2021年11月14日
US 通信兵TE-33 キット(CS-34 パウチ, TL-13-A プライヤー, TL-29 ナイフ)
みなさん、こんにちは。
当地大阪は紅葉はまだ「色づき始め」といったところです。朝晩はグッと冷え込んでまいりました。今朝の最低気温は8.3℃でした。お天気はまずまずです。
新型コロナ感染者数がググーッと少なくなりましたが第6波が来ないかヒヤヒヤしております。
岸田第2次内閣はどう動いていくのか注目しながら今回お送りするのは「寄り道コレクション」から米陸軍通信兵科装備品を持ってきました。近時入手した「TE-33キット」です。
↓この画像にあるモノ全部をまとめて「TE-33ツール・キット」です。以下順に見ていきますが、内訳はツールを納める革製のCS-34 パウチ(CS-34 Pouch)、TL-13-A プライヤー(TL-13-A Pliers)とTL-29 ナイフ(TL-29 Knife)の3点です。

↓まずはCS-34パウチから。本来は陸軍伝統のラセット・ブラウン色の革製です。本個体はかなり使い込まれた所為で所々が黒っぽく見えます。蓋フラップの刻印が見やすいようにパウチ上部を右に、下部を左にしてます。「POUCH TYPE CS-34」、「SIGNAL CORPS U.S.ARMY」と刻まれています。パウチそのものの名称とプロパティ表示の刻印であり、どこにもキット全体を示す「TE-33」の語はありません。

↓下部のLift-the-Dotです。真鍮製の黒染めで、かなり剥げています。「Lift-the-Dot」との刻印はUnited Carr社製である印です。磨耗なのか刻印が浅くなっています。

↓上部のLift-the-Dotです。下部のモノと同じUnited Carr社製です。こちらは刻印がクッキリしています。

↓フラップを開けました。

↓Lift-the-Dotの裏側のクリンチプレートは上下のどちらもフルフラットです。プレート自体がやや凸型で補強のための「モモンガ」型押しがあるパターンではありません。4か所に四角型の補強型押しのパターンです。

↓上側のLift-the-Dotのクリンチプレートには上述の製造者名「UNITED CARR」と、その所在「BOSTON, MASS.」(マサチューセッツ州ボストン」の表記が刻まれています。革と真鍮が接するところに発生しやすい緑青は革製装備品の保管上常に悩みの種です。除去を雑にやってしまうとこんな風になってしまいます。

↓収納部に戻ります。上のポケットにTL-29ナイフを、下のポケットにTL-13-Aプライヤーの頭を納めて、脱落しないようフラップで2品まとめて覆ってしまう作りです。プライヤーの握把の間にナイフがコンパクトに納まります。それぞれのポケットにLift-the-Dotの雄スタッドが付いてます。

↓ツールを取り出しました。各ポケットのすぐ上に2つあるリベットはパウチ背面に設えられたベルト・ループの固定留具です。

↓革の柔軟性は保たれています。

↓背面にはベルトに通すためのベルト・ループがあります。

↓本体・フラップと同じ仕様の革でループが作られてます。ピストル・ベルトが余裕で通ります。このCS-34はWW2末期には素材がコットン・ダックになり、ダブル・フック・ワイヤ・ハンガーを備えた改良型モデルCS-35が誕生し、徐々に代替されていきます。

↓白い塗料でのステンシル。「228 RK 19」?ちょっと判然としません。恐らく部隊名を指すのだと思います。

↓ステンシルだけでなく、ナイフか何かで書いた文字がありました。「FRANK GROARK」と持ち主の名前かと思われる表記と、その下に「NYGN」?読めません。出身地でしょうか。

↓TL-13-Aプライヤーです。前モデルのTL-13からは先をやや細く改良されたモデルです。門外漢なので詳しくは分かりませんが、ただ、同じTL-13(TL-13-A)と言えどもメーカーによって細かい部分で形状が若干違っているようです。

