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2014年03月23日

M1 Rifle (Garand) - en bloc clip:M1ガーランドのエン・ブロック・クリップ

こんにちは。
当地大阪はただいま気温14度。風はほとんどなく穏やかな春の日の未の刻過ぎでございます。

さて今回はWWⅡ米軍ファンならば親しみ深いM1小銃(M1ガーランド)の「エン・ブロック・クリップ(en bloc clip)」についてほんの少し触れたいと思います。


↑接写のせいで立体感がなくて恐縮ですが、WWⅡ米軍ファンならばせめて1組は持っていたいと思うであろう8発1組クリップ。

遥か昔、かのモデルガンメーカー、ハドソンがM1をダミーカート・モデルで発売した時に別売りアクセサリーとして販売してたのが4,000円でした。当時の私にとって高嶺の花でした(今も)。いまは色んなチャンネルで、もう少し安く手に入りますね。
とは言え、クリップもダミーカートの方も近年製造の民生用のモノであったと思われます。純粋にWWⅡ時のヘッドスタンプの30-06ダミーカート8発と、純粋のWWⅡ時製造のクリップでこれをセットしたとすると、当時でも今でも4,000円ではとても足りないと思います。


↑8発を1クリップでただ挟んでいるだけの構造です。また、上下の区別は不要です。


↑特に目立った特徴の無い、本当に「クリップ」です。


↑8発を千鳥配列でクリップに挟みこむのですが、このように2通りの挟み方ができます。銃への装填には何の問題もありません。
↓前から見るとこの通り。


↓ペンで示しているフォロワー・スライドが左右に自在に動いてくれるからです。




↑クリップ後ろ側の拡大。軍用・民生用のほぼ全てのモノに、この例のように真ん中の円の内側に製造者のコードが打刻されます。
この画像の例では「SA」とあり、「Springfield Armory(スプリングフィールド造兵廠)」製であることが分かります。残念ながら私の持っているモノのうちほとんどが戦後製造のモノばかりです(「BR-W(Borg Warner製)」の刻印。但しBorg Warnerは戦中も製造しており、その場合の刻印は「B-W(と、1桁の数字)」です)。可処分所得に比較的余裕がある今でしたら少々値段が張っても買おうかなと思いますが、以前はそんな余裕はなく、ともかく「雰囲気」優先で安いダミーカートとクリップを買い溜めたのでした・・・。

最後になりましたが、「en bloc」とはフランス語で「一括で・ひとまとめで」という意味だと知ったのはほんの数年前。それまでは「人名かな、商標名かな」などと考えてました。発音も本当は「エン・ブロック」よりも「ア~ン・ブロク」に近いんですと。

それでは、また・・・・・。  

Posted by Sgt. Saunders at 14:05Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms

2014年03月21日

きっかけは偶然の重なりです

こんばんは。こちらは前夜の雨は朝までには止み、明けて日中は晴れ間もありましたが、ただいま午後8時過ぎで気温5度と、寒さがやはり戻ってまいりました。皆様のところは如何でしょうか?

さて、今回はいつもと趣向を変えて、私の蒐集(コレクション)のきっかけについて少しお話ししたく、よろしければお付き合いください。

私がミリタリーに関心を持つようになった最初のきっかけは、小学6年生だった頃に、プラモデルの1分野として、かの田宮模型が展開していた(今もなお更に発展していますが)「ミリタリーミニチュアシリーズ」に接したことでした。
小学1年生の弟が彼の友人と2人で何やらチマチマと室内でおままごとのようなことをして遊んでいるのを偶々目にし、よく見てみると、小指ほどの大きさの人形で戦争ごっこをしているのが分かりました。
「へぇこんなのがあるんか」とその中の一体を良く見せてもらうと、ディテールが甘く、塗装もしていない、緑色や茶色のプラスチック樹脂がまだらに混ざった状態での成型ものでした。
「もっと再現度が高けりゃいいのにな」と言うと、「そういうのもあるけど値段が高くて手が出ない」とのこと。で、その子と弟と共に模型屋さんへ行って見てみると、さっき見たものよりもっとディテールが細かく、パーツが細かく分かれている田宮のプラモデルがありました。さっき見たものは製造会社名は忘れましたが、ライナーから切り離すだけの「手間いらずポーズ丸ごと一体成型」のミニチュアでした。箱絵は一丁前でしたが中身の質は残念ながら田宮のプラモデルには劣りました。ですが子供が遊ぶ分には十分でした。
しかしながら私としてはやはりディテールの細かい田宮のプラモデルの方に興味が湧き、それからしばらくは少ない小遣いの中から少しずつ買っては作り、買っては作りを繰り返しました。ドイツ軍、米軍ほかいろいろありましたが、どういう訳かドイツ軍ばかり作っていました。
子供心に、ラフな米軍の恰好よりカッチリしたドイツ軍軍服の様式美に惹かれていたのかもしれません。とにかくドイツ軍モノばかり作っていました。その後は、しかし、とくに毎日プラモ漬けという訳でもなく、ときどき買って作る程度でした。

