2014年01月02日
ドイツ軍M31水筒(とコップ)〈Feldflasche mit Trinkbecher〉その2
あけましておめでとうございます。
今年もおっさんの戯れ・雑感・昔話にお付き合いください。
「この説明文の意味が分からん」、「もっと詳しく見せてくれ」、「それは間違っとるぞ」などのご意見等がありましたら、どうぞ忌憚なくお寄せ下さい。よろしくお願い申し上げます。
さて、前回のドイツ軍・「水筒(とコップ)〈Feldflasche mit Trinkbecher〉」の続きを・・・。
ドイツ陸軍のいわゆる31年式(型)水筒について細かく見ていってます。
↓コップの本体への固定は5つ穴のストラップ・バックル留めです。穴は5つも必要でしょうか?多くても3つもあれば事足りるのではないでしょうか。理由が判りません。
↓フェルトカバーのスナップ金具。外側のメススナップです。コップが被っているときは3つが露出します。三菱ならぬ四つ菱デザインです。
↓コップを外すと4つ全部が見えます。
↓アルミ合金製のキャップには、滑り止めのため縁に斜めの平目ローレットが施されています。またキャップは革製ストラップで他のストラップと繋がっていて紛失を防ぎます。
↓キャップを上から。「MN39」の刻印。
↓カバーを外していきましょう。スナップを外すとオススナップが見えました。
↓フェルトに直接スナップを付けず、杉綾織り(Herringbone Twill:HBT)の裏布を当てた上でスナップが取り付けられています。キャップと同じ「MN 39」のスタンプがあります。
↓メススナップの裏側の拡大。「PRYM」の刻印があります。
↓一方のオススナップ側には、金具が直接水筒本体に当たらないように当て布(これはフェルト)があり、・・・
↓それをめくると、メススナップと同様、フェルトに直接スナップを付けず、杉綾織りの裏布を当てた上でスナップが取り付けられているのが判ります。こちらには「R&K 7」のスタンプがあります。スナップには水平線から朝日が半分のぞいている「あけぼの印」のような、あるいは大麻草のような刻印が7個円周に等間隔で並んでいます。この画像ではちょっと判りませんね。
で、拡大。
↓底部のストラップ固定用「擬宝珠(ぎぼし)」拡大。アルミ合金製。
カバーを外して裏表をひっくり返しました。
↓正面側の裏側。
↓背面側の裏側。
どちらも表側に付く革ループの縫い付け裏面でやや薄い革を当てて強度対策をしています。直接フェルトに革ループを付けると荷重負荷に耐えきれずフェルト地が破損してしまう恐れがあるからです。
↓フェルトカバーの開口部の「口角」部分と言いましょうか、杉綾織りのHBT布を当てて補強しています。
拡大。「159(?)」のスタンプがあります。
↓フェルトカバー底部の「擬宝珠(ぎぼし)」の裏側。
↓拡大。ここはストラップと同じくらいの厚さの革を当ててワッシャーをかませてカシメてあります。さらにそれが水筒本体に直接当たらないようにフェルトを当ててあります(指でクリンとめくっている部分)。もうまさに「ドイツ人の仕事」です。
↓アルミキャップを開けたところ。
↓オレンジ色のパッキンがあります。アルミ合金の白い錆がかなり付着しています。
↓首の部分にも、キャップやカバーにあるのと同じ刻印・スタンプ「MN39」の刻印。1939年、製造者秘匿コード「MN」製造のモノです。
↓水筒本体。容量0.8リットル。
↓右脇側からの図。背中は縦まっすぐ。お腹がポテッと膨らんでいます。
↓背中。浅く凹んでます。
↓革ストラップの全景。キャップからバックルまでのストラップがあって、その外側にコップを上から押さえつける役割と雑納への固定役を担うもう一本のストラップが赤矢印の部分で縫い合わされてあり、さらに青矢印の部分でクリップ部分が縫い合わされています。
↓上の画像の赤矢印部分。何やら刻印が・・・。
↑「R&K」の刻印です。フェルトカバーのオススナップ裏側のスタンプと同じ「R&K」です。
↓クリップの拡大。アルミ合金製の前後合わせ成型です。この部品も例に洩れず、大戦後期になってくると鉄製の打ち抜き加工で造られるようになっていきました。
↓クリップの内側。「38 vH. & Co」の凸モールド表記。
↓バックル裏側。いかにも質実剛健といった「ドイツ人仕事」らしい部分がここにもありました。
↓最後はコップです。折り畳みの取っ手がいいですね。
使うときはこのように起こして
↑このように持てます。
↓「W.A.L. 39」、1939年・製造者秘匿コード「W.A.L.」製です。
駆け足で見てきましたが、「ドイツ人の仕事」、「質実剛健」、「至れり尽くせり」感が満載でした。こういう処に私はとても魅力を感じます。
米軍装備とはまた違う「良さ」があります。
では、また。
今年もおっさんの戯れ・雑感・昔話にお付き合いください。
「この説明文の意味が分からん」、「もっと詳しく見せてくれ」、「それは間違っとるぞ」などのご意見等がありましたら、どうぞ忌憚なくお寄せ下さい。よろしくお願い申し上げます。
さて、前回のドイツ軍・「水筒(とコップ)〈Feldflasche mit Trinkbecher〉」の続きを・・・。
ドイツ陸軍のいわゆる31年式(型)水筒について細かく見ていってます。
