プロフィール
Sgt. Saunders
Sgt. Saunders
少ない軍資金でコツコツ集めてウン十余年。
基本はWWⅡUS陸軍歩兵科です。US​WWⅠ​モノ、朝鮮戦争モノ、ヴェトナム戦争モノ、WWⅡドイツ軍モノ、大日本帝国海・陸軍モノにもチョロチョロ手を出す癖アリ。
また軍用銃、特にWWⅠ以降のUS・ドイツのものに深い興味があります。Interested in the clothing and equipment of the U.S. Army infantryman; heavy emphasis on WW2 and Viet-Nam War. Also in those of the Third Reich, and the military small arms.
好きなTV映画(My favorite TV movies):COMBAT! 、OK捕虜収容所(Hogan's Heroes)、特攻・ギャリソンゴリラ(Garrison's Gorillas)、ラット・パトロール(The Rat Patrol)、M*A*S*H、頭上の敵機(爆撃命令)(12 O'clock High)、0011ナポレオン・ソロ(The Man from U.N.C.L.E.)、バンド・オブ・ブラザース(The Band Of Brothers)など。
好きな映画(My favorite films):チャップリンの独裁者(The Dictator)、プライベート・ライアン(saving private ryan)、フューリー(Fury)など。
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2021年11月28日

US M6バイヨネット(U.S. M6 Bayonet-Knife)

みなさん、こんにちは。紅葉が色付きはじめて暫く経ちまして、当地の周辺でも南か北か・高いか低いかで「色付き始め」から「落葉近し」までバリエーション豊富な紅葉スポットが存在しますが、先週にまだ一回しか見物に行っておりません。投稿完了後どこかに行こうかと思います。

さて高気圧が広がって快晴の大阪某郊外から今回お届けするのは米軍が1957年に制式採用したM14口径7.62mmライフル(United States Rifle, Caliber 7.62 mm, M14)用の銃剣「M6バイヨネット(M6 Bayonet-Knife)」です。制式名称は「バイオネット-ナイフ」なんだそうで、バイオネットでもありナイフでもあるということでしょう。
私は外来語として「バイオネット」と言うよりも実は「銃剣」と言う方が好きなのですが、普段「グレネード・ローンチャー」と言っておいて「榴弾発射器」とはあまり言わない事に対比させると、やはり「バイオネット」と言うべきか…まぁそんなことはどうでもいい事ですね。済みません。

↓はい、M8A1スキャバードに収まったM6バイオネットです。


↓抜きました。みなさんお気付きでしょうが、銃砲刀剣類所持等取締法により、哀れにも刀身長が15cmに収まるように先端が切断されています。大昔は放出品のバイオネットを買うと、この切断された先っちょも一緒に付けてくれてました。セロテープでくっ付けてますが、見る度に悲しい気持ちになります。またこの個体の刀身部分は何か黒い塗料で塗られていて折角のパーカライジング仕上げが隠れてしまってます。これも悲しい事です。変に剥がすともっと見栄えが悪くなるかもと、「塗料剥がし剤」などは使ってません。どうしたらいいでしょう。


↓お尻(ポンメル)です。刀身のタン(tang:なかご)の延長部分がポンメルを突き出たところをカシメて固定してあります。これはM4バイオネット、M5バイオネットやM7バイオネットと同じです。上側の凸型の切り欠き部分(アンダーカット・グルーブ)にM14ライフルのバイオネット・ラグを挿し込んで装着します。


↓グリップの下にあるボタン状に加工されているラッチング・ロック・リリース・レバー先端を押して銃とのロッキングを開放します。仕組みはM1ガーランド小銃用のM1905やその子供のM1、孫のM5(M5A1)などと同じです。


↓グリップを上から。プラスティック製のグリップは左右分割のモナカ式パーツです。右の方に先程見たバイオネット・ラグを通すアンダーカット・グルーブがあります。


↓M14ライフルのバイオネット・ラグを…


↓アンダーカット・グルーブに噛み合わせて…


↓サプレッサー先端がクロス・ガード(鍔)のバレル・ホールに通るように真っ直ぐ最後まで押し込むとロックされます。


↓パーツを分解しました。


というところで投稿時刻になってしまいました。申し訳ありません。ちょっと準備が間に合いませんでした。
投稿を丸々来週に遅らせるよりは、一応「隔週日曜日の正午に新規記事投稿」という自己ルールを守ることに致します。厳密に言えば「守っている」のか疑念がありますが。
この続きは次回お送りしますので、どうかお許し下さい。それでは今回はこの辺で一旦失礼いたします。







  

2021年11月14日

US 通信兵TE-33 キット(CS-34 パウチ, TL-13-A プライヤー, TL-29 ナイフ)

みなさん、こんにちは。
当地大阪は紅葉はまだ「色づき始め」といったところです。朝晩はグッと冷え込んでまいりました。今朝の最低気温は8.3℃でした。お天気はまずまずです。

新型コロナ感染者数がググーッと少なくなりましたが第6波が来ないかヒヤヒヤしております。
岸田第2次内閣はどう動いていくのか注目しながら今回お送りするのは「寄り道コレクション」から米陸軍通信兵科装備品を持ってきました。近時入手した「TE-33キット」です。

↓この画像にあるモノ全部をまとめて「TE-33ツール・キット」です。以下順に見ていきますが、内訳はツールを納める革製のCS-34 パウチ(CS-34 Pouch)、TL-13-A プライヤー(TL-13-A Pliers)とTL-29 ナイフ(TL-29 Knife)の3点です。


↓まずはCS-34パウチから。本来は陸軍伝統のラセット・ブラウン色の革製です。本個体はかなり使い込まれた所為で所々が黒っぽく見えます。蓋フラップの刻印が見やすいようにパウチ上部を右に、下部を左にしてます。「POUCH TYPE CS-34」、「SIGNAL CORPS U.S.ARMY」と刻まれています。パウチそのものの名称とプロパティ表示の刻印であり、どこにもキット全体を示す「TE-33」の語はありません。


↓下部のLift-the-Dotです。真鍮製の黒染めで、かなり剥げています。「Lift-the-Dot」との刻印はUnited Carr社製である印です。磨耗なのか刻印が浅くなっています。


↓上部のLift-the-Dotです。下部のモノと同じUnited Carr社製です。こちらは刻印がクッキリしています。


↓フラップを開けました。


↓Lift-the-Dotの裏側のクリンチプレートは上下のどちらもフルフラットです。プレート自体がやや凸型で補強のための「モモンガ」型押しがあるパターンではありません。4か所に四角型の補強型押しのパターンです。


↓上側のLift-the-Dotのクリンチプレートには上述の製造者名「UNITED CARR」と、その所在「BOSTON, MASS.」(マサチューセッツ州ボストン」の表記が刻まれています。革と真鍮が接するところに発生しやすい緑青は革製装備品の保管上常に悩みの種です。除去を雑にやってしまうとこんな風になってしまいます。


↓収納部に戻ります。上のポケットにTL-29ナイフを、下のポケットにTL-13-Aプライヤーの頭を納めて、脱落しないようフラップで2品まとめて覆ってしまう作りです。プライヤーの握把の間にナイフがコンパクトに納まります。それぞれのポケットにLift-the-Dotの雄スタッドが付いてます。


↓ツールを取り出しました。各ポケットのすぐ上に2つあるリベットはパウチ背面に設えられたベルト・ループの固定留具です。


↓革の柔軟性は保たれています。


↓背面にはベルトに通すためのベルト・ループがあります。


↓本体・フラップと同じ仕様の革でループが作られてます。ピストル・ベルトが余裕で通ります。このCS-34はWW2末期には素材がコットン・ダックになり、ダブル・フック・ワイヤ・ハンガーを備えた改良型モデルCS-35が誕生し、徐々に代替されていきます。


↓白い塗料でのステンシル。「228 RK 19」?ちょっと判然としません。恐らく部隊名を指すのだと思います。


↓ステンシルだけでなく、ナイフか何かで書いた文字がありました。「FRANK GROARK」と持ち主の名前かと思われる表記と、その下に「NYGN」?読めません。出身地でしょうか。


↓TL-13-Aプライヤーです。前モデルのTL-13からは先をやや細く改良されたモデルです。門外漢なので詳しくは分かりませんが、ただ、同じTL-13(TL-13-A)と言えどもメーカーによって細かい部分で形状が若干違っているようです。


↓製造者「Diamond Calk Horseshoe Company」のブランド名「DIAMALLOY」、型式名「TL-13-A」、製造者所在「DULUTH USA」の表記。Diamond Calk Horseshoe Companyはミネソタ州ダルースに1908年設立された蹄鉄メーカーで1920年代からはモータリゼーションに沿って工具の製造を始めた老舗だそうで、同社の「SL56 6インチ ラインズマンプライヤー」がこのTL-13と同型の製品です。1981年にTriangle Corporationに譲渡されたあと更にCooper Toolsに譲渡され、1994年には廃業したそうです(Wikipediaより)。