㈱タミヤHP製品カタログページより引用。

中学3年の頃でしたか、かの有名なTV映画「コンバット!」の何回目かの再放送に偶然接する機会がありました。白黒放送で、隣で一緒にいた親父は懐かしそうに視ておりました。当初私は主人公である米軍側よりもプラモで親密感の有ったドイツ軍側を「応援」していたのですが、すぐにサンダース率いる米軍を応援する気持ちが湧いてきて、それまではドイツ軍のカッチリした軍服のイメージに対して、まるで作業着のような、なんとなく「だらしない」ように見えていた米軍の軍服にも、ドイツ軍とはまた別の恰好良さを見い出していったのでした。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の反対で「サンダース軍曹愛しけりゃM41フィールド・ジャケットまで愛しい」という感じです。
するとプラモも、敬遠していた米軍モノを手掛けるようになっていきました。

↑↓㈱タミヤHP製品カタログページより引用。

私はこのキットのM43F・Jのポケットのモールドを削り取って無理やりM41F・J仕様に改造してました・・・。

高校2年生ぐらいでしたでしょうか、書店で期せずしてふと目に入った雑誌「コンバット・マガジン」と「Gun」。これに大いに衝撃を受けました。
こういう趣味の雑誌が存在するということと、「軍装品」が買える市場(マーケット)が存在するということ。とくに軍隊が使っていた(使っている)ものを一般人でも買えるということは非常に衝撃的でした。以前本ブログの過去の記事でも書きましたが、軍隊の装備品は、「博物館に鎮座しているもの」であるという感覚しかなかった私には、それら「軍装品」が「商品」として広く売買の対象となって流通していることに驚きを覚えました。
それまで軍装品との関わり方としては、上述のように田宮模型の1/35スケールの「ミリタリーミニチュアシリーズ」を組み立て・塗装を楽しむことを通じてしか「体感・意識」できませんでしたが、軍装品を一般人も「買う」ことができると知って、博物館で鎮座している「軍隊で使っていたモノ」という『イメージ』でしかなかったものが、「身近に実在している『モノ』」という認識に変わったのでした。
そこで実際の軍装品の売買市場を目の当たりにして思ったことは、かつてなんとなく格好良いと感じていたWWⅡドイツ軍軍装品は押しなべて「高い」ということ。とても高校生が買うことは能わない金額でした。一方米軍モノは、さすがにWWⅡモノはべトナム戦モノや現用モノに比べると高いものの、WWⅡドイツ軍モノの値段に比べると遥かに求めやすい値段でした。
「買える範囲」、TV映画「コンバット!」のサンダース達の恰好良さ、流行りだしていたサバゲをやってみたい、この3つの要素は必然的に、私に「WWⅡ米軍装備で行く」との決断をさせるに至りました。そうして、以後少ない可処分所得の中から細々と蒐集(コレクション)趣味を楽しむこととなったのです。

長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました。

それでは、また。 (ここしばらくドイツ軍の銃器関連が続きましたので、今度は米軍の銃器関連を持ってくる予定です。)
  

Posted by Sgt. Saunders at 20:45Comments(0)無題

2014年03月16日

マイナー(?)軍用弾:8mm M.30 scharfe S-Patronen その2

こんにちは。三寒四温とはよく言ったもので、暖かくなったなぁと思うとまた冬の寒さ。毎年同じ事言ってるんですけどね。

さて今回は前回の続きで「軍用弾:8mm M.30 scharfe S-Patronen(8 x 56R Mannlicher)」について見ていきたいと思います。


↑前回カートリッジの紙箱を開けるとこまで見ました。

↓クリップ2つを取り出すと、箱の中はこんなです。2つのクリップを隔てるS字型のディバイダーは固定されていません。


↓S字のディバイダーと蓋部分のほかは、1枚のボール紙からの切り出し加工製法です。





↑全分解図。

↓カートリッジです。米軍のM1ガーランドと同じ、いわゆる「en bloc」タイプのクリップで保持されます。

クリップ上部のフィンガー・グルーブは、単なる滑り止めのためだけでなく、暗闇でも間違って逆さまに込めないよう、クリップの上下が判るようにつけられたんだとか。M1ガーランドのen-blocクリップは上下不問ですからこんなのはありませんね。

