プロフィール
Sgt. Saunders
Sgt. Saunders
少ない軍資金でコツコツ集めてウン十余年。
基本はWWⅡUS陸軍歩兵科です。US​WWⅠ​モノ、朝鮮戦争モノ、ヴェトナム戦争モノ、WWⅡドイツ軍モノ、大日本帝国海・陸軍モノにもチョロチョロ手を出す癖アリ。
また軍用銃、特にWWⅠ以降のUS・ドイツのものに深い興味があります。
Have been interested in the equipments of U.S. infantryman, heavy emphasis on WW2. Also in those of The Third Reich and military small arms.
好きなTV映画(Favorite TV movies):COMBAT! 、OK捕虜収容所(Hogan's Heroes)、特攻・ギャリソンゴリラ(Garrison's Gorillas)、ラット・パトロール(The Rat Patrol)、M*A*S*H、頭上の敵機(爆撃命令)(12 O'clock High)、0011ナポレオン・ソロ(The Man from U.N.C.L.E.)バンド・オブ・ブラザース(The Band Of Brothers)など。
好きな映画(Favorite films):チャップリンの独裁者(The Dictator)、プライベート・ライアン(saving private ryan)、最近ではフューリー(Fury)など。
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2018年04月29日

ミッチェル・パターン・ヘルメット・カバー(Mitchell pattern camo helmet cover)

こんにちは。
さあ、金正恩さん、どうなるのでしょうか。期待していいのでしょうか。ヴィジュアル的にも劇的な南北首脳会談のニュースが駆け巡りましたが、この後どう展開するのでしょうか。
ビクトリーショー行きたかったなー。

さて、季節が暑い時期へ移りつつある中、米軍ファンがサバゲでの装いとして用いやすいのはやっぱりヴェトナム戦争モノかWWⅡ太平洋戦線モノになって来ますでしょうか。
それに合わせたわけではありませんが、今回の投稿ネタはヴェトナム戦争時に用いられた、いわゆるミッチェル・パターン・カモフラージュ・ヘルメット・カバー(Mitchell pattern camouflage helmet cover)です。定刻より2時間余り過ぎての投稿です。

↓これはミッチェル・パターン・カモフラージュ・ヘルメット・カバー(Mitchell pattern camo helmet cover(以下「ミッチェル・カモ・カバー」と略します)を被せたM1ヘルメットです。
https://www.ebay.com/itm/ORIGINAL-LATE-VIETNAM-ERA-M1-HELMET-W-LINER-CAMO-COVER/222935272943?hash=item33e7fa4def:g:jl8AAOSw64ha2lDP#viTabs_0
↑この画像はeBayでbbmilitariaさんが現在出品中のページからの引用です。→こちらがそのURLです。 I hope his/her items sold successfully. bbmilitariaさま、宣伝しましたのでどうぞ引用をお許し下さい。

ミッチェル・パターン(Mitchell pattern)とは何か?という方もおいでかと思いますが、ここでは詳しくは申しません。元々は朝鮮戦争中に開発され、1953年に海兵隊用のシェルター・ハーフ(いわゆるテントです)に用いられたカモフラージュ・パターンでしたが、その後官給の戦闘服には採用されず、今回採り上げるヘルメット・カバーや、若干の装備品にのみ採用されるに留まりました。ただし民間業者がこのパターンを活かしたシャツ、ジャケット等幅広く製造販売しておりまして、兵士が個人レベルでそれらを着用していたというケースがありますから注意が必要です。ヘルメット・カバーとしては1959年に採用されました。

↓米国のナショナル・アーカイブより「Da Nang, Vietnam - A young Marine private waits on the beach during the Marine landing. - August 3, 1965.」。カバーの詳解をするための適切な画像が無いかなーと探していましたらこの画像を見つけました。

