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2021年12月26日

US M-1937 ウェブ・ウェスト・ベルト(M-1937 Enlisted men Web Waist Belt )

みなさん、こんにちは。
数年に一度の寒波の到来とのことで、当地大阪某郊外都市の今朝7時の最低気温が1.7℃ととても冷え込んでました。北海道占冠のマイナス24.1℃に比べたら暑いですが。

さて、オミクロン株爆発的感染拡大の前に大掃除をサボりつつ年賀状を後回しにしつつ本年最後に投稿しますのは小品「M-1937兵・下士官用ウェブ・ウエスト・ベルト(Belt, Waist, Web, EM, M-1937)(ストック・ナンバー:73-B-5117~73-B-5140)」です。忙しくて小物にさせて頂いた訳…であります。

↓M-1937兵・下士官用ウェブ・ウエスト・ベルト(Belt, Waist, Web, EM, M-1937)です。もちろんご承知の通りWW2米軍ウェブ装備品では付き物の「カーキ・OD」バージョン違いがある訳でして、今回は「カーキ」バージョンだけ持ってきました。コレクションルーム(蒐集品を突っ込んでいる段ボール箱が置いてあるロフトの隅)へ取りに行けばODバージョンのモノがあるのですが、取りに行って探すのが億劫で、手近にあったカーキバージョンだけお示しいたします。尚且つ、後でまた触れますが、バックルの形状にも幾つもバージョン(仕様)違いがあり、本品はあくまで一例になる事をお含み置き下さい。


↓トラウザースを履くときに使うベルトです。私が入手したのはコレクションを始めて暫く経ってからで、コレクション当初はトラウザース用のサスペンダーで吊ってればトラウザースがずり落ちることも無く、またジャケットの下に隠れるものですからサバゲへ参加する時は市販の「GIベルト」(将校用のローラー・バックルを模したヤツです。)で代用出来てましたので入手は遅かったです。しかしやはりこれが無いとコレクション的には不完全感がありましたので、いいお値段で売られていた時にサッと贖った覚えがあります。


↓結構草臥れた感がありますが、今でも実用に十分耐えられます。


↓幾つもバージョン違いのあるバックルの内の一例です。作りは至極シンプル。真鍮製です。お見せ出来ませんが、例によって戦中の資材節減策による「亜鉛合金製」や「鋼鉄製」のモノもありました。


↓裏側です。ウェブ・ベルトの幅は1.25インチ(約3.175cm)。時代を遡ると1インチ(2.54cm)のモノの時代もありました。


↓ウェブ・ベルトとの結合は特殊なものではありません。


↓バックル裏側の爪付きプレートを...


↓エイッと起こし…


↓開いて、ベルトから爪を開放してやって…


↓ベルトを抜き差しするだけです。


↓ベルト内側にはプロパティ表示の「U.S.」と、「J.Q.M.D. 1943(ジェファーソンビル・クオーターマスター・デポ 1943年製)」、サイズ「40」インチ(約101.6cm)とのスタンプがあります。実測するとウェブ・ベルト長は約96cmでした。少しだけ詰められています。


↓バックルに隠れていた部分が汚れずに元の色合いを残していました。


↓ベルト末端は真鍮製のチップで処理が施されています。


↓ベルトの厚みはこんな感じです。ベルトは正式な規格で言えばタイプ…はて?何だったでしょうか?「Type-1」だったか…すみません忘れました。


↓一応使い方・仕組みも。胴をぐるっと廻って来たベルトをバックルに通して…


↓固定のための爪を越えて、もう片方へと通して…


↓これで終わり。


↓前から見るとバックルの四角い枠しか見えません。


↓今回の投稿のヒントにしたのは、例によってまた川越のりと先生の「コンバット・マガジン巻末イラスト・ポスター」の「INFANTRY MAN」でした。このポスターの一番下、


↓これです。キャプションも正しく記載されています。ただ、このイラストのバックルは今回見たバックルとはバージョン(仕様)が異なります。このイラストのタイプのバックルはまだ私は入手出来ていません。出物がなかなか見つけられません。