↓不可動実銃を持ってないのでWikipediaから画像を引用。クリップごと固定マガジンに押し込んで装填します。クリップは最終弾を撃った後マガジン下部から滑り落ちる仕組み。


↓後方から。


↓ドイツ軍の鷲のプルーフ刻印。


↓クリップ下側。


↓8mm M.30(左)と8mmモーゼル弾(7.92x57 IS)(右)との比較。


↓8mm M.30(左)はリムド。右の8mmモーゼル弾はリムレス。



この辺で、今回のこのマイナー(?)軍用弾については筆を置きます。今後もっとじっくり調べていきたいと思います。
ご高覧ありがとうございました。では、また。


  

2014年03月09日

マイナー(?)軍用弾:8mm M.30 scharfe S-Patronen

こんにちは。今朝9時の当地大阪の気温は3℃と、朝の冷え込みはまだ厳しいですが、日中は10℃に達しましたでしょうか。とても良く晴れて青空が広がっていました。
さて、前回に続いてまた弾薬ですが、今回は少しマイナー(?)な軍用弾について触れたいと思います。

↓まずはこの画像を。

弾頭を取り去っていますが、5発で1個のクリップに収まっています。これは何でしょうか・・・?


ドイツがオーストリア併合後、警察や第二線で使用した「シュタイヤー=マンリッヒャーM1895短小銃」用の弾薬です。

10 Stück                10発入り
8mm M.30 scharfe         8ミリ口径 M30 鋭い 
S-Patronen             尖った弾丸弾薬
Rottw. ←のちほど触れます
VIII XII  1938  ←印刷してあるXIIを■で消すと同時にその左側にVIIIとスタン
                     プされています。1938年12月8月製造の意?

ドイツ語「scharfe」は英語の「sharp」、S-Patronenの「S」はドイツ語「Spitzgeschoß(Spitz(英語pointed)+geschoß(英語bullet)」の略です。素直に英訳すると「sharp pointed bullet - cartridge」、さらに和訳して「鋭く尖った弾丸弾薬」となります。当時はまだライフル弾でもラウンドノーズのものがかなりありましたし、尖頭弾の中でも、より尖っていたんでしょうか。
ラベルの下から2行目の「Rottw.」はRottweilのRWS社(Rheinisch-Westfälischen Sprengstoff-Fabriken:ライン・ヴェストファーレン爆薬製造会社)によって製造された火薬のタイプを示します。
左下隅の「P635」は製造者コード。Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)製であることを示します。

↓これがその「鋭く尖った弾丸」。

記事を書く時、弾丸の撮影を忘れていたことに気づき急遽パソコンの上で撮影。
ラベルの左端の弾丸のシルエットと同じです(当たり前)。

↓では、まず箱を見ていきましょう。

右側の黒いのは箱を支えているM1カービン用のマガジン(友情出演)。


↓クリップに収まった弾薬の形そのままの形の箱。右は大きさ比較用のU.S. M1911A1 ピストルのストック。


↓ボール紙製の箱。周りに封紙が巻かれています。封紙に物品・製造データが印刷されていたんですね。


↓上蓋を上へ抜き取ると・・・


↓中身が少し見えました。


↓クリップが2つ並んでいます。


クリップ、カート本体など、このまま行くとちょっと長くなりますので、一旦ここで失礼します。続きは次回へ・・・。  

2014年03月02日

8mmモーゼル弾 続き:7.92x57 IS(Patronen schweres Spitzgeschoß)#2

こんにちは。弥生三月、少しは暖かくなりましたか。
今回は前回の続きにお付き合いください。

↓ドイツ軍の採用していた「7.92x57mmモーゼル弾」の最小梱包紙箱のラベルの拡大です。


          Patr. s. S.
          P. 22. L. 35
 Nz.Gew.Bl.P.(2・2・0,45):Rdf.14.L.35
Patrh.: P.*55.L.35 - Gesch.: P.308.L.35
    Zdh.: S. K D. 154. c. L. G.

