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2021年10月31日

US GI ポケット・ナイフ その2(US General Purpose Pocket Knife Vol.2)

みなさん、こんにちは。
本日は衆議院議員選挙投票日でございます。もうお済ませですか?候補者の美辞麗句に惑わされず、またこれまでの自公政権での国政をしっかり吟味した上で、私もこのあと投票に参ります。
当地大阪は薄い雲が若干出ておりますが、まずまずのお天気です。投票率が激減する要因となるようなお天気にならず良かったです。ハロウィーンでもありますね。

今回の記事は、まだ投稿からそれほど時間が経っておりません前々々回の過去記事「US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)」(←クリックで別ウィンドウが開きます)でご覧いただいたUS GI ポケット・ナイフの「別個体」を今般新たに入手しまして、そのお披露目のようなものです。
その過去記事を上げて間もなく、ある雑誌(Web版ですが)の広告に、まさにその記事の中で「今後もし入手できる機会があれば」と申しておりましたモノが載っておりまして、価格もソコソコの線でしたのですぐに購入するに至ったのでした。

↓US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)のWW2から1957年辺りまでの製造の「KINGSTON」社製モデルです。


↓上記前々々回記事でも触れました、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードに引っ張り出し用のスタッド(凸ポッチ)が付いているタイプです。


↓画像上が前々々回記事でご覧いただきました「最終型」モデル、画像下が今回入手したモノです(以下同じ)。スタッド(凸ポッチ)の有無が一目瞭然です。


↓何回も済みません。前々々回の記事でも触れていますが、下のモデルではブレードの回転軸から爪掛け部分までの距離が短か過ぎて、テコの原理上爪を引っ掛けて引き出すのには物凄い力が必要なので、爪でなく指先が掛かる大きさの凸ポッチがすぐ横に設えられました。上のモデルでは、若干ですが爪掛けの位置が回転軸から少しだけ遠くなるように変更されたので、何とか爪で引き起こせます。


↓縦方向にローレットが入っています。


↓はい、勿論この位置まで180°開きますし、この位置でロック・スプリングによりロックが掛かります。


↓反対側です。画像上の「最終形」モデルでは、最も手前に備わっているリーマー・ブレード自体が細く、折り畳んだ状態では完全にサイド・プレートに爪掛け部分が埋もれてしまうため、爪掛けが露出するようサイド・プレートが孤状に切り欠かれてあります。対して下のモデルではリーマー・ブレード自体が太く、折り畳んだ状態でも爪掛けが十分露出しているのでサイド・プレートを切り欠く必要はありません。


↓リーマー・ブレードを起こしました。上の「最終型」は峰が直線なのに対して下のモデルでは峰が膨らんでいます。膨らんでいる分サイド・プレートからはみ出しているという事です。


↓リーマー・ブレードの先端は、上の最終型がフラットな面が出るように削がれて尖っていますが、下のモデルでは彫刻刀の丸刀のように円弧形を保ったままで尖っています。


↓反対側はどちらのモデルも程度の差はあれど、ポテッと膨らんでいます。


↓カン・オープナーは、下のモデルの方が若干大きく見えますがレンズの所為です。ほとんど同じ大きさ・形です。上の最終型モデルには折り畳んだ状態でも何のブレードであるかが分かるように「CAN OPENER」と刻まれていますが、下のモノにはありません。最終型モデルだけでなく、ほとんどのモノにはこの表記がありまして、表記が無いのを見たのは私コレが初めてです。


↓このように上のモデルでは文字が見えて分かりやすいですが、下のモデルでは表記がなく、初めて見る人はドライバー/ボトル・オープナー・ブレードなのか、カン・オープナー・ブレードなのか迷うかもしれません。


↓上のモデルではサイド・プレート、ライナー、スプリングの全てがステンレスですが、下のWW2~朝鮮戦争頃のモデルの中にはライナーに真鍮が用いられているモノがありました。


↓シャックルの大きさ(長さ)が若干違います。もっと細かく申しますと造作も少し違います。その造作とは関係ありませんが下のものはU字型がかなりイビツに変形してますね。


↓今回入手したモノにはシャックルに製造者「KINGSTON」の文字が刻まれています。もうかなり磨耗で薄く見え辛くなっています。その文字の右側を見て行くとシャックルの取り付けピンの手前に「>」形にモールドされているのがお分かりいただけると思います。最終型のモノにはこんな意匠めいたものは無く、アルミの細丸棒を曲げて、止めピン部分が平たくされているだけです。


↓各ブレードの備え付け・設え具合を見ますと、上の最終型と下の今回入手分とは全く同じ配置ですが、例えばカン・オープナー・ブレードとドライバー/ボトル・オープナー・ブレードとが入れ違ってる等々、ブレードの配置が異なる幾つかのパターンが実際には存在します。


↓内部を覗きます。比較的キレイな状態で入手できました。スプリングが破断していてロックテンションが掛からなくなってしまっているモノも市場には多く見られます。あんまり価格が安い場合はその辺りを疑ってみる必要があります。


↓メイン・ブレードを比べてみました。上の最終型のブレードの根本のスタンプ(タン・スタンプ)は製造者「CAMILLUS」と製造年の文字がありますが、今回入手のモノにはタン・スタンプがありません。そういう仕様なら仕方がないですけれど、ちょっと寂しいです。

上の最終型モデルはもうカレコレ20年以上前に新品でサープラス・ショップ(確かアメリカのBrigade Quartermaster)から購って手入れをしながら実用していましたのでキレイですが、下の今回入手のモノは厳しい戦禍をくぐってきたためか、傷み・錆が出てます。今後普通にポケット・ナイフとして手入れしながら使い続けた方が、油紙に包んで保存する…までしないとしても、箱に納めて持っているより逆に長生きしそうです。

↓今回入手のポケット・ナイフは、冒頭にも記しましたがサブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていた、コレクター・研究家として著名なHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。First-Class Package International Service(Small Packet)(日本に入ったら「国際eパケットライト」)で$17.25。比較的安い金額でありますし、追跡番号付きなので、荷物がどこに居るのかが分かります。通関に4日も要して13日掛けて日本にやって来ました。X線透過検査だけでは済まなかったのか、税関検査でしっかり開封されていました。


↓フフッと笑わせてくれたのがこの包装材。ヴェトナム戦時のM16系20連マガジン保護EVAバッグ(←クリックで過去記事が開きます)に包まれてきました。コレも氏のHP上で売りに出しておられるのに、です。500枚入り未開封1カートンで$45。1枚あたりにすると9円程ですが、所詮「消耗品」の感覚なのでしょうかね。まあ元来が消耗品ですけれども。


↓バッグに入れて、くるんで、段ボールで更にくるんで送付して頂きました。



以上でございます。
今回入手のポケット・ナイフは、冒頭でも触れましたように、サブスクライブしているMilitary TraderのOctober, 2021