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2021年07月18日

U.S. MIA1 ガス・マスク その3(U.S. MIA1 Gas Mask #3)

みなさん、こんにちは。
いわゆる線状降水帯がまた日本各地に大雨をもたらし、道路・家屋の浸水や土砂崩れを引き起こしました。熱海の土石流は何やら100%の天災ではなく人災でもあるかのような側面も見えてきて、問題が複雑化しそうな雲行きです。
オリンピック開幕を5日後に控え、東京都の新型コロナウィルス感染者数は本日7時30分現在で1,410人となり、「第5波」が鮮明化してきました。また国外からの入国者管理施策にはいくつも穴が空いているのを露呈している事象が発生しています。「安心安全」はどう担保されるのでしょうか。

当地大阪は昨日17日に梅雨明けが発表されました。今朝も5時前から近くの公園のセミの鳴き声がミンミンワシャワシャ喧しいです。元より私暑いのは苦手ですが、ここ一週間以上雨降りの日が続いておりましたので昨日も今日も晴天が朝から広がるのを実に爽快に感じております。アホカリたのしそうだなぁー。

さて画像が多くなってしまった関係で続き物になっております「U.S. MIA1 ガス・マスク」ですが、今回が最終回になります。

↓記事のサムネ画像としてこちらを。MIVA1バッグの上に、マスク、吸気ホース、フィルター・キャニスター等をバッグ内部の収納位置に合わせて置きました。本当は吸気ホースを正中で畳まれた面体の中に挟まれるようにして収納します。もっと言うと面体が全く二つ折りになって山となる部分にカドが出来るのを防ぐ治具(スペーサー)を入れた状態で、その空間にホースを托し込むのが正解なのですが、私が入手した本個体には付いておりませんでした。いや、或いは支給前の未使用保管期間ではスペーサーが必要ですが、支給後はイザという装着時にイチイチスペーサーを外して…なんてやってられないので、スペーサーは適宜破棄されたのかも分かりません。


↓使用時以外、携帯中は蓋フラップを閉じます。


↓この画像は前回の最後の画像と同じで、マスク着用時にはバッグの蓋フラップを半開留めにして出来る空間から吸気ホースをこのように出します、と言うお話で終わりました。その続きでこのままバッグ内部を覗いて行きます。


↓画像の上下を装着時の鉛直方向に合わせてます。実際に身体に装着しているイメージで見てください。蓋フラップを再び全開にして中を覗くとフィルター・キャニスターが縦に収まっています。


↓バッグの中でフィルター・キャニスターが踊らないように、上下でウェブ・ストラップによってその位置が固定されています。


↓上のストラップはLift-the-dot留めになっておりまして、外して…


↓フィルター・キャニスター缶の上部を手前へ引っ張ると…


↓ゴソッと取り出せます。収納する時は逆の手順。まず下のストラップの輪の向こうにフィルター・キャニスターの底部を挿し込んでからキャニスター上部を奥に押し込んでLift-the-dotストラップで留める、ということです。下の方にぶら下がっているモノについては、また後で触れます。


↓見難い画像が続いてすみませんでした。キャニスターを取り外したバッグの中を覗きます。キャニスター固定ストラップがハッキリご覧いただけます。ストラップはカーキ系の色ではなく、ファウンテン・ブルー(カラーコードで言えば『#C0CDDC』あたり)です。


↓上のLift-the-dotを外した状態。


↓バッグの開口部から内側がもっと見えるように剥き剥きしました。


↓先ほど見ました下のストラップにぶら下がっている輪っかには…


↓この様にANTI-DIM-STICK(曇り止めスティック)の缶を挿すようになっておりました。この缶についてはまた後で触れます。何回も済みません。


↓先ほどの繰り返しになりますが、敢えて。バッグ内部にキャニスターを入れて、先に底部を下のストラップの向こうへ挿しこみ、キャニスター上部を奥へ押し込んで


↓上のストラップでキャニスター上部を抱きかかえさせる様にしてLift-the-dotを留めます。本日の記事の4番目の画像と同じ状態になります。


↓バッグの着用者側の面と…


↓外側の面にあるこれらの縫製ステッチは、内部のキャニスター固定ストラップをバッグ本体に縫い付けるのにできたものでした。


↓MIXA1フィルター・キャニスターです。MIXIA1は、マスク本体が総ゴム製になったM2以降M3になっても組み合わされて使われ続けました。これより前の同じような形のフィルター・キャニスターは数種類ありますが(MVⅢやMⅢRなど)、内部の構造が改良された程度で、無毒化のための化学物質(銅含浸チャコールとソーダ石灰)の組成は同じです。


