2021年10月17日
U.S. M1936ピストル・ベルト②(M1936 Pistol or Revolver Belt Vol.2)
みなさん、こんにちは。
当地大阪の今朝の最低気温は17℃で、先々週の日曜日には一旦最低気温が16℃となって秋の到来を感じましたが、その後再び季節外れの真夏日が続き、10月の真夏日の日数が過去最高を記録しまして、秋が来るんじゃなかったのか?と思ってましたら昨日の最低気温が17℃で、やっと本当に秋がやって来たことを実感しました。明日の朝にはさらにグッと下がって最低気温が12℃になるらしいです。たった一日で物凄い気温差です。
内閣発足10日での衆議院解散でセンセイ達は地元選挙区へ戻ってまた美辞麗句の絶叫を始めます。投票は31日です。主張をよく聴いてじっくり吟味しましょうか。
さて今回お送りいたしますのは私のコレクションの中枢であるWW2US陸軍歩兵装備で近時入手したモノ(recent acquisitions)です。もう6年以上も前の過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」などで同アイテムをご紹介したことはあるのですが、今般別個体を入手したのと、少し前にQMC(Quartermaster Corps:補給部)公式ドローイングも入手できましたことから、そこからの図面も参照しながらお送りします。
↓はい、制式名称「M1936ピストル又はリヴォルヴァー・ベルト(Belt, Pistol or Revolver, M-1936)です。タイトルでは字数制限の関係で「M1936ピストル・ベルト」としました。世間一般でもこれで十分通じますのでそれでもいいんですが、本来はオートマチック・ピストルであるM1911(A1)ガバメント拳銃のみならず、回転式拳銃(リヴォルヴァー)であるM-1917もその吊り下げる対象でしたので、正しくは「ピストル・又は(or)・リヴォルヴァー」です。今般入手した個体はODシェード#3いわゆるカーキ色の程度「良品」くらいのモノです。サバゲに着けて行っても「新兵さん」にはならずに済みます。

↓反対側です。真ん中辺に黒っぽくなってる部分があります。実はもっと酷かったのですが、手洗いしてここまでになりました。

↓前述のQMCの公式図面です。1952年4月22日付、原図の日付は1950年10月6日ですのでWW2からは5年+2年後のモノですが、WW2中からの部材等の名称改称等に限られていますので、「作り」の上での大きな変更はありません。

↓スライド・キーパーやファスナー(バックル)を取り付ける前の状態です。ベルト本体の規格、アイレット(ハトメ)、マガジン・ポケットを取り付けるためのスナップ・ファスナーの規格、位置、及び「US」スタンプの字体・位置などが定められています。ベルト本体が「タイプ4の、幅2.25インチ(5.72cm)のコットン・ウェビング」であり、アイレットの水平方向の間隔は2.5インチ(6.35cm)で、18個並んでいる…等の事がしっかり分かります。

↓プロパティ表示の「U.S.」とスナップ・ファスナー(♀)部分の拡大です。上の図面では「US」と、アポストロフィーが無いのに対し、WW2中のモノは一部の例外があるものの、殆どがアポストロフィー有りの「U.S.」です。

↓その裏側です。スナップ・ファスナー(♀)の裏側と、その上の製造者名と製造年のスタンプです。

↓拡大しました。スタンプは掠れて判読が困難です。画像では殆ど読み取れませんが、現物を観察すると多分「S. FROEHLICH CO.」ではないかなと思っています。既に保有している「S. FROEHLICH CO.」製造モノとフォントの大きさや幅、上下の高さが酷似しているからです。製造年はちょっと読めません。スナップ・ファスナー内側には製造者「UNITED CARR」の刻印があります。

↓また図面を。「LOCATION OF IDENTIFICATION MARKS IN BLACK CHARACTERS IN 1/2" HIGH(高さ1/2インチ(1.27cm)の黒字での識別マークの位置)」とされるところには、WW2後は製造者名や製造年に加えて制式名称、ストック・ナンバー等がスタンプされるようになりました。WW2では上の画像のようにスタンプの位置は少し異なり、スナップ・ファスナー周辺に製造者名と製造年がスタンプされていました。

↓フロントのバックルです。図面では「ファスナー(FASTENER)」と記されています。この個体は他の金具も含めて全て真鍮製です。なので恐らく、まだ潤沢に真鍮をバンバン使うことが出来ていた1942年から1943年頃の製造だと思われます。その後真鍮の節約のために亜鉛合金が代用され、WW2終結後また潤沢に真鍮がバンバン使われ出します。