↓反対側です。刃部の反対側の切り欠きの形状はメーカーによってまちまちです。


↓TL-29ナイフです。過去記事「TL-29ポケット・ナイフ」で既にご覧いただいたモノのグリップが木製(紫檀)であったのに対して、この個体のグリップはベークライト製です。


↓「TL-29」と型押しされています。


↓メインのナイフ・ブレードと、先端がマイナス・ドライバーになっていて刃も付いている「スクリュー・ドライバー・ブレード」を有しています。作りの詳細については是非過去記事をご参照下さい。


↓メイン・ブレードの基部の刻印(タン・スタンプ)に製造者「CAMILLUS」、所在地「NEW YORK」と…


↓その下に更に「USA」とありました。見落とすところでした。CAMILLUS社も長く米軍へ刃物関連の納入を続けておりました。前回記事の「US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)」のポケット・ナイフの製造もおこなっていました。



以上でございます。
TL-29ナイフは新たに入手する必要は無かったのですが、TE-33ツール・キットとして手ごろな価格でしたのでまとめて入手してしまいました。通信兵装備全般を蒐めようという気は無いのですが、何かかっこよくてつい手を出してしまいました。TE-33として3点まとめての出品は中々少なく、またTL-13プライヤー単体での出品もそうそう無いこともあるためでもあります。でもこうなるとCS-35も欲しくなってきました。この辺が寄り道コレクションの怖いところです。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後お会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:07Comments(0)米軍(U.S.)Special Tools

2021年10月31日

US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)

みなさん、こんにちは。
本日は衆議院議員選挙投票日でございます。もうお済ませですか?候補者の美辞麗句に惑わされず、またこれまでの自公政権での国政をしっかり吟味した上で、私もこのあと投票に参ります。
当地大阪は薄い雲が若干出ておりますが、まずまずのお天気です。投票率が激減する要因となるようなお天気にならず良かったです。ハロウィーンでもありますね。

今回の記事は、まだ投稿からそれほど時間が経っておりません前々々回の過去記事「US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)」(←クリックで別ウィンドウが開きます)でご覧いただいたUS GI ポケット・ナイフの「別個体」を今般新たに入手しまして、そのお披露目のようなものです。
その過去記事を上げて間もなく、ある雑誌(Web版ですが)の広告に、まさにその記事の中で「今後もし入手できる機会があれば」と申しておりましたモノが載っておりまして、価格もソコソコの線でしたのですぐに購入するに至ったのでした。

↓US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)のWW2から1957年辺りまでの製造の「KINGSTON」社製モデルです。


↓上記前々々回記事でも触れました、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードに引っ張り出し用のスタッド(凸ポッチ)が付いているタイプです。


↓画像上が前々々回記事でご覧いただきました「最終型」モデル、画像下が今回入手したモノです(以下同じ)。スタッド(凸ポッチ)の有無が一目瞭然です。


↓何回も済みません。前々々回の記事でも触れていますが、下のモデルではブレードの回転軸から爪掛け部分までの距離が短か過ぎて、テコの原理上爪を引っ掛けて引き出すのには物凄い力が必要なので、爪でなく指先が掛かる大きさの凸ポッチがすぐ横に設えられました。上のモデルでは、若干ですが爪掛けの位置が回転軸から少しだけ遠くなるように変更されたので、何とか爪で引き起こせます。


↓縦方向にローレットが入っています。


↓はい、勿論この位置まで180°開きますし、この位置でロック・スプリングによりロックが掛かります。


↓反対側です。画像上の「最終形」モデルでは、最も手前に備わっているリーマー・ブレード自体が細く、折り畳んだ状態では完全にサイド・プレートに爪掛け部分が埋もれてしまうため、爪掛けが露出するようサイド・プレートが孤状に切り欠かれてあります。対して下のモデルではリーマー・ブレード自体が太く、折り畳んだ状態でも爪掛けが十分露出しているのでサイド・プレートを切り欠く必要はありません。


↓リーマー・ブレードを起こしました。上の「最終型」は峰が直線なのに対して下のモデルでは峰が膨らんでいます。膨らんでいる分サイド・プレートからはみ出しているという事です。


↓リーマー・ブレードの先端は、上の最終型がフラットな面が出るように削がれて尖っていますが、下のモデルでは彫刻刀の丸刀のように円弧形を保ったままで尖っています。


↓反対側はどちらのモデルも程度の差はあれど、ポテッと膨らんでいます。


↓カン・オープナーは、下のモデルの方が若干大きく見えますがレンズの所為です。ほとんど同じ大きさ・形です。上の最終型モデルには折り畳んだ状態でも何のブレードであるかが分かるように「CAN OPENER」と刻まれていますが、下のモノにはありません。最終型モデルだけでなく、ほとんどのモノにはこの表記がありまして、表記が無いのを見たのは私コレが初めてです。


↓このように上のモデルでは文字が見えて分かりやすいですが、下のモデルでは表記がなく、初めて見る人はドライバー/ボトル・オープナー・ブレードなのか、カン・オープナー・ブレードなのか迷うかもしれません。


↓上のモデルではサイド・プレート、ライナー、スプリングの全てがステンレスですが、下のWW2~朝鮮戦争頃のモデルの中にはライナーに真鍮が用いられているモノがありました。


↓シャックルの大きさ(長さ)が若干違います。もっと細かく申しますと造作も少し違います。その造作とは関係ありませんが下のものはU字型がかなりイビツに変形してますね。


↓今回入手したモノにはシャックルに製造者「KINGSTON」の文字が刻まれています。もうかなり磨耗で薄く見え辛くなっています。その文字の右側を見て行くとシャックルの取り付けピンの手前に「>」形にモールドされているのがお分かりいただけると思います。最終型のモノにはこんな意匠めいたものは無く、アルミの細丸棒を曲げて、止めピン部分が平たくされているだけです。


↓各ブレードの備え付け・設え具合を見ますと、上の最終型と下の今回入手分とは全く同じ配置ですが、例えばカン・オープナー・ブレードとドライバー/ボトル・オープナー・ブレードとが入れ違ってる等々、ブレードの配置が異なる幾つかのパターンが実際には存在します。


↓内部を覗きます。比較的キレイな状態で入手できました。スプリングが破断していてロックテンションが掛からなくなってしまっているモノも市場には多く見られます。あんまり価格が安い場合はその辺りを疑ってみる必要があります。


↓メイン・ブレードを比べてみました。上の最終型のブレードの根本のスタンプ(タン・スタンプ)は製造者「CAMILLUS」と製造年の文字がありますが、今回入手のモノにはタン・スタンプがありません。そういう仕様なら仕方がないですけれど、ちょっと寂しいです。

上の最終型モデルはもうカレコレ20年以上前に新品でサープラス・ショップ(確かアメリカのBrigade Quartermaster)から購って手入れをしながら実用していましたのでキレイですが、下の今回入手のモノは厳しい戦禍をくぐってきたためか、傷み・錆が出てます。今後普通にポケット・ナイフとして手入れしながら使い続けた方が、油紙に包んで保存する…までしないとしても、箱に納めて持っているより逆に長生きしそうです。

↓今回入手のポケット・ナイフは、冒頭にも記しましたがサブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていた、コレクター・研究家として著名なHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。First-Class Package International Service(Small Packet)(日本に入ったら「国際eパケットライト」)で$17.25。比較的安い金額でありますし、追跡番号付きなので、荷物がどこに居るのかが分かります。通関に4日も要して13日掛けて日本にやって来ました。X線透過検査だけでは済まなかったのか、税関検査でしっかり開封されていました。


↓フフッと笑わせてくれたのがこの包装材。ヴェトナム戦時のM16系20連マガジン保護EVAバッグ(←クリックで過去記事が開きます)に包まれてきました。コレも氏のHP上で売りに出しておられるのに、です。500枚入り未開封1カートンで$45。1枚あたりにすると9円程ですが、所詮「消耗品」の感覚なのでしょうかね。まあ元来が消耗品ですけれども。