↓Quartermaster Supply Catalog 3-1 1946年5月版から。イラストが無く、ひっそりと掲載されてます。わざわざ「1 1/4" Wide」(幅1 1/4インチ(約3.175cm))と名称に加えられていることからも、それ以前の1インチのモノとは区別しろよ、と訴えていることが分かります。



今回お見せした個体は10年程前にebayで$15程度で入手したモノだったと思いますが、お見せ出来なかった別のカーキとODのデッドストックのモノはもうカレコレ20年以上程も前に確か四ツ橋時代のM*A*S*Hさんで破格の一本2,000円位で贖った記憶があります。コレクションをしているとこういった小物の入手の優先度合いはややもすると私は低い方へ廻しがちだったのですが、やはり一兵士の基本装備としてはコレが無いとイカンですね。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。今年も一年どうにか投稿を続けられました。ご覧くださりありがとうございました。また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

  

Posted by Sgt. Saunders at 12:01Comments(0)米軍(U.S.)Trousers Belt

2021年12月12日

US M6バイオネット(続き)(U.S. M6 Bayonet-Knife(Cont.))

みなさん、こんにちは。
師走に入り、イヤでも何か気忙しい雰囲気のなかで生活しなければなりません。
当地大阪郊外都市は気温は平年より暖かいんだそうで、そういえば少し前にかなり冷え込んだ朝以外はまだ手袋が欲しいと思いません。オミクロン株、どうなるんでしょうか。尾身さんは再び苦労なさるんでしょうか?


今回は前回記事「US M6バイオネット(U.S. M6 Bayonet-Knife)」の続きです。本来は続き物にするほどのボリュームじゃないんですが、準備不足で2回に分かれることになりました。

↓M8A1スキャバードに収まったM6バイオネットです。FSN(Federal Stock Number)は1005-722-3097です。スキャバードの方は過去記事「M8とM8A1スキャバード(M8 Scabbard, M8A1 Scabbard)」で少しだけ触れていますのでご覧下さい。スキャバードだけまたいつか纏めてみたいと思います。


↓前回記事の最後の画像から始めます。グリップ・スクリューを外してバラしました。刀身長は6.625インチ(約16.8cm)、刃長は6インチ(約15.2cm)、刃先の3インチ(約7.6cm)は両刃になっています。前回でも触れましたが、私が本個体を入手した30年程前は米軍物資払下店では銃刀法の定めにより刀身長が15cmに収まるように切先が2cm程切断された状態で販売されていました。お店によっては、その切断された切先部分も一緒に付けて送ってくれました。画像では切断された先っちょをセロテープでつなぎ合わせて、何とか一本の刀身のように見えるようにしてます。


↓グリップ部分は、左右のプラスティック製グリップが茎(なかご・中子)を挟み、2本のスクリューで固定されます。茎には銃への装着固定のためのラッチング・ロック・リリース・レバーが取り付けられています。仕組みは単純です。のちほど触れます。画像左にあるクロスガードは、茎にラッチング・ロック・リリース・レバーやアンダーカット・グルーブの部品、ポンメルを取り付ける前に後方から刀身後端まで通し入れられ、すぐ後ろに見える楔形の部品により固定され、中空のリベットで留められています。この中空リベットにはグリップを固定するスクリューが通ります。


↓これがその楔形の部品がクロスガードを押さえているの図です。


↓テクニカル・マニュアル(TM-9-1005-237-23&P)から引用のパーツ一覧・展開図です。7番に「M6 blade assenbly」として、刀身部分から茎、クロスガード(鍔)、アンダーカット・グルーヴを形成する部品、ポンメルまでがまとめて一体のモノとして銘打たれています。


↓2つ上で見たモノの反対面です。


↓グリップは左右に個別のパーツナンバーが割り振られています。先程のパーツ分解図にある通り、画像で上の右側グリップはパーツ・ナンバーが7267652、画像下の左側グリップはパーツナンバーが7267653です。このグリップはM1ガーランド小銃用のM5(M5A1)バヨネットと共通です。さらに言えばM6バイオネットは、クロスガード以外はM5(M5A1)バヨネットと同じモノです。


