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2014年10月19日

US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

先週、先々週は台風襲来で秋の行楽どころではありませんでしたが、この土日はとても良いお天気で嬉しいですね。サバゲ日和でもありましょうか。

さて今回も前回に続き、ヴェトナム戦争時にUS陸軍によって使用された弾薬(マガジン)パウチについてです。
1957年にそれまでの旧式なM1910装備システムに代わり採用されたM1956装備システム(M1956 Individual Load-Carrying Equipment)の構成要素の一つです。ベルトの左右両側に一つずつ装着します。

↓前回と同じ、この画像をご覧ください。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
左から、
「Pouch, Small Arms, Ammunition, Universal」、
「Case, Small Arms, Ammunition」、
「Case, Small Arms, Ammunition, M16A1 Rifle」です。

前回でもふれましたが、左のモノと真ん中のモノとは、フタの留め具(タブ)にハトメがあるか無いかの外観で区別できますが、ハトメがあるのが『前期型』で、無いのが『後期型』という訳ではありません。外観は極めて酷似していますが、上記の制式名称から分かるように、この2つは全くの別モノです。同じモノの『前期型』と『後期型』ではありません。また更に、左のモノについてはハトメが廃されたタイプのモノもあり、もはや外観は真ん中のモノとほとんど変わらなくなっているモノもあります。

いわゆるM1956装備(ILCE:Individual Load Carrying Equipment)が1957年3月に採用され、同じ年にM14ライフルが制式採用され支給が開始されますが、その20連マガジンのほか、それ以前のM1ライフルの8連クリップやM2カービンの30連マガジンなども収納できるようにと設計されました。

最初に供されたのは左の 「Pouch, Small Arms, Ammunition, Universal」で、1962年に留め具タブのハトメを廃止した真ん中の 「Case, Small Arms, Ammunition」にとって代えられました。

↓裏面です。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
裏側の外観は左二つはほぼ同じです(後で触れますが、一つ違うところがあります)。

今回は真ん中のモノ「Case, Small Arms, Ammunition」を見ていきます。

↓表側拡大。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓裏側拡大。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓フタの内側のスタンプ。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
「CASE, SMALL ARMS, AMMUNITION<改行>
XXXXX,INC<改行>
DSA-100-1XX0<改行>
8465-647-0852

1行目は制式名称。
2行目は製造者名です(判然としません)。
3行目はDSA(Defense Supply Agency=国防兵站局)の契約番号。まだ契約年度下2桁が無いので1960年代前・中半の契約だと思われます。
4行目はFSN(Federal Stock Number=連邦備品番号)です。因みに始めの「8465」はIndividual Equipment(個人装備)を意味します。

↓内部を覗きます。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
「Pouch, Small Arms, Ammunition, Universal」では、型崩れ防止・弾薬保護のための金属板がパウチ正面部分に仕込んでありましたが、この「CASE, SMALL ARMS, AMMUNITION」ではこの画像のように金属板ではなくプラ板がパウチ背面と側面に仕込まれ、正面部分の金属板は廃止されました。これによりM14のマガジンは横並びにすると3本入るようになりました。
内張りの薄い緑色の布を縫い付けた際のステッチがあるのが、上でふれた裏側の外観の「一つ違うところ」です)。

↓親指の右下、内張りの薄い布地の下にプラ板があることがお分かりいただけますか?
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓底面の水抜きハトメ穴や手榴弾固定用のループや固定テープは引き継がれています。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓おもちゃ手榴弾を挿してみました。スプーン・レバーをループに挿し、手榴弾頭部をテープで巻き留めます。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓裏側から見ました。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓サスペンダー連結用ストラップのクリップ。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)

↓サスペンダー連結用ストラップの長さ調整用のバックル金具。
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)
US陸軍VN戦争時のマガジン・パウチ【2】(US Army Ammunition Pouch in VN War【2】)


今回もまた駆け足で見てきましたがいかがでしたか?


往々にして「これは〇〇の初期型である」、「これは☓☓の後期モデルである」…などといった表現が良く見受けられますが、その「型」や「モデル」が、軍制式のものではなく単に製造ロットによる差等をその根拠にしている事が多くあります。確かに製造ロットなどによる差に基づいて区別して扱うこと自体は大切な点だと思いますが、あくまでもそういう特徴を有しているだけであり、決して軍制式の「型区分」とは異なる次元の話である点に注意した呼称を心掛けたいものです。


それでは今回はこの辺で。最初の画像の右端のモノについては次回にて…。
では、また…。






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