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2019年07月21日

U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

みなさん、こんにちは。
当地大阪は遅くなった梅雨入りの影響で今もまだ梅雨の最中でして、雨が降ったり止んだりの日々が続いております。
本日は参議院議員選挙の投票日で、みなさまは投票は終えられましたでしょうか。私はまだです。午後8時が投票締切時刻です。必ず行こうと思います。
自主目標である「隔週日曜日の正午の新規投稿」から今回も大幅に遅れての投稿です。


今年の1月と2月に亘ってWWII時に使われた30-06弾用のM1 弾薬箱(M1 Cal. .30 Ammunition Box)とその後継の後継たるM19A1 弾薬箱(US M19A1 Ammunition Box) をお送りしました。その記事中でも触れていましたように、WWII中にそれまでの木製の50口径弾用の弾薬箱「M17」やその金属製版とも言うべきM3に代わる後継の金属製弾薬箱「M2 50口径弾薬箱(M2 Cal..50 Ammunition Box)」をいつかは手に入れたいなぁと思っていましたら、つい先日オークションで程度の良いものが出品されているのを偶々見かけまして、この好機を逃したら次はいつ機会が訪れるかと思うと居てもたってもいられず、入札の結果なんとか落札できました。

↓M2 50口径弾用弾薬箱(M2 Cal..50 Ammunition Box)です。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)
当ブログへお越しの方なら恐らく多くの方が50口径弾とは何ぞやと訊かれても難無く答えられると思うのですが、ご存じない方向けにご説明しますと、50口径の「50」とは「0.50インチ」の事で、約12.7mmの直径を持つ弾頭を有するカートリッジ(銃弾)を意味し、米軍の場合はWWI中にドイツ軍の13.2mm対戦車ライフル弾に対抗するために開発が始められ採用に至ったM2 Ball Cal..50 Cartridgeを始めとする「.50 BMG(12.7mm x 99mm(12.7 x 99 NATO)」弾の事を言います。WWI後その銃弾と一心同体で開発が進んだM1921 Machine Gunとその後継のM2 Caliber .50 Browning Machine Gun用のカートリッジで、現在でもBrowning Machine Gun, Cal. .50, M2, HB, Flexibleを始めとする所謂重機関銃弾として使われています。


↓正面、と言いますか、蓋を留めるクランプ、ラッチのある側。機関銃の横に据えて使う時に射手側を向く面です。制式名称「AMM. BOX CAL..50 M2」と下辺にプレス刻印されています。「AMM.」は「ammunition」の略です。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)
それまでの金属製のM17 弾薬箱(M17 Cal..50 Ammunition Chest)に代わって1942年9月(資料によっては8月とするものもあります)に採用されました。強度・防湿性が向上しています。

↓少し上側から。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートを下ろして上蓋を閉めるのですが、確実に閉めた状態を保持するために、ラッチ・プレートに開けられた小さなスリットから、本体に熔接留めされているポストが突き出しておりまして、そこにあけられた孔に…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓このように本来はピンを通して、ラッチ・プレートが不意に開かないようにします。この個体にはピンは残っていませんでした。画像はピンの代わりに細い六角レンチを通しています。すぐ横に写っているOリングにピン(普通のコッター・ピン)が付いていた筈なんです。手榴弾の安全ピンのような具合で、です。「不意に開かないように」するためですが、ラッチ・プレートがそんなに簡単に開くようにも思いません。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)
で、このOリングとピンは、紛失してもMkII手榴弾のような手榴弾の安全ピンで代用できます。実際戦場でもそうしていました。オリジナルのOリングか手榴弾の安全ピンのOリングかを見分ける方法は簡単。オリジナルのOリングは手榴弾の安全ピンのモノのようにリングの線材が円一周を超えて重なっていません。完全に「一重」の円です。手榴弾の安全ピンのOリングは「一重と半」ぐらいになってますよね。
ただ、この「ピン・ロック・システム(←私が勝手に名付けました)」で、このピンとOリングを紛失しないように、Oリングを弾薬箱から離れないようにするために、上の画像でもお分かり頂けると思いますが、ラッチ・プレート右下最下端に細目型の穴が開けられていて、そこにOリングを通してぶら下げる形にして弾薬箱から離れないようにして紛失を防ぐようになっているのですが、この細目穴が、今回いろいろ調べましたが、メーカーによってあったり無かったり、同じメーカーでも製造時期によってあるモノと無いモノがあったりします。
どちらが「進化形」なのか、当初は無くてOリングの紛失が多くて困ったのでこの細目型の穴を開けてOリングを通して紛失を防ぐように改良したのか、当初からあったけど、それ程役立たずだったかで省略されたのか、どなたかご存じないですか。

