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Posted by ミリタリーブログ at

2018年03月18日

トンプソン短機関銃用30連マガジン(Thompson SMG 30rds. Magazine)

みなさま、こんにちは。
日中の気温が20℃を超えて4月下旬並みの陽気になったかと思えば、雨の後また一気に最低気温が2℃になり、翌日は日中15℃まで気温が上がり、まさに三寒四温で春の訪れを迎え、桜の開花予想が3月21日とされる当地大阪から、定刻通り隔週日曜日の正午にお送りいたします。
もう連日の報道で皆さんもウンザリかもしれませんが、森友文書の「書き換え」、一体どこまで解明されるのでしょう。「適当な落としどころで」何となく有耶無耶にされてしまうのでしょうか。私は綺麗に事実が解明されることを信じたいです。どこまで責任が追及されるのか、日本がまだまともな法治国家であるのかどうか、見極めることのできる機会です。注視したいと思います。

さて今回お送りしますのは前々回から続いておりますトンプソン短機関銃絡みで「トンプソン短機関銃用30連マガジン(Thompson 30rds. Magazine)」です。
前回のトンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)でも申しましたが、わが日本国では軍用銃実銃は持てないので、せめてアクセサリーだけは実物をと言うことで、もうかなり前にアメリカのミリタリー・アンティーク・ショップから入手しました。

↑銃は前回同様MGC製のモデルガンです。

↓敬愛するTV映画「COMBAT!」中のサンダース軍曹に憧れてましたので、MGC製モデルガンに附属していた20連マガジンではなくこの長い30連マガジンが長年ウォント・リストにあり、かれこれ15、6年前くらいにやっと実物で入手出来たのでした。


↓全体的に擦れ・傷がそれほど多くなく、錆も無く、ブルーがほぼ良好に残っているので気に入っています。


↓クロスビー社製(The Crosby company)であることを示す「大きいCの中に小さいCO」の刻印と「U.S.-30 CARTRIDGE-CAL .45」の表記。このクロスビー社製のモノにはバージョン違いが4種あります。表記中にピリオドが全く無い最初期モノ、刻印最後部の「.45」の「.」(ピリオド)が「CAL」の直ぐ後についている2期モノ、「CAL」と「45」の丁度真ん中についている3期モノ、「-30」と「CARTRIDGE」との間が詰まっている最終期モノの4種です。

この個体は「CAL」の直後にピリオドがあり、「-30」と「CARTRIDGE」との間に広くスペースがありますので2期モノである事が分かります。
30連マガジンは他にオート-オードナンス社(Auto-Ordnance Corp.)、スパークス-ウィシントン社(Sparks-Withington Co.)、シーモア社(Seymour)が製造していました。因みにCrosby社ですが、現在もなおニューヨークで金属加工全般を扱う会社として事業継続されてます。

↓マガジン上端とフォロワーの拡大(前部)。リップ前面がホンの少し垂直面で削られているのがお分かりいただけますか?これはクロスビー社製の初期製造分はこの部分がちょっとだけ長過ぎて、M1トンプソンで用いた時に送弾不良の原因となる例があり、オーガスタ造兵廠(Augusta Arsenal)で研削・改良されて用いられました。


↓マガジン後面です。マガジン・キャッチが嵌る穴が真ん丸ではなく円を少し上下に重ねたような形になっています。


↓フォロワーから後ろへ突き出ているタブは、実銃ではマガジンが空になった時にレシーバーのトリップを下から押し上げてトリガー・ピンを軸に回転させ、ディスコネクター・スプリングを圧縮し、シア・レバーの前方でディスコネクターをホールドして、ボルトをストップさせます。MGC製のトンプソンにはトリップなんかは再現されていませんので役に立ちません...。

このタブはフォロワーの一部分をただ単純に切って折り起こしているだけです。その折り起こしている根本に見えている直径1.5mm程の丸い孔、応力緩和孔なのですが、この孔はオート-オードナンス社製のマガジンには無いんだそうです。

↓フロアー・プレートです。この個体のように凹凸のディンプルがあるモノと無いモノとがあります。凹凸のディンプルが何のためにあるのか、今般いろいろ調べましたが分かりませんでした。単純に強度向上のためではないかと個人的には思います。



