プロフィール
Sgt. Saunders
Sgt. Saunders
少ない軍資金でコツコツ集めてウン十余年。
基本はWWⅡUS陸軍歩兵科です。US​WWⅠ​モノ、朝鮮戦争モノ、ヴェトナム戦争モノ、WWⅡドイツ軍モノ、大日本帝国海・陸軍モノにもチョロチョロ手を出す癖アリ。
また軍用銃、特にWWⅠ以降のUS・ドイツのものに深い興味があります。
Have been interested in the equipments of U.S. infantryman, heavy emphasis on WW2. Also in those of The Third Reich and military small arms.
好きなTV映画(Favorite TV movies):COMBAT! 、OK捕虜収容所(Hogan's Heroes)、特攻・ギャリソンゴリラ(Garrison's Gorillas)、ラット・パトロール(The Rat Patrol)、M*A*S*H、頭上の敵機(爆撃命令)(12 O'clock High)、0011ナポレオン・ソロ(The Man from U.N.C.L.E.)バンド・オブ・ブラザース(The Band Of Brothers)など。
好きな映画(Favorite films):チャップリンの独裁者(The Dictator)、プライベート・ライアン(saving private ryan)、最近ではフューリー(Fury)など。
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2018年05月27日

M1カービン用マガジン・ポケット(Double-web Magazine Pocket for M1 Carbine )

みなさんこんにちは。
嘘、言い逃れ、ごまかし、強弁、はぐらかし、無視…。政治もスポーツも、呆れて嘆息ばかり出てしまうような出来事ばかりの我が日本国。
その中の一地方の、梅雨入り前の暑いんだかうすら寒いんだか分らない天候が続いております当地大阪から、エアコンの始動準備作業を終えて一気に書き上げてお送りします今回のネタは、WWⅡから米軍が使用したM1カービン用15連マガジン・ポケット(Pocket, Magazine, Double, Web, For Carbine, Caliber .30, M1)です。

その前に、まずこのイラスト↓をご覧下さい。少し前にトンプソン短機関銃用20連マガジン・パウチ(Thompson 5-Cell 20rds Mag. Pouch)の回でも取り上げましたが、30年近く前の月刊コンバット・マガジンの巻末に折り込まれていた今は亡き川越のりと先生の筆による「兵隊さんイラスト」シリーズのうちの一つ「Infantry Officer」です。押入れ整理中に発見したこのイラストを眺めておりましたら「次のネタは、これにしよう!」とインスパイアされました。このイラストの中の...


↓これです。川越先生は「M1 CAL..30 CARBINE DOUBLE-WEB, MAGAZINE POCKET(M1騎銃用予備弾倉入)」と表記なさっておられます。カービンとは騎銃という意味なんだよと改めて念を押された気がします。

イラストではポケット部のウェブと縁取りテープがODシェード#7、フラップから背面のループ部分のダックがODシェード#3で、1943年頃のシェード移行時の布製装備品によく見られる、部材ごとにシェードが異なるシェード混合(トランジショナル)パターンのモノが描かれています。

↓はい、やっと現物です。M-1カービン用の15連マガジンを2本収めるポケットです。手持ちの中に全く同じシェードパターンで構成されたモノが無かったのですが、似た感じのモノを出してきました。フラップと縁取りテープがシェード#3、ポケット部がシェード#7で構成されています。


↓フラップの留め具は言わずと知れたLift-the-Dotです。黄銅製です。「Klikit」 」、「✡」、「PULL」の刻印がありますので、メーカーはRau Fastener Companyです。「STAR」、「✡」、「PULL」という組み合わせの刻印もRAU社のモノです。因みに本当はダビテ星・六芒星(✡)じゃなくて中の六角形が無い「六光星」です。


↓フラップを開けました。Lift-the-Dotのオス部品(スタッド)は2つのポケットに亘らせた土台ウェブ・テープに設えられています。


↓「S-3904)」のスタンプは製造時ではなく貸与を受けた者が記名の目的で施したモノです。手書きの「S-9502」は、また別の者が貸与を受けた際に前の借用者「S-3904」の表示を抹消して新たに記名したモノです。Army Regulation (AR) 850-5 (MARKING OF CLOTHING, EQUIPMENT, VEHICLES AND PROPERTY) の9aで装備品への記名方法として、持ち主の姓のイニシャルと認識番号の下4桁を組み合わせたモノを「名前代わり」にして記名するように定められてあります。S-9502の人が前の借用者S-3904の表示を横線で消して新たに自身の表示をしたということが分かります。



↓Lift-the-Dotのメス部品の裏側(クリンチ・プレート(clinch plate))。RAU社のモノの中には外周に沿って社名と所在地(RAU FASTENER CO./PROVIDENCE R.I.)が刻まれているモノもあります。

