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2020年12月27日

FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブックNo2(FM 21-100 Soldier's Handbook #2)

みなさん、こんにちは。
「勝負の3週間」で勝ったのか負けたのか。結果は明白です。新型コロナウィルス感染者数の増加傾向は全く衰えることなく、寧ろ勢い付いています。Go toが外出自粛と矛盾した政策であったことは、だれの目にも明らかです。外出自粛を続け、手指消毒・マスク着用等の感染予防策に努め、感染・拡散防止を図るしかありません。家庭内での感染予防も必要です。
桜を観る会問題について安倍前総理大臣が国会で何やら話しましたが、私はあの内容では不十分だと思いました。皆さんは如何ですか?

今年最後の土日、申し訳程度に「大掃除」を「少し」やりつつ、今回の投稿を今年最後の記事と致します。明日月曜から30日までお勤めの身でありますので、記事作成と投稿するには今日という機会しかありません。

↓前回の続き「FM(Field Manual) 21-100 Soldier's Handbook」(1940年版)です。

前回はChapter 6 まで見ました。今回はその続きChapter 7 からです。

↓第7章 兵士の学校 武装無し(徒歩部隊)(School of the soldier without arms(Dismounted))。第1節・姿勢、第2節・ステップと行進。


↓気を付け(Attention)の図です。体育の時間に習った事が蘇ります。


↓第8章 兵士の学校 武装あり(徒歩部隊)(School of the soldier with arms(Dismounted))。第1節・総則、第2節・ライフルの取り回し、第3節・装填と発火、第4節・自動小銃の携行、第5節・ピストルの取り回し。


↓「Sling Arms」の図(左ページ)とオーダー・アームズからポート・アームズへの動作(右ページ)。この辺の用語は旧軍の控え銃、担え銃、捧げ銃などのどれに相当するか、専門家の解説をご参照下さい。私はその辺はキッチリ勉強できていません…。この章は新兵が一番勉強する部分なのかと思います。ここに揚げたイラストのほか沢山の解説イラストが載っています。ORDER ARMS, TRAIL ARMS, SLING ARMS, PRESENT ARMS, (RIGHT/LEFT) SHOULDER ARMS, PARADE RESTといった基本動作を叩き込むための重要な章です。

第4節で自動小銃(BAR)について特別に第2節にある他のライフルとは異なる所作が定められています。

↓第9章 分隊と小隊の教練(Squad and platoon drill)。第1節・分隊、第2節・小隊。分隊レベル、小隊レベルでのFALL INや叉銃や行進が解説されています。


↓叉銃の動作。


↓叉銃の完成。


↓第10章 営内の衛兵の仕事(Interior guard duty)。衛兵としての心得11か条を覚えさせられます。また歩哨の居眠りや不適切な職務遂行は軍法会議によって厳罰に処されるとのキツイ注意喚起がなされています。


↓第11章 行軍・キャンプ・露営(Marches, camp and bivouacs)。第1節・行軍、第2節・キャンプと露営。


↓(上)兵士ひとり1枚支給されるテント(シェルター・ハーフ)を2人分2枚使ってテント1張りを作ります。(下)そのテントを縦に2つ繋ぐと4人用テントが作れます。


↓第12章 コンパスと地図の使用法(Use of compasses and maps)。第1節・コンパスの使い方、第2節・地図の使い方。


↓伝統的地図記号(左)と軍用のシンボル(右)。


↓第13章 安全と防御(Security and protection)。第1節・総則、第2節・個人の安全、第3節・小部隊の安全。


↓地形に関する軍隊用語。


↓正しい掩護法。


↓家屋への接近法、渡河法。


↓第14章 軍隊の衛生と応急処置(Military sanitation and first aid)。第1節・軍隊の衛星、第2節・応急処置。


↓止血のポイント(左)と止血帯の使用法(右)。


↓第15章 糧食。garrison ration(駐屯地での糧食)とfield ration(野戦糧食)とがあることや、「我が政府は世界の他のどんな国よりも兵士の食料にお金を使っている…などと書かれています。


