2020年11月15日
U.S. M1カービン・オイラー(M1 Carbine Oiler)
みなさん、こんにちは。
このところ一週間くらいの内に新型コロナウィルス感染者数の増加率が大きくなっています。寒い気候になり閉鎖空間の換気率が低くなったからだとか、油断して3密回避を疎かにする人が増えてきてたからだとか色々言われていますが、とにかくマスクを着用し、手指の殺菌消毒励行で罹患回避に努めましょう。
さてそんな中地味に控え目に新規投稿いたします今回のネタは「M1カービン用オイラー(Oiler, Carbine, Cal..30, M1)」です。もちろんM1だけでなくパラトルーパー・モデルたるM1A1やM2、M3カービンにも使用されます。オイラーの名の通り、ガン・オイルを適宜塗布するためのツールで、M1小銃(ガーランド)やBARやトンプソンなど他の制式銃にもそれぞれ専用のオイラーが準備されました。オイラーはドラマーではありません。
↓はい、日本語で言えば単純に「油缶」です。メンテナンス用のオイルが本体に入り、塗布用のロッドの付いたネジ式の蓋とで構成される、とてもシンプルなモノです。なおオイル漏れしないよう蓋と本体との間のパッキン材としてはWW2中当初は革製でしたが後にゴム製になりました。本個体ではゴム製です。

↓本当はWW2中製造のモノが欲しいのですが、まだ入手出来ていませんで、本個体はヴェトナム戦末期製造の、透明のビニールで個別包装されている未使用未開封のデッドストックです。ですのでもうこの頃はパッキンはゴム製です。

↓ちょうどビニールが破れている部分が一部掛かっていますが、Federal Stock Number(FSN)は1005-556-4364、品名はシンプルに「OILER」とだけの表記。「EA」と「A」は? 「2/74」は1974年2月契約の意。

↓包装裏側。中に封入されている約3cm平方の紙片は何でしょうか。良く分かりません。何らの表記もありません。

↓鉄製のパーカライズド仕上げ。キャップの外周には縦と斜めにローレットが刻まれています。WW2期にはブルー仕上げのモノもあったそうです。

↓底部に円と「IS」の製造者を示す刻印マーキング。「IS」は「International Silver」社製造の意です。

ここで少し注釈をいたしますと、M1カービンのオイラーは殆どがInternational Silver社が作り、M1カービンの製造業者向けに納入していました。M1カービンが制式採用され製造が始まった当初は、International Silver社が作ったオイラーに、自社のイニシャルである「I」と、各納入先会社のイニシャルとを組み合わせた個別のマーキングを施して納入していました。例えば有名なところではInland社向けのオイラーには自社の「I」とInland社の「I」との組み合わせでマーキングは「II」、Winchester社向けのモノには自社「I」とWinchesterの「W」との組み合わせで「IW」、Rock-Ola社向けのモノには「IR」といった具合です。しかしそのうちにそんな面倒くさいことはやはり省略されていき、自社のイニシャル「IS」のみでマーキングをおこなうようになりました。
因みにInternational Silver社以外では「SW」とか「BK」とかのイニシャルのオイラーが存在するらしいですが、製造者名はまだ知りません…。また、無刻印のモノもあるそうですが、多くはWW2後の製造なんだそうです。以上本稿のデータはBruce N. Canfield著Complete Guide to the M1 GARAND and the M1 CARBINEからの引用情報です。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。
このところ一週間くらいの内に新型コロナウィルス感染者数の増加率が大きくなっています。寒い気候になり閉鎖空間の換気率が低くなったからだとか、油断して3密回避を疎かにする人が増えてきてたからだとか色々言われていますが、とにかくマスクを着用し、手指の殺菌消毒励行で罹患回避に努めましょう。
さてそんな中地味に控え目に新規投稿いたします今回のネタは「M1カービン用オイラー(Oiler, Carbine, Cal..30, M1)」です。もちろんM1だけでなくパラトルーパー・モデルたるM1A1やM2、M3カービンにも使用されます。オイラーの名の通り、ガン・オイルを適宜塗布するためのツールで、M1小銃(ガーランド)やBARやトンプソンなど他の制式銃にもそれぞれ専用のオイラーが準備されました。オイラーはドラマーではありません。
↓はい、日本語で言えば単純に「油缶」です。メンテナンス用のオイルが本体に入り、塗布用のロッドの付いたネジ式の蓋とで構成される、とてもシンプルなモノです。なおオイル漏れしないよう蓋と本体との間のパッキン材としてはWW2中当初は革製でしたが後にゴム製になりました。本個体ではゴム製です。

↓本当はWW2中製造のモノが欲しいのですが、まだ入手出来ていませんで、本個体はヴェトナム戦末期製造の、透明のビニールで個別包装されている未使用未開封のデッドストックです。ですのでもうこの頃はパッキンはゴム製です。

↓ちょうどビニールが破れている部分が一部掛かっていますが、Federal Stock Number(FSN)は1005-556-4364、品名はシンプルに「OILER」とだけの表記。「EA」と「A」は? 「2/74」は1974年2月契約の意。

↓包装裏側。中に封入されている約3cm平方の紙片は何でしょうか。良く分かりません。何らの表記もありません。

↓鉄製のパーカライズド仕上げ。キャップの外周には縦と斜めにローレットが刻まれています。WW2期にはブルー仕上げのモノもあったそうです。

↓底部に円と「IS」の製造者を示す刻印マーキング。「IS」は「International Silver」社製造の意です。

ここで少し注釈をいたしますと、M1カービンのオイラーは殆どがInternational Silver社が作り、M1カービンの製造業者向けに納入していました。M1カービンが制式採用され製造が始まった当初は、International Silver社が作ったオイラーに、自社のイニシャルである「I」と、各納入先会社のイニシャルとを組み合わせた個別のマーキングを施して納入していました。例えば有名なところではInland社向けのオイラーには自社の「I」とInland社の「I」との組み合わせでマーキングは「II」、Winchester社向けのモノには自社「I」とWinchesterの「W」との組み合わせで「IW」、Rock-Ola社向けのモノには「IR」といった具合です。しかしそのうちにそんな面倒くさいことはやはり省略されていき、自社のイニシャル「IS」のみでマーキングをおこなうようになりました。
因みにInternational Silver社以外では「SW」とか「BK」とかのイニシャルのオイラーが存在するらしいですが、製造者名はまだ知りません…。また、無刻印のモノもあるそうですが、多くはWW2後の製造なんだそうです。以上本稿のデータはBruce N. Canfield著Complete Guide to the M1 GARAND and the M1 CARBINEからの引用情報です。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。
この記事へのコメント
中に封入されている紙は気化性防錆紙だと思います。
Posted by long tall sunny at 2024年01月20日 22:59
lomg tall sunnyさま コメントありがとうございます。気化性防錆紙というモノを存じませんで、なるほどそういうモノなのかーと、納得です。知識を授けて下さいまして感謝いたしております。
Posted by Sgt. Saunders
at 2024年02月16日 23:20

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。