↓横から見た図です。ポストの小さな孔にピンを閂の要領で通します。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓閉まっている状態。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートを起こし、
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ほぼ90度くらい起こすと、
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋から繋がるワイヤー・ループが解放され、
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓上方へ引っ張って、
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋を開きます。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓閉める時は当然逆のプロセスで、蓋を閉め…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ワイヤー・ループをラッチの爪に掛かるようにして…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートを下方におろして…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓閉めます。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋の裏側です。縁にはゴムのパッキンが施されています。後でも触れますが両側にカートリッジの形のエンボスがあります。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋と本体を繋ぐヒンジ部分は、30口径弾用のM19A1弾薬箱のそれと同じ構造で…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋を小さく開け閉め動作をしながら左へコキコキずらしていけば...
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓このように蓋を外せます。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓蓋の上面です。運搬用のハンドルの周りに補強のためのリブが施されています。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓さっき見ましたカートリッジの形のエンボスです。これも他の米軍の弾薬箱と同じく、中に収めるカートの向きを示すためのモノです。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓30口径弾用のM1弾薬箱と同じ作りの運搬用ハンドル。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓フラットになって、上へ箱を積み重ねる際に邪魔になりません。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓気になるのはコレ。「50 H.C.」?何を意味するか分かりません。「50」は口径で、「H.」は「High」?「Heavy」?「C.」は?サッパリです。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓「C」のプレスが甘くて本当にC? L?
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートを正面にしたときに左側となる面の製造者名「MODERN」と「US」とOrdnance Department(兵器局)のシンボル「フレイミング・ボム」。良く見るモノよりちょっと変わったデザインです。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートのある面とは反対の面。この面に内容物を示すステンシルが施されます。しかしながらこの個体はステンシルの上からODが再塗装されているか、ステンシルが落とされたかで、ハッキリ残っていません。が、…
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓よく見ると2種類のステンシルの痕が確認できます。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓一つはスペース一杯に大きく左詰めで施され、もう一つは中央揃えでやや小さく施されています。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)
大きい方が
105 CAL. .50
A.P.I. M8
LOT
DM-L-21832

小さい方が
105 CAL..50
4 A.P.I.-1TR. M17-LINKED
REPACKED LOT
D.M.L- 102267
フォントの大きさが違うので判読はし易いです。
大きい方が曰く、「105発の50口径のM8徹甲焼夷弾、ロット番号DM-L-21832」、
小さい方が曰く、「105発の50口径の、リンクで組み合わされた『4発徹甲焼夷弾-1発M17曳光弾』、再梱包ロット番号DML-102267」。


↓反対側には運搬補助用のワイヤー・ハンドルがあります。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓底面です。積み重ねる時に滑らないように蓋とカッチリ合う足があります。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓本体は、側面の4面は一枚の鋼板がここで合わさって熔接され、底面の鋼板は底の四辺で熔接されて出来ています。メーカーによって若干違いがあります。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓具に確認をしているとラッチ・プレート裏とラッチ・プレートに覆われている本体部分の色が違っていることに気が付きました。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレート裏・覆われていた本体の部分はやや明るく艶の少ないグリーンで、隣り合わせの艶の若干強いやや暗いグリーンとの違いがよく分かります。ラッチ・プレートをめくって再塗装するのを忘れたんでしょうか。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ラッチ・プレートの裏に何やら刻印が。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓「N.L.Co.」「Rockford」「MADE IN USA」とあります。National Lock Companyのマーキングです。本体の「MODERN」とはどう関わっているのか調べましたら、弾薬箱の金具のほか、航空機用のファスナー金具の製造者でありました。イリノイ州ロックフォードの会社です。部品の製造はN.L.Co.で、その部品を使ってMODERN社が弾薬箱を製造した、と推認いたします。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓内側はかなり綺麗です。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓ここにも何やら刻印があるのを見つけました。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓これです。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓目一杯の接写です。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)

↓上下ひっくり返しました。ちょっと見にくいですが、ここにも「N.L.Co.」と同社のロゴマーク、「MADE IN USA」とありました。
U.S. M2 50口径用弾薬箱(U.S. M2 Cal..50 Ammunition Box)


以上見て参りました。
やはりまだまだ知らないことが多いです。
WWII米陸軍一般歩兵装備品コレクションというよりも、米陸軍弾薬箱コレクションの一つとして念願が叶いました。
あとはM1A1を入手すれば一応私の弾薬箱コレクションは終結すると思います。珍しいステンシルのモノがあれば別ですが。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。さようなら。








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