↓「US MIXA1」とのプロパティ表示と形式名表示。あらためて見ると缶が結構凹んでますね。


↓こちらには製造者名略称「EAE」と、ロット番号「217」。撮影前に埃を拭き取るべきでした。汚いですね。


↓吸気ホースにも何やらロット番号のスタンプがあります。「LOT NO.56」の表示。


↓キャニスター底部真ん中に円形の吸気孔があります。切り欠きから見えているベージュ色のモノはゴム製の吸気弁です。マスク装着者が息を吸うとキャニスター内が陰圧になり、この弁が内側へ吸い寄せられて隙間が生じて吸気出来ます。装着者が息を吐こうとするとこの弁は外側へ押し付けられ、この画像の状態となって外気の侵入は遮断される一方で、当記事その1で見ましたように口元の排気弁から呼気が排気されるのです。缶底の左側に「横菱の中に『C』」のメーカーロゴ?があります。こちらも今のところ何というメーカーのモノなのか判っておりません。


↓曇り止めスティックの入った小缶。黄色みの強いOD塗装で、ウジャウジャ沢山記載されています。「THIS CAN CONTAINS ANTI-DIM STICK FOR GAS MASKS.“この缶にはガスマスク用の曇り止めスティックが入っている。”」


↓「使用説明書 汚れ・水分を全て取り除き、レンズを隈無く清浄にせよ。 次に乾いてきれいなマスク内側のガラスの表面に曇り止めを少量こすり付け...」


↓、「...化合物が均一に広がるように布でガラスを擦る。化合物を全て拭い去らないように注意せよ。」


↓「曇り止めスティックを使うべき時-化合物をガスマスクのレンズに…」


↓「...毎週、或いはマスクを着用した後に塗布せよ。」


↓製造者名表示。GLOBE CRAYON CO.,INC.。ニューヨーク、ブルックリン。クレヨンの会社が作ってたんですね。


↓ここにとても小さな字で「A.C.CO. 19A.M?」とありますが、何のことやら。


↓底面。特記無しです。


↓蓋です。こちらも特記無しです。


↓蓋を取りました。ネジが切ってある訳でなく、茶筒のように気密性のまあまあ高い「カポッ」と被せるタイプです。


↓ガーゼがクルクル巻かれた状態で収まっています。


↓「化合物」を芯にしてガーゼがクルクル巻かれていました。


↓「化合物」は鉛箔?のようなもので包まれています。油分がガーゼに染み出しています。


↓この「化合物」をレンズにこすり付けてガーゼで展ばすのですね。


↓経年劣化で包み紙はボロボロです。余談ですが、のちのちこの曇り止めは「スティックと布」から「チューブ入りのペーストと布」へ、更に「曇り止め材をあらかじめ染み込ませた布」へと改良されます。



はい、3回に亘ってお送りして参りました。リエンナクトやサバゲでガスマスクを装着することはあまりないので、興味を持たれる方もあまりいらっしゃらないかとは思いますが、何かのお役に立てればと願っております。

市場での出物もそうそう無いようです。本個体はもうカレコレ10年以上前の入手で、価格はeBayで$120ちょっとだったように思います。
米軍が採用したガスマスクの種類は多く、全てコレクションしようとは思いません。多分。よっぽど程度の良いモノが出れば分かりませんが。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:08Comments(0)米軍(U.S.)Gas mask

2021年07月04日

U.S. MIA1 ガス・マスク その2(U.S. MIA1 Gas Mask #2)

みなさん、こんにちは。

森友学園問題に係る赤城ファイルの開示非開示・再調査問題、新型コロナウィルスワクチンの接種に絡む確保・配分の問題、オリンピック・パラリンピックの有観客・無観客の問題、中国政府による香港の蘋果日報(Apple Daily)の事実上の強制廃刊、昨日発生した熱海の地滑り・土石流災害などなど悩ましいことが多いなか、ようやく梅雨らしく雨降りの多くなってきた当地大阪から、前回の続き「U.S. MIA1 ガス・マスク その2(U.S. MIA1 Gas Mask #2)」をお送り致します。

前回は収納バッグの外観までしか行けませんでした。今回はその続きでバッグからマスクを取り出して見て参ります。

↓この画像から始めます。バッグ本体の今見えている面が装備者の左脇腹に密着するように設計されています。上に見えているショルダー・ストラップを右肩に掛け、左側で輪を作っているベルト・ストラップを装備者の腰の周りにグルッと巻いて装着します。肩から掛けたバッグを腰周りにベルトで密着させる形です。装備者はバッグ右辺のフラップを自分のお腹側・手前側へ開いて中のガスマスクを取り出す形態になっています。