↓製造者「Diamond Calk Horseshoe Company」のブランド名「DIAMALLOY」、型式名「TL-13-A」、製造者所在「DULUTH USA」の表記。Diamond Calk Horseshoe Companyはミネソタ州ダルースに1908年設立された蹄鉄メーカーで1920年代からはモータリゼーションに沿って工具の製造を始めた老舗だそうで、同社の「SL56 6インチ ラインズマンプライヤー」がこのTL-13と同型の製品です。1981年にTriangle Corporationに譲渡されたあと更にCooper Toolsに譲渡され、1994年には廃業したそうです(Wikipediaより)。

↓反対側です。刃部の反対側の切り欠きの形状はメーカーによってまちまちです。

↓TL-29ナイフです。過去記事「TL-29ポケット・ナイフ」で既にご覧いただいたモノのグリップが木製(紫檀)であったのに対して、この個体のグリップはベークライト製です。

↓「TL-29」と型押しされています。

↓メインのナイフ・ブレードと、先端がマイナス・ドライバーになっていて刃も付いている「スクリュー・ドライバー・ブレード」を有しています。作りの詳細については是非過去記事をご参照下さい。

↓メイン・ブレードの基部の刻印(タン・スタンプ)に製造者「CAMILLUS」、所在地「NEW YORK」と…

↓その下に更に「USA」とありました。見落とすところでした。CAMILLUS社も長く米軍へ刃物関連の納入を続けておりました。前回記事の「US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)」のポケット・ナイフの製造もおこなっていました。

以上でございます。
TL-29ナイフは新たに入手する必要は無かったのですが、TE-33ツール・キットとして手ごろな価格でしたのでまとめて入手してしまいました。通信兵装備全般を蒐めようという気は無いのですが、何かかっこよくてつい手を出してしまいました。TE-33として3点まとめての出品は中々少なく、またTL-13プライヤー単体での出品もそうそう無いこともあるためでもあります。でもこうなるとCS-35も欲しくなってきました。この辺が寄り道コレクションの怖いところです。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後お会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。
当地大阪は紅葉はまだ「色づき始め」といったところです。朝晩はグッと冷え込んでまいりました。今朝の最低気温は8.3℃でした。お天気はまずまずです。
新型コロナ感染者数がググーッと少なくなりましたが第6波が来ないかヒヤヒヤしております。
岸田第2次内閣はどう動いていくのか注目しながら今回お送りするのは「寄り道コレクション」から米陸軍通信兵科装備品を持ってきました。近時入手した「TE-33キット」です。
↓この画像にあるモノ全部をまとめて「TE-33ツール・キット」です。以下順に見ていきますが、内訳はツールを納める革製のCS-34 パウチ(CS-34 Pouch)、TL-13-A プライヤー(TL-13-A Pliers)とTL-29 ナイフ(TL-29 Knife)の3点です。

↓まずはCS-34パウチから。本来は陸軍伝統のラセット・ブラウン色の革製です。本個体はかなり使い込まれた所為で所々が黒っぽく見えます。蓋フラップの刻印が見やすいようにパウチ上部を右に、下部を左にしてます。「POUCH TYPE CS-34」、「SIGNAL CORPS U.S.ARMY」と刻まれています。パウチそのものの名称とプロパティ表示の刻印であり、どこにもキット全体を示す「TE-33」の語はありません。

↓下部のLift-the-Dotです。真鍮製の黒染めで、かなり剥げています。「Lift-the-Dot」との刻印はUnited Carr社製である印です。磨耗なのか刻印が浅くなっています。

↓上部のLift-the-Dotです。下部のモノと同じUnited Carr社製です。こちらは刻印がクッキリしています。

↓フラップを開けました。

↓Lift-the-Dotの裏側のクリンチプレートは上下のどちらもフルフラットです。プレート自体がやや凸型で補強のための「モモンガ」型押しがあるパターンではありません。4か所に四角型の補強型押しのパターンです。

