QRコード
QRCODE
< 2024年04月 >
S M T W T F S
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
オーナーへメッセージ

コレクション ブログランキングへ

2019年03月24日

US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

みなさんこんにちは。
寒さがぶり返して、3日前の最高気温は21度だったのに今朝の最低気温が3度という当地大阪・某郊外都市より、投稿定刻(自主目標)から約1時間遅れてお送りいたします今回、「そう言えばまだだった」シリーズ?として今さらながらご紹介致しますのはWWII時以降長らく米軍兵士のアイコンとなっていたと言える「M-1ヘルメット」です。

WWII当時フランス国民が、上陸してきたアメリカ兵を見て「フットボール選手が被るようなまん丸いヘルメットを被り、野球選手が着るようなジャンパーを着て…」と名状したように、トサカやツノの無いそのまん丸い形状のM-1ヘルメットはヨーロッパ諸国においては当時珍しいモノであったのは確かでしょう。日本軍なんかは多少トンガリ気味ではあったものの飾り気の無い丸い鉄帽でしたが。
私がWWII時代のM-1ヘルメットをやっとのことで入手できたのは働き出して可処分所得が格段に上がってからです。それまではかの中田商店で売られていたどこの国のモノかよく分からない、高さが低くなってからのM-1ヘルメットのアウター・ヘルメットと、それに合わせることのできるプラスティック製の、これまた中田商店製?のライナー・ヘルメットを買って、なんちゃってGIとなってマルシンのM-1カービン(大昔のカート式エアガンです)を携えてサバゲを楽しんでいました。

↓「M-1ヘルメット」です。TV映画「コンバット!(COMBAT!)」ではケイジらが擬装網(カモフラージュ・ネット)を着けたりサンダース軍曹は擬装カバー(カモフラージュ・カバー)を着けたりと色々なアレンジが見られるアイテムです。もちろんヘルメット本体に直にペイントや標記を施したりすることもあったのは皆さん周知の通りです。1980年代前半にケブラー製のPASGTヘルメットに取って替えられるまで、若干のスペック変更を経ながらGIの頭を守り続けました。後ろに見えているのは、また後日…。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)


↓取り敢えずグルリを眺めます。「本体は高マンガン鋼製で磁性を持たず、縁(リム)は当初はステンレス鋼でのちにマンガン鋼になった…」などというカタログ・スペック的な講釈はここでは敢えて致しません。Wikipediaや他の方のHP等を参照して下さい。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ヘルメット本体のチン・ストラップは本来その名の通り顎の下で留めてヘルメットをしっかり頭部に被せて固定させるためのモノですが、このように後ろ側の縁に沿わせて固定させておくか、もしくは顎に廻して留めることなく重量にまかせてダランと垂らしておくようにするなどして、とにかく顎下で留めるなと戦中に指示が出されたのも、コレクターの方ならご存知の通りです。初心者の方のために僭越ながら念のため講釈めいたことを申しますと、「チン・ストラップをしっかり留めていると、付近で砲弾の炸裂があった場合等で衝撃波を受けた際、ヘルメットと頭部との間にその風圧を受け、その風圧がチン・ストラップを介して顎をアッパーカットするように作用する形となり、その結果顎のみならず頸椎の損傷や脳震盪をもたらす…...」という戦場からのレポートを受けて緊急的・暫定的に「チン・ストラップを留めずに垂らしておくかヘルメット後端等に留め置いておけ」との指示が出されるに至ったのでした。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)
のちに14ポンド(約6.35キログラム)の力が掛かると外れるように設計された『T-1リリース・チン・ストラップ』が開発されました。またの機会に触れるかと思います。