ミッチェル・カモ・カバーを装着したM1ヘルメットを着用している海兵隊兵士です。陸軍では冒頭の画像のようにヘルメットの下端部に細いバンドを留めていたのが一般的でしたが、このバンドの海兵隊への支給が始まったのは陸軍よりも大幅に後れてからの事で、この画像のようにバンド無しで、もしくは手近なゴムチューブを加工してバンド替わりに使っていました。またヘルメットそのものについてですが、ライナー・ヘルメットがWWⅡ型であることを示す茶革チン・ストラップが見えます。1965年当時まだ旧式のWWⅡ型のライナー・ヘルメットが使用されていたことが分かります。カバー側面に落書きの一部が確認できます。背中にはヘルメット・カバーと同じミッチェル・パターンのシェルター・ハーフが担がれているのが分かります。











































↓では幾つか現物をご覧いただきます。まず一つ目です。カバーはグリーン系蔓草柄(vine leaf)のサマー面と、ブラウン系雲形柄のウィンター面の両面リバーシブル生地を用いた2枚ハギ仕様です。グリーン系の面を表にして装着している例の方が圧倒的によく見られます。水色丸で示しているのはfoliage slit(枝葉孔)で、擬装用の植物等を挿すためのものです。片側に8つずつ設えられています。


赤矢印で示した褪色・摩耗が激しく白っぽく見える部分は、ヘルメットにカバーを装着した時(被せて、下部のヒラヒラをヘルメット・シェルとライナー・ヘルメットの間に托し込んで装着した時)にヘルメットの縁が当たる部分なのですが、そのままではヘルメット本体のチン・ストラップ・ループがカバーの外に出ないので、これを通すために緑丸の所に兵士が各自で入れたスリットがあります。あとでご紹介する2つ目のモノでは、カバー下側の緑弧線で示した裁断上の切れ込みがチン・ストラップ・ループの部分まで深く達していて、そこからループを通せるので、わざわざ切れ込みを入れてやる必要はありません。

↓そのままひっくり返しました。当然ながらこちらにもヘルメット本体のチン・ストラップ・ループをカバーの外に出すためのスリットが入れられています(緑丸部分)。

グリーン系迷彩は薄緑地に濃緑、緑、黄緑と黄土色の葉形と茶色の小枝柄で構成されます。

↓何か文字があります。


↓逆さにすると「BYRNE. M」。M.バーンさんが名前を記したと思われます。


↓裏表を返してブラウン系の面です。迷彩のパターンは雲形で、タン色地に焦茶、朽葉、ベージュ、茶と黄土色の雲形柄で構成されます。


↓ブラウン系の面にスタンプが押されています。

曰く、
COVER HELMET
CAMOUFLAGE
CONTRACT No. 5656
FSN 8415-261-6833
契約番号から見た製造年は1964年とする資料がありますが、自身で直接は確認しておりません。


↓2つ目です。1つ目よりも消耗度が低く、カモフラージュ・パターンがしっかり確認できます。1つ目のモノの説明で触れましたが、裁断上の切れ込みがチン・ストラップ・ループの部分にまで深く達しており、そこからループを通せるので、わざわざ切れ込みを入れてやる必要はありません。ミッチェル・パターンは他のカモフラージュ・パターンが抽象的な模様の組み合わせとなっているのと異なり、「葉っぱ」という具体的な形がそのまま活かされたカモフラージュ・パターンであるという点で特徴的です。

白く線状に褪色・摩耗しているヘルメット縁ラインまで生地の切れ込みがありますね。

↓取り敢えず反対側です。特記事項無しです。擬装用のfoliage slit(枝葉孔)も同じように片側に8つずつあります。


↓ブラウン系の面です。雲形のパターンがよく分かります。


↓スタンプの拡大です。

曰く、
COVER, HELMET CAMOUFLAGE
CONTRACT NO. 8027
FSN 8415-261-6833
100% COTTON
DPSC DIR OF MFG
とあります。資料によれば契約番号8027は1964年から1965年にかけての製造のようです。FSN(Federal Stock Number)は8415-261-6833で、このカバーの管理上の固有の「制式番号」です。上の1つ目のモノのスタンプにはこれが含まれていませんでしたが、「記すまでもないやろ?」ということです。「100% COTTON」、はい、100%コットン製です。但しまたあとで触れますが、コットンといってもその生地の種類は幾つか異なるモノが用いられています。最後の行の先頭の「DPSC」とはフィラデルフィアの「Defense Personnel Support Center」の略で、1965年7月にDSA(The Defense Supply Agency)の衣料繊維・医薬品・需品供給の3つのサプライ・センターを統合して設立されました。DIR.OF MFG.と続きますので、「DPSC製造部局長」てなところでしょうか。 向こうの官庁等の名前を日本語で正確に、日本の外務省が公的にどう訳しているかまで調べるのは困難なので、あくまでも我流での訳ですので参考程度にして下さい。