↓ポンメル部品の裏側に「B」(上下逆さまですが)の刻印があります。調べましたが何の「B」か、まだ突き止められていません。


↓M14ライフルへの脱着ラッチの仕組みは至極簡単です。シーソー状のラッチング・ロック‐リリース・レバーの後端が銃の着剣ラグに噛み合う鉤になっていて、前端はプッシュ・ボタンになっています。画像手前側のプッシュ・ボタンの内側に収まっているバネにより、中間の支点ピンを回転軸として、後端の鉤は常時ロック・オン位置にあるよう上向きにテンションが掛けられています。


↓常態がこの状態で…(シャレじゃないです)


↓レバー後端の鉤が銃の着剣ラグへ噛み合う位置にあります。


↓後方からアンダーカット・グルーブを見ると鉤が出っ張っているのが見えます。


↓プッシュ・ボタンを押さえると中間の支点ピンを回転軸として後端の鉤が下がり…


↓このように…


↓アンダーカット・グルーブからは鉤が下へ引っ込みました。


↓クロスガードのすぐ手前にラッチング・ロック‐リリース・レバー末端のプッシュ・ボタンが位置します。


↓先ほどグリップはM5(M5A1)バイオネットと共通の部品であると申しましたが、正しくは「M5(M5A1)バイオネットの後期グリップと同じパーツ」です。因みにM5(M5A1)バイオネットの初期グリップのパーツナンバーは右が7266552、左が7266553で、後期のモノよりも厚みがあり、チェッカリングがこの画像にある後期のモノのようにグリップ上面まで広がっていません。


↓米軍のフィールド・マニュアル「Field Manual(FM) 23-8 U.S. RIFLE 7.62MM, M14 AND M14E2」の1965年5月版の第7章「アクセサリー」のページです。本バイオネットと、収まるM8A1スキャバードの図およびM14ライフルへの着剣状態の図。着剣している図を見るとM1カービンとM4バイオネットの組み合わせと同じくらいの「華奢さ」を感じます。


↓クロスガードのオブバース側に施されたモデル名称の「U.S. M6」。


↓反対のリバース面には製造者「IMPERIAL」の刻印。他にはAERIAL社、MILPAR社が製造したそうです。



以上でございます。
銃への取付け・ロック・リリースの仕組み(グリップ中心部にレバーの軸を置き、クロスガードの直ぐ手前にリリース・ボタン、軸と反対側のポンメルの方にロックを置く)は、古くはM1903スプリングフィールド小銃用(のちにはM1ガーランド小銃も)のM1905バイオネットや、それを短くしただけとも言えるM1バイオネット、M1バイオネットを更に短くしたM5(M5A1)バイオネット・ナイフと同じ仕組み・構造・原理です。これに対してM1カービン用のM4バイオネット・ナイフやM16A1ライフル用のM7バイオネット・ナイフは、銃のバイオネット・ラグを洗濯バサミのように摘まんで固定する簡素な仕組み・構造・原理です。また「稿」をあらためてお示しできればいいなと思います。

2001年のアメリカ同時多発テロ事件以来銃剣の出物が少なくなったように感じています。ebayなど海外では結構売りに出されているのですが、日本へは通関時にアウトになりますので新規購入は不可能です。今国内にあるモノを大事にするしかありません。稀に刃の根元から3cm程のところで無残にも切断された銃剣の売り出しを見ることがありますが、切断面を見るにつけ悲しくなります。今私の手元にあるものもなるべく切断されたことを意識しないように切断面からは目を背けて触っています。キャンピング・ナイフなどは、必要・目的も無いのに市中で持つのは違法ですが、所持そのものは違法ではありません。銃剣もそうならないもんでしょうか?

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また上手くいけば年内にお会いしましょう。大掃除は何からやり始めましょうか…。 ご機嫌宜しゅう。