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2021年11月28日

US M6バイオネット(U.S. M6 Bayonet-Knife)

みなさん、こんにちは。紅葉が色付きはじめて暫く経ちまして、当地の周辺でも南か北か・高いか低いかで「色付き始め」から「落葉近し」までバリエーション豊富な紅葉スポットが存在しますが、先週にまだ一回しか見物に行っておりません。投稿完了後どこかに行こうかと思います。

さて高気圧が広がって快晴の大阪某郊外から今回お届けするのは米軍が1957年に制式採用したM14口径7.62mmライフル(United States Rifle, Caliber 7.62 mm, M14)用の銃剣「M6バイヨネット(M6 Bayonet-Knife)」です。制式名称は「バイオネット-ナイフ」なんだそうで、バイオネットでもありナイフでもあるということでしょう。
私は外来語として「バイオネット」と言うよりも実は「銃剣」と言う方が好きなのですが、普段「グレネード・ローンチャー」と言っておいて「榴弾発射器」とはあまり言わない事に対比させると、やはり「バイオネット」と言うべきか…まぁそんなことはどうでもいい事ですね。済みません。

↓はい、M8A1スキャバードに収まったM6バイオネットです。


↓抜きました。みなさんお気付きでしょうが、銃砲刀剣類所持等取締法により、哀れにも刀身長が15cmに収まるように先端が切断されています。大昔は放出品のバイオネットを買うと、この切断された先っちょも一緒に付けてくれてました。セロテープでくっ付けてますが、見る度に悲しい気持ちになります。またこの個体の刀身部分は何か黒い塗料で塗られていて折角のパーカライジング仕上げが隠れてしまってます。これも悲しい事です。変に剥がすともっと見栄えが悪くなるかもと、「塗料剥がし剤」などは使ってません。どうしたらいいでしょう。


↓お尻(ポンメル)です。刀身のタン(tang:なかご)の延長部分がポンメルを突き出たところをカシメて固定してあります。これはM4バイオネット、M5バイオネットやM7バイオネットと同じです。上側の凸型の切り欠き部分(アンダーカット・グルーブ)にM14ライフルのバイオネット・ラグを挿し込んで装着します。


↓グリップの下にあるボタン状に加工されているラッチング・ロック・リリース・レバー先端を押して銃とのロッキングを開放します。仕組みはM1ガーランド小銃用のM1905やその子供のM1、孫のM5(M5A1)などと同じです。


↓グリップを上から。プラスティック製のグリップは左右分割のモナカ式パーツです。右の方に先程見たバイオネット・ラグを通すアンダーカット・グルーブがあります。


↓M14ライフルのバイオネット・ラグを…


↓アンダーカット・グルーブに噛み合わせて…


↓サプレッサー先端がクロス・ガード(鍔)のバレル・ホールに通るように真っ直ぐ最後まで押し込むとロックされます。


↓パーツを分解しました。


というところで投稿時刻になってしまいました。申し訳ありません。ちょっと準備が間に合いませんでした。
投稿を丸々来週に遅らせるよりは、一応「隔週日曜日の正午に新規記事投稿」という自己ルールを守ることに致します。厳密に言えば「守っている」のか疑念がありますが。
この続きは次回お送りしますので、どうかお許し下さい。それでは今回はこの辺で一旦失礼いたします。







  

2021年11月14日

US 通信兵TE-33 キット(CS-34 パウチ, TL-13-A プライヤー, TL-29 ナイフ)

みなさん、こんにちは。
当地大阪は紅葉はまだ「色づき始め」といったところです。朝晩はグッと冷え込んでまいりました。今朝の最低気温は8.3℃でした。お天気はまずまずです。

新型コロナ感染者数がググーッと少なくなりましたが第6波が来ないかヒヤヒヤしております。
岸田第2次内閣はどう動いていくのか注目しながら今回お送りするのは「寄り道コレクション」から米陸軍通信兵科装備品を持ってきました。近時入手した「TE-33キット」です。

↓この画像にあるモノ全部をまとめて「TE-33ツール・キット」です。以下順に見ていきますが、内訳はツールを納める革製のCS-34 パウチ(CS-34 Pouch)、TL-13-A プライヤー(TL-13-A Pliers)とTL-29 ナイフ(TL-29 Knife)の3点です。


↓まずはCS-34パウチから。本来は陸軍伝統のラセット・ブラウン色の革製です。本個体はかなり使い込まれた所為で所々が黒っぽく見えます。蓋フラップの刻印が見やすいようにパウチ上部を右に、下部を左にしてます。「POUCH TYPE CS-34」、「SIGNAL CORPS U.S.ARMY」と刻まれています。パウチそのものの名称とプロパティ表示の刻印であり、どこにもキット全体を示す「TE-33」の語はありません。