↓着用した時に人体右側に来る方でサイズを調整する作りです。オス(♂)バックルから折り返してきたベルトの末端の金具(図面では「END FASTENING」との表記)の鉤爪を任意の位置のベルト中央部の径の小さいアイレット(ハトメ)(これも図面では「No.1563 EYELET」と云うそうです。)に引っ掛けてベルト全体の長さを調整します。この折り返し部分には「SLIDING BELT KEEPER」が2つ備えられています。これは折り返し部分の外側のベルトにダブル・フック・ワイヤー・ハンガー式の装備品を吊り下げた時に、その重量で外側のベルトだけが下へずり下がってしまわないように外側のベルトと内側のベルトをしっかり束ねて「一本のベルト」にする役割を果たします。また、サイズ調整した鉤爪を外れ難くする働きもあります。

↓この個体のスライディング・ベルト・キーパーは一枚の細い真鍮板をプレスして曲げて、合わせ目をロウ付けして作られています。

ロウ付けでなく、板の末端部分に鉤爪とそれを通す孔を備えて折り返して固定するパターンもWW2後期に出現します。先ほどの図面ではそのパターンのモノが描かれています。上の画像のモノよりももっと薄い真鍮板を用い、プレス加工でリブを作ることにより強度の増強が図られています。冒頭でご紹介しました過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」の中段以降をご参照ください。
はい。決して同じモノの2番煎じとのそしりを受けないようにとお届けいたしましたが、如何でしたでしょうか。
このWW2時のピストル・ベルトですが、この10年くらいの間枯渇していくのかと思いきや、結構オークションでもショップでも供給機会は多く、一時は程度によれば国内では1万円越えもチラホラ見られましたが、国内外を問わず8,000円程度もあれば十分良いモノを入手できる印象です。
また、レンド・リースによるソビエト軍(赤軍)向けのスタンプ無しデッド・ストックが巷にかなり大量に流通しておりまして、それはそれで歴史的遺物としてコレクションしてみたいとも思いますが、それに費やすならばまだその前に揃えたいモノがある…という事で、まだ入手しておりません。過去記事でも触れたことがありますが、このソビエト軍向けスタンプ無しデッド・ストックに近時適当に「U.S.」やメーカー名をスタンプして「WW2US実物デッド・ストック」として悪銭を掴もうとしているショップが沢山見受けられます。コレクションする際はご注意ください。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後衆議院議員選挙投票日当日にお会いしましょう。
当地大阪の今朝の最低気温は17℃で、先々週の日曜日には一旦最低気温が16℃となって秋の到来を感じましたが、その後再び季節外れの真夏日が続き、10月の真夏日の日数が過去最高を記録しまして、秋が来るんじゃなかったのか?と思ってましたら昨日の最低気温が17℃で、やっと本当に秋がやって来たことを実感しました。明日の朝にはさらにグッと下がって最低気温が12℃になるらしいです。たった一日で物凄い気温差です。
内閣発足10日での衆議院解散でセンセイ達は地元選挙区へ戻ってまた美辞麗句の絶叫を始めます。投票は31日です。主張をよく聴いてじっくり吟味しましょうか。
さて今回お送りいたしますのは私のコレクションの中枢であるWW2US陸軍歩兵装備で近時入手したモノ(recent acquisitions)です。もう6年以上も前の過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」などで同アイテムをご紹介したことはあるのですが、今般別個体を入手したのと、少し前にQMC(Quartermaster Corps:補給部)公式ドローイングも入手できましたことから、そこからの図面も参照しながらお送りします。
↓はい、制式名称「M1936ピストル又はリヴォルヴァー・ベルト(Belt, Pistol or Revolver, M-1936)です。タイトルでは字数制限の関係で「M1936ピストル・ベルト」としました。世間一般でもこれで十分通じますのでそれでもいいんですが、本来はオートマチック・ピストルであるM1911(A1)ガバメント拳銃のみならず、回転式拳銃(リヴォルヴァー)であるM-1917もその吊り下げる対象でしたので、正しくは「ピストル・又は(or)・リヴォルヴァー」です。今般入手した個体はODシェード#3いわゆるカーキ色の程度「良品」くらいのモノです。サバゲに着けて行っても「新兵さん」にはならずに済みます。

↓反対側です。真ん中辺に黒っぽくなってる部分があります。実はもっと酷かったのですが、手洗いしてここまでになりました。

↓前述のQMCの公式図面です。1952年4月22日付、原図の日付は1950年10月6日ですのでWW2からは5年+2年後のモノですが、WW2中からの部材等の名称改称等に限られていますので、「作り」の上での大きな変更はありません。