↓バッグに入れて、くるんで、段ボールで更にくるんで送付して頂きました。



以上でございます。
今回入手のポケット・ナイフは、冒頭でも触れましたように、サブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていたHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。久し振りにクレジットカードの番号・有効期限等の情報を相手に直接伝えての買い物をしました。
著名なコレクターであり研究家であるOtoupalik氏相手であるからこそこんな方法を使いましたが、オンライン決済が今や常識であるところ、氏も仰っておられますように、PayPalのポリシーとして「銃器・武器関係の取引には使えない」というのがありまして、已む無く前時代的な決済方法を取る事となった次第です。
でもまぁ振り返ると、私が個人輸入を始めた30年前はキャッシュカードの情報を注文用紙に付記して普通にエアメールで送って決済していましたねぇ。アメリカは早くからカード社会・信用社会でしたから、VISAやMASTERが業者に決済許諾を与えるに当たっては厳重な信用調査を尽くしていますので、業者がカード情報を悪用して…というケースは少なかったんでしょう。そういえば今では注文書にクレカ情報を書いて送る、なんていう通信販売(この言葉も最早懐かしいです)なんて見かけませんね。隔世の感があります。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。衆議院議員選挙、どうなりますでしょうか。
ご機嫌宜しゅう。さようなら。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:01Comments(0)米軍(U.S.)Individual Tools

2021年10月17日

U.S. M1936ピストル・ベルト②(M1936 Pistol or Revolver Belt Vol.2)

みなさん、こんにちは。

当地大阪の今朝の最低気温は17℃で、先々週の日曜日には一旦最低気温が16℃となって秋の到来を感じましたが、その後再び季節外れの真夏日が続き、10月の真夏日の日数が過去最高を記録しまして、秋が来るんじゃなかったのか?と思ってましたら昨日の最低気温が17℃で、やっと本当に秋がやって来たことを実感しました。明日の朝にはさらにグッと下がって最低気温が12℃になるらしいです。たった一日で物凄い気温差です。
内閣発足10日での衆議院解散でセンセイ達は地元選挙区へ戻ってまた美辞麗句の絶叫を始めます。投票は31日です。主張をよく聴いてじっくり吟味しましょうか。


さて今回お送りいたしますのは私のコレクションの中枢であるWW2US陸軍歩兵装備で近時入手したモノ(recent acquisitions)です。もう6年以上も前の過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」などで同アイテムをご紹介したことはあるのですが、今般別個体を入手したのと、少し前にQMC(Quartermaster Corps:補給部)公式ドローイングも入手できましたことから、そこからの図面も参照しながらお送りします。

↓はい、制式名称「M1936ピストル又はリヴォルヴァー・ベルト(Belt, Pistol or Revolver, M-1936)です。タイトルでは字数制限の関係で「M1936ピストル・ベルト」としました。世間一般でもこれで十分通じますのでそれでもいいんですが、本来はオートマチック・ピストルであるM1911(A1)ガバメント拳銃のみならず、回転式拳銃(リヴォルヴァー)であるM-1917もその吊り下げる対象でしたので、正しくは「ピストル・又は(or)・リヴォルヴァー」です。今般入手した個体はODシェード#3いわゆるカーキ色の程度「良品」くらいのモノです。サバゲに着けて行っても「新兵さん」にはならずに済みます。


↓反対側です。真ん中辺に黒っぽくなってる部分があります。実はもっと酷かったのですが、手洗いしてここまでになりました。


↓前述のQMCの公式図面です。1952年4月22日付、原図の日付は1950年10月6日ですのでWW2からは5年+2年後のモノですが、WW2中からの部材等の名称改称等に限られていますので、「作り」の上での大きな変更はありません。


↓スライド・キーパーやファスナー(バックル)を取り付ける前の状態です。ベルト本体の規格、アイレット(ハトメ)、マガジン・ポケットを取り付けるためのスナップ・ファスナーの規格、位置、及び「US」スタンプの字体・位置などが定められています。ベルト本体が「タイプ4の、幅2.25インチ(5.72cm)のコットン・ウェビング」であり、アイレットの水平方向の間隔は2.5インチ(6.35cm)で、18個並んでいる…等の事がしっかり分かります。


↓プロパティ表示の「U.S.」とスナップ・ファスナー(♀)部分の拡大です。上の図面では「US」と、アポストロフィーが無いのに対し、WW2中のモノは一部の例外があるものの、殆どがアポストロフィー有りの「U.S.」です。


↓その裏側です。スナップ・ファスナー(♀)の裏側と、その上の製造者名と製造年のスタンプです。


↓拡大しました。スタンプは掠れて判読が困難です。画像では殆ど読み取れませんが、現物を観察すると多分「S. FROEHLICH CO.」ではないかなと思っています。既に保有している「S. FROEHLICH CO.」製造モノとフォントの大きさや幅、上下の高さが酷似しているからです。製造年はちょっと読めません。スナップ・ファスナー内側には製造者「UNITED CARR」の刻印があります。


↓また図面を。「LOCATION OF IDENTIFICATION MARKS IN BLACK CHARACTERS IN 1/2" HIGH(高さ1/2インチ(1.27cm)の黒字での識別マークの位置)」とされるところには、WW2後は製造者名や製造年に加えて制式名称、ストック・ナンバー等がスタンプされるようになりました。WW2では上の画像のようにスタンプの位置は少し異なり、スナップ・ファスナー周辺に製造者名と製造年がスタンプされていました。


↓フロントのバックルです。図面では「ファスナー(FASTENER)」と記されています。この個体は他の金具も含めて全て真鍮製です。なので恐らく、まだ潤沢に真鍮をバンバン使うことが出来ていた1942年から1943年頃の製造だと思われます。その後真鍮の節約のために亜鉛合金が代用され、WW2終結後また潤沢に真鍮がバンバン使われ出します。


↓着用した時に人体右側に来る方でサイズを調整する作りです。オス(♂)バックルから折り返してきたベルトの末端の金具(図面では「END FASTENING」との表記)の鉤爪を任意の位置のベルト中央部の径の小さいアイレット(ハトメ)(これも図面では「No.1563 EYELET」と云うそうです。)に引っ掛けてベルト全体の長さを調整します。この折り返し部分には「SLIDING BELT KEEPER」が2つ備えられています。これは折り返し部分の外側のベルトにダブル・フック・ワイヤー・ハンガー式の装備品を吊り下げた時に、その重量で外側のベルトだけが下へずり下がってしまわないように外側のベルトと内側のベルトをしっかり束ねて「一本のベルト」にする役割を果たします。また、サイズ調整した鉤爪を外れ難くする働きもあります。


↓この個体のスライディング・ベルト・キーパーは一枚の細い真鍮板をプレスして曲げて、合わせ目をロウ付けして作られています。

ロウ付けでなく、板の末端部分に鉤爪とそれを通す孔を備えて折り返して固定するパターンもWW2後期に出現します。先ほどの図面ではそのパターンのモノが描かれています。上の画像のモノよりももっと薄い真鍮板を用い、プレス加工でリブを作ることにより強度の増強が図られています。冒頭でご紹介しました過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」の中段以降をご参照ください。


はい。決して同じモノの2番煎じとのそしりを受けないようにとお届けいたしましたが、如何でしたでしょうか。
このWW2時のピストル・ベルトですが、この10年くらいの間枯渇していくのかと思いきや、結構オークションでもショップでも供給機会は多く、一時は程度によれば国内では1万円越えもチラホラ見られましたが、国内外を問わず8,000円程度もあれば十分良いモノを入手できる印象です。
また、レンド・リースによるソビエト軍(赤軍)向けのスタンプ無しデッド・ストックが巷にかなり大量に流通しておりまして、それはそれで歴史的遺物としてコレクションしてみたいとも思いますが、それに費やすならばまだその前に揃えたいモノがある…という事で、まだ入手しておりません。過去記事でも触れたことがありますが、このソビエト軍向けスタンプ無しデッド・ストックに近時適当に「U.S.」やメーカー名をスタンプして「WW2US実物デッド・ストック」として悪銭を掴もうとしているショップが沢山見受けられます。コレクションする際はご注意ください。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後衆議院議員選挙投票日当日にお会いしましょう。


  

Posted by Sgt. Saunders at 12:05Comments(0)米軍(U.S.)Pistol belts

2021年10月03日

トカレフTT-33用ホルスター(Holster for Tokarev(Токарев) TT-33)

みなさん、こんにちは。
16号の台風一過、当地大阪は見事な秋晴れです。日中の最高気温はまだ30℃を超えますが、早朝には16℃まで下がり、確実に秋がやって来たことを実感します。暑がりの私は大変嬉しく思っております。

もとより私自由民主党党員ではありませんが、現在の与党である自民党の新総裁岸田文雄氏が程無く首班指名され日本国総理大臣となる以上、日本国民としてその党役員人事や組閣メンバー構想に注目するのは当然であります。しかしながら氏の総裁選挙以前の発言と、党役員人事や組閣内容を総合的に勘案しますと、旧態依然の感が否めません。「老・壮・青のバランス」だそうですが、ご本人に貫録を感じ得ないこともあり、「誰からもそれ程嫌われないように振る舞い、長老のご意向を忖度し、目立ちたい時はグイグイ表へ出るけどイヤな事からはコソコソ隠れるような操られチキン内閣」になりそうな気がします。