何を意味しているのでしょうか?浅学の私が現在までに知り得た範囲で申しますと以下の通りです。

1行目は弾薬の種類です。「Patronen schweres Spitzgeschoß」の省略表記で、「重量尖頭弾」の意です。schweresは「重たい」、spitzは「尖った」、geschoßは「弾丸」です。
弾種は他にも「s.S. trop(schweres Spitzgeschoß tropen):熱帯用重量尖頭弾」、「SmE(Spitzgeschoß mit Eisenkern):鉄芯尖頭弾」、「SmK(Spitzgeschoß mit Kern:鋼芯尖頭弾・いわゆる徹甲弾)」など、観測弾・工具弾なども含めると40種ほどもあります。

2行目は製造者コードとロットナンバーおよび製造年です。画像の例では「Polte Armaturen und Maschinenfabrik A.G.社(コード:P)、ロット22番、1935年製造」となります。

3行目は装薬種類です。「Nz.Gew.Bl.P.」は「Nitrozellulose Gewehr Blättchen Pulver(ニトロセルロース弾薬用小葉体火薬)」の略。「2・2・0,45」は、火薬粒子が2mm x 2mm x 0.45mmであることを示します(ドイツでは小数点は「.」ではなく「,」で表します)。
後ろの「Rdf.」は「Westfälisch-Anhaltische Sprengstoff A.G.社」の製造者コード、1935年にロットナンバー14番で積出しされたことが判ります。

4行目「Patrh.:P.*55.L.35」は「Patronenhülse(薬莢)」についての標記。「Polte Armaturen und Maschinenfabrik A.G.社(コード:P)、ロット55番、1935年製造」となります。ロットナンバーの前の「*」が、実は何を意味するのかがまだ分かりません。今後調べていきたいと思います。ただ、あとで出てきますが、薬莢底部のいわゆるヘッドスタンプには材質を示す記号として「S*」という刻印が用いられていますので、ひょっとしたら「銅含有率72%の真鍮」を意味する「*」かも知れません。課題です。
つづく「Gesch.: P.308.L.35」は「Geschoß(弾丸)」についての標記。「Polte Armaturen und Maschinenfabrik A.G.社(コード:P)ロット308番、1935年製造」となります。

5行目「Zdh」は「Zündhütchen(雷管)」の略。「S.K D」は「Selve Kronbiegel Dornheim A.G.社」の製造者コード。ロットナンバー「154.c」で、その後の「L.G.」ですが、これについても「G」が1935年を示すのだとする資料がありますが、確信には至っておりません。もしご存知の方がいらっしゃいましたらお教え頂きたく存じます。
さて、この紙箱についてもう少し見てみます。

↓全景。


↓ラベルの反対側の面。

「Polte Armaturen und Maschinenfabrik A.G.社」の「1935年製」を示すロゴの型押し。

↓ラベルの貼ってある方には指欠きがありまして・・・


↓開けると・・・


↓中蓋が・・・


↓それを開けて・・・


↓左右にベロガあって・・・


↓やっと中身が見えました。


↓15発が3段に互い違いに並んで入ってます。もちろんプライマーは発火済み。プライマーの周りのシーリング部には、これがs.S.(重量尖頭弾)であることを示す「緑色」のマーキングが施されています(黒色の場合もある)。

ほか、SmE(鉄芯尖頭弾)系なら青、SmK(鋼芯尖頭弾)系なら赤といった具合です。(また機会がありましたら詳しくやります。)

↓1発取り出してヘッドスタンプを接写。


12時のPは「Polte Armaturen und Maschinenfabrik A.G.社」のコードの「P」、3時のS*は先程ラベルの説明でも触れましたが「S」が「真鍮」の意で「*」はその内の銅の含有量が72%の意。6時の55は「ロット55番」の「55」、9時の35は1935年製造の「35」。ラベル標記の4行目の薬莢についての情報がここでも示されています。プライマーの周りのシーリングの色と併せて、ヘッドマーク(薬莢底部)を見ただけでさまざまなことが判ります。箱のラベルの標記と中身が一致しているモノを手に入れられたのはとてもラッキーで嬉しいことです。

↓中身を取り出して全部拡げた、の図。1枚の紙から切り出して作られています。「中蓋」はラベル面の反対側から箱の内側を通ってラベル面に出てきます。


↓ひっくり返した、の図。


今回ご覧いただいたのは10数年以上前にコレクションしたモノのうちの一つですが、近年はオリジナルのカートの入手が難しくなってきていますねぇ。大事にしていきたいと思います。
紙箱の方は精巧なレプリカがたくさん出ておりますけれども、「レプリカ」が「偽物」となることの無いよう皆で気をつけたいものです。

それでは、また・・・。