↓コップの本体への固定は5つ穴のストラップ・バックル留めです。穴は5つも必要でしょうか?多くても3つもあれば事足りるのではないでしょうか。理由が判りません。
↓フェルトカバーのスナップ金具。外側のメススナップです。コップが被っているときは3つが露出します。三菱ならぬ四つ菱デザインです。
↓コップを外すと4つ全部が見えます。
↓アルミ合金製のキャップには、滑り止めのため縁に斜めの平目ローレットが施されています。またキャップは革製ストラップで他のストラップと繋がっていて紛失を防ぎます。
↓キャップを上から。「MN39」の刻印。
↓カバーを外していきましょう。スナップを外すとオススナップが見えました。
↓フェルトに直接スナップを付けず、杉綾織り(Herringbone Twill:HBT)の裏布を当てた上でスナップが取り付けられています。キャップと同じ「MN 39」のスタンプがあります。
↓メススナップの裏側の拡大。「PRYM」の刻印があります。
↓一方のオススナップ側には、金具が直接水筒本体に当たらないように当て布(これはフェルト)があり、・・・
↓それをめくると、メススナップと同様、フェルトに直接スナップを付けず、杉綾織りの裏布を当てた上でスナップが取り付けられているのが判ります。こちらには「R&K 7」のスタンプがあります。スナップには水平線から朝日が半分のぞいている「あけぼの印」のような、あるいは大麻草のような刻印が7個円周に等間隔で並んでいます。この画像ではちょっと判りませんね。
で、拡大。
↓底部のストラップ固定用「擬宝珠(ぎぼし)」拡大。アルミ合金製。
カバーを外して裏表をひっくり返しました。
↓正面側の裏側。
↓背面側の裏側。
どちらも表側に付く革ループの縫い付け裏面でやや薄い革を当てて強度対策をしています。直接フェルトに革ループを付けると荷重負荷に耐えきれずフェルト地が破損してしまう恐れがあるからです。
↓フェルトカバーの開口部の「口角」部分と言いましょうか、杉綾織りのHBT布を当てて補強しています。
拡大。「159(?)」のスタンプがあります。
↓フェルトカバー底部の「擬宝珠(ぎぼし)」の裏側。
↓拡大。ここはストラップと同じくらいの厚さの革を当ててワッシャーをかませてカシメてあります。さらにそれが水筒本体に直接当たらないようにフェルトを当ててあります(指でクリンとめくっている部分)。もうまさに「ドイツ人の仕事」です。
↓アルミキャップを開けたところ。
↓オレンジ色のパッキンがあります。アルミ合金の白い錆がかなり付着しています。
↓首の部分にも、キャップやカバーにあるのと同じ刻印・スタンプ「MN39」の刻印。1939年、製造者秘匿コード「MN」製造のモノです。
↓水筒本体。容量0.8リットル。
↓右脇側からの図。背中は縦まっすぐ。お腹がポテッと膨らんでいます。
↓背中。浅く凹んでます。
↓革ストラップの全景。キャップからバックルまでのストラップがあって、その外側にコップを上から押さえつける役割と雑納への固定役を担うもう一本のストラップが赤矢印の部分で縫い合わされてあり、さらに青矢印の部分でクリップ部分が縫い合わされています。
↓上の画像の赤矢印部分。何やら刻印が・・・。
↑「R&K」の刻印です。フェルトカバーのオススナップ裏側のスタンプと同じ「R&K」です。
↓クリップの拡大。アルミ合金製の前後合わせ成型です。この部品も例に洩れず、大戦後期になってくると鉄製の打ち抜き加工で造られるようになっていきました。
↓クリップの内側。「38 vH. & Co」の凸モールド表記。
↓バックル裏側。いかにも質実剛健といった「ドイツ人仕事」らしい部分がここにもありました。
↓最後はコップです。折り畳みの取っ手がいいですね。
使うときはこのように起こして
↑このように持てます。
↓「W.A.L. 39」、1939年・製造者秘匿コード「W.A.L.」製です。
駆け足で見てきましたが、「ドイツ人の仕事」、「質実剛健」、「至れり尽くせり」感が満載でした。こういう処に私はとても魅力を感じます。
米軍装備とはまた違う「良さ」があります。
では、また。
この記事へのコメント
はじめましてSHIRANと申します。
同じような徒然名を持つタイトル仲間として装備品紹介を楽しませて頂きました。
詳細な装備品紹介これからも頑張ってください。
参考にさせていただきます。
同じような徒然名を持つタイトル仲間として装備品紹介を楽しませて頂きました。
詳細な装備品紹介これからも頑張ってください。
参考にさせていただきます。
Posted by SHIRAN at 2014年01月02日 23:42
SHIRAN さん
はじめまして。ブログ読ませて頂きました。
旧軍、サバゲなど私の興味分野に重なっていて、今後ちょくちょくお邪魔しますので、よろしくお願いします。「徒然」つながりで、これも何かの縁ですね。
ご来訪ありがとうございました。
はじめまして。ブログ読ませて頂きました。
旧軍、サバゲなど私の興味分野に重なっていて、今後ちょくちょくお邪魔しますので、よろしくお願いします。「徒然」つながりで、これも何かの縁ですね。
ご来訪ありがとうございました。
Posted by Sgt. Saunders at 2014年01月03日 15:13
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