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2015年10月25日

US M7 グレネード・ランチャー(US M7 Grenade launcher)

こんにちは。
本当に秋のいい季節を満喫できるお天気が続いております大阪からお送りしています。
本日は「第5回大阪マラソン2015」が大阪市内で開催されています。私も過去ボランティアで給水コーナーや沿道整理のお手伝いをやったことがありますが、走ったことはありません。ランナーの皆さん、頑張って下さいね。

さて今回の投稿ネタはWW2中に制式採用されたライフル・グレネード・ランチャー(本当は『ローンチャー』)のひとつ、M1小銃(ガーランド)用の「M7 グレネード・ランチャー」です。日本語では「擲弾発射器」となります。
M1小銃が制式化される前のM1903小銃(スプリングフィールド)やM1917小銃(エンフィールド)にはそれぞれM1、M2グレネード・ランチャーが開発・制式化されていました。それらの小銃がM1小銃に更改制式されたのに伴いこのM7グレネード・ランチャーが生まれました。とはいえ、M1小銃が制式化されたのは1936年であったものの、全軍で完全に置換されるのはもっと後の1942年以降で、それまでの間はM1小銃用のグレネード・ランチャーはありませんでした。

↓まずご覧下さい。M7グレネード・ランチャーを使ってのM11A1練習用対戦車ライフル・グレネードの発射訓練写真です。

グレネードがランチャーに被さっててランチャー本体がほとんど見えてませんね。グレネード本体にぐるぐる巻き付けられて射手前方へと繋がっているロープはグレネード回収時に手繰り寄せるためのモノです。

↓向きが左右逆ですが、このようになっています。ごちゃごちゃした背景には目をお瞑り下さい...。


↓細かく見て行きます。全景です。表面はパーカライジング処理されています。


↓グレネードを挿す部分。先端から1cm程のところに巻きつけられているコイル・スプリングは、グレネードが装着された時に適度なテンションを与えて、グレネードが抜け落ちないよう保持するためのモノです。「6」から「2」の数字が付された線は、グレネード発射の際の飛距離等に応じて、グレネードをどの数字に合わせて装着するかを示す線です。「1」の字がありませんが、右端の線が「1」になります。過去記事「M15グレネード・ランチャー・サイト」をご参照ください。


↓例えば、上記のM15グレネード・ランチャー・サイト付属の射程表で「3」と指示されたらこのように「3」の位置にグレネードを装着します。


↓銃への取り付け側。M1小銃(ガーランド)への装着は、バイヨネット・ラグとガス・シリンダー・プラグの穴を使います。


↓M1小銃の銃口をランチャー本体へ入れようとすると必然的にガス・シリンダー・プラグの穴にランチャーのスタッドが入ります。


↓このように嵌め込んで...、


↓装着できました。


↓バイヨネット・ラグへは、切り欠きを合わせて嵌め込み、前方へ抜けないように、スイングするロックを上げて固定します。


↓位置関係はこんな感じです。


↑バイヨネット・ラグへの固定ロックが完全に上がりきっていないのは、このハドソン製のM1小銃モデルガンの部品精度が少々低いからです。ほんの0.2mm程ですけど。

↓銃口取り付け側から覗きました。この中をグレネード発射専用カートリッジ(M3 発射カートリッジ)で発生させたガスが通ってグレネードを押し出します。


↓射出側。特にコメントはありません。


↓底面の刻印。上段の「KM」はKnapp & Monarch社の意。Knapp & Monarch社は他にもメス・キットなどの金属製品を製造していました。民生用のジャグやアイロン、洗濯機など家庭用・業務用の電気製品メーカーとしても有名ですね。

2段目「M-7 LAUNCHER」、3段目「M1 RIFLE」。
他にもFay & Scott社やH.S.M.Co.(Hawley Smith Machine Company)社など数社が製造していました。


いかがでしたでしょうか?
今回見てきましたM7や過去記事のM8グレネード・ランチャーの入手は、海外のミリタリーショップからの個人輸入で行いました。もう彼此17、8年も前になります。今でしたら多分恐らく銃砲刀剣類所持等取締法により輸入許可証が無いと通関してもらえないと思いますが、当時はすぅ~っと配達されてきました。
過去記事でも記しましたが、20年ほど前に同じくすぅ~っと入手できたM15グレネード・ランチャー・サイトを最近(と言っても4、5年前)再び輸入しようとしたら「武器の部分品だ」ということで、通してくれませんでした。照準器がダメだったら発射器はもっとダメだろうなぁと思います。ただの金属筒なんですけどね。

それでは、また次回お会いしましょう! さようなら~。



  

