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2020年12月06日

FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldier's Handbook)

みなさん、こんにちは。
ご存知の通り新型コロナウィルスの感染者数の増加傾向がもの凄い勢いになって来ました。
マスク着用・手指等の消毒励行・不要不急外出の抑制の徹底で、お上からの禁止令が無くとも増加傾向の上昇を抑え、減少へと向かわせたいところです。その中でビジネスがどうにかこうにか回ればいいのですが、上手くいかないものですかねぇ。とうとう当地大阪では医療非常事態宣言とやらが出ました。「できる限りの不要不急の外出自粛」をして欲しいそうです。

さて、私も不要不急の外出を控え、まだまだ平年の気温と比べて暖かい日が続く当地大阪郊外の寓居から定刻を大きく遅れてお送りします今回のネタに、アメリカ陸軍のマニュアルの中から「FM(Field Manual) 21-100 Soldier's Handbook」(1940年版)を持ってきました。
アメリカ陸軍のマニュアルと聞けば、一般的な手引書たるField Manual(FM)と、兵器・装備品の技術的・取扱説明書的なTechnical Manual(TM)をまず想起します。

FM 21-100 Soldier's Handbookはその名の通り「兵士のハンドブック」、兵士が知っておくべき基本的な事項について書かれています。マニュアルに代表される紙モノコレクションは、ともすれば軽視されがちなような感がありましたが、資料的な意味では十分コレクションの対象になり得ます。ただ現存数が少ないので海外のWEBアーカイブに頼らざるを得ないのも現状でして、なかなか現物のコレクションは難しいところです。しかし今回採り上げますFM 21-100は基本中の基本、ほとんどの兵士が持っていたモノであるため、その入手は比較的容易で廉価な部類に入ります。

↓表紙です。寸法は縦18.5cm×横11.5cm程で、この寸法は1940年版のモノであって、後の版では縦が1.5cm程短くなっていきます。表紙のデザインもWW2中に変化します。WAR DEPARTMENT(陸軍省)発行の「ベーシック・フィールド・マニュアル」とあります。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓表紙をめくって本扉には書名SOLIER'S HANDBOOK、その下に「Prepared under direction of the Chief of Staff(参謀総長の指導により作成)」、中央に(旧)陸軍省の紋章。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓その裏。1940年12月11日付で参謀総長ジョージ・C・マーシャルによる「巻頭の辞」のようなものがあります。曰く「FM21-100『SOLDIER’S HANDBOOK』は関係者全員の情報と手引として出版された。その目的はアメリカ合衆国陸軍に新たに登録されたメンバーに基本的な軍事情報の便利でコンパクトな情報源を与え、よってより効率的に職務を遂行するのを助けるものである。 陸軍長官の命により:G.C.マーシャル」
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓前書きです。「貴君は今合衆国陸軍の一員となった。」から始まって徐々に兵士としての心構えを意識させ自覚を促すような記述が並んでいます。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓前書きが終わったら(左ページ)、「兵士の記録」欄があります。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓目次のページ。全17章立てで巻末に附録として「一般的軍事表現の用語集」と索引があります。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第1章 一般知識(General information)(以下、原語からの邦訳は私の拙い知識経験からの「最適訳」ですので、その拙さはどうぞお許しください。)第1節・集団生活における責任、第2節・下士官・将校との関係、第3節・市民との関係、第4節・軍務、第5節・戦争条項、第6節・屯所・駐屯地の活動。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第2章 軍の規律と礼儀(Military discipline and courtecy)。第1節・軍の規律、第2節・軍の礼儀。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第3章 徽章(Insignia)。第1節・兵科、第2節・将校と下士官。 
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第4章 組織(Organization)。squad、section、platoon、company、troop、battery、battalion、squardronといった「グループ」について解説されています。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第5章 被服(Clothing)。第1節・支給、第2節・被服の手入れ。第3節・制服の着用。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第6章 武器と装備(Arms and equipment)。第1節・手入れの責任、第2節・M1ライフルの各部名称と手入れと清掃、第3節・M1911オートマチック・ピストルの各部名称と手入れと清掃および安全装置、第4節・安全上の注意、第5節・ガスマスク、第6節・野戦装備、第7節・歩兵用背嚢、第8節・馬上の個人装備パッキング、第9節・装備品の供覧。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓ここでピックアップ。第2節の解説写真。文字だけでは分かり難いモノについては適宜このような写真があるので参考になります。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓こちらも。第3節の解説イラスト。M1911オートマチック・ピストル、所謂ガバメントの縦断面図です。こんなのを見ながら、「longitudinal」は「縦軸の」という意味なのか…と、英単語を自然に覚える事ができるのも、マニュアルを読むことの有益な効果の一つです。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第5節の解説イラスト。簡易ではありますが、機構・仕組みが分かります。このイラストのガスマスクは1941年には限定採用となったM1A2です。ちょっと古いです。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第6節の兵用装備品目録のようなモノ。どのように装備するか、徒歩部隊、乗馬部隊、車両ドライバーなど別に説明されています。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓第7節の解説イラスト。このイラストにあるハヴァーサックも、このマニュアルが出た頃には既にM1928が出ていましたが、何故か後ろのベルトサスペンダーが1本の旧式のM1910となっています。まあWW2に突入した際に旧式のM1910の在庫が沢山あって多く支給されましたが。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)
↓同じく第7節の解説イラスト。左のページにはパックキャリアでロールも巻き込んだフル状態のハヴァーサックとカートリッジベルト・水筒・ファーストエイド・パケット・パウチとのセット。右ページはオーバーコートを折る第一段階の図。袖を内側に裏返しにして…
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓と、オーバーコートを巻物状にして(左ページ)、右ページのようにハヴァーサックの上に積み重ねられるようにする手順が説明されています。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)

↓左ページは第8節の解説イラスト。これは砲兵の馬上への装備品積載図。右ページは第9節の装備品の供覧図(徒歩部隊)。このイラストもWW2としては超初期の装備が幾つかあります。ミート・カン、ヘルメット、ファーストエイド・パケット・パウチ、ガスマスクなど。ライフルは最新のM1(ガーランド)ですのに。
FM 21-100 ソルジャーズ・ハンドブック(U.S. FM 21-100 Soldiers Handbook)


このまま最終章まで行きますとちょっと長くなりますので、この続きはまた次回にお送りします。







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Posted by Sgt. Saunders at 15:40│Comments(0)米軍(U.S.)Manuals
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