↓前にある革製のライナー・ヘルメットのチン・ストラップ。ライナー・ヘルメットのチン・ストラップはこのようにヘルメット本体(アウター・シェル)の庇に引っ掛けておくのが一般的です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)
と、ここまで書いてふと思い出しました。この「M-1ヘルメット」、私がWWIIUS装備品に興味を持ち始めた当初まだ実物を見たことの無い頃は、これが外側のヘルメット本体と内側のライナーとに分かれる、外側と内側の二重構造!なんてことは思いもよりませんで、ドイツ軍のヘルメットのように本体の内側にサスペンションが取り付けられているものだと思い込んでおりました。ひと口に「M-1ヘルメット」と言いましても、実はアウター・シェル(外帽:制式名称は「Helmet, Steel, M-1」(のちには「Helmet, Steel, M-1, with Flexible Loop」))にライナー・ヘルメット(中帽、或いは内帽:制式名称は「Liner, Fiber, Helmet, M-1 」(のちには「Liner, Helmet, M-1, New Type」))を嵌め込んで、セットになって初めて「M-1ヘルメット(制式名称:「Helmet, Steel, M-1, Complete」)」となることを知ったのは渋谷のアルバンから「米軍カタログ」を郵便で取り寄せてからでした。 昔は今のようにインターネットで調べるとすぐ分かる!という環境なんかは無く、ほとんど全て紙媒体の資料しか無くて、しかも微に入り細を穿つような資料は簡単に入手できませんでした…(シミジミ)。

↓内側、正しくはライナー・ヘルメットの内側です。画像右側が額側、左側がうなじ側です。今回お見せするモノは、カテゴリ―としては「Liner, Helmet, M-1, New Type」になるのですが、これもまたひと口に「Liner, Helmet, M-1, New Type」と言っても製造者や製造時期によって細かい差異がありまして、とてもここではすべてを網羅することはできません。詳しくは例によって他の研究者の方のHP等を参照して下さい。使用される金具や仕上げの差異により細かく分けて論じられています。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)
先ほど見たライナー・ヘルメットのチン・ストラップと、頭の周囲のサイズに合わせる茶革のヘッド・バンド(芯材はHBTコットン・テープ)、被る深さを頭頂部のコードで緩く締めるかキツく締めあげるかで張り具合を調節して使うサスペンション、うなじ部分のクッションとなるネック・バンドが設えられています。HBTコットン・テープの色調は全てOD#3です。のちの製造時期ではOD#7へと変わっていくのは一般的な装備品の例と同じです。ライナー・ヘルメット自体はいくつもの細長いキャンバス生地を球状に重ね合わせてフェノール樹脂を染み込ませてからプレス成型して作られます。因みにこの「New Type」の前のモデル「Liner, Fiber, Helmet, M-1 」は素材としてカードボード(ボール紙)を用い、表面を薄い布でカバーして圧縮成形して作られ、ネック・バンドなどの内装素材にはレーヨンが用いられていました。使用された金具などの差異で前期型後期型と分けて論じられることがあります。