Posted by Sgt. Saunders at 11:09Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms

2015年10月12日

U.S. Browning Automatic Rifle, Cal. .30, Model of 1918

こんにちは。

当地大阪は、朝晩かなりヒンヤリするようになりました。とてもいい気候になってまいりました。
サバゲでもWW2ETO装備を無理なくできる環境が出来てきました。ジャングル・ファティーグやHBTユティリティとはサヨナラです。
隔週日曜日の正午に投稿完了を目指しております当ブログ、身辺に色々ありまして今回大きく遅れての新記事投稿となりました。

さて今回はWW1でアメリカ軍に採用され、その後もWW2からヴェトナム戦期まで使用された数種のBAR、ブローニング・オートマティック・ライフルのうちの一つ、Model of 1918(以下M1918と表記)BARの不稼働(無可動)実銃を採り上げます。

と、ブチ上げておいてこの画像の手前側(画像下側)のモノは、「M1919A2やないか~い」と先に自分でツッ込んでおきますね。
M1918は画像奥(上)です。しかも純粋なM1918ではなく、「M1918改M1918A2」です。追い追いご説明していきます。

手前のM1918A2はVFC製の電動ガンです。もう何年も前に世に出た製品ですが、再現度は素晴らしく高く、性能も良いです。(最近ではARROW DYNAMICというメーカーから製品化されてますね。現物を手にした事は無いのですが、外見はVFCに軍配が上がりそうな印象を受けました。)この電動ガンと実銃を逐一対比させながら見て行こうかと思ってましたが、今回は要所だけ対比していきます。

とはいえ、この2つの銃、外見はバレルに握把(キャリング・ハンドル)があるか無いかぐらいしか違わないように見えます。
無理もありません。上のM1918改M1918A2は後の1940年に改良採用されたM1918A2に用いられた折畳式二脚が後付けで装着されています。これが「M1918改M1918A2」とした所以です。

↓これはWikipediaから抜粋。

一番上のモノが今回採り上げますM1918改M1918A2の元になるM1918です。M1918オリジナルには二脚はありませんでした。フラッシュ・ハイダーを取り外し、M1918A2のフラッシュ・ハイダーと二脚を取り付けて「M1918A2化」したのが今回のM1918改M1918A2です。


↑手前へ寄せました。M1918に二脚が取り付けられ「M1918A2化」されています。また、大戦末期になってM1918A2に追加装備されたキャリング・ハンドルも付けられています。


↑レシーバー上面のマーキング。製造者はMarlin-Lockwell Corporation。Winchesterが最初に25,000挺の契約を交わし、1918年中にフル稼働に達した後、Colt社と共にMarlin-Rockwell社も生産を始めました。メーカー・マーキングのすぐ左には米軍の兵器部(Ordnance Corps)
のプルーフ・マーク。バレル基部・チェインバー部上面にも小さいプルーフ・マークとその左に兵器部の兵科章マーク。


↑レシーバー左側面。M1918A2とはマガジン・ガイドがまだ無い事、リア・サイトが異なる事(M1917エンフィールド小銃とほとんど同じモノ)が分かります。セミ・フル切り替え可能で、フル・オート時の発射サイクルは550発/分でした。


↑M1917エンフィールド小銃のモノとほとんど同じリア・サイト。1,600ヤード(1,462m)までの目盛りが切られています。ウィンデージ調整は出来ません。


↑タンジェント・サイトを起こして600ヤードに合わせてみましたの図。


↑タンジェント・サイトを寝かせると100ヤード固定のピープ・サイトが起きます。


↑バレル先端部上面。フロント・サイトに近い方から順に、「M」は製造者Marlin-RockwellのM、続いて兵器部兵科章たるフレイミング・ボム、「10 18」は1918年10月製造の意。


↑フロント・サイト・ガード。ドローイング・ナンバー「5564177」。「BRI」が何なのか?恐らく製造者を表わすものだと思いますが、今回調べましたが分かりませんでした。


↑二脚(バイポッド)を開いた状態。畳んだ状態から90度開いてグラつかないように臍(ほぞ)をはめて蝶ネジで留めるというシンプルで合理的な構造ですが、蝶ネジをかなりしっかり留めないと臍が外れます。


↑二脚の足はスキッド・タイプ。M1918A1にはスパイク・タイプの足を持つ二脚が装備されてました。先にも書きましたが、M1918には元来二脚は標準装備にはなっておらず、二脚が当初から標準装備となっているM1918A2が1940年に制式採用された折、同じ二脚を古いM1918にも着けてやれとして着けてもらったのが今回のM1918改M1918A2です。