実銃のマガジンも、ダミー・カートと並び、もうこの10年程は個人輸入はまず無理ですね。もっとずっと昔は結構緩くて?何ともなかったのですが…。
マガジン・パウチ、ポケット類を入手すれば、やはり実物マガジンで埋めたいと思うのはコレクターの性?で、マガジンを入手すれば次はダミー・カートで満たしたいな...と、欲望が段階的に発展していってしまいます。
しかし最近は、と言いますか、齢を重ねるごとに物欲よりも知識欲の方がより一層増してきています。
ネットで他の方々のコレクションを見ているうちに、自分の手中に置いておく必要があるのか?他の方々が歴史的遺物として大事に保管保存するほうが、私が持ち続けるよりも良いのではないか?とも考えるようになってきました。
でもまあ「コレクター」でもあり、また、人さまの前に出るか自分の世界の中だけで悦に入るかの別はあるにせよ「コスプレイヤー」でもあるならば、モノとして持っていないと目的が達しえない訳で、ある程度自分のコレクション・リストに従って蒐めて行くことになろうと思いますが、あくまでも「ある程度」です。稀覯品を追い求めて必死になることはしんどいですし、私などはまず何より財力の問題で無理ですね。

それではこの辺で失礼いたします。次回またトンプソン絡みの記事になるのでしょうか?
うまくいけば2週間後にお会いしましょう。さようなら。








  

Posted by Sgt. Saunders at 11:59Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms

2018年03月04日

トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)

みなさんこんにちは。
弥生三月、早いですねー月日の経つのは。平昌オリンピックも無事終わりました。しばし国内外の諸問題からは目を逸らすことが出来ましたが、再びイヤでも現実の世界に目を向けなければなりません。北の核、シリア、エルサレム、TPP、加計、働き方、談合、基地、データ改竄などなど。うんざりしますが。

さて前回のトンプソン短機関銃用の20連マガジン・パウチ(Thompson 5-Cell 20rds. Magazine Pouch)に誘発されて今回お送りしますのは、
M1928A1トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)の、大昔製造されたMGC製のモデルガンです。決して無可動(不稼働)実銃ではありません。実銃の記事を期待された方には大変申し訳ありません。謹んでお詫び申し上げます。
何しろ私儀一介のプロレタリア階級コレクターですから、無可動(不稼働)実銃をそうやすやすとは買えず、大昔製造されたモデルガンの紹介で我慢して下さい。

↓M1928A1トンプソン短機関銃(Thompson Submachine Gun, Caliber .45, M1928A1)、(通称トミー・ガン)のMGC製モデルガンです。せめてアクセサリーは実物を...と30連マガジンとNOBUCKLスリングを装着しました。マガジン・キャッチ、ファイア・コントロール・レバー、セイフティのある賑やかな左側面です。

本来MGCのトンプソンに附属しているマガジンは20連なのですが、サンダース軍曹に憧れていますので普段は実物30連マガジンを装着しています。附属していた20連マガジンが現在行方不明です。実銃の採用当初は、マガジンは20連のものと50連のドラム・マガジンの2種だけでした。30連マガジンは少しあとで開発されます。

↓トリガー周りの拡大です。トリガーの前方から上、後方に掛けて伸びているのはマガジン・キャッチ。その右上に位置しているのがフル・オート(FULL AUTO)射撃かセミ・オート(SINGLE)射撃かを切り替えるためのファイア・コントロール・レバーです。つまみ自体を向けた方が選択されますので、画像の状態ではフル・オートが選択されていることになります。その後方のやや長いセイフティ・レバーも同様で撃発可(FIRE)状態になっています。