↓本体がコットン生地から作られているのが納得できます。繊維が良く見えます。HBTテープをライナーに固定している逆Aの字型のリベット受け板はホワイトメタル製のモノ、鋼製のモノや、本件のようなブロンズ製のモノなど数種類あります。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ライナー・ヘルメット内側の頭頂部付近にある製造者のロゴマーク。十字型の中に縦と横で「CAPAC」との表記があり、ミシガン州のCapac Manufacturing Company製であることを示します。飛行機のプラスティック製シートやB-29の窓枠なんかも製造していたそうです。このタイプのライナーの製造者は10者に及びます。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓上はうなじへの衝撃を緩和するネック・バンド。サイズは当初は5段階、最終的には3段階で用意されていました。上下2つ並んだスナップの列が両端にありますが、この間隔を5段階あるいは3段階で作ってサイズ展開を図りました。のちには更に最終進化形として、バックルを用いてサイズ調節できるモノが開発されます。下は各サイズが固定されて作られていたモノから、バックルを附属させて寸法を調節可能なモノへと改良された型式のサイズ可変式ヘッド・バンド、「Band, Head, Liner, Helmet, M-1, New Type」です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ネックバンドのスナップの片側を外してみました。スタンプがあります。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓見にくいので逆さまにします。上段に「W11-009 QM16874」とあります。シカゴ・クオーターマスター・デポが起案した契約書に基づいて陸軍省が陸軍需品科向けに契約番号16874で契約したという意味です。「W」はWar Department、「11-009」はChicago Quartermaster Depotを表すコード(1943年6月30日までなら「199」)、「QM16874」は「陸軍需品科向け契約・番号16874」を表します。下段の「S.M.C.」は製造者「Scholl Manufacturing Company」 の意。「LARGE」はいわずもがな「大」の意。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓バックルが附属したサイズ可変式のヘッド・バンドの拡大。バックルに通っていた部分を全部引っ張り出してみました。スタンプがありますが、残念ながら掠れてしまって幾つか番号が見える程度で詳細が分かりません。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓こちらはアウター・シェル(外帽)に設えられているチン・ストラップとその留め具(バックルとフック)です。ストラップの色調はOD#3。バックルは打ち抜きプレスの真鍮製。形状は同じでM-1ヘルメット制式化以前の皿型M1917(A1)ヘルメットで用いられた鋳造の真鍮製のバックルもM-1ヘルメット制式化当初には用いられました。フックも真鍮製です。時代が下るとストラップの色調はOD#7へ、留め具の素材は鋼へと変化していき、形状も変化します。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓フックです。この個体は「返り」がとても小さいです。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓アウター・シェルのループにチン・ストラップが縫い付けられている部分の拡大と、アウター・シェルとライナー・ヘルメットとの「ハマり具合」をご覧頂く画像です。アウター・シェルとライナー・ヘルメットとの「ハマり具合」はそれぞれが別個独立したモノとして複数の製造者により製造されたこともあり、ピシッとハマる組み合わせ、今一つぴったりハマらない組み合わせがあったりと若干の「相性」があります。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ライナー・ヘルメットを外しました。両耳に当たる辺りの箇所にチン・ストラップが縫い付けられているループがあるのが分かります。↑今上の画像でも見ましたが、内側外側に揺り動かせるようにヒンジで留められたループを持つアウター・シェルが制式名称「Helmet, Steel, M-1, with Flexible Loop(Stock No.:74-H-120)」です。まさにフレキシブル、ループが動かせます。これの改良前モデル「Body, Helmet, Steel, M-1(Stock No.:74-H-115)」では、ループと言うか『コ』の字型のワイヤーがその末端部分だけでヘルメット本体に直接熔接されていて揺り動かすことは出来ません。衝撃に弱く取れやすかったため、本体にヒンジを熔接し、そこにループが通る形にして、衝撃を受けてもそれを逃がしやすい構造へと改良されたのでした。単なる仕様変更ではなく、別アイテムとして開発製造されたという事です。あとでカタログ表示を見てみましょう。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)
この形状を見れば、洗面器、鍋、バケツ、ショベル等々前線の兵士によって色んな用に供されることになったのも無理は無いと素直に頷けます。

↓ここで少し資料を見てみましょう。まず1943年8月版のQuartermaster Supply Catalog Section 1から。当ブログではしばしば出て来ます。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ヘルメットのページ。M-1ヘルメット関連はこの部分(1/2ページほどです)。私がで囲ったキャプション「Helmet, Steel, M-1, Complete」は、四角で囲われているモノすべてを含んでのキャプションです(すぐ下の説明文でも言及されていますがで囲っている4つのアイテムで構成されているという事です)。Fig.1の「BODY, HELMET, STEEL, M-1(本体)」、Fig.2の「LINER, HELMET, M-1, NEW TYPE(ライナー・ヘルメット)」、「BAND, HEAD, LINER, HELMET, M-1, NEW TYPE(ヘッド・バンド)」、「BAND, NECK, LINER, HELMET, M-1(ネック・バンド)」の4つが組み合わさって「M-1ヘルメット」が一つ出来上がります。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