↓スライド・キーパーやファスナー(バックル)を取り付ける前の状態です。ベルト本体の規格、アイレット(ハトメ)、マガジン・ポケットを取り付けるためのスナップ・ファスナーの規格、位置、及び「US」スタンプの字体・位置などが定められています。ベルト本体が「タイプ4の、幅2.25インチ(5.72cm)のコットン・ウェビング」であり、アイレットの水平方向の間隔は2.5インチ(6.35cm)で、18個並んでいる…等の事がしっかり分かります。

↓プロパティ表示の「U.S.」とスナップ・ファスナー(♀)部分の拡大です。上の図面では「US」と、アポストロフィーが無いのに対し、WW2中のモノは一部の例外があるものの、殆どがアポストロフィー有りの「U.S.」です。

↓その裏側です。スナップ・ファスナー(♀)の裏側と、その上の製造者名と製造年のスタンプです。

↓拡大しました。スタンプは掠れて判読が困難です。画像では殆ど読み取れませんが、現物を観察すると多分「S. FROEHLICH CO.」ではないかなと思っています。既に保有している「S. FROEHLICH CO.」製造モノとフォントの大きさや幅、上下の高さが酷似しているからです。製造年はちょっと読めません。スナップ・ファスナー内側には製造者「UNITED CARR」の刻印があります。

↓また図面を。「LOCATION OF IDENTIFICATION MARKS IN BLACK CHARACTERS IN 1/2" HIGH(高さ1/2インチ(1.27cm)の黒字での識別マークの位置)」とされるところには、WW2後は製造者名や製造年に加えて制式名称、ストック・ナンバー等がスタンプされるようになりました。WW2では上の画像のようにスタンプの位置は少し異なり、スナップ・ファスナー周辺に製造者名と製造年がスタンプされていました。

↓フロントのバックルです。図面では「ファスナー(FASTENER)」と記されています。この個体は他の金具も含めて全て真鍮製です。なので恐らく、まだ潤沢に真鍮をバンバン使うことが出来ていた1942年から1943年頃の製造だと思われます。その後真鍮の節約のために亜鉛合金が代用され、WW2終結後また潤沢に真鍮がバンバン使われ出します。

↓着用した時に人体右側に来る方でサイズを調整する作りです。オス(♂)バックルから折り返してきたベルトの末端の金具(図面では「END FASTENING」との表記)の鉤爪を任意の位置のベルト中央部の径の小さいアイレット(ハトメ)(これも図面では「No.1563 EYELET」と云うそうです。)に引っ掛けてベルト全体の長さを調整します。この折り返し部分には「SLIDING BELT KEEPER」が2つ備えられています。これは折り返し部分の外側のベルトにダブル・フック・ワイヤー・ハンガー式の装備品を吊り下げた時に、その重量で外側のベルトだけが下へずり下がってしまわないように外側のベルトと内側のベルトをしっかり束ねて「一本のベルト」にする役割を果たします。また、サイズ調整した鉤爪を外れ難くする働きもあります。

↓この個体のスライディング・ベルト・キーパーは一枚の細い真鍮板をプレスして曲げて、合わせ目をロウ付けして作られています。

ロウ付けでなく、板の末端部分に鉤爪とそれを通す孔を備えて折り返して固定するパターンもWW2後期に出現します。先ほどの図面ではそのパターンのモノが描かれています。上の画像のモノよりももっと薄い真鍮板を用い、プレス加工でリブを作ることにより強度の増強が図られています。冒頭でご紹介しました過去記事「M1936 ピストル・ベルト(M1936 PISTOL OR REVOLVER BELT)」の中段以降をご参照ください。
はい。決して同じモノの2番煎じとのそしりを受けないようにとお届けいたしましたが、如何でしたでしょうか。
このWW2時のピストル・ベルトですが、この10年くらいの間枯渇していくのかと思いきや、結構オークションでもショップでも供給機会は多く、一時は程度によれば国内では1万円越えもチラホラ見られましたが、国内外を問わず8,000円程度もあれば十分良いモノを入手できる印象です。
また、レンド・リースによるソビエト軍(赤軍)向けのスタンプ無しデッド・ストックが巷にかなり大量に流通しておりまして、それはそれで歴史的遺物としてコレクションしてみたいとも思いますが、それに費やすならばまだその前に揃えたいモノがある…という事で、まだ入手しておりません。過去記事でも触れたことがありますが、このソビエト軍向けスタンプ無しデッド・ストックに近時適当に「U.S.」やメーカー名をスタンプして「WW2US実物デッド・ストック」として悪銭を掴もうとしているショップが沢山見受けられます。コレクションする際はご注意ください。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後衆議院議員選挙投票日当日にお会いしましょう。
タグ :M1936ピストル・ベルトM-1936ピストル・ベルトM1936 Pistol beltM1936 Pistol or revolver beltピストル・ベルトM1936ピストルベルトM1936M-1936
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