↓第16章 給料と手当(Pay and allowances)。最初の4か月は月21ドル、その後月30ドルとなり、以降は頑張りに応じたモノとなる…となっています。


↓1940年9月16日付の法定月給が記されています。曹長は126ドル、技術軍曹と1等軍曹は84ドル、2等軍曹は72ドル、3等軍曹は60ドル、伍長が54ドル、1等兵が36ドル。2等兵は前述のとおり30ドル。


↓1等兵、2等兵では電気、機械、無線、打鋲、木工、事務、調理といった「専門職」にはそのグレードに応じて6段階で手当が付加されました。休暇、積立、天引き、政府保険、減額、埋葬費についての定めが続きます。


↓第17章 最期の意志と遺言(Last will and testament)。このページの空欄に書き込む形で遺産の処分権限を与えて遺贈者を定める遺言状が出来上がります。2人の証人の署名が必要です。


↓附録(Appendix)。一般的軍隊用語集で、今でも十分通じる(使われている)ものも沢山あります。




はい、こんなところです。軍隊専門用語が多いので「的確」に訳すのは難しいです。英文に相当慣れ親しまないと、独特の語感やニュアンス・用法は体感できないです。まあ大体の意味が掴めればいいかなと思っております。全ての専門用語(術語(テクニカル・ターム))が旧軍と米軍に共通しているとは限りませんしね。こういった軍発行の「紙モノ」からは軍公式の用語の使い方や「正しい」情報が得られるので、兵士の実際の経験談と同様コレクションや当時の「兵隊文化」の理解に有益です。


それでは今回はこの辺で失礼いたします。今年もおっさんの戯言・繰言にお付き合いくださいましてありがとうございました。
また来年もどうか暖かい目でお付き合いくださいますようよろしくお願い申し上げます。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。







  

Posted by Sgt. Saunders at 11:59Comments(0)米軍(U.S.)Manuals

2020年12月06日

FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldier's Handbook)

みなさん、こんにちは。
ご存知の通り新型コロナウィルスの感染者数の増加傾向がもの凄い勢いになって来ました。
マスク着用・手指等の消毒励行・不要不急外出の抑制の徹底で、お上からの禁止令が無くとも増加傾向の上昇を抑え、減少へと向かわせたいところです。その中でビジネスがどうにかこうにか回ればいいのですが、上手くいかないものですかねぇ。とうとう当地大阪では医療非常事態宣言とやらが出ました。「できる限りの不要不急の外出自粛」をして欲しいそうです。

さて、私も不要不急の外出を控え、まだまだ平年の気温と比べて暖かい日が続く当地大阪郊外の寓居から定刻を大きく遅れてお送りします今回のネタに、アメリカ陸軍のマニュアルの中から「FM(Field Manual) 21-100 Soldier's Handbook」(1940年版)を持ってきました。
アメリカ陸軍のマニュアルと聞けば、一般的な手引書たるField Manual(FM)と、兵器・装備品の技術的・取扱説明書的なTechnical Manual(TM)をまず想起します。

FM 21-100 Soldier's Handbookはその名の通り「兵士のハンドブック」、兵士が知っておくべき基本的な事項について書かれています。マニュアルに代表される紙モノコレクションは、ともすれば軽視されがちなような感がありましたが、資料的な意味では十分コレクションの対象になり得ます。ただ現存数が少ないので海外のWEBアーカイブに頼らざるを得ないのも現状でして、なかなか現物のコレクションは難しいところです。しかし今回採り上げますFM 21-100は基本中の基本、ほとんどの兵士が持っていたモノであるため、その入手は比較的容易で廉価な部類に入ります。

↓表紙です。寸法は縦18.5cm×横11.5cm程で、この寸法は1940年版のモノであって、後の版では縦が1.5cm程短くなっていきます。表紙のデザインもWW2中に変化します。WAR DEPARTMENT(陸軍省)発行の「ベーシック・フィールド・マニュアル」とあります。


↓表紙をめくって本扉には書名SOLIER'S HANDBOOK、その下に「Prepared under direction of the Chief of Staff(参謀総長の指導により作成)」、中央に(旧)陸軍省の紋章。


↓その裏。1940年12月11日付で参謀総長ジョージ・C・マーシャルによる「巻頭の辞」のようなものがあります。曰く「FM21-100『SOLDIER’S HANDBOOK』は関係者全員の情報と手引として出版された。その目的はアメリカ合衆国陸軍に新たに登録されたメンバーに基本的な軍事情報の便利でコンパクトな情報源を与え、よってより効率的に職務を遂行するのを助けるものである。 陸軍長官の命により:G.C.マーシャル」


↓前書きです。「貴君は今合衆国陸軍の一員となった。」から始まって徐々に兵士としての心構えを意識させ自覚を促すような記述が並んでいます。


↓前書きが終わったら(左ページ)、「兵士の記録」欄があります。


↓目次のページ。全17章立てで巻末に附録として「一般的軍事表現の用語集」と索引があります。



↓第1章 一般知識(General information)(以下、原語からの邦訳は私の拙い知識経験からの「最適訳」ですので、その拙さはどうぞお許しください。)第1節・集団生活における責任、第2節・下士官・将校との関係、第3節・市民との関係、第4節・軍務、第5節・戦争条項、第6節・屯所・駐屯地の活動。


↓第2章 軍の規律と礼儀(Military discipline and courtecy)。第1節・軍の規律、第2節・軍の礼儀。


↓第3章 徽章(Insignia)。第1節・兵科、第2節・将校と下士官。 


↓第4章 組織(Organization)。squad、section、platoon、company、troop、battery、battalion、squardronといった「グループ」について解説されています。


↓第5章 被服(Clothing)。第1節・支給、第2節・被服の手入れ。第3節・制服の着用。


↓第6章 武器と装備(Arms and equipment)。第1節・手入れの責任、第2節・M1ライフルの各部名称と手入れと清掃、第3節・M1911オートマチック・ピストルの各部名称と手入れと清掃および安全装置、第4節・安全上の注意、第5節・ガスマスク、第6節・野戦装備、第7節・歩兵用背嚢、第8節・馬上の個人装備パッキング、第9節・装備品の供覧。


↓ここでピックアップ。第2節の解説写真。文字だけでは分かり難いモノについては適宜このような写真があるので参考になります。


↓こちらも。第3節の解説イラスト。M1911オートマチック・ピストル、所謂ガバメントの縦断面図です。こんなのを見ながら、「longitudinal」は「縦軸の」という意味なのか…と、英単語を自然に覚える事ができるのも、マニュアルを読むことの有益な効果の一つです。


↓第5節の解説イラスト。簡易ではありますが、機構・仕組みが分かります。このイラストのガスマスクは1941年には限定採用となったM1A2です。ちょっと古いです。


↓第6節の兵用装備品目録のようなモノ。どのように装備するか、徒歩部隊、乗馬部隊、車両ドライバーなど別に説明されています。


↓第7節の解説イラスト。このイラストにあるハヴァーサックも、このマニュアルが出た頃には既にM1928が出ていましたが、何故か後ろのベルトサスペンダーが1本の旧式のM1910となっています。まあWW2に突入した際に旧式のM1910の在庫が沢山あって多く支給されましたが。

↓同じく第7節の解説イラスト。左のページにはパックキャリアでロールも巻き込んだフル状態のハヴァーサックとカートリッジベルト・水筒・ファーストエイド・パケット・パウチとのセット。右ページはオーバーコートを折る第一段階の図。袖を内側に裏返しにして…


↓と、オーバーコートを巻物状にして(左ページ)、右ページのようにハヴァーサックの上に積み重ねられるようにする手順が説明されています。


↓左ページは第8節の解説イラスト。これは砲兵の馬上への装備品積載図。右ページは第9節の装備品の供覧図(徒歩部隊)。このイラストもWW2としては超初期の装備が幾つかあります。ミート・カン、ヘルメット、ファーストエイド・パケット・パウチ、ガスマスクなど。ライフルは最新のM1(ガーランド)ですのに。



このまま最終章まで行きますとちょっと長くなりますので、この続きはまた次回にお送りします。



  

Posted by Sgt. Saunders at 15:40Comments(0)米軍(U.S.)Manuals