で囲った「Fig.1」がヘルメット本体(「BODY」:アウター・シェル(外帽))で、で囲った「Fig.2」がライナー・ヘルメット(「LINER」:中帽または内帽)です。ストックナンバーがそれぞれ別個独立して与えられており、アイテムとしては一つひとつが単体で管理されている事が分かります。Fig.1ではライナー・ヘルメットのチン・ストラップもアウター・シェルのチン・ストラップもどちらも顎に回して留めています。これが本来の着用方法なのでしょうけど、実際は冒頭の画像にありますようにライナー・ヘルメットのチン・ストラップはアウター・シェルの庇部分に掛けていたのが通例でした。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓一方、こちらは1946年5月版のQuartermaster Supply Catalog「QM 3-1」です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓こちらでもヘルメットの項は1/2ページほどです。上の1943年8月版のQuartermaster Supply Catalog Section 1で見たアウター・シェルは、こちらでは赤下線の通り「BODY」の語が抜けて、代わりに「Until Exhausted(費消限り)」との注記が付いてます。どちらのカタログでも同じストックナンバーですから名称が変わったという事が分かります。そしてすぐ下青下線の方では「Helmet, Steel, M-1, with Flexible Loop」とあり、赤下線の「Helmet, Steel, M-1」に「フレキシブル・ループ」が付いたモノとして新しいアウター・シェルが別途開発されたという事が分かります。ストックナンバーも別のモノがちゃんと割り振られています。以上から「フレキシブル・ループ」が付いていない「Helmet, Steel, M-1」はループが直接アウターに熔接留めされているアウター・シェルである事が分かります。カタログへの搭載以前に実際は1943年中頃から製造が始まっています。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)
また右上の着用画像を見ると、ライナー・ヘルメットのチン・ストラップはライナー・ヘルメット自体の庇に掛けた状態で、その上からアウター・シェルを被せています。実際にこんなことをするとストラップの固定バックルが嵩張ってアウター・シェルとしっかり嵌め合わせられないのでは?と思います。やってみたことありませんが。先ほど見た1943年8月版のカタログではどちらのチン・ストラップも顎に回していましたね。

↓現物に戻ります。アウター・シェルはリム部分の全周が薄い金属テープで巻き覆われて処理されますが、その金属テープをどこから巻き始めてどこで巻き終わるか、「始点終点」がどこになっているかで2種類に大別されています。この個体は前の庇に始点終点のあるいわゆる「front seam敢えて訳せば『正面縫い目』」で、のちにWWII末期ごろからは真後ろ「rear seam『後面縫い目』」になったと言われています。指で示している先にテープの切れ目があるのがお分かりいただけますか?また、すでに触れましたが金属テープの素材も当初はステンレス鋼で、のちにマンガン鋼になっていきました。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓大体ほとんどのアウター・シェルの庇の内側のこの辺りにロット番号が打刻されています。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓再びアウター・シェルの外観。この背の高いフォルムとコルク粒・おが屑のブツブツが好きです。のちにM-1ヘルメットは安定性向上等の為に形状変更を施されて若干高さが低くなったり庇が少し長くなったりするのですが、WWII時代が好きな私はこのシルエットがたまりません。そう言えば大昔1980年代くらいまでは、業界もコレクターも、今申し上げたM-1ヘルメットをマイナーチェンジしたとも言えるやや高さが低くなったモノを新しいタイプのライナー・ヘルメットとセットにして「M-2ヘルメット」とか「M-1956ヘルメット」などと呼んでいましたね。現在ではM-2は全く別モノ(M-1C空挺隊用ヘルメットの前身)として認識されていますが、昔は違いました。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓左真横から。この個体は階級章や師団章・部隊章など何らのステンシルも加えられていません。チン・ストラップの色調は1944年11月ごろからはOD#3からOD#7へと替えられていきます。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓本体の塗装はWWII終期でコルク粒・おが屑とのコンビでのダークODが終わり、その後は砂・シリカ粒とライト・グリーン(OD#8(OD319))とのコンビに替わります。この個体はブツブツはコルク・おが屑+ダークOD塗装の上からライト・グリーンを後塗りされたと思われます。ライト・グリーンの下にダークODが見えている部分が多数見受けられます。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ではライナー・ヘルメットを見ていきましょう。アウター・シェルと合わせずに、ライナー・ヘルメットだけを単体で被って使用する例は、例えば後方の兵士などに見られました。この個体にはOD塗装がなされていますが、色調についてはアウター・シェルの例と同じく、リペイントされている可能性もあり、もともとどんな色調であったかは精査しないとなかなか分かりません。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ライナー・ヘルメットのチン・ストラップ。茶革製で、縁の仕上げ、バックル金具、ヘルメットへの取付け金具に細かい差異があり、もちろん私がすべてのパターンのモノを蒐集することはできませんで、図解するのは無理です。この辺りについても詳しくは他の研究者の方のHPをご参照ください。この個体のバックルは黒塗り・「ロール仕上げクラスプ」で、ストラップは「型押し縁」です。クラスプに錨のメーカーロゴ刻印がありますのでNorth & Judd Manufacturing Company社製である事が分かります。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓裏側のリベット。お馴染み「DOT」の刻印はUNITED CARR社です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ライナー・ヘルメットを正面から。ここは眺めるだけにします。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓右側面です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓後面です。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓左側面です。リベットは内装を固定するためのモノです。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓縁が傷んで繊維がほつれています。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)