上部レシーバー側面の刻印が「MODEL OF 1921」となっています。これでは米海軍/海兵隊が第2次大戦の起こるはるか前に、発射サイクルを毎分800発から600発へ落とし、フォア・グリップを縦の握把型から水平型へ変え、銃口にカッツ・コンペンセイターを付けて「U.S. Navy, Model of 1928」として制式採用することになる前の「Model of 1921」の原型そのままの状態を再現したモデルガンになってしまってます。
実銃ではこの「1921」の末尾の「1」の上に「8」の刻印を被せて打ち、「Model of 1928」と表示しました(当初からの1928刻印も当然存在します)。同じ頃一方の米陸軍は、戦車やスカウト・カーなど騎兵科の機械化車両の増強期にあり、トンプソンはそれらの車両に搭載する兵器として適していると見、1932年3月に「non-essential limited procurement(不要不急限定調達物資)」として採用します。
しかし丁度同時にセミ・オートの新型ライフル(M1ガーランド)の開発が進められていたので、その支給開始を待つ方が良いと判断し、騎兵科としてはそれほど目立ったトンプソンの調達は行わなかったのでした。M1ガーランドが制式採用・支給開始となって間もなく、よりコンパクトでファイアー・パワーの大きいトンプソンの方が兵器として優れていると判り、1938年9月トンプソンを「Limited Procurement(限定調達物資)」から「Standard(正式採用物資)」へ変更し、名称も新たに「Submachine Gun, Caliber .45, Model of 1928A1」として制式化しました。しかしそれでもなおトンプソンは騎兵科用の予備的兵器としての格下扱いを受け、歩兵用兵器としての潜在的な価値はほとんど考えられていませんでした。生産数が増加し始めるのは第2次大戦が勃発してからです。

↓その後方にあるMGCオリジナル刻印(凸モールド)。実銃では「THOMPSON SUBMACHINE GUN(改行)CALIBRE .45 AUTOMATIC CARTRIDGE」となるところです。


↓マガジンの先端とフィーディング・ランプとのクリアランスが結構開いていて、大丈夫かなと思いますが、これが大丈夫なんですね。エキストラクターは外観だけを凸モールドで模したものになっています。マガジンの前と後ろにあるレシーバーの切り欠きは、ドラム・マガジンを銃の真横から水平にスライドさせて装着するためのガイドです。


↓カッツ・コンペンセイター(Cutts Compensater)の形状はまあまあよく再現されています。コンペンセイターとフロント・サイト(照星)を兼ねています。実銃ではパテントの表示やら「トンプソン」の商標やらの刻印がウジャウジャあります。しかしまぁ亜鉛合金への黒染が剥げまくってかわいそうです。


↓右側面です。雲形定規のようなピボット・プレートがある側で、右側面に比べるとやや静かな印象です。


↓ピボット・プレートは、これもまた凸モールドでうまく再現してあります。マガジンのすぐ後方にあるスプリング・ピンは実銃にはありません。MGCはマガジンのストッパーとしてここにピンを打ち込んでいます。画像ではその左下のマガジン・キャッチのピンにEリングが掛けられていますが実銃ではEリングなんかはありません。レシーバーに全く刻印がありませんが、実銃ではメーカー名やパテント表示がたくさんあります。


↓フォア・グリップです。スリング・スイベルが下面に設えられています。イギリス軍はここを縦型のピストル・グリップ型の握把のままで採用しましたが、米軍はこのように水平型のものに変更させて採用しました。


↓リア・サイト(照門)です。いわゆるライマン(LYMAN)・サイトで、倒すと近接照準の50ヤード、起こすと600ヤードまでの照準を合わせることが出来ます。これも良く再現されています。サブ・マシンガンにこのような高品質のサイトを載せるのはこの時代ならではの事です。


↓近接戦(50ヤード)での照準の見え方です。


↓起こした時の見え方。リア・サイトの向こうのアクチュエイター(ボルト・ハンドル)とその切れ込みを通してフロント・サイトが見えるようワザとサイティング・ラインを外して見ています。

ネジを廻したりして調整が可能か?と思うほどパッと見は結構素晴らしいですが、サイト調整は全くできません(上下左右とも動きません)。

↓バット・ストック下面のスリング・スイベル。イギリス軍のモノはストック上面にスリング・スイベルが設けられました。


↓マガジンを取り去るにはマガジン・キャッチのこの力点部分をを親指で…


↓上へ押し上げると、太い大きなピボット・ピンを支点にしてマガジン・キャッチの作用点たる爪が後方へ引っ込み、マガジン後面の穴から外れてマガジンを引き抜くことが出来ます。


