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2020年04月19日

US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

みなさん、こんにちは。
新型コロナウィルスの猛威は当初東京や大阪など7都道府県に限り緊急事態宣言を出さしめましたが、遂に緊急事態宣言の対象が日本全国に拡大されるに至らしめました。
医療体制の崩壊が現実的なものになり始めている危機の中で、私のとり得る感染防止策と言えば「手洗い」「手指消毒」「マスク着用」の励行しかありません。たまたま今回のウィルス禍の起こる前に花粉対策用として多めに買っていたマスクも底が見えてきました。品薄の続いている現状では新たに購入することは能わず、使い捨てにしていてはマスク無しで仕事に行かなくてはなりません。洗って再利用することにします。

安倍晋三首相が公式ツイッターに、星野源がインスタグラムに投稿した曲「うちで踊ろう」の動画に自身が自宅でくつろぐ姿をコラボさせた動画を投稿して、ゆっくり自宅で愛犬と戯れる姿を見た多くの方から反感を買ってしまいました。
休業すればその分確実に所得が無くなる人の事に思いを巡らすことなど全く頭の中に無いんでしょうか。休業や外出自粛などは「知人・友人と会えなくなる」程度の影響しか無いぐらいに考えているのでしょう。やっぱりボンボンです。浮世離れしてます。我々が選挙で首相にさせてしまった者の正体です。

さて「3密」を避けて北河内の陋居からひっそりとお送りしますのは、M1967ナイロン・ウォーター・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, 1 Quart, M1967(FSN:8465-860-0256))です。
前回の記事でプラスティック製キャンティーン(水筒)本体についてお送りしましたが、今回はカバーについての徒然です。

↓前回の記事のトップ画像と同じ画像です。ヴェトナム戦中の1968年頃からこの組み合わせのキャンティーンが見られ始めます。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓キャンティーン本体を取り去りました。カバーはOG106ナイロン・ダック製。水浄化剤のボトルを入れる小ポケットがあるほかは、見た目・基本的構造はM1956ウォーター・キャンティーン・カバーとほぼ同じです。正面の縦ステッチがそれまでの伝統的な7本から4本に減りました。このステッチには中に納めるカップのハンドルによる摩耗を減らす目的があります。余談ですが、本体中央部に水平に約2cm幅のステッチが加わっているモノは、このM1967の1972年12月20日付改修版、いわゆる「M1972」です。中のカップの縁による摩耗対策としてナイロン・ウェブ・テープが内側に貼り付けられたモノです。仕様に変更が加えられましたが、FSNの変更はありませんでした。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓文章より現物をご覧いただいた方がいいですね。左に先代のM1956(Cover, Water Canteen, M-1956(FSN:8465-860-0256))を置いてみました。M1956はコットン製で(1967年頃からは縁取りのテープがナイロン製になったモノが出て来ます)、本体中央の縦のステッチが7本で、フラップのスナップは金属製。右のM1967はナイロン製で中央のステッチが4本、フラップのスナップは当初プラスチック製で、ヴェトナム戦末期頃には強度の問題から再び金属製に戻ります。右下に水浄化剤のボトルを入れるベルクロ留めフラップ付きの小ポケットが新たに設えられました。それまではキャンティーン・キャップと本体とを繋ぐ連結ストラップにボトルをテープ留めされる例もありました。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓裏面です。こちら側はコットンとナイロンの質感以外の差異は殆どありません。強いて言うならば、M1967のスライド・キーパーの土台のウェブ・テープの末端処理が、ナイロンという特性を活かして熱溶断処理されているので左のM1956のコットン製のウェブ・テープのように末端を裏側に巻き込ませて縫い合わす手数が省けています。左のM1956はDSAスタンプから1963年度予算製、右のM1967はスタンプが掠れて名称が微かに読み取れる程度しか見えません。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓M1956の内側の断熱材は、1961年頃まではグレイ色のウール混コットンのフェルト製、以降はOG色のアクリル製フリースになります。本個体は後者です。M1956の更に先代であるM1910もフェルトでした。ウール混コットンよりもアクリル製フリースの方が乾きやすい利点があります。過去記事「US 水筒カバーWWII‐VN (US Canteen Cover, WWII~VN)」(←クリックで別ウィンドウが開きます)もご覧下さい。

US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓M1967の内側の断熱材は当初からOG色アクリル製フリースです。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓では細かく見て行きます。フラップのスナップはプラスチック製です。1969年過ぎくらいより強度の問題からM1956のモノと同じ真鍮製のスナップに改められていきます。縁取りのテープは本体より若干明るいトーンのOG色です。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓水浄化剤ボトル入れ小ポケット。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓ヨード系水浄化剤の小瓶が入ります。フラップの留め具はベルクロです。ちなみに水浄化剤はWWII後1950年代初頭に塩素系(ハラゾン)からヨード系に替わっていきました。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓先ほどM1956との対比でも見ましたがM1967の内側をもう一度。アクリル製のパイルが断熱材として貼り付けられています。この断熱材の貼り方はWW1時代以前からのM1910からM1956を経てM1967にも継承されています。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓底面には水抜き穴はありません。上で述べました1972年12月20日改修版、通称「M1972」では水抜き穴(ハトメ穴)が設えられました。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓「US」のスタンプは判読が非常に難しいくらいに掠れてしまってます。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓ここです。ナイロンに施されたスタンプは簡単にフェイドアウトしてしまうのでモノの程度は良くてもスタンプが読み取りにくいのが残念な点です。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓背面です。2つのベルト・キーパーでピストルベルト等に固定できます。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)

↓ベルト・キーパーの下側にスタンプがありますが、掠れて判読し辛いです。辛うじて読めるのは上2行がやっと。
US M1967ナイロン・キャンティーン・カバー(Cover, Water Canteen, Nylon, M1967)
1行目:COVER, WATER CANTEEN
2行目:NYLON, 1 QUART
3行目・4行目、ひょっとすると5行目があるかもしれません。DSAやFSNのほか製造者名がプリントされていると思います。


以上M1967ナイロン・ウォーター・キャンティーン・カバーについて見て参りました。
今回のカバーですが、まだ市場にも結構出回っているようで、eBayでもUS$25程度で十分良いモノがあります。プラスティック製キャンティーンとのセットであれば実質US$10前後で手に入ることもザラです。

私の米軍歩兵科一般装備品のコレクション対象範囲はヴェトナム戦までの米軍歩兵科一般兵士ですので、M1967以降のいわゆるLC-1やLC-2装備までは蒐集しておりません。今回のM1967や、ギリギリ「M1972」が付く装備品が私のコレクションの中で一番「最新」という事になります。
その一方で米軍の制式小火器にも興味がありますので、「実銃は持てないのでせめてアクセサリーは…コレクション」の一環で小火器周りの装備品、例えばM9ピストル用のPocket, Ammunition Magazine, 9mmなんかはヴェトナム戦中には出現していませんが、蒐集対象になってます。
米軍のコレクションを始めたのがもう30年も前になるのですが、その当時はまだヴェトナム戦モノは「サープラス(余剰品)」の域を出ていなく、沖縄などの払下げ店などに在庫が豊富にあって価格も低廉でした。今はもう「ビンテージ品」になっておりまして、安いうちに買っておけばよかったなーと思うことがしばしばです。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。早く新型コロナウィルス禍が収まるように願いつつ。








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Posted by Sgt. Saunders at 12:02│Comments(0)米軍(U.S.)Canteens
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