↓下部のLift-the-Dotです。真鍮製の黒染めで、かなり剥げています。「Lift-the-Dot」との刻印はUnited Carr社製である印です。磨耗なのか刻印が浅くなっています。


↓上部のLift-the-Dotです。下部のモノと同じUnited Carr社製です。こちらは刻印がクッキリしています。


↓フラップを開けました。


↓Lift-the-Dotの裏側のクリンチプレートは上下のどちらもフルフラットです。プレート自体がやや凸型で補強のための「モモンガ」型押しがあるパターンではありません。4か所に四角型の補強型押しのパターンです。


↓上側のLift-the-Dotのクリンチプレートには上述の製造者名「UNITED CARR」と、その所在「BOSTON, MASS.」(マサチューセッツ州ボストン」の表記が刻まれています。革と真鍮が接するところに発生しやすい緑青は革製装備品の保管上常に悩みの種です。除去を雑にやってしまうとこんな風になってしまいます。


↓収納部に戻ります。上のポケットにTL-29ナイフを、下のポケットにTL-13-Aプライヤーの頭を納めて、脱落しないようフラップで2品まとめて覆ってしまう作りです。プライヤーの握把の間にナイフがコンパクトに納まります。それぞれのポケットにLift-the-Dotの雄スタッドが付いてます。


↓ツールを取り出しました。各ポケットのすぐ上に2つあるリベットはパウチ背面に設えられたベルト・ループの固定留具です。


↓革の柔軟性は保たれています。


↓背面にはベルトに通すためのベルト・ループがあります。


↓本体・フラップと同じ仕様の革でループが作られてます。ピストル・ベルトが余裕で通ります。このCS-34はWW2末期には素材がコットン・ダックになり、ダブル・フック・ワイヤ・ハンガーを備えた改良型モデルCS-35が誕生し、徐々に代替されていきます。


↓白い塗料でのステンシル。「228 RK 19」?ちょっと判然としません。恐らく部隊名を指すのだと思います。


↓ステンシルだけでなく、ナイフか何かで書いた文字がありました。「FRANK GROARK」と持ち主の名前かと思われる表記と、その下に「NYGN」?読めません。出身地でしょうか。


↓TL-13-Aプライヤーです。前モデルのTL-13からは先をやや細く改良されたモデルです。門外漢なので詳しくは分かりませんが、ただ、同じTL-13(TL-13-A)と言えどもメーカーによって細かい部分で形状が若干違っているようです。


↓製造者「Diamond Calk Horseshoe Company」のブランド名「DIAMALLOY」、型式名「TL-13-A」、製造者所在「DULUTH USA」の表記。Diamond Calk Horseshoe Companyはミネソタ州ダルースに1908年設立された蹄鉄メーカーで1920年代からはモータリゼーションに沿って工具の製造を始めた老舗だそうで、同社の「SL56 6インチ ラインズマンプライヤー」がこのTL-13と同型の製品です。1981年にTriangle Corporationに譲渡されたあと更にCooper Toolsに譲渡され、1994年には廃業したそうです(Wikipediaより)。


↓反対側です。刃部の反対側の切り欠きの形状はメーカーによってまちまちです。


↓TL-29ナイフです。過去記事「TL-29ポケット・ナイフ」で既にご覧いただいたモノのグリップが木製(紫檀)であったのに対して、この個体のグリップはベークライト製です。


↓「TL-29」と型押しされています。


↓メインのナイフ・ブレードと、先端がマイナス・ドライバーになっていて刃も付いている「スクリュー・ドライバー・ブレード」を有しています。作りの詳細については是非過去記事をご参照下さい。


↓メイン・ブレードの基部の刻印(タン・スタンプ)に製造者「CAMILLUS」、所在地「NEW YORK」と…


↓その下に更に「USA」とありました。見落とすところでした。CAMILLUS社も長く米軍へ刃物関連の納入を続けておりました。前回記事の「US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)」のポケット・ナイフの製造もおこなっていました。



以上でございます。
TL-29ナイフは新たに入手する必要は無かったのですが、TE-33ツール・キットとして手ごろな価格でしたのでまとめて入手してしまいました。通信兵装備全般を蒐めようという気は無いのですが、何かかっこよくてつい手を出してしまいました。TE-33として3点まとめての出品は中々少なく、またTL-13プライヤー単体での出品もそうそう無いこともあるためでもあります。でもこうなるとCS-35も欲しくなってきました。この辺が寄り道コレクションの怖いところです。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後お会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。




  

Posted by Sgt. Saunders at 12:07Comments(0)米軍(U.S.)Special Tools