↓最後3つ目です。消耗度は中程度で、カモフラージュ・パターンもよく確認できます。上の2つ目のモノと同様裁断上の切れ込みがチン・ストラップ・ループの部分にまで深く達しているように見えますが、実は浅い切れ込みの先端部分の生地がチン・ストラップの所まで切り取られてあります。カバーの縁取りのロックミシン・ステッチが途中で消えて、「生地切りっぱなし」になっているのがお分かりいただけますでしょうか。


↓反対側です。擬装用のfoliage slit(枝葉孔)が片側に8つずつあるのはミッチェル・カモ・カバー共通の仕様です。


↓ブラウン系の面です。ヘルメットから貰った錆が若干付着しています。


↓スタンプです。

曰く、
COVER HELMET CAMOUFLAGE
CONTRACT NO. 8116
8415-261-6833
契約番号8116は1965年初めの製造と資料にあります。あとはFSNが記されているのみです。

↓使用されている生地が、今まで見て来た1つ目2つ目のモノが目の細かいダックであるのと違い、サテン地となっています。


↓2つ目のモノの拡大です。コットン・ダックですね。


↓3つ目のサテンのモノ。↑2つ目のダックは比較的堅く、生地を縦横斜めに伸ばそうとしても伸びにくいですが、サテンはその織り方の特性上斜めには伸びます。


↓上がダック、下がサテン。ダックはややゴワ付く感じですがサテンは柔らかい感触です。スペック上の違いはどの資料を見ても無いように思われます。



エッジの切れ込み具合や使用素材の違い、製造時期、また今回は採り上げませんでしたが2枚ハギの合わせ部分の縫製の違い等については現在もいろんなフォーラムで議論されており、体系的な確定的検証が完了している訳ではありませんが、通説、多数説、少数説については皆さんで各自お調べになってみて下さい。嵌り込むともう複雑で頭がこんがらがりそうです。

また、ミッチェル・パターンの「Mitchell」とは何か?という件についても今回いろいろ調べましたが、これも確定判断するのに十分な資料には行き当たりませんでした。海外の研究者によれば「Mitchell」はアカネ科の開花植物の属である学名Mitchella(和名表記:ツルアリドオシ(蔓蟻通し)属)から来ているとされておられる方があります。Wikipediaで「ツルアリドオシ属」の項を見て下さい。その画像を見る限りでは、ヘルメット・カバーに用いられているほどの大きい葉っぱではなく、小さい可愛い葉っぱなので、個人的には「ウ~ン」の域を出ません。

更にそもそも「Mitchell Pattern」と括られて巷間通用していますが、この呼称も研究者によっては「言い間違いである」と仰る方もあり、「グリーン系面は『wine leaf(ワインの品種の元となる葡萄の葉)』もしくは『vine leaf(蔓系植物の葉)』である。」とし、ブラウン系面を指して「『Mitchell』若しくは『clouds pattern』は…」などと仰っておられることもあって、もうどうにも訳が分からなくなって来ました。


現在そこそこの程度であれば$10も出せば比較的簡単に入手できます。ただ近時中国製等の良く出来たレプリカ品が出てきており、実物にこだわる方は注意が必要です。スタンプも精巧に再現され、もはやFakeの域にあるモノもあります。

以上何ともまとまらないまま、今回はこの辺で失礼致します。







参考書籍・サイト等:Mark A Reynosa著「Post-World War II M-1 Helmets: An Illustrated Study」 Schiffer Publishing刊、U.S. Militaria Forum「Mitchell Cover Contract List」、WW2-ETO forum「'Mitchell' camo pattern M1 helmet Cover Contract List, 1959-1977」等々。





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