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2018年10月14日

US M9 ピストルのマガジン(Magazine for US M9 9mm semiautomatic Pistol)

皆さんこんにちは。
金木犀の芳しい香りがふんわりと朝の空気に溶け込んで漂う季節となりました。
当地大阪は、朝晩はヒンヤリするようになりましたが、お天気が良いと昼間は汗ばむこともあり、服装の調節が難しいです。
今回も定刻から1週間と2時間余り過ぎての投稿です。

私の重点的コレクション対象はWWIIUS陸軍歩兵科兵士の一般的装備品ですが、そのほかWWIからWWII、ヴェトナム戦争を経て1990年代までの米軍が使用・制式採用した銃器にも興味を持っているところです。
WWI前に採用され、その安定した堅牢さ・メンテナンスの容易さ等から約70年もの長きに亘って制式拳銃の座にあったM1911(A1)(通称ガバメント)に代わり、より時代に適合したモノとしてトライアルを通過して新たに制式採用されたのがベレッタ社のModello 92F、即ちM9ピストル(M9 9mm Semiautomatic Pistol)です。
で、そのM9ピストル、ではなく、そのマガジンが今回の投稿ネタです。

↓ダブル・カラム-シングル・フィードです。複列配置から単列になっていく部分で給弾不良が起こらないか未だに不安です。実銃を撃つ事は無いのにです。画像に写っているカートはモデルガン用のカートリッジです。マガジン・チューブはリン酸塩皮膜処理(パーカライジング)が施されています。


↓ガバメント(左)のマガジンには.45口径ACPが7発入りますが、M9(右)には9mmパラベラムが何と15発も入ります。多弾装なのは良いのですが、.45ACPと比較して見るからに華奢な感じの9mmパラベラムでは、自分が撃つ機会も無いクセに、幾ら多弾装でも何か不安感を覚えました。普段から撃ち慣れている人はそれぞれの良さを分かっていらっしゃるので、私のようにただデカさだけでしかその弾のイメージを持てない者が何を言うかと仰るでしょうね。.45ACPの「ストッピング・パワー神話」に侵されていると思います。


↓ちょっと今回の投稿テーマからは離れますが、9mmと.45口径の比較です。(過去記事(ドイツ軍08式ピストル弾 (Pistolenpatrone 08) )の画像で恐縮です。)


↓はい、すみません。M9に戻ります。米陸軍発行のテクニカル・マニュアル(Tecnical Manual(TM)) 9-1005-317-10の1985年6月版の表紙です。M9採用当初は、マガジンのフロアー・プレートはまるでマガジン・バンパーが後付けされたように見える厚い部品でした。2つ上のガバメントとの比較写真でご覧いただけます。東京マルイをはじめとして遊戯銃等でもM9はモデル化されてますが、ほとんどのモデルは、やはりこの厚底タイプのマガジンになってます。


↓マニュアルの中身のマガジン分解方法の図です。①で示されているフロアー・プレートは先端部で最大7mm位の厚みがあります。


↓銃に装着した図ですが、フロアー・プレート先端はグリップのフロントラインと「ツライチ」になり、フィンガーレストのような前への出っ張りはありません。


↓一方こちらのフィールド・マニュアル(Field Manual(FM))23-35(3-23.35)2003年6月版では、マガジンのフロアー・プレートは金属板をプレスして作られた部品になってます。モデル92F以前のモデル92の時代のマガジンと酷似しています。あとで出て来ますが、製造工程とコストの減少及び耐久性が向上したモノであるとのパテントを持つのだそうです。


↓では、やっと現物をご覧いただきます。左側面です。前方中程にマガジン・キャッチの掛かるスリット。上端にスライド・ストッパーが入るためのスリットがあります。


↓こちら側には「SER: 9MM 9/01 CHECK-MATE IND., INC. WYANDANCH, N.Y.USA」の刻印。最初の「SER」は「Series」でしょうか?。2001年9月ニューヨーク州ワイヤンダンチのチェック=メイト・インダストリー株式会社製。


↓右側面です。左側面と同じように前方中程にマガジン・キャッチの掛かるスリットがあります。M9がアンビデクストラス仕様なので当然マガジンもそれに対応させたまでの事です。


↓こちら側には「"ASS'Y 9346413」と部品番号の刻印から始まって「RESTRICTED-LAW ENFORCEMENT/GOVERNMENT USE ONLY"(法執行機関/政府機関のみに使用が制限される)」と、近時の所持規制品でよく見られる注意書きがあります。


↓フォロワーです。樹脂製です。


↓背面です。装填している弾の数をカウントする目安となる残弾目安確認孔があります。


↓5発・10発・15発を示すようになってます。


↓フロアー・プレートです。パテントの表示「U.S. PATENT 6,055,758」は、先ほど触れましたフロアー・プレートの製造過程・機能性についてのモノです。グーグルなどで検索すればどのようなものか詳しく分かりますので、より深く追究してみたい方はどうぞ。ここでは割愛します。画像左側に「342」と、前オーナー?が引っ掻いて書いた番号があります。


↓ここからはマガジンを分解していきます。まずフロアー・プレート中央から覗くフロアー・プレート・リテイナーのスタッド部分を下へ押さえつけてロックを解除して…



↓フロアー・プレートを前方へスライドさせます。


↓後ろから見ると、この状態から...


↓この状態になります。


↓更にフロアー・プレートを前方へスライドさせて…


↓フロアー・プレート・リテイナーをバネのテンションで飛び出してこないように指で押さえてフロアー・プレートを取り去ります。もう取り去ってますが。


↓フロアー・プレート・リテイナーのスタッドは別部品ではなく凸に加工されているだけの「一体モノ」です。


↓マガジン・スプリングにこの様な方法で結合しています。


↓あとは引き抜いてバラすだけです。


↓このようにフロアー・プレート・リテイナーのスタッドがフロアー・プレートの真ん中の孔に噛み合うことによってフロアー・プレートが定位置に固定されます。


↓はい、解剖図です。


↓はい、一応反対側(裏側)もご覧ください。



以上、M9ピストルのマガジンの分解・解剖図(Anatomy & Disassembly method of the Magazine for M9 pistol)でした。
いかがでしたか?

近年実銃関係のアクセサリー・付属品の価格はどんどん高騰していますし、当地大阪では入手機会がなかなかありません。
個人輸入の道は阻まれて久しく、大昔入手したモノを維持・保存する事しかできません。M9の実銃マガジンはこれ一つしかコレクションしていません。大事にしたいと思います。

銃本体の輸入禁止は当然ですが、マガジンくらい何とかならないものでしょうか。業者による軍払下げ品の国内での販売・購入・所持は良くて、同じモノを海外から個人輸入するのはダメという趣旨が分かりません。軍が持ち込んだモノで、特に危険なモノでなければ良いということでしょうね。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。ありがとうございました。



  

Posted by Sgt. Saunders at 14:37Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms