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2021年10月31日

US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)

みなさん、こんにちは。
本日は衆議院議員選挙投票日でございます。もうお済ませですか?候補者の美辞麗句に惑わされず、またこれまでの自公政権での国政をしっかり吟味した上で、私もこのあと投票に参ります。
当地大阪は薄い雲が若干出ておりますが、まずまずのお天気です。投票率が激減する要因となるようなお天気にならず良かったです。ハロウィーンでもありますね。

今回の記事は、まだ投稿からそれほど時間が経っておりません前々々回の過去記事「US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)」(←クリックで別ウィンドウが開きます)でご覧いただいたUS GI ポケット・ナイフの「別個体」を今般新たに入手しまして、そのお披露目のようなものです。
その過去記事を上げて間もなく、ある雑誌(Web版ですが)の広告に、まさにその記事の中で「今後もし入手できる機会があれば」と申しておりましたモノが載っておりまして、価格もソコソコの線でしたのですぐに購入するに至ったのでした。

↓US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)のWW2から1957年辺りまでの製造の「KINGSTON」社製モデルです。


↓上記前々々回記事でも触れました、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードに引っ張り出し用のスタッド(凸ポッチ)が付いているタイプです。


↓画像上が前々々回記事でご覧いただきました「最終型」モデル、画像下が今回入手したモノです(以下同じ)。スタッド(凸ポッチ)の有無が一目瞭然です。


↓何回も済みません。前々々回の記事でも触れていますが、下のモデルではブレードの回転軸から爪掛け部分までの距離が短か過ぎて、テコの原理上爪を引っ掛けて引き出すのには物凄い力が必要なので、爪でなく指先が掛かる大きさの凸ポッチがすぐ横に設えられました。上のモデルでは、若干ですが爪掛けの位置が回転軸から少しだけ遠くなるように変更されたので、何とか爪で引き起こせます。


↓縦方向にローレットが入っています。


↓はい、勿論この位置まで180°開きますし、この位置でロック・スプリングによりロックが掛かります。


↓反対側です。画像上の「最終形」モデルでは、最も手前に備わっているリーマー・ブレード自体が細く、折り畳んだ状態では完全にサイド・プレートに爪掛け部分が埋もれてしまうため、爪掛けが露出するようサイド・プレートが孤状に切り欠かれてあります。対して下のモデルではリーマー・ブレード自体が太く、折り畳んだ状態でも爪掛けが十分露出しているのでサイド・プレートを切り欠く必要はありません。


↓リーマー・ブレードを起こしました。上の「最終型」は峰が直線なのに対して下のモデルでは峰が膨らんでいます。膨らんでいる分サイド・プレートからはみ出しているという事です。


↓リーマー・ブレードの先端は、上の最終型がフラットな面が出るように削がれて尖っていますが、下のモデルでは彫刻刀の丸刀のように円弧形を保ったままで尖っています。


↓反対側はどちらのモデルも程度の差はあれど、ポテッと膨らんでいます。


↓カン・オープナーは、下のモデルの方が若干大きく見えますがレンズの所為です。ほとんど同じ大きさ・形です。上の最終型モデルには折り畳んだ状態でも何のブレードであるかが分かるように「CAN OPENER」と刻まれていますが、下のモノにはありません。最終型モデルだけでなく、ほとんどのモノにはこの表記がありまして、表記が無いのを見たのは私コレが初めてです。


↓このように上のモデルでは文字が見えて分かりやすいですが、下のモデルでは表記がなく、初めて見る人はドライバー/ボトル・オープナー・ブレードなのか、カン・オープナー・ブレードなのか迷うかもしれません。


↓上のモデルではサイド・プレート、ライナー、スプリングの全てがステンレスですが、下のWW2~朝鮮戦争頃のモデルの中にはライナーに真鍮が用いられているモノがありました。


↓シャックルの大きさ(長さ)が若干違います。もっと細かく申しますと造作も少し違います。その造作とは関係ありませんが下のものはU字型がかなりイビツに変形してますね。


↓今回入手したモノにはシャックルに製造者「KINGSTON」の文字が刻まれています。もうかなり磨耗で薄く見え辛くなっています。その文字の右側を見て行くとシャックルの取り付けピンの手前に「>」形にモールドされているのがお分かりいただけると思います。最終型のモノにはこんな意匠めいたものは無く、アルミの細丸棒を曲げて、止めピン部分が平たくされているだけです。


↓各ブレードの備え付け・設え具合を見ますと、上の最終型と下の今回入手分とは全く同じ配置ですが、例えばカン・オープナー・ブレードとドライバー/ボトル・オープナー・ブレードとが入れ違ってる等々、ブレードの配置が異なる幾つかのパターンが実際には存在します。


↓内部を覗きます。比較的キレイな状態で入手できました。スプリングが破断していてロックテンションが掛からなくなってしまっているモノも市場には多く見られます。あんまり価格が安い場合はその辺りを疑ってみる必要があります。


↓メイン・ブレードを比べてみました。上の最終型のブレードの根本のスタンプ(タン・スタンプ)は製造者「CAMILLUS」と製造年の文字がありますが、今回入手のモノにはタン・スタンプがありません。そういう仕様なら仕方がないですけれど、ちょっと寂しいです。

上の最終型モデルはもうカレコレ20年以上前に新品でサープラス・ショップ(確かアメリカのBrigade Quartermaster)から購って手入れをしながら実用していましたのでキレイですが、下の今回入手のモノは厳しい戦禍をくぐってきたためか、傷み・錆が出てます。今後普通にポケット・ナイフとして手入れしながら使い続けた方が、油紙に包んで保存する…までしないとしても、箱に納めて持っているより逆に長生きしそうです。

↓今回入手のポケット・ナイフは、冒頭にも記しましたがサブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていた、コレクター・研究家として著名なHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。First-Class Package International Service(Small Packet)(日本に入ったら「国際eパケットライト」)で$17.25。比較的安い金額でありますし、追跡番号付きなので、荷物がどこに居るのかが分かります。通関に4日も要して13日掛けて日本にやって来ました。X線透過検査だけでは済まなかったのか、税関検査でしっかり開封されていました。


↓フフッと笑わせてくれたのがこの包装材。ヴェトナム戦時のM16系20連マガジン保護EVAバッグ(←クリックで過去記事が開きます)に包まれてきました。コレも氏のHP上で売りに出しておられるのに、です。500枚入り未開封1カートンで$45。1枚あたりにすると9円程ですが、所詮「消耗品」の感覚なのでしょうかね。まあ元来が消耗品ですけれども。


↓バッグに入れて、くるんで、段ボールで更にくるんで送付して頂きました。



以上でございます。
今回入手のポケット・ナイフは、冒頭でも触れましたように、サブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていたHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。久し振りにクレジットカードの番号・有効期限等の情報を相手に直接伝えての買い物をしました。
著名なコレクターであり研究家であるOtoupalik氏相手であるからこそこんな方法を使いましたが、オンライン決済が今や常識であるところ、氏も仰っておられますように、PayPalのポリシーとして「銃器・武器関係の取引には使えない」というのがありまして、已む無く前時代的な決済方法を取る事となった次第です。
でもまぁ振り返ると、私が個人輸入を始めた30年前はキャッシュカードの情報を注文用紙に付記して普通にエアメールで送って決済していましたねぇ。アメリカは早くからカード社会・信用社会でしたから、VISAやMASTERが業者に決済許諾を与えるに当たっては厳重な信用調査を尽くしていますので、業者がカード情報を悪用して…というケースは少なかったんでしょう。そういえば今では注文書にクレカ情報を書いて送る、なんていう通信販売(この言葉も最早懐かしいです)なんて見かけませんね。隔世の感があります。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。衆議院議員選挙、どうなりますでしょうか。
ご機嫌宜しゅう。さようなら。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:01Comments(0)米軍(U.S.)Individual Tools

2021年10月17日

U.S. M1936ピストル・ベルト②(M1936 Pistol or Revolver Belt Vol.2)

みなさん、こんにちは。

当地大阪の今朝の最低気温は17℃で、先々週の日曜日には一旦最低気温が16℃となって秋の到来を感じましたが、その後再び季節外れの真夏日が続き、10月の真夏日の日数が過去最高を記録しまして、秋が来るんじゃなかったのか?と思ってましたら昨日の最低気温が17℃で、やっと本当に秋がやって来たことを実感しました。明日の朝にはさらにグッと下がって最低気温が12℃になるらしいです。たった一日で物凄い気温差です。
内閣発足10日での衆議院解散でセンセイ達は地元選挙区へ戻ってまた美辞麗句の絶叫を始めます。投票は31日です。主張をよく聴いてじっくり吟味しましょうか。


さて今回お送りいたしますのは私のコレクションの中枢であるWW2US陸軍歩兵装備で近時入手したモノ(recent acquisitions)です。もう6年以上も前の過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」などで同アイテムをご紹介したことはあるのですが、今般別個体を入手したのと、少し前にQMC(Quartermaster Corps:補給部)公式ドローイングも入手できましたことから、そこからの図面も参照しながらお送りします。

↓はい、制式名称「M1936ピストル又はリヴォルヴァー・ベルト(Belt, Pistol or Revolver, M-1936)です。タイトルでは字数制限の関係で「M1936ピストル・ベルト」としました。世間一般でもこれで十分通じますのでそれでもいいんですが、本来はオートマチック・ピストルであるM1911(A1)ガバメント拳銃のみならず、回転式拳銃(リヴォルヴァー)であるM-1917もその吊り下げる対象でしたので、正しくは「ピストル・又は(or)・リヴォルヴァー」です。今般入手した個体はODシェード#3いわゆるカーキ色の程度「良品」くらいのモノです。サバゲに着けて行っても「新兵さん」にはならずに済みます。


↓反対側です。真ん中辺に黒っぽくなってる部分があります。実はもっと酷かったのですが、手洗いしてここまでになりました。


↓前述のQMCの公式図面です。1952年4月22日付、原図の日付は1950年10月6日ですのでWW2からは5年+2年後のモノですが、WW2中からの部材等の名称改称等に限られていますので、「作り」の上での大きな変更はありません。


↓スライド・キーパーやファスナー(バックル)を取り付ける前の状態です。ベルト本体の規格、アイレット(ハトメ)、マガジン・ポケットを取り付けるためのスナップ・ファスナーの規格、位置、及び「US」スタンプの字体・位置などが定められています。ベルト本体が「タイプ4の、幅2.25インチ(5.72cm)のコットン・ウェビング」であり、アイレットの水平方向の間隔は2.5インチ(6.35cm)で、18個並んでいる…等の事がしっかり分かります。


↓プロパティ表示の「U.S.」とスナップ・ファスナー(♀)部分の拡大です。上の図面では「US」と、アポストロフィーが無いのに対し、WW2中のモノは一部の例外があるものの、殆どがアポストロフィー有りの「U.S.」です。


↓その裏側です。スナップ・ファスナー(♀)の裏側と、その上の製造者名と製造年のスタンプです。


↓拡大しました。スタンプは掠れて判読が困難です。画像では殆ど読み取れませんが、現物を観察すると多分「S. FROEHLICH CO.」ではないかなと思っています。既に保有している「S. FROEHLICH CO.」製造モノとフォントの大きさや幅、上下の高さが酷似しているからです。製造年はちょっと読めません。スナップ・ファスナー内側には製造者「UNITED CARR」の刻印があります。


↓また図面を。「LOCATION OF IDENTIFICATION MARKS IN BLACK CHARACTERS IN 1/2" HIGH(高さ1/2インチ(1.27cm)の黒字での識別マークの位置)」とされるところには、WW2後は製造者名や製造年に加えて制式名称、ストック・ナンバー等がスタンプされるようになりました。WW2では上の画像のようにスタンプの位置は少し異なり、スナップ・ファスナー周辺に製造者名と製造年がスタンプされていました。


↓フロントのバックルです。図面では「ファスナー(FASTENER)」と記されています。この個体は他の金具も含めて全て真鍮製です。なので恐らく、まだ潤沢に真鍮をバンバン使うことが出来ていた1942年から1943年頃の製造だと思われます。その後真鍮の節約のために亜鉛合金が代用され、WW2終結後また潤沢に真鍮がバンバン使われ出します。


↓着用した時に人体右側に来る方でサイズを調整する作りです。オス(♂)バックルから折り返してきたベルトの末端の金具(図面では「END FASTENING」との表記)の鉤爪を任意の位置のベルト中央部の径の小さいアイレット(ハトメ)(これも図面では「No.1563 EYELET」と云うそうです。)に引っ掛けてベルト全体の長さを調整します。この折り返し部分には「SLIDING BELT KEEPER」が2つ備えられています。これは折り返し部分の外側のベルトにダブル・フック・ワイヤー・ハンガー式の装備品を吊り下げた時に、その重量で外側のベルトだけが下へずり下がってしまわないように外側のベルトと内側のベルトをしっかり束ねて「一本のベルト」にする役割を果たします。また、サイズ調整した鉤爪を外れ難くする働きもあります。


↓この個体のスライディング・ベルト・キーパーは一枚の細い真鍮板をプレスして曲げて、合わせ目をロウ付けして作られています。

ロウ付けでなく、板の末端部分に鉤爪とそれを通す孔を備えて折り返して固定するパターンもWW2後期に出現します。先ほどの図面ではそのパターンのモノが描かれています。上の画像のモノよりももっと薄い真鍮板を用い、プレス加工でリブを作ることにより強度の増強が図られています。冒頭でご紹介しました過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」の中段以降をご参照ください。


はい。決して同じモノの2番煎じとのそしりを受けないようにとお届けいたしましたが、如何でしたでしょうか。
このWW2時のピストル・ベルトですが、この10年くらいの間枯渇していくのかと思いきや、結構オークションでもショップでも供給機会は多く、一時は程度によれば国内では1万円越えもチラホラ見られましたが、国内外を問わず8,000円程度もあれば十分良いモノを入手できる印象です。
また、レンド・リースによるソビエト軍(赤軍)向けのスタンプ無しデッド・ストックが巷にかなり大量に流通しておりまして、それはそれで歴史的遺物としてコレクションしてみたいとも思いますが、それに費やすならばまだその前に揃えたいモノがある…という事で、まだ入手しておりません。過去記事でも触れたことがありますが、このソビエト軍向けスタンプ無しデッド・ストックに近時適当に「U.S.」やメーカー名をスタンプして「WW2US実物デッド・ストック」として悪銭を掴もうとしているショップが沢山見受けられます。コレクションする際はご注意ください。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後衆議院議員選挙投票日当日にお会いしましょう。


  

Posted by Sgt. Saunders at 12:05Comments(0)米軍(U.S.)Pistol belts

2021年10月03日

トカレフTT-33用ホルスター(Holster for Tokarev(Токарев) TT-33)

みなさん、こんにちは。
16号の台風一過、当地大阪は見事な秋晴れです。日中の最高気温はまだ30℃を超えますが、早朝には16℃まで下がり、確実に秋がやって来たことを実感します。暑がりの私は大変嬉しく思っております。

もとより私自由民主党党員ではありませんが、現在の与党である自民党の新総裁岸田文雄氏が程無く首班指名され日本国総理大臣となる以上、日本国民としてその党役員人事や組閣メンバー構想に注目するのは当然であります。しかしながら氏の総裁選挙以前の発言と、党役員人事や組閣内容を総合的に勘案しますと、旧態依然の感が否めません。「老・壮・青のバランス」だそうですが、ご本人に貫録を感じ得ないこともあり、「誰からもそれ程嫌われないように振る舞い、長老のご意向を忖度し、目立ちたい時はグイグイ表へ出るけどイヤな事からはコソコソ隠れるような操られチキン内閣」になりそうな気がします。

さて、緊急事態宣言も蔓延防止等重点措置も解除された中今回お送りするのは、寄り道コレクションから「トカレフTT-33用ホルスター(Holster for Tokarev(Токарев) TT-33)」です。もう8年も前にKSCから発売されたガスガンのトカレフを「軍用銃ファン」として購入したのですが、やはり適切な相棒と言うか伴侶と言うか、付随するアクセサリーと言うか、米軍のガバメントであればM-1916ヒップ・ホルスターなどがそれに当たりますが、そんなモノをいつかは侍らせてやりたいと長い間思い続けてきました。
ソ連軍軍装については全く興味が無い訳ではありませんけれども、「現存するモノが少なそうだし、そうすると当然価格も高価だろうし、一通り揃えるにはドイツ軍装備以上の資金が必要だろうなぁ」と財力面の理由から早々と蒐集対象からは外れております。で、どこに落としどころを見出すか、最近になってようやく一応恰好が付くモノを入手して、トカレフ君には何とか納得してもらうことにしました。ソ連軍軍装品についての知識は皆無ですので、今回の記事は画像以外の資料的価値は全くありませんのでご容赦ください。KSCのトカレフTT-33の過去記事(←クリックで別ウィンドウが開きます)も宜しければどうぞ。

↓はい、本題のトカレフTT-33用ホルスターです。上記理由から、当然高価なWW2モデルではありません。本当はWW2モノが欲しいのですが、でもいいんです。トカレフ用でロシア製で本革製ならばイイんです。蓋フラップは凸スタッドに本体裏側から伸びるストラップの切込みを掛けて留める構造です。


↓裏側です。ベルトに吊るすベルト・ループやフラップを留めるストラップはリベットのみで本体に付けられています。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドを収めるための造作。


↓グリップ底部側からの雨水砂塵侵入防止のためのベロが付いてます。


↓フラップを開きました。予備マガジンケースが露わになりました。使用されている革は多分豚革だと思います。


↓フラップの裏にスタンプが打たれています。


↓若干掠れていますし、私、ロシア語についてはサッパリ無学で、且つネットでもまだ十分調べることが出来ておらず、間違ってるかも知れませんが多分こうではないかと読み取れるのは真ん中の「ЛЕНИНГРАД」と右側の「1991」(?)と「ОТК 5」です。「ЛЕНИНГРАД」は「LENINGRAD」、言わずもがなレニングラード。ソ連崩壊後は呼称がサンクト・ペテルブルクへと変更された、モスクワに次ぐロシア第2の都市です。「1991」は「1991年製」の意で、この1991年というのは12月にソビエト連邦が「崩壊」し、ロシアへと移行した年で、その意味ではソ連最後の年であり歴史的な年だと言えます。「ОТК 5」は多分「Отдел Технического Контроля 5」の略ではないかと思ってます。ソ連時代は各企業内に「Отдел Технического Контроля=Department (of) technical control(技術管理局)」があり、例えばその「第5部門」という意味ではないかと思ってます。


↓こっちのスタンプについては全く推測すら出来ません。すみません。


↓凸スタッドは真鍮製です。ピンボケですね。


↓銃の出し入れは楽そうです。さっき見たグリップ底部側の雨水砂塵侵入防止ベロだけには若干気を使います。使い込んでないうちは内側へクセが付いているのでイチイチ外側へ押し広げてながら銃を挿入してやる必要があります。予備マガジンケースは摘み出しやすいように上端が半円形に欠かれてあります。


↓内部には水抜き穴などはありませんし、内張もありません。裏革剥き出しです。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドを収納するためのスロットと…