↑二脚の片方を最大限伸ばしてみました。段階式で無く、蝶ネジで任意の長さに調節できます。レンズのせいでバレルが曲がって見えますね。


↑バレル先端の二脚取り付け部周りをばらしました。右端に見えるバレルにフロントサイト・ガードを入れ、左端にほんの少し見えているフラッシュ・ハイダー兼バイポッド・カラーをバイポッド・ベースのまん丸穴に通してバレルへネジ留めします。バイポッド・ベースはバイポッド・カラーの周りを360度ぐるぐる自由に回ります。


↑手で持っているのがフラッシュ・ハイダー兼バイポッド・カラー。二脚の無い、オリジナルのM1918のフラッシュハイダーはもっと細身です。
↓これがそれです。


↑銃と一緒に撮影するのを忘れてましたので急遽今オリジナルのM1918のフラッシュハイダーだけ撮影しました。上は手前が前方、下は手前がバレル先端取り付け側(雌ネジが少し見えています)です。長さは9.7cmほど。レンズのせいでテーパーが掛かっていてラッパ型のように見えますが、円筒形です。


↑バレル先端を覗いて見ても・・・無残にも鉄材が熔かし込まれてしまっていて、ライフリングの痕跡は見えません。


↑レシーバー右側面。エジェクション・ポート(排夾孔)からボルトとボルト・ロックが見えます。


↑ボルトにプルーフマークがあるのが分かります。


↑マガジン挿入口から覗くとボルト下面が見えます。レシーバーにしっかり熔接されています。


↑バレル下部のガス・シリンダー先端のシリンダー・ロックでガス圧の調整が出来ます。


↑元来M1918には無かったキャリング・ハンドル。後に制式化されたM1918A2においても当初は標準装備ではありませんでした。M1918A2のバット・ストック(銃床)が木製からベークライトへ変わったあと大戦末期に銃の携行の便に供するためキャリング・ハンドルが取り付けられるようになり、前モデルたるM1918にも同じように取り付けられました。


↑バット・ストックはウォルナット材製。M1918A2と違って、モノポッド用のネジ穴はありません。スリング・スウィベルだけがあります。


↑バット・プレート。M1918A2のようなショルダー・レスト(肩乗せ板)はありません。


↑バット・プレートの円い扉を開けるとオイラーなどを収める空間があります。奥にはバット・ストックを銃に固定するためのバット・ストック・ボルトがあります。


↑電動ガンのM1918A2(上)とM1918改M1918A2(下)。フォアアーム(前部握把)の長さがM1918A2では短くされました。箱型マガジンには30-06弾が20発入ります。下のM1918のマガジンはWWⅡ時代のモノでパーカライズ仕上げですが、もうかなり剥げてきています。銃の表面仕上げは、M1918はブルー仕上げ、M1918A2はパーカライズ仕上げでした。因みに上の電動ガンにキャリング・ハンドルが付いていませんが、私が取り外したのであって、購入時にはちゃんとセットになってました。


以上駆け足ですが縷々見て参りました。「BAR」と言えば過去記事「M1937 BAR用マガジン・ベルト(BELT, MAGAZINE FOR B A R, M-1937)」「BARのマガジン(The magazine for BAR M1918)」でも触れましたが、TV映画「COMBAT!」のカービー一等兵がまず最初に頭に浮かびます。長くて重くて取扱いが大変だけど頼りがいのある「相棒」という感じが良く再現されていましたね。実際兵士たちの多くがこの銃に対して「大いなる信頼」、「畏敬の念」を持っていたことが色んな戦記等で明らかになっています。
手にすると、やはりズッシリとくる重みが凄みを伴って畏怖の念を持たせます。

WWⅡUS装備ファンの身としましては、M1カービン、トンプソン、M1ガーランドと入手してくると、次はBARを、となるところ、このM1918を入手した十数年前はまだBARはトイガン化されておらず、オークションで比較的廉価で出ていたこの不稼働(無可動)実銃を落札・購入したのでした。今ならもっと廉価で十分鑑賞にも耐えうるトイガンが出ていますね。サバゲでも一時はWWⅡUS勢はトンプソンだらけということがありましたが、M1ガーランド、M1カービン、そしてBARも出揃い、「COMBAT!」も容易に再現出来て良いですねぇ。

それでは、また・・・。





本記事上のデータはBruce N. Canfield氏著「U.S. INFANTRY WEAPONS OF THE FIRST WORLD WAR」(Andrew Mowbray Inc.出版)から引用しました。  

Posted by Sgt. Saunders at 08:04Comments(0)米軍(U.S.)Fire arms