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2016年04月10日

US WWⅡレンザティック・コンパス(US WWII Lensatic Compass)

こんにちは。
当地大阪は一昨日の雨でかなり桜の花びらが散り、緑の葉っぱが萌え始めました。
造幣局の桜の通り抜けは8日に始まり14日までやってますし、桜のピークは過ぎつつありますが、まだかなりピンクの花びらが残っているものも多く、あと数日はお花見を楽しめそうです。

さて今回は装備品といっても、一般の歩兵全てが持っているモノではないためか、あんまり見向きされてない感のある「コンパス」です。
方角・位置を確認するための道具であり、歩兵・砲兵その他兵科により求められる精度には多少の差こそあれ、戦場では必須のアイテムです。
もちろん全ての兵が各自で持っていた訳ではありません。例えば歩兵科なら分隊長クラスが一つ持っていれば十分ではなかったかと思います。

WWⅡ時に使用された数多くのコンパスの中で、今回取り上げますのは主として歩兵・空挺隊員などが装備していたレンザティック・コンパスです。ご存知の方は多いと思います。
コンパス自体はさほど高額ではありませんが、それを収納・携行するためのコンパス・ケースは、初期と後期とでは価格が違うものの、どちらもレア物の範疇に入りますので価格は高く、私はまだ持ってません…。コンパスについてはWWⅡ時製造ではないけれども同形のモノが比較的お安く売られていた事があり、衝動買いしてしまいました。

↓レンザティック・コンパス(Lensatic Compass)とFM(フィールド・マニュアル) 21-25です。

レンザティック・コンパスは、それ以前の重く嵩張るM1938プリズマティック・コンパスに代わって採用されました。

↓主役のコンパスです。私が所有しているモノは、上述の通りWWⅡ時製造ではなく蓋の刻印「3-51」にありますように1951年3月製造なのですが、WWⅡ時製造のモノと刻印が異なるだけで姿形は同一です。

WWⅡ時生産モノでは画像の「U.S.」のところには「CORPS OF ENGINEERS(工兵隊)」或いは「U.S. ARMY」となってるものが多いです。コンパスの調達調製責任は工兵隊にありました。下側にはニューヨーク州リトルアイランドシティのSUPERIOR MAGNETO CORP.による製造であるとの記述があります。このメーカーは他にも空挺隊員が良く使用していた「LIQUID FILLED WRIST COMPASS」なんかも作っていました。
超初期のモノの中には全く何にも刻印が無いモノも存在します。

↓展開してみました。カバー、本体、レンズ、保持リングが組み合わさっている構造がお解り頂けると思います。


↓FM 21-25のレンザティック・コンパスの各部名称を詳解しているページと並べました。

よく見るとマニュアルの詳解図のコンパスのダイヤルは黒ですが私のコンパスはダイヤルが白です。夜間でもダイヤルの方位角が見やすいように、WWⅡの後期ごろに黒から白へと変わりました。また、ダイヤルに新たにミル・スケールが加えられました。

↓凹みや割れなど損傷は殆どありません。


↓今も正確に北を指してくれます。


↓コンパスの詳しい使い方はFM 21-25を手に入れるまでよく知りませんでした。


↑FM21-25はこのコンパスの説明書と言う訳ではありません。表紙にはタイトルが「ELEMENTARY MAP AND AERIAL PHOTOGRAPH READING」即ち「基礎の地図および航空写真の見方」とあり、コンパスの使い方以前に「地図とは何?」「何故地図の見方を習うのか?」「地図には何がある?」等々、地図そのものがどんなモノか?から学んで行くような構成になっていて、その中でコンパスの使い方が詳解されます。しっかり読むとコンパスの使い方が良く分かりました。

↓作りは簡素です。裏面には特に表記はありません。


↓フロント・サイト(ヘア・ライン)もしっかり残っています。



ざっと見て参りましたが、いかがでしたか?

ちょっと古い話ですが、映画「SAVING PRIVATE RYAN」でミラー大尉が震える手でコンパスを使ってるシーンがありましたね。私がこのコンパスを入手した時もやっぱり真似して、ひとり悦に入ってました。

地図とコンパスを使って、決められたポイントを順番通り如何に短い時間で回れるかを競うオリエンテーリング競技でコンパスを使った事のある人ならお解り頂けると思いますが、このコンパス程の機能は必要としませんよね。100均で売ってる透明アクリル樹脂で出来たもので十分です。

今の時代にこのコンパスを何のために使うか?どんな時に使うのか?どうすればこのコンパスが「役に立ったなぁ」と言ってもらえるか?
今のところ我が家では節分の恵方巻を食べる時に恵方を確認する際に重宝され、辛うじてその存在価値を認めてもらっています。


それではまた次回お会いしましょう。


  

Posted by Sgt. Saunders at 09:39Comments(0)米軍(U.S.)Compass