さて、緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置も解除された中今回お送りするのは、寄り道コレクションから「トカレフTT-33用ホルスター(Holster for Tokarev(Токарев) TT-33)」です。もう8年も前にKSCから発売されたガスガンのトカレフを「軍用銃ファン」として購入したのですが、やはり適切な相棒と言うか伴侶と言うか、付随するアクセサリーと言うか、米軍のガバメントであればM-1916ヒップ・ホルスターなどがそれに当たりますが、そんなモノをいつかは侍らせてやりたいと長い間思い続けてきました。
ソ連軍軍装については全く興味が無い訳ではありませんけれども、「現存するモノが少なそうだし、そうすると当然価格も高価だろうし、一通り揃えるにはドイツ軍装備以上の資金が必要だろうなぁ」と財力面の理由から早々と蒐集対象からは外れております。で、どこに落としどころを見出すか、最近になってようやく一応恰好が付くモノを入手して、トカレフ君には何とか納得してもらうことにしました。ソ連軍軍装品についての知識は皆無ですので、今回の記事は画像以外の資料的価値は全くありませんのでご容赦ください。KSCのトカレフTT-33の過去記事(←クリックで別ウィンドウが開きます)も宜しければどうぞ。

↓はい、本題のトカレフTT-33用ホルスターです。上記理由から、当然高価なWW2モデルではありません。本当はWW2モノが欲しいのですが、でもいいんです。トカレフ用でロシア製で本革製ならばイイんです。蓋フラップは凸スタッドに本体裏側から伸びるストラップの切込みを掛けて留める構造です。


↓裏側です。ベルトに吊るすベルト・ループやフラップを留めるストラップはリベットのみで本体に付けられています。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドを収めるための造作。


↓グリップ底部側からの雨水砂塵侵入防止のためのベロが付いてます。


↓フラップを開きました。予備マガジンケースが露わになりました。使用されている革は多分豚革だと思います。


↓フラップの裏にスタンプが打たれています。


↓若干掠れていますし、私、ロシア語についてはサッパリ無学で、且つネットでもまだ十分調べることが出来ておらず、間違ってるかも知れませんが多分こうではないかと読み取れるのは真ん中の「ЛЕНИНГРАД」と右側の「1991」(?)と「ОТК 5」です。「ЛЕНИНГРАД」は「LENINGRAD」、言わずもがなレニングラード。ソ連崩壊後は呼称がサンクト・ペテルブルクへと変更された、モスクワに次ぐロシア第2の都市です。「1991」は「1991年製」の意で、この1991年というのは12月にソビエト連邦が「崩壊」し、ロシアへと移行した年で、その意味ではソ連最後の年であり歴史的な年だと言えます。「ОТК 5」は多分「Отдел Технического Контроля 5」の略ではないかと思ってます。ソ連時代は各企業内に「Отдел Технического Контроля=Department (of) technical control(技術管理局)」があり、例えばその「第5部門」という意味ではないかと思ってます。


↓こっちのスタンプについては全く推測すら出来ません。すみません。


↓凸スタッドは真鍮製です。ピンボケですね。


↓銃の出し入れは楽そうです。さっき見たグリップ底部側の雨水砂塵侵入防止ベロだけには若干気を使います。使い込んでないうちは内側へクセが付いているのでイチイチ外側へ押し広げてながら銃を挿入してやる必要があります。予備マガジンケースは摘み出しやすいように上端が半円形に欠かれてあります。


↓内部には水抜き穴などはありませんし、内張もありません。裏革剥き出しです。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドを収納するためのスロットと…


↓先端を覆うポケット。


↓ベルト・ループは至極単純な作りです。フラップ部分は別部材で、本体とは縫製により繋がっています。米軍のM-1916のように本体とフラップが一続きにはなってません。


↓ベルト・ループ、フラップ留めストラップはクロムメッキのリベットだけで留められています。


↓ホルスターと一緒に付いてきたクリーニング・メンテナンス・ロッド。ブルー染めの鋼鉄製です。


↓先端はプレスされて平たくなっており、鉤が作られ、クリーニング・パッチなどを通す孔が開けられています。星形(☆)の刻印があります。


↓鉤の先端は若干曲げられています。曲げられたのか、曲がってしまっているのか、生憎知識不足のため分かりません。


↓裏側には特筆すべきものはありません。


↓ロッドのもう片方の末端は円を描いてニギリ部分となり、最末端はプレスされてマイナス・ドライバーのような形状になっています。


↓拡大。マイナス・ドライバーだとすれば、トカレフでどのように使うのでしょうか。スライド・ストップのリテイニング・クリップを開く時?実銃があれば分かるかも知れませんが、ガスガンしかないので分かりません。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドの他にランヤードもホルスターに付いて来ました。長さを調節するデバイスは無く、全長約80cm程です。


↓ランヤードの一方の末端は7cm程の輪になっています。軍服のエポレットに通すのでしょうか。もう片方の末端にはクリップがあり、このようにマガジン底部のリンクに着けるか…


↓グリップ下部のランヤード・リンクに着けるかは、兵士の好みに任されていたのでしょうか?


↓革製のランヤードに円型のクロムメッキスティールリングを介して取り付けられたクリップ。ニッケルメッキの至極シンプルなモノです。


↓内側には丁寧に綾目ローレットが入っています。クリップをつまんで脱着する際に指が滑らないよう、外側に施すべきだと思いますが如何でしょうか?



以上学術的情報を伴うことなく画像を羅列して参りました。
このホルスター(ランヤードとクリーニング・メンテナンス・ロッドとの3点セット)ですが、US ebayで昨年の年末に送料無料でUS$30.00程で入手しました。ある国内のサイトで、上で見て頂いたクリーニング・メンテナンス・ロッドが「マカロフ用」であるとの記述を見たのですが、ホルスターとセットでサープラス業者が売ってましたし、もしそうだったとしても、気になりません。雰囲気重視です。
お手頃価格で全革製で、WW2のスタイルから余り異ならないモノは無いかと探した結果これを贖いました。おもちゃの鉄砲に合わせてのアクセサリーですし一応「軍用実物」なので、まぁまぁ「それなりの雰囲気」を味わえるので満足しています。
到着時は革が結構乾燥しておりまして、フラップは開いた状態で閉じようとしたら革が割れる?ぐらい強張っていましたので、皮革製品の知識を持ち合わせないなりにミンクオイルを塗布・優しく擦り込み・ラップで包んで床暖上に放置・塗布・優しく擦り込み・ラップで…を一カ月ほど繰り返してようやく普通に開け閉め出来るようになりました。
他にもトカレフ用のグリップやマカロフ用のホルスター、モシン・ナガン用のスリング、ハンド・ガードなどロシア軍のサープラス品だと思われる品が比較的安価で大量に売り捌かれていました(今もまだまだ出品されています)。グリップは「銃の部品である」という理由で税関で止められる可能性が大なので購入に踏み切れません。君子危うきに近寄らず、です。スリングはギリギリ大丈夫でしょうか。でも「附属品」ではありますし、拡大解釈で止められるかも。でもその論理で行くと「マイナスネジ」も銃の部品として取られ兼ねませんね。難しいところです。
ホルスターについては、リベット止め・縫製の違いはあれど、ほぼ同じモノが国内では5,000円前後程度で販売されてますね。細部に拘らなければ国内で買っても良かったかも。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。
ご機嫌宜しゅう。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:00Comments(0)Toy Gun他国軍(Other Nation)

2021年09月19日

US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)

みなさん、こんにちは。
この季節には珍しく台風が西日本を西から横断し、和歌山での竜巻被害などそこそこの爪痕を残して関東の南の沖へ抜けて行きました。
自民党の総裁選挙が喧伝されてますが、どんな結果になるのでしょうか。私にはどの顔ぶれを見ても「……。」という感じです。

さて、まだ日中の最高気温は30℃前後をウロウロしております当地大阪から世界中へ発信いたします今回のネタは、米軍がWW2中の1943年にその調達・採用を始めたユティリティ・ポケット・ナイフ、をその始祖として若干の「進化」を遂げた後のユティリティ・ポケット・ナイフです。追い追いその辺にも触れて参ります。今回もモノが小さいのでフローリングの表面加工が一部剥げてきたリビングルーム・スタジオで撮影しています。