↓マガジンを抜いた状態で斜め前から見てみますと…


↓よくお分かりいただけると思います。


↓赤い矢印で示しておりますようにマガジンの背部の穴にキャッチの円い爪が噛みこんでマガジンを装着固定する仕組みです。


↓マガジン背面と銃のフレームとの結合は鳩尾継ぎのように噛み合います。


↓この鳩尾継ぎは、一般的な箱型マガジンと銃本体との結合にはあまり他に例を見ません。大抵の箱型マガジンは、銃本体のマガジン・ハウジングにただ突っ込むことにより装着・結合させますが、トンプソンの場合は箱型マガジンのほかに、ドラム・マガジンも銃の横から水平にスライドさせて装着させられるような構造設計が求められたため、箱型マガジン用のマガジン・ハウジングを設けられませんでしたので、このように少し特殊な結合構造・形状となりました。


マガジンとスリングについても触れたかったのですが、また後日改めての投稿といたします。

私がWWⅡ米陸軍装備に興味を持つキッカケとなったのはTV映画「コンバット!(COMBAT!)」なので、自ずとサンダース軍曹の持つM1928A1にも興味が湧き、当時MGCというトイガン・メーカー製の今回採り上げたモデルガンが欲しくてなりませんでした。が、所詮プロレタリア階級の身でありますから購入までにはそれ相当に時間を要しました。どこかのトイガン・ショップでの歳末かお盆?の大売り出しかで通常より安く売りだされているのを見て思い切って買ったのを思い出します。
モデルガンを発火させる(火薬をセットした専用カートリッジを撃発させて遊ぶ)のは品がない...未発火のまま鑑賞するのがワンランク上のマニアだよ...みたいな世界がモデルガン・マニアの間にあった時代でしたが(いまでもそう?)、やはり私はサンダース軍曹のように「デケデケデケデケデケデケッ...」とぶっ放したい衝動に駆られ、少しでも安くCPカートを手に入れて(常時定価の20%オフで販売していた、どこのお店だったかなー?やまもと?明和模型?ちょっと忘れました。)、MGキャップを一つづつセットして、手で一発づつマガジンに詰めて…...。やがて訪れるであろう興奮のピークを待ちきれず拍動が速くなるのを感じながら…。今でも想像しただけでワクワクします。
チェインバーとマズルは繋がっておらず、発火させてもマズル・ファイヤーは再現できませんが、発火炎を見たくて窓のカーテンを閉め切って部屋を真っ暗くして20連を一気に発火させたのを思い出します。エジェクション・ポートからのフラッシュは青白く見えました。床に座ってやったのですが、天井までカートが飛んで行き、危うく照明の蛍光灯が割れそうになってビビりました。私が入手したのは平玉火薬カートではなく、もうすでにCPカート仕様で回転は快調でしたね。


余談ですが、日本版Wikipediaでの「トンプソン・サブマシンガン」の「歴史」の項の中で、引用先として挙げられている“Thompson Submachine Gun: The Tommy Gun Goes to War”. American Rifleman. NRA ”の原典を見ると、何という事でしょう!私が今回の投稿で参考にさせていただいたBruce N. Canfield氏著「U.S. Infantry Weapons of World War II」におけるトンプソンについての詳解文の内容を、修飾語の意味が違わない程度に省略・換言したり、能動態を受動態にしているだけで、パクリと言われても文句が言えないような記述内容となっています。Wikipediaのトンプソンを読んでいて「あれ?前に読んだような気がするぞ?」と気がついたのですけれども、ひょっとしたらBruce N. Canfield氏はNRAの会員で、転載・引用をお許しになっていたりするのでしょうか。それならば全然いいんですけど。
もひとつ余談ですが日本版Wikipediaでの「トンプソン・サブマシンガン」のトップに「戦時中に生産されたトンプソン M1928A1」として掲載されている画像のモノは、どう見ても今回採り上げたMGC製のモデルガンの画像のように見えるのですが。こんな事でいいのでしょうか?

それでは今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。






参考文献:Bruce N. Canfield氏著「U.S. INFANTRY WEAPONS OF THE WORLD WAR II」(Andrew Mowbray Inc.出版)

  

Posted by Sgt. Saunders at 08:59Comments(2)米軍(U.S.)Fire arms