↓はい、フラップを開きました。今さっきフラップが留まっていたのは青丸のトコでしたね。では赤丸のLift-the-dotのオス部品は何のため?後で触れます。


↓上の方にバッグの名称「MIVA1」、その下に製造者略「E.A.E.」とロット番号。すみません。E.A.E.が何という会社の略なのかまだ分かっていません。


↓手書きで保有者記名があります。初代保有者の姓の頭文字はCで認識番号の下4ケタは3704、2代目保有者の姓の頭文字はGで認識番号の下4ケタは8123です。この「姓頭文字・認識番号下4ケタ」の記名方法はAR(Army Regulation)850-5で定められた正式なもので、他の個人装備品でもよく見られます。


↓中を見て参ります。マスクの面体と吸気ホースが覗いています。


↓緊急時に素早く面体を掴み出せるようにして収められています。


↓顔面に装着する面体に吸気ホースが連なって出て来ます。


↓吸気ホースは蛇腹になっており、ゴム製で表面はラクダのシャツのようなキャメル色のメリヤスで覆われています。その吸気ホースに何か被さっています。


↓容易に取り外せます。


↓アルミ合金製の薄い金属板を加工して作られた吸気ホース保護具です。やや明るいOD色で塗装されています。金具が擦れて塗装が剥げてます。


↓バッグ内に面体と吸気ホースを収納する際に、面体から下方に突き出している呼気バルブ保護のための黒色の鋼製のバンパーが吸気ホースを傷つけないよう、接触するであろう辺りにこれを被せて吸気ホースを守ります。


↓面体を見て行きます。面体もメリヤスで覆われたゴム製です。口元から顎下にかけてテープで溶着して面体の立体化が図られています。


↓吸気ホース側と排気弁側とに別れる部分(口吻部分)は鋳造パーツで、吸気ホースも排気弁もマスク本体も全てこのパーツとの結合はテープでグルグルと巻き押さえられて処理されています。


↓グレー色のゴムで出来た長い六角形の排気弁は、黒く塗装された鋼製のバンパーでガードされています。


↓排気弁の型式はMI です。薄いゴム板製の封筒の両側下部を斜めにカットしたような感じです。通常はゴム板がピッタリ重なっているのでここから外気が侵入することはなく、着用者が息を吐く時にその圧力でカット部分が押し拡げられて呼気が排出される仕組みです。この画像では手指で変形させてます。


↓鋼製の排気弁バンパーは普通の丸頭マイナスねじと…


↓普通の六角ナットで口吻パーツに取り付けられています


↓正中で折られた面体を正面から。実はもうかなりゴムの硬化が進んでいまして、顔面に当てがうほどに拡げようものなら「モソッ」「パキッ」と割れそうなのです。


↓眉間部分のプロパティ表示「U.S.」と、サイズ表記の「5」のスタンプ。


↓吸気ホースとは違って面体を覆うメリヤスはとても薄手です。


↓まん丸形の眼鏡レンズです。


↓MIとは異なりレンズが交換できるようになってます。


↓レンズのフレームとレンズを押さえる枠とはネジ留め式になっており、交換の際にはただ廻すだけです。気密性を保つためにはシッカリ締めねばなりません。


↓面体を顔面に固定するためのヘッド・バンドはMIIA1が取り付けられてあります。6本のハーネスが後頭部のパッドに集められるのは前モデルのMIIと同じですが、ハーネスをパッドに集めた上からさらに一枚布を重ねて縫製するように改良した点がMIIとの差です。


↓ハーネスの色はこの個体では青灰色ですが、ベージュ或いはもう殆ど白というバージョンもあります。ハーネス自体にゴムが織り込んであるので伸縮性を持っていますが、面体との結合部のバックルで長さを調節できますのでキメ細かいフィット感調整が可能です。


↓ゴムの硬化が進んでいる中、恐る恐る面体内側を覗き込みます。面体内側に後付けされたゴム製のパーツが、フィルターを通過し清浄化されて吸気ホースを通ってきた外気を左右のレンズ内側に吹き付けるように誘導して、レンズの曇りを軽減させます。


↓面体を顔面に装着しバッグから吸気ホースを十分な長さに引き出せたら、バッグのフラップの上の方のLift-the-dotのメス部品は、吸気ホースが何とか通るだけの開口部を作る位置にある方のオス部品に留めて、バッグ内に異物が入らないようにします。本記事の2番目の画像で赤丸のオス部品は何のため?の謎が解明されました:)。



はい、今回はここまでです。次回はフィルター・キャニスターとバッグ、その他に触れて「M1A1 ガス・マスク その3(最終回)」とする予定です。
梅雨空が続きますが、ポジティブに暮らして参りましょう。新型コロナ対策も十分に。それではまた2週間後にお会いしましょう。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:00Comments(0)米軍(U.S.)Gas mask