因みに、ブリティッシュ・メイドの装備品に用いられたLift-the-Dotのクリンチ・プレートはプレーン、つまり「まっ平」になっているモノが多いですが、「米国本土製」の装備品に用いられたLift-the-Dotのクリンチ・プレートは縁から盛り上がっています。ブリティッシュ・メイドのモノがプレーンなのは問題無いですが、米国製のモノなのにプレーンなクリンチ・プレートであれば「レプリカ」でないかどうか疑う必要があります。

↓素材の違いが分かる画像です。


↓裏面です。製造者名「HOFF」、製造年「1943」のスタンプがあります。製造者数は50者ほどに及ぶんだそうで、すべてのメーカーのモノを集めている海外のコレクターのHP(ブログだったかな?)を見たことありますけど、圧巻でした…。
M-1936 ピストル・オア・リボルバー・ベルトに固定して使うために用いるオス・スナップが設えられています。左端に写っているのは大きさ比較用に置いたポケットナイフです。


↓オス・スナップの拡大です。先ほどのLift-the-Dotと同じメーカーRAU FASTENER社製です。社名と所在地(RAU FASTENER CO./PROV.R.I.)が刻まれています。


↓ループの内側にオス・スナップが見えています。ループにM-1936 ピストル・オア・リボルバー・ベルトを通して、ベルトのメス・スナップにこのオス・スナップを嵌めて固定します。(M-1923乗馬部隊用30口径カートリッジ・ベルトにもスナップを留めて装着できます。)


↓これです。


↓このポケット背面のループは、本来は上述の通りピストル・ベルト等に通して使うことを目的としているものでしたが、ベルトではなくM-1カービンのストック(銃床)に通しても使われていたのは皆さんご承知の通りです。TV映画コンバット!でもヘンリー少尉がやってました。ストックに通して使うのは、あくまでも前線の兵士が工夫して考案した用法でありオフィシャルなものではありませんから、このポケットの事を「ストック用パウチ」と呼ぶのは便宜的なもの(俗称)です。


↓毎度おなじみQuartermaster Supply Catalogの、まずはQM Sec.1, 1943年8月版です。名称が「POCKET, MAGAZINE, DOUBLE, WEB, FOR CARBINE, CALIBER .30, M-1」となっており、通常の語順にすると「WEB DOUBLE MAGAZINE POCKET FOR M-1 CALIBER .30 CARBINE」となります。

なお、右側に本ポケットの後継モデルとなる「POCKET, CARTRIDGE, CAL. .30, M-1, CARBINE or RIFLE(M-1カービン/小銃 30口径カートリッジ・ポケット)」が掲載されています。M-1カービン専用ではなく、M-1小銃(ガーランド)の8連クリップの収納も可能にしてあるモノです。

↓一方こちらはQM 3-1, 1946年5月版です。こちらでは「POCKET, MAGAZINE, DOUBLE-WEB, CARBINE, CALIBER .30, M-1」と、ハイフンでDOUBLEとWEBを繋いでいます。通常の表記にすると「M-1 CALIBER .30 CARBINE DOUBLE-WEB MAGAZINE POCKET」となり、極めてシンプルな表記になってます。「FOR」の語が抜けて、「M-1 30口径カービンダブル・ウェブ・マガジン・ポケット」から「M-1 30口径カービン ダブル・ウェブ・マガジン・ポケット」へと少し表現が変わっています。

画像中黄色のマーカーで印をつけているところ、「LIMITED STANDARD-To be issued until exhausted(限定採用-消費し尽されるまで支給される(=支給は在庫限り))」とあります。これは先ほど見ました1943年8月版の画像でも触れました「POCKET, CARTRIDGE, CAL. .30, M-1, CARNINE or RIFLE(M-1カービン/小銃 30口径カートリッジ・ポケット)」(この画像では下にあります。)が「主流」になって行ったんだということが分かります。両者の違いの詳しい点については拙稿WWⅡU.S.マガジン・パウチ(その2)(WWⅡU.S.magazine pouches:#2)をご覧ください。


縷々見て参りました。いかがでしたか?
記事中でも触れましたようにWWⅡ中に製造が終わっており、現存数が比較的少なくなっているためか価格は上昇を続けています。
私が最初に入手したのは全体がカーキ色(ODシェード#3)であったものの程度が悪く(小穴、ほつれ数ヶ所あり)、20年くらい前でしたが2,000円程でした。現在今回ご紹介したような程度のモノだとシェードの違いに関わらず、eBayでは30ドルくらいで入手することが可能です。国内市場でも少し上乗せしたくらいの値段で、まだまだ入手はし易いと思います。
M-1カービン・M-1小銃兼用のポケットの方はWWⅡ後も朝鮮戦争を経てヴェトナム戦中も製造が続けられていたため、製造年にこだわらなければデッド・ストックでもeBayで10ドル程度で入手できます。国内では良品で大体2,000円くらいが底値でしょうか。

あと余談ですが、日本では一般的に「カービン」と呼称していますが、「カーバイン」と発音する欧米人も多いので特に海外に行ったときは注意しましょう。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また次回お目にかかりたいと思います。








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