↓はい、「最終形態」のポケット・ナイフです。全ステンレス・スティール製で、熱湯にドボンと入れての滅菌が出来るようになってます。シャックルがアルミ合金製であるほかは全ステンレス製です。WW2中の始祖以来全金属製であるのは同じです。初期製造品の一部にはライナーが真鍮製であったモノもありました。


↓折り畳んだ状態で全長約9.5cmで、4つのブレードがあります。シャックルも付いていて便利です。私がこのナイフを入手したのは、WW2以来のGIの手にあったナイフ(から殆ど変わりのない現用モデル)というミリタリー・コレクションとしての観点と、実際キャンプなどで役に立つだろうなという観点の両方からの理由でした。いわゆるビクトリノックスに代表される「〇〇徳ナイフ」ほど多くのブレードが無くても、基本のブレードが4つ揃っているこのナイフは、実に頼りになります。武骨な感じが実にイイです。


↓ここでebayからの画像引用です。ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードを引っ張り出す際、他のブレードを引っ張り出す際と同じく、ブレードの背にある爪掛けを使うのは基本的仕様ではあったものの、このドライバー/ボトル・オープナーのブレードだけは、ブレードの回転軸から爪掛け部分までの距離が短か過ぎて、テコの原理上爪を引っ掛けて引き出すのには物凄い力が必要で、「爪じゃ引き起こせんわ!爪が剥がれるわ!」という意見があったのか知りませんが、爪でなく指先が掛かる大きさの凸ポッチがすぐ横に設えられてました。上の画像のモノにはありませんね。この凸ポッチは、私の狭いリサーチによれば1973年頃には無くなりました。その代わり爪掛けの位置が回転軸から少しだけ遠くなるように変更され(上の画像と比べるとお分かりいただけます)、何とか爪や指先で引き起こせるようになりました。


↓反対側です。こちら側の中央上端は、リーマー・ブレードの爪掛け部分が露出するようにカットされています。この切り欠きが無い時代のモノは、リーマー・ブレード自体の幅が大きくて爪掛け部分がサイド・プレートからはみ出していたので、このような切り欠きはありません。


↓上から。4つのブレードが隙間なく互い違いに上手く収まっています。画像上からリーマー・ブレード、ナイフ・ブレード、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレード、缶オープナー・ブレードの順です。


↓下面です。上からサイド・プレート、ライナー、スプリング、ライナー、スプリング、ライナー、サイド・プレートです。


↓左のサイド・プレートがややたわんでますが、本来は真っ直ぐです。


↓各ブレードを全・半開させました。WW2の出始めからしばらくのモデルは、この画像の缶オープナーの位置にドライバー/ボトル・オープナー・ブレードが、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードの位置に缶オープナー・ブレードが付いてました。つまり両者が入れ違ってました。


↓反対から。リーマー・ブレードだけがこちら側から爪を掛けて引き出すようになってます。


↓ナイフ・ブレードのブレード長は約6cmです。


↓ナイフ・ブレードの基部のタン・スタンプ。刃物製造会社として有名な「CAMILLUS」の1988年製です。因みにWW2の当初はUlster社とImperial社の合弁事業体であるKingston社が製造しておりまして、1949年にその発展形としてCAMILLUS社が自社の製品Model 1760を、新たなスペック「MIL-K-818」に適合させて開発しました。この時に前述の缶オープナーとドライバー/ボトル・オープナー・ブレードの位置変更がなされました。

更に因みに1876年創業のCAMILLUS社はこの種の小型ナイフや軍用刀剣を創業以来製造していましたが、2007年に経営破綻し、ACME UNITED CORPORATION社が「CAMILLUS」ブランドを買い取り、以降「CAMILLUS」の名前で2009年から製品製造を続けています。なお、前述のKingston社製のポケット・ナイフの在庫が沢山あったせいか、朝鮮戦争で再び需要が起こる1957年になるまでは、新たな製造は無かったんだそうです。

↓缶オープナーです。今の世の中缶詰はプルトップになってるモノが多くて、「缶切り」など不要かも知れませんが、まだ缶切りが必要な缶詰は多いですし、使用後の缶を細工してほかのモノに転用する際には缶切りがあった方が便利です。因みにこの缶オープナー・ブレードを起こすのにも結構爪が厳しいです。気合が必要です。こっちには凸ポッチが付いていたという歴史はありません。


↓左のまっすぐ伸ばしているのがドライバー/ボトル・オープナー・ブレードです。このドライバーは銃器のマイナス・ネジを外したいなと思ったとき等に便利です。ボトル・オープナーもペットボトル全盛の今ではあまり出番が無いでしょうか。でも瓶ビールは今でも王冠が使われていますし、まだまだ出番はあります。私が子供の頃はジュースの容器はガラス瓶か缶でした。ファンタやコカ・コーラ、ペプシ・コーラ、ミリンダ、カルピスの瓶などで、蓋は全部王冠でしたなぁ。


↓リーマー・ブレードです。私にとってはこのブレードが唯一、も一つあんまり出番のないブレードです。突き刺して孔を開け、グリグリ大きく拡げることが出来ます。私は手指の爪の甘皮処理に重宝してます。



以上定刻に合わせようと必死で綴ってまいりました(結局約1時間ほど遅刻しましたけど)。
私が入手したのは大昔もう30年くらいも前です。その頃は日本国内でもミリタリーショップで普通に3,000円位で売ってたような。
少しでも安く買おうとアメリカのミリタリー通販会社「US Cavalry」で、確か10ドル台で買ったような気がします。コレクションとしてではなくキャンプ用の実用品としてでした。冒頭でも述べましたが、コレクションとしてならばWW2中製造モノを求めていましたが、なかなか出物は無かったです。
今回ネットで見ましたらUS$300越え!なんていう事になっています。また現在ebayで「1960年Camillus製、1981年再パッケージの未使用品」がUS$297.50で「Buy-It-Now」出品されています。
私としてはそこそこ程度の良いWW2モノや凸ポッチ付きの1960年代製のモノを狙っています。今後手に入れられたらまたご覧いただければなと思います。

今回の記事を書くのにネットでサープラス品(未使用品)として売られているのを見つけようとしましたが、とうとう見つけられませんでした。ebayなどで見たモノの中で一番新しいモノは「2007年Camillus製」でした。ちょうど経営破綻した年のモノです。
なお、現在はNSN番号5110-00-162-2205「KNIFE, Pocket」として管理されているようです。色んなメーカーがそのスペックに従って製造販売されているケースが散見されますが、ブレードにウジャウジャ書かれてあったりしてて、欲しいなとは思いませんでした。値段もUS$60もします。やはり官給(GI)のビンテージモノの方に魅力を感じます。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。



  

2021年09月05日

US レンザティック・コンパス(ヴェトナム戦時)(US Lensatic Compass(Viet-Nam era))

みなさん、こんにちは。

晩夏の筈なのに秋雨前線が早々と出現して長雨をもたらし、各地で土砂災害を惹き起こせば、将又思い出したかのように酷暑が続いたかと思いきや、またも前線が停滞してここ一週間ほど雨の続いておりました大阪から、菅首相の退陣宣言が出、更にいよいよ新型コロナウィルス感染の確率論的可能性が高まってまいりました中、先週の日曜日何とか投稿できるか?と頑張りましたが間に合わず、妙に数日送らせるより次の日曜日に投稿した方がいいかなと思い、本日定時より一週間遅れでお送りいたしますのは、米軍がヴェトナム戦時に使用しておりましたレンザティック・コンパス(Lensatic Compass)です。WW2時のレンザティック・コンパスについては過去記事→US WWⅡレンザティック・コンパス(US WWII Lensatic Compass)で採り上げていますので対比させながらご覧頂いても面白いかも。
今回はモノが小さいので久々にリビングルーム・スタジオでの撮影です。

↓先ずはサムネイル画像となりますのでケースと共に。ケースの方は一応過去記事(M1956ファーストエイド/コンパスケース(M1956 FirstAid Packet/Compass Case))で採り上げてます。今回の主役は右に写っておりますコンパスです。


↓上述の過去記事でも触れていますが、このケースはファーストエイド・パケットとコンパスの両方兼用のケースでした。のちにはコンパス専用ケースになりますが。


↓はい、やっと主役です。照準ワイヤーが張ってあるカバー(上蓋)の上に左から保持用ワイヤー・ループが被さります。この状態が使用前・収納時の姿です。光が反射していて見難いですが、左側から横U字型に伸びている保持用ループとアイ・ピースなどごく一部の部材がマット・ブラックで焼付塗装されている他は全体がODで塗装されています。素材はダイヤルやベゼルがプラスティツクである以外はアルミ合金です。レンズはガラスかプラスティックか、多分ガラスだと思います。