↓ライナー・ヘルメットの塗装法についてもいろいろな方法が試され、採用されました。色調も然りです。
US M-1ヘルメット(US M-1 Steel Helmet)



以上縷々見て参りました。
今回ご覧いただいた個体には、階級章や師団章・部隊章など何らのステンシルも加えられていません。それらがあれば一般的にお値段にプレミア分が加算されるのは皆さんご承知の通りです。
私がこの世界(入り口はWWIIUS歩兵装備品)に首を突っ込んだ頃はM-1ヘルメットは大体18,000円もあれば程度の良いものが入手出来ました。「戦艦〇〇の格納庫から未支給・未使用のM-1ヘルメットが発見さる!」と、海軍ペイントのM-1ヘルメットが40,000円で販売されたこともありましたねぇ。内装はODだったような気がします。
今日ではM-1ヘルメット、特にWWII時代のモノは、もうすっかりレア・アイテムの域にあります。価格の高騰に驚きます。

実物から傷んだ内装や部材を丁寧に取り外し、精巧にリメイクされた部材や、僅かに現存する実物デッド・ストック部材等を使い、塗装などもしっかり当時のスペックに則って「レストア」を行う業者さんが近時たくさん出現されました。
リエンナクターには実に良い環境が出来上がっていますが、適度にウェザリングを施せば最早「実物」と見まがう程のモノとなり、「偽物」になってしまわないか常に心配です。見分けられる眼を養わないとカモにされてしまいます。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。ご機嫌よう。さようなら。







同じカテゴリー(米軍(U.S.))の記事画像
トンプソンSMG 30連マガジン用ポケット(Pocket for Thompson SMG 30rds. Mag.)
M-1910 イントレンチング・ショベル・キャリア(M-1910 Intrenching Shovel Carrier)
US M-1937 ウェブ・ウェスト・ベルト(M-1937 Enlisted men Web Waist Belt )
US M6バイオネット(続き)(U.S. M6 Bayonet-Knife(Cont.))
US M6バイオネット(U.S. M6 Bayonet-Knife)
US 通信兵TE-33 キット(CS-34 パウチ, TL-13-A プライヤー, TL-29 ナイフ)
US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)
U.S. M1936ピストル・ベルト②(M1936 Pistol or Revolver Belt Vol.2)
US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)
US  レンザティック・コンパス(ヴェトナム戦時)(US Lensatic Compass(Viet-Nam era))
M-1956 H型サスペンダー「初期型」(M1956 Combat Field Pack Suspenders)
U.S.ステンレス・スティール・カップ(U.S. Stainless steel Cup)
U.S. MIA1 ガス・マスク その3(U.S. MIA1 Gas Mask #3)
Posted by Sgt. Saunders at 13:20│Comments(2)米軍(U.S.)Headgears
この記事へのコメント
はじめまして!

偶然通りすがりにブログをお見かけし、興味深く拝読させていただいております。

米海軍戦艦格納庫から出たM1ヘルメットのデッドは確か、コンバットマガジンの東京ファントムの広告に出ていたと記憶しております。

欲しかったなぁ。
Posted by コウイチ at 2022年08月31日 11:30
コウイチさま ご来訪・コメントありがとうございます。お返事が遅くなりまして誠に申し訳ありません。諸般の事情で本ブログのメンテナンスに割く時間が非常に少なく、コメントを頂いたことに今頃気が付いた次第です。 仰る通りです。東京ファントムの広告にババーンとデッドストックのM1ヘルメットが掲載されていました。可処分所得の少ない高校生だった私は、ただ涎を垂らして見ているしかありませんでした。でも今思えばペイントが青っぽい海軍塗装ですし、今見たとしても、いくらデッドストックでも、多分あんまり欲しいとは思わないですね。手に入れられなかった負け惜しみではないですよ。何かこう、全く誰の手にも渡らなかったモノには、歴史の重みといいますか、何らかの魅力に欠けているように思います。
コウイチさま 今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by Sgt. SaundersSgt. Saunders at 2022年11月30日 19:39
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。