↓上側のLift-the-Dotのクリンチプレートには上述の製造者名「UNITED CARR」と、その所在「BOSTON, MASS.」(マサチューセッツ州ボストン」の表記が刻まれています。革と真鍮が接するところに発生しやすい緑青は革製装備品の保管上常に悩みの種です。除去を雑にやってしまうとこんな風になってしまいます。

↓収納部に戻ります。上のポケットにTL-29ナイフを、下のポケットにTL-13-Aプライヤーの頭を納めて、脱落しないようフラップで2品まとめて覆ってしまう作りです。プライヤーの握把の間にナイフがコンパクトに納まります。それぞれのポケットにLift-the-Dotの雄スタッドが付いてます。

↓ツールを取り出しました。各ポケットのすぐ上に2つあるリベットはパウチ背面に設えられたベルト・ループの固定留具です。

↓革の柔軟性は保たれています。

↓背面にはベルトに通すためのベルト・ループがあります。

↓本体・フラップと同じ仕様の革でループが作られてます。ピストル・ベルトが余裕で通ります。このCS-34はWW2末期には素材がコットン・ダックになり、ダブル・フック・ワイヤ・ハンガーを備えた改良型モデルCS-35が誕生し、徐々に代替されていきます。

↓白い塗料でのステンシル。「228 RK 19」?ちょっと判然としません。恐らく部隊名を指すのだと思います。

↓ステンシルだけでなく、ナイフか何かで書いた文字がありました。「FRANK GROARK」と持ち主の名前かと思われる表記と、その下に「NYGN」?読めません。出身地でしょうか。

↓TL-13-Aプライヤーです。前モデルのTL-13からは先をやや細く改良されたモデルです。門外漢なので詳しくは分かりませんが、ただ、同じTL-13(TL-13-A)と言えどもメーカーによって細かい部分で形状が若干違っているようです。

↓製造者「Diamond Calk Horseshoe Company」のブランド名「DIAMALLOY」、型式名「TL-13-A」、製造者所在「DULUTH USA」の表記。Diamond Calk Horseshoe Companyはミネソタ州ダルースに1908年設立された蹄鉄メーカーで1920年代からはモータリゼーションに沿って工具の製造を始めた老舗だそうで、同社の「SL56 6インチ ラインズマンプライヤー」がこのTL-13と同型の製品です。1981年にTriangle Corporationに譲渡されたあと更にCooper Toolsに譲渡され、1994年には廃業したそうです(Wikipediaより)。

↓反対側です。刃部の反対側の切り欠きの形状はメーカーによってまちまちです。

↓TL-29ナイフです。過去記事「TL-29ポケット・ナイフ」で既にご覧いただいたモノのグリップが木製(紫檀)であったのに対して、この個体のグリップはベークライト製です。

↓「TL-29」と型押しされています。

↓メインのナイフ・ブレードと、先端がマイナス・ドライバーになっていて刃も付いている「スクリュー・ドライバー・ブレード」を有しています。作りの詳細については是非過去記事をご参照下さい。

↓メイン・ブレードの基部の刻印(タン・スタンプ)に製造者「CAMILLUS」、所在地「NEW YORK」と…

↓その下に更に「USA」とありました。見落とすところでした。CAMILLUS社も長く米軍へ刃物関連の納入を続けておりました。前回記事の「US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)」のポケット・ナイフの製造もおこなっていました。

以上でございます。
TL-29ナイフは新たに入手する必要は無かったのですが、TE-33ツール・キットとして手ごろな価格でしたのでまとめて入手してしまいました。通信兵装備全般を蒐めようという気は無いのですが、何かかっこよくてつい手を出してしまいました。TE-33として3点まとめての出品は中々少なく、またTL-13プライヤー単体での出品もそうそう無いこともあるためでもあります。でもこうなるとCS-35も欲しくなってきました。この辺が寄り道コレクションの怖いところです。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後お会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。
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