↓カバーの拡大です。沢山の刻印表示があります。このコンパスが「M-1950」と呼ばれることがありますが、この画像でも分かるように「M-1950」という表記はありません。また「U.S. COMPASS, MAGNETIC」とあり、「Lensatic」の文字はありません。コンパスがMagneicなのは当たり前なので(ジャイロコンパスは別ですよ)、なぜLensaticを落としてMagneticとしたのか?分かりません。Lensaticの方が、それ以前のコンパスで採用されていたPrismaticに替わる改良版であることを如実に語るのであり、分かり切ってるMagneticを入れてなぜLensaticを落とすのか。ネットを覗いてみましたが、「Lensatic compass」の方が「Magnetic compass」よりも多く引っ掛かってくる印象ですし、謎です。「FSN(Federal Stock Number)」は6605-846-7618。下側に「MFD.(製造者)」として「JAY BEE CORP. SUB.(subsidiary) OF STOCKER & YALE INC. WALTHAM, MASS.」と、マサチューセッツ州ウォルサムのStocker & Yale Inc.社の子会社Jay Bee Corporation社製と謳っております。DA23-195-AMC-00972(T) のDAナンバー、「12-1966」の契約年月表示が続きます。


↓裏側です。放射性物質(Radioactive Materials)マーク、「AEC LICENSE NO.34-1466-2」はARMY ENVIRONMENTAL CENTER(敢えて訳せば「陸軍環境センター」)のライセンス番号表示。「CONTAINS 75 MC RADIOACTIVE H3(放射性物質三重水素(トリチウム)を75μC(マイクロ・キュリー)含む。」、「DO NOT OPEN(開けるな)」、「DISPOSE OF PER T-O-00-110N-2(Technical Order 00-110N-2に従って廃棄すべし)」、「IF FOUND RETURN TO MILITARY AUTHORITY(拾ったら軍当局へ返還すべし)」との表記。因みに「μC(マイクロ・キュリー)という単位は1974年からはBq(ベクレル)という単位で表されます。1C=370億Bqなので1μC=37,000Bq、つまり75μC=275万5千Bqという事になります(合ってますよね?…)。軍モノとしては珍しく裏蓋を留めるのにプラス螺子が使われてます。塗装が剥げている様子が無いので未開封だと思います。


↓側面から。カバー(上蓋)とベースに挟まれた黒い部分はベゼル・リングです。


↓反対側です。上下の目盛と数字は物差しになります。また後で触れます。


↓カバーを開きます。


↓この状態が「Compass to eye(cheek)」用法での通常の使用状態です。なお、カバーを開いてレンズ・リーフを開くと、それまで使用時外の故障を防ぐために方位磁針とダイヤルが上方へ持ち上げられて固定されていたのが解放され、自由に動き出します。


↓レンズのあるサイティング・スロット(照門)とカバーのサイティング・ワイヤー(照星)と対象物が照準線上に合わさった時、レンズを通してダイヤル上の目盛を正確に読みます。銃のサイティングと同じ要領です。もっと簡易な使用法として、カバーを180度フルに開いてサイティング・ワイヤーを使わずに胸のあたりで保持して使う「Centerhold」用法があります。最後にお見せします米海兵隊学校(Marine Corps Institute)1983年8月発行MCIO P1550.14D Essential Subjectsにはこちらの方法しか掲載されていません。


↓横から見るとこんな感じです。


↓ベゼルはこの小さいストッパー・スプリングがそのノッチに嵌ってて回すとクリックします。1クリックが3アジマス(3°)です。


↓ベゼルの裏側に矢印と点が、磁針にくっ付いて回転するスケールには北を指す▲とWとEとがそれぞれトリチウムを含む夜光塗料で表されています。ベゼル裏側が若干曇っています。分解して綺麗にしようかと思い始めてもうカレコレ十有余年…。


↓このようにカバーを全開にしますと25,000分の1のスケールが出来あがりまして、25000分の1の地図上に置けば距離を測ることが出来ます。目盛の左端が「0」で、1,000で1km、2,000で2km...という事になります。1970年頃以降の製造分からは50,000分の1に縮尺が変更されました。


↓カバーの裏面です。サイティング・ワイヤーの両端が留まってる箇所にも蛍光塗料が塗られていて、夜間などワイヤーが見難い際のサイティングを助けます。スリットの直ぐ上の「67-12-45-18」は製造ロットか何かの番号だと思います。


↓少し時代が下りますが米海兵隊学校(Marine Corps Institute)1983年8月発行MCIO P1550.14D Essential Subjectsから抜粋です。色んなマニュアルで同じような図が出てきますが、各パーツの表記には若干揺れがあります。



今回は以上です。
現在市場では時代物の実物コンパスの出物はあまり無いようです。私が入手したのはかなり昔、もう15、6年前くらいだったと思います。WW2時代のレンザティック・コンパスを入手していて、ヴェトナム戦装備を後から蒐集し始めましたので、じゃあコンパスもヴェトナム戦時のモノを手に入れないとなぁとの思いでした。WW2レンザティック・コンパスの記事でも書いてますが、我が家では節分の恵方を確定させるのに役立っております。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。







  

Posted by Sgt. Saunders at 12:02Comments(0)米軍(U.S.)Compass

2021年08月15日

M-1956 H型サスペンダー「初期型」(M1956 Combat Field Pack Suspenders)

みなさん、こんにちは

コロナだオリンピックだと言ってる内にもう立秋を過ぎて、季節は秋へと向かっているのでしょうか。
ここ数日はまた線状降水帯が各地で河川氾濫・山崩れ・土砂崩れを引き起こし、犠牲者を発生させてしまいました。早めの避難が肝要です。

夏のコスプレと言えばヴェトナム装備かWW2PTO装備か、ETOでもHBT主体の出で立ちか。色々考えられますね。夏サバゲしたいですね。

さて終戦記念日の今回の投稿、ヴェトナム戦装備から。M1956装備の基本中の基本、その形状から「H型サスペンダー」と呼ばれるM-1956コンバット・フィールドパック・サスペンダー(Suspenders, Field Pack, Combat, M1956)を持ってきました。

↓まずM1956装備システム(M1956 Load-Carrying Equipment)のうち今回採り上げるサスペンダーの解説をするのに最低限必要になるモノだけ組み合わせました。今回採り上げるH型サスペンダー、「M1956ピストル・ベルト(コレクター向けに言えば「縦織後期型」)」「M1956弾薬ケース」M1956 コンバット・フィールドパックです。本来の実戦装備となると水筒やファーストエイド・パケット・パウチや他にも色々な装備品の荷重を担うことになります。


↓あらためてM1956 LCEをマニュアルから。この図で「2」が今回のM-1956 H型サスペンダーです。当ブログでまだ取り上げてなかったのは今回の「2」と、あと「8」ですね。「8」もそのうち取り上げます。


↓今回はH型サスペンダーだけを見ます。画像上方は着用時に臍の両側でピストル・ベルトに連結する「前側ストラップ」、続く幅広・肉厚のショルダー・パッド部、ショルダー・パッド部両端から下方へ伸びてM1956(のちにはM1961)コンバット・フィールド・パックなどの連結タブに繋がる「背面ストラップ」の3部分で構成されます。装着時に左右の鎖骨辺りに当たる部分には「X型サスペンダー」と同じように手榴弾のスプーンを引っ掛けたり、M1956ファーストエイド・パケット/コンパス・ケースのスライド・キーパー等を留めるためのループがあります。「H型」とは先輩モデルの「X型サスペンダー」に対比させての呼び方ですが、上が開いているので純粋なHの文字にはなってません。


↓もう薄く掠れていますが小さく「US」のプロパティ表示スタンプ。


↓裏表をひっくり返しました。ショルダー・パッド部は表側がコットンウェブですが、このように裏側に厚いパッドが縫い付けられています。


↓こちらに制式名称、契約番号、連邦備品番号(FSN(Federal Stock Number))のスタンプがあります。


↓制式名称:「SUSPENDERS, FIELD PACK, COMBAT, M1956」、契約番号:「QM (CTM) 10280-E-61」、FSN:「8465-577-4923」。契約年度が1961年予算年度であると分かります。2行目の右の方に「04」のスタンプがありますが、これは恐らく製造ロットの類だと思われます。


↓パッド部分には恐らく廃フェルトようのモノが詰まってると思います。切り裂いて見たことはありませんが。


↓ベルトやフィールド・パックその他ハトメ穴に通すフック。この画像を見て「アレ?」と思う方があるかも知れません。あとでまた触れます。


↓外側の青マルが臍の両側へ来るフック、内側の赤マルが背中のフィールドパックなどに繋げるフック。


↓このように青マルのフックはベルトを支えるため臍のすぐ脇で繋がり…


↓(冒頭の画像をもう一度) このように背中側では赤マルのようにフィールドパックの連結タブに繋がります。もちろんパック無しで直接ピストル・ベルトに連結しても「間違い」ではありません。


