で良いんですけど、行き帰りの電車の空調加減が車掌さんの体感温度次第なので、車掌室は窓が開けられて風を入れて涼しくできても、乗客のいる車両は窓は開くことなく、朝の陽射しがサンサンと入ってくる頃は、車内がまるでサウナの様になっていることがあります。気配りのできる車掌とそうでない車掌では全然快適度が違ってきます。

さて今回採り上げますモノは、米軍が第一次大戦から使用し、その形状は現在まで受け継がれている水筒(キャンティーン:canteen)です。
↓まずこの画像をご覧ください。両方とも「M-1910キャンティーン」です。左は1918年製造でアルミ製キャップ付き、右は1945年製でベークライト製キャップ付きのモノです。容量は1クォート(1/4ガロンまたは2パイント:0.9463ℓ)です。

WW1からヴェトナム戦争中に樹脂製のモノに替えられるまで使用されました。

↓立てて背面上から。制式名称は「Canteen, M-1910」、ストック・ナンバーは74‐C-80です。製造時期により細部が異なっていますが、分類上この2つは「同じモノ」です。


↓左のモノは本体が前後合わせ製法、右のモノは本体が上下合わせ製法で作られています。キャップをネジ留めする口金部分は、本体の口にネジを切ってあるのではなくて、ネジ部品が口金部分の上からすっぽり嵌め込まれています。


↓左のモノ、第一次大戦から採用されたアルミ製キャップと、本体とをつなぐチェーン。キャップ側面には滑り止めのための平目ローレットが刻まれています。チェーンは洋白(ジャーマン・シルバー)製です。


↓一方右のWW2時製造分には黒色ベークライト製のキャップと、成分比の若干異なる洋白製のチェーン。


↓左の第一次大戦時製造分の本体背面の刻印。「9」はロット番号?「U.S.」、「ACA 1918」。ACAはThe Aluminum Company of America社 の略です。製造者等の刻印は背面に打たれる場合のほか、底部に打たれることもありました。The Aluminum Company of America社は、現在はAlcoa Inc.となっており、アルミニウムと関連製品の生産加工販売会社としてニューヨーク証券取引所に上場しています。


↓右のWW2モノの底部の刻印。「U.S.」、「R.S.E.」、「1945」。「R.S.E.」はRepublic Stamping and Enameling Co.の略です。現在もいくつかのブランド名で家庭用調理器具・業務用厨房機器などの製造を行っています。


↓もう一つ一次大戦中製造のM-1910キャンティーンを持ってきました。左のモノはデッド・ストックとして入手したモノです。まだ表面の艶消しのためのフロスト加工がかなり残っています。


↓背面側を斜め上から。見た感じ「未使用」という印象です。


↓お腹側です。


↓背面側。


↓デッド・ストックの方の刻印。ロットが「7」であること以外、内容はさっき見た右のモノと同じです。


↓底面も特に違いは無いですがついでに…。


↓さて、やっとステンレス水筒の登場です。左がステンレス水筒(Stainless steel Canteen、ストック・ナンバー:74‐C-87)です。右のモノと同じく上下合わせ製法です。右は冒頭で見ましたアルミ製上下合わせのモノ。ベークライト製キャップは共通です。


↓左のステンレス水筒では口金はアルミ製のモノの様に別部品とはなっておらず、本体からの続きで口金が成形され、且つキャップを締めるためのネジが直接プレスされています。また、本体に熔接された小さいループにキャップから伸びるチェーンのリングが通されています。


↓右のアルミ製のモノは口金部品の根本で真鍮ピンで固定されています。


↓ステンレス水筒の方のキャップ。上面に「U.S.」の凸モールドがあります。このモールドがあるモノははWW2最末期あるいは戦後製造のモノなのではないかと思っています。


↓ステンレス水筒の底面の刻印です。「U.S.」、「VOLLRATH」、「1944」。VOLLRATH社は現在The Vollrath Company, LLCとなり、業務用厨房機器・家庭用調理器具・什器製造メーカーとして頑張ってらっしゃいます。



以上駆け足気味で見て参りました。
現在日本ではアルミキャップのモノの入手はなかなか難しいですが、アメリカでは比較的安価で入手できます(40ドルも出せばかなり良いものが手に入ります)。ベークライト製キャップ付きのモノなら更に安価で手に入ります。

私がWW2米陸軍兵士装備のコレクションを始めてから、この水筒本体の入手は意外に簡単だったことをよく覚えています。
最初に本体を入手したのは地元大阪・アメリカ村の「ナニワ・ガラクター」での事でした。今回ご紹介したR.S.E.刻印のM-1910がそれです。価格は当時(30年前)2,000円でした。現在ではお店によってはものすごい値段になっているようですが、海外、特にアメリカでの市場価格を見れば適正価格というのは自ずと分かってきます。個人輸入の場合でも税関を通すのに困難はありませんし、関税も値段にすると苦にはならないレベルです。と言うかこんな水筒一個だけだと通常は課税されることはありません。
一方、カバー(特にカーキ色)は高価で、出物も少なく、私が入手したのはコレクションを始めてからかなり時間がたってからでした。

まだまだ国内でのミリタリーモノ蒐集という趣味がメジャーと言えるレベルには達していない現状に鑑みれば、海外のミリタリーアンティーク店の価格に比べて国内のショップでの売り出し価格が高くならざるを得ないのは理解できます。関税・通関料等々が掛かるのも理解できますが、あまりにも「盛って」いる売り出し価格を見ると、足元見過ぎーと突っ込みたくなります。

それでは今回はこの辺で失礼します。また次回お会いしましょう。














  

Posted by Sgt. Saunders at 08:00Comments(0)米軍(U.S.)Canteens