↓先端を覆うポケット。


↓ベルト・ループは至極単純な作りです。フラップ部分は別部材で、本体とは縫製により繋がっています。米軍のM-1916のように本体とフラップが一続きにはなってません。


↓ベルト・ループ、フラップ留めストラップはクロムメッキのリベットだけで留められています。


↓ホルスターと一緒に付いてきたクリーニング・メンテナンス・ロッド。ブルー染めの鋼鉄製です。


↓先端はプレスされて平たくなっており、鉤が作られ、クリーニング・パッチなどを通す孔が開けられています。星形(☆)の刻印があります。


↓鉤の先端は若干曲げられています。曲げられたのか、曲がってしまっているのか、生憎知識不足のため分かりません。


↓裏側には特筆すべきものはありません。


↓ロッドのもう片方の末端は円を描いてニギリ部分となり、最末端はプレスされてマイナス・ドライバーのような形状になっています。


↓拡大。マイナス・ドライバーだとすれば、トカレフでどのように使うのでしょうか。スライド・ストップのリテイニング・クリップを開く時?実銃があれば分かるかも知れませんが、ガスガンしかないので分かりません。


↓クリーニング・メンテナンス・ロッドの他にランヤードもホルスターに付いて来ました。長さを調節するデバイスは無く、全長約80cm程です。


↓ランヤードの一方の末端は7cm程の輪になっています。軍服のエポレットに通すのでしょうか。もう片方の末端にはクリップがあり、このようにマガジン底部のリンクに着けるか…


↓グリップ下部のランヤード・リンクに着けるかは、兵士の好みに任されていたのでしょうか?


↓革製のランヤードに円型のクロムメッキスティールリングを介して取り付けられたクリップ。ニッケルメッキの至極シンプルなモノです。


↓内側には丁寧に綾目ローレットが入っています。クリップをつまんで脱着する際に指が滑らないよう、外側に施すべきだと思いますが如何でしょうか?



以上学術的情報を伴うことなく画像を羅列して参りました。
このホルスター(ランヤードとクリーニング・メンテナンス・ロッドとの3点セット)ですが、US ebayで昨年の年末に送料無料でUS$30.00程で入手しました。ある国内のサイトで、上で見て頂いたクリーニング・メンテナンス・ロッドが「マカロフ用」であるとの記述を見たのですが、ホルスターとセットでサープラス業者が売ってましたし、もしそうだったとしても、気になりません。雰囲気重視です。
お手頃価格で全革製で、WW2のスタイルから余り異ならないモノは無いかと探した結果これを贖いました。おもちゃの鉄砲に合わせてのアクセサリーですし一応「軍用実物」なので、まぁまぁ「それなりの雰囲気」を味わえるので満足しています。
到着時は革が結構乾燥しておりまして、フラップは開いた状態で閉じようとしたら革が割れる?ぐらい強張っていましたので、皮革製品の知識を持ち合わせないなりにミンクオイルを塗布・優しく擦り込み・ラップで包んで床暖上に放置・塗布・優しく擦り込み・ラップで…を一カ月ほど繰り返してようやく普通に開け閉め出来るようになりました。
他にもトカレフ用のグリップやマカロフ用のホルスター、モシン・ナガン用のスリング、ハンド・ガードなどロシア軍のサープラス品だと思われる品が比較的安価で大量に売り捌かれていました(今もまだまだ出品されています)。グリップは「銃の部品である」という理由で税関で止められる可能性が大なので購入に踏み切れません。君子危うきに近寄らず、です。スリングはギリギリ大丈夫でしょうか。でも「附属品」ではありますし、拡大解釈で止められるかも。でもその論理で行くと「マイナスネジ」も銃の部品として取られ兼ねませんね。難しいところです。
ホルスターについては、リベット止め・縫製の違いはあれど、ほぼ同じモノが国内では5,000円前後程度で販売されてますね。細部に拘らなければ国内で買っても良かったかも。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。
ご機嫌宜しゅう。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:00Comments(0)Toy Gun他国軍(Other Nation)