↓ストラップの長さは、前後どちらもこんなタイプのバックル(cam friction buckle)で調節します。パチンと留めるタイプのバックルです。「目」型のラダー型バックルではありません。


↓ストラップの末端にフックが固定されており、バックルを使って長さを調節します。いわゆる通称「M1943」X型サスペンダー等は、ストラップの末端にフックがあるわけではなく、ストラップのどの位置にでもフックを置くことが出来る反面、長さを調節した結果余分なストラップがブラブラ遊ぶことがあり、パラトルーパーなどはブラブラとバタつかないようにテープで束ねて始末したりしまたが、本サスペンダーではそんな必要が無い作りになってます。


↓さっき少し触れましたが、バックルの基本構造は、例えばアムニッション・スモールアームズ・ケースのサスペンダー連結用ストラップやM1コットン・スリングなどのモノと同じです。


↓ショルダー・パッド部分の前端にある長方形の金属リンクは、このようにアムニッション・スモールアームズ・ケースのサスペンダー連結用ストラップのフックを掛けるためのモノです。こうすることにより、弾薬の詰まったケースの荷重のかなりの部分を直接的にサスペンダーに負わせることが出来、ピストル・ベルトに掛かる割合を削減出来ます。また、今回は登場しませんがM1956スリーピング・バッグ・キャリアー(上述のM1956 LCEの図の「8」)を背負う時に、キャリアーのストラップを背面からここに通してまた後ろへ折り返すための折り返しポイントとしての役割もあります。もちろん他にも個々の兵士が使いたいように使っていました。


↓上の方で「アレ?」と思われた方...云々は、これについてです。本記事のタイトルでもお分かり頂けるかと思いますが、一応コレクター間では区別して扱われていますので、私もその慣習に倣って以下の特徴を持つモノを「初期型」と表記しました。公式なスペック変更であるかどうかは実はまだ私突き止めておりません。前ストラップのベルト連結フック金具の構造の違いによる区別です。左が今回のモノ(「初期型」)、右が「後期型」とされているモノです。左の初期型は一本のワイヤーを曲げ曲げして要所を熔着して作られているのに対して右の後期型では金属板のプレス打ち抜きで作られています。


↓裏側から。


↓フックに付随した斜め上向きのリンクは、先程にも触れましたM1956スリーピング・バッグ・キャリヤーを背負う際にキャリヤーの下方ストラップをここに通して折り返して固定するのに使われます。


↓背面ストラップのフックも、左の初期型は前側ストラップと同様ワイヤー曲げ曲げフックですが、右の後期型になるとWW1以来のバネ板を伴ったスナップ・フックに取って替えられました。


↓横から。左の初期型は前側ストラップのモノと同様それなりに外れにくくなるように細かく曲げ曲げして作られていますが、それでも外れやすかったのでしょうか、右の後期型では偶然では滅多に外れないようなスナップ・フックが用いられました。色々調べましたが、1961年頃から後期型の製造が始まったそうです。


↓うっかり画像を消去してしまったので背景違いで再度撮影しました。金具への刻印です。前後のフックを擁している各ストラップ末端の金具に刻印があります。どちらも「錨」で、North & Judd Mfg. Co.製であることが分かります。


↓前側ストラップのフック。


↓背面ストラップのフック。



正式名称上、あるいはFSNやストックナンバー上の変更があるかどうか分からずのうちに、「初期」「後期」と呼ぶのは如何とは思いますが、一般的に金具の違いで区別して呼ばれているので、私も今回「初期型」としてご紹介しました。
初期型は後期型に比べればなるほど見る機会は余り多くないかなとも思いましたが、それ程レアでもないような...というのが私の印象です。
今回のモノを入手した際も、余り見ない初期型だという事で特に価格が後期型に比べて高かったというような覚えがありません。現在でもebayで$15程でBuy It Nowで出品されています。国内ですと結構高めの価格設定が見られます(5,000円以上とか)。アメリカでは日本ほどは初期か後期かでの価格差・こだわりは無いのでしょうか。

体格に応じてサイズ展開はRegular、Long、XL(Extra-Long)の3種がありました。本品はFSN末尾が「4923」なので「L」です。後期型のモノにはサイズ表記が「R」とか「L」とかしっかりスタンプされているのですが、初期型については本品のようにサイズ表記が無いモノがあるようで、FSNなどから判断するか、実測しないといけません。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。夏バテしていなければ、コロナに負けていなければ、また2週間後にお会いしましょう。
ご機嫌宜しゅう…。







  

Posted by Sgt. Saunders at 12:00Comments(0)米軍(U.S.)Suspenders

2021年08月01日

U.S.ステンレス・スティール・カップ(U.S. Stainless steel Cup)

みなさん、こんにちは。
温暖な気候(JOC曰く)が続いております。定刻を1時間過ぎてしまいました。済みません。

選手の頑張りを称える事と、感染拡大防止の為にオリンピックを中止すべきでは?という考えを表明する事は、何ら矛盾していません。巷間「中止を叫んでたメディアが手のひらを返して競技結果の報道をしている」との何ともチンプンカンプンな事を言う人がありますが、何を言ってるんでしょうかねぇ。同じ手のひらの上で言い得ることです。温暖な気候で頭がおかしくなったんでしょうか。
東京では1日の感染者数が4,000人を超えました。わが大阪の吉村知事は「『このまま行けば(大阪の)医療も間違いなく逼迫する』との認識を示している」んだそうで、まるで他人事のような物言いになっています。


さて今回はいつもより少しあっさりとお届けします。
WW2中に米軍が貴重なアルミ合金の節約のために水筒やカップ、ユテンシル類の新たな材料開発の結果、ステンレス鋼を材料として製造が始められましたが、今回その中から「カップ」を採り上げます。

↓ステンレス・スティール・カップ(Cup, stainless steel)(ストックナンバー:74-C-317-25)です。かなり程度の良いモノです。カップ本体は表面処理により薄く被膜が出来ていて、いわゆるツヤはありません。


↓「ステンレス・スティール・カップ」ですが、折り畳み式のハンドル(取っ手)は普通の炭素鋼に亜鉛メッキです。


↓ハンドルを展開したこの形ですと、カップの底面に加えハンドルの末端とで大きな三点支持となり、安定して平面に置くことが出来ます。


↓ハンドルに打たれたプロパティ表示、製造者名、製造年の刻印。製造者名はFoley Manufacturing Company、1945年製造。Foley社は食器関係のメーカーとして有名です。


↓カップの縁は玉縁仕上げ(bead)です。アルミ・カップの場合のロール仕上げとは異なります。


↓ハンドルを折り畳んだ状態。スライディング・ロックが下端に落ちています。ハンドルを使う際はこのスライディング・ロックの左右両側の円い爪をハンドル・ヒンジ上端左右両側の四角い爪の向こうに嵌めてハンドルを固定します。


↓折り畳んだ状態の反対側です。ハンドルに穿ってある細長い孔。水平の方の孔(画像では下部)は、カップの中身を温めようと火にかけた時に、ハンドルも熱く熱されて、ハンドルを直に持つと火傷してしまうのを避けるため、ここにフォークの先を通し入れて、フォークを持って火傷せずに火から下ろせるように穿かれた、という事らしいですが、実際やってみるとかなりブラブラしてちょっと危なっかしいです。ハンドルの先(画像では上部)の縦の孔は、ミート・カンやユテンシルと同じく、熱湯等にくぐらせて丸洗い洗浄する際にここにメス・キットのハンドルなどを通すためのモノです。


↓最後に最近(もうやがて半年ほどは経ちますか)手に入れたQuartermasters Corps(需品部)の公式製図面です。と言っても、実は右下の記載の通り、正しくは1950年10月30日付のドローイングです。すぐ上に「1943年8月7日版付図面の9月18日付改訂1の更新」との記載があります。なお、その上のタイトルが「CUP, CANTEEN, CORROSION-RESISTING STEEL(カップ、キャンティーン、耐食鋼)」と、「ステンレス」という語ではなく「CORROSIN-RESISTING(耐食)」となっていることに注意です。


↓この1943年8月版Quartermasters Supply Catalogでも「ステンレス(stainless)」だったのが...


↓1946年5月版Quartermasters Supply Catalogでは「耐食(Corrosion-resistant)」という語に変わっています。ストックナンバーはどちらの版でも同じ「74-C-317-25」です。先ほどの図面上では、これまた微妙に異なる「Corrosion-resisting」と表記しており、意味は同じなのに語が変わっているのは何故なのでしょうか。



以上見て参りました。
ステンレス・スティール・カップは、WW2中製造分もWW2以降製造分も現在では出物は割と多いと思われますが、まとまった数が出るのは少ないでしょうか。ハンドルがワイヤー製になっていく1970年頃までは製造され続けた筈なので、流通量は多いと思うのですが。
カップ単品で売られるよりも、水筒本体とセット、或いはカバーもろともセットで売られることも多いようです。
本個体はもう10年程も前にアメリカのebayで他の商品と併せて購入したモノで、確かUS$10.00程度だったと思います。WW2中モノなら今でしたら国内で2,000円位は必要でしょうか。実例をあまり見ないので分かりません。ヴェトナム戦頃製造分ならもうちょっと手に入れやすいかも知れません。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。



  

Posted by Sgt. Saunders at 13:00Comments(0)米軍(U.S.)Canteens

2021年07月18日

U.S. MIA1 ガス・マスク その3(U.S. MIA1 Gas Mask #3)

みなさん、こんにちは。
いわゆる線状降水帯がまた日本各地に大雨をもたらし、道路・家屋の浸水や土砂崩れを引き起こしました。熱海の土石流は何やら100%の天災ではなく人災でもあるかのような側面も見えてきて、問題が複雑化しそうな雲行きです。
オリンピック開幕を5日後に控え、東京都の新型コロナウィルス感染者数は本日7時30分現在で1,410人となり、「第5波」が鮮明化してきました。また国外からの入国者管理施策にはいくつも穴が空いているのを露呈している事象が発生しています。「安心安全」はどう担保されるのでしょうか。

当地大阪は昨日17日に梅雨明けが発表されました。今朝も5時前から近くの公園のセミの鳴き声がミンミンワシャワシャ喧しいです。元より私暑いのは苦手ですが、ここ一週間以上雨降りの日が続いておりましたので昨日も今日も晴天が朝から広がるのを実に爽快に感じております。アホカリたのしそうだなぁー。

さて画像が多くなってしまった関係で続き物になっております「U.S. MIA1 ガス・マスク」ですが、今回が最終回になります。

↓記事のサムネ画像としてこちらを。MIVA1バッグの上に、マスク、吸気ホース、フィルター・キャニスター等をバッグ内部の収納位置に合わせて置きました。本当は吸気ホースを正中で畳まれた面体の中に挟まれるようにして収納します。もっと言うと面体が全く二つ折りになって山となる部分にカドが出来るのを防ぐ治具(スペーサー)を入れた状態で、その空間にホースを托し込むのが正解なのですが、私が入手した本個体には付いておりませんでした。いや、或いは支給前の未使用保管期間ではスペーサーが必要ですが、支給後はイザという装着時にイチイチスペーサーを外して…なんてやってられないので、スペーサーは適宜破棄されたのかも分かりません。


↓使用時以外、携帯中は蓋フラップを閉じます。


↓この画像は前回の最後の画像と同じで、マスク着用時にはバッグの蓋フラップを半開留めにして出来る空間から吸気ホースをこのように出します、と言うお話で終わりました。その続きでこのままバッグ内部を覗いて行きます。


↓画像の上下を装着時の鉛直方向に合わせてます。実際に身体に装着しているイメージで見てください。蓋フラップを再び全開にして中を覗くとフィルター・キャニスターが縦に収まっています。


↓バッグの中でフィルター・キャニスターが踊らないように、上下でウェブ・ストラップによってその位置が固定されています。


↓上のストラップはLift-the-dot留めになっておりまして、外して…


↓フィルター・キャニスター缶の上部を手前へ引っ張ると…


↓ゴソッと取り出せます。収納する時は逆の手順。まず下のストラップの輪の向こうにフィルター・キャニスターの底部を挿し込んでからキャニスター上部を奥に押し込んでLift-the-dotストラップで留める、ということです。下の方にぶら下がっているモノについては、また後で触れます。


↓見難い画像が続いてすみませんでした。キャニスターを取り外したバッグの中を覗きます。キャニスター固定ストラップがハッキリご覧いただけます。ストラップはカーキ系の色ではなく、ファウンテン・ブルー(カラーコードで言えば『#C0CDDC』あたり)です。


↓上のLift-the-dotを外した状態。


↓バッグの開口部から内側がもっと見えるように剥き剥きしました。


↓先ほど見ました下のストラップにぶら下がっている輪っかには…


↓この様にANTI-DIM-STICK(曇り止めスティック)の缶を挿すようになっておりました。この缶についてはまた後で触れます。何回も済みません。


↓先ほどの繰り返しになりますが、敢えて。バッグ内部にキャニスターを入れて、先に底部を下のストラップの向こうへ挿しこみ、キャニスター上部を奥へ押し込んで


↓上のストラップでキャニスター上部を抱きかかえさせる様にしてLift-the-dotを留めます。本日の記事の4番目の画像と同じ状態になります。


↓バッグの着用者側の面と…


↓外側の面にあるこれらの縫製ステッチは、内部のキャニスター固定ストラップをバッグ本体に縫い付けるのにできたものでした。


↓MIXA1フィルター・キャニスターです。MIXIA1は、マスク本体が総ゴム製になったM2以降M3になっても組み合わされて使われ続けました。これより前の同じような形のフィルター・キャニスターは数種類ありますが(MVⅢやMⅢRなど)、内部の構造が改良された程度で、無毒化のための化学物質(銅含浸チャコールとソーダ石灰)の組成は同じです。


↓「US MIXA1」とのプロパティ表示と形式名表示。あらためて見ると缶が結構凹んでますね。


↓こちらには製造者名略称「EAE」と、ロット番号「217」。撮影前に埃を拭き取るべきでした。汚いですね。


↓吸気ホースにも何やらロット番号のスタンプがあります。「LOT NO.56」の表示。


↓キャニスター底部真ん中に円形の吸気孔があります。切り欠きから見えているベージュ色のモノはゴム製の吸気弁です。マスク装着者が息を吸うとキャニスター内が陰圧になり、この弁が内側へ吸い寄せられて隙間が生じて吸気出来ます。装着者が息を吐こうとするとこの弁は外側へ押し付けられ、この画像の状態となって外気の侵入は遮断される一方で、当記事その1で見ましたように口元の排気弁から呼気が排気されるのです。缶底の左側に「横菱の中に『C』」のメーカーロゴ?があります。こちらも今のところ何というメーカーのモノなのか判っておりません。


↓曇り止めスティックの入った小缶。黄色みの強いOD塗装で、ウジャウジャ沢山記載されています。「THIS CAN CONTAINS ANTI-DIM STICK FOR GAS MASKS.“この缶にはガスマスク用の曇り止めスティックが入っている。”」


↓「使用説明書 汚れ・水分を全て取り除き、レンズを隈無く清浄にせよ。 次に乾いてきれいなマスク内側のガラスの表面に曇り止めを少量こすり付け...」


↓、「...化合物が均一に広がるように布でガラスを擦る。化合物を全て拭い去らないように注意せよ。」


↓「曇り止めスティックを使うべき時-化合物をガスマスクのレンズに…」


↓「...毎週、或いはマスクを着用した後に塗布せよ。」


↓製造者名表示。GLOBE CRAYON CO.,INC.。ニューヨーク、ブルックリン。クレヨンの会社が作ってたんですね。


↓ここにとても小さな字で「A.C.CO. 19A.M?」とありますが、何のことやら。


↓底面。特記無しです。


↓蓋です。こちらも特記無しです。


↓蓋を取りました。ネジが切ってある訳でなく、茶筒のように気密性のまあまあ高い「カポッ」と被せるタイプです。


↓ガーゼがクルクル巻かれた状態で収まっています。


↓「化合物」を芯にしてガーゼがクルクル巻かれていました。


↓「化合物」は鉛箔?のようなもので包まれています。油分がガーゼに染み出しています。


↓この「化合物」をレンズにこすり付けてガーゼで展ばすのですね。


↓経年劣化で包み紙はボロボロです。余談ですが、のちのちこの曇り止めは「スティックと布」から「チューブ入りのペーストと布」へ、更に「曇り止め材をあらかじめ染み込ませた布」へと改良されます。



はい、3回に亘ってお送りして参りました。リエンナクトやサバゲでガスマスクを装着することはあまりないので、興味を持たれる方もあまりいらっしゃらないかとは思いますが、何かのお役に立てればと願っております。

市場での出物もそうそう無いようです。本個体はもうカレコレ10年以上前の入手で、価格はeBayで$120ちょっとだったように思います。
米軍が採用したガスマスクの種類は多く、全てコレクションしようとは思いません。多分。よっぽど程度の良いモノが出れば分かりませんが。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:08Comments(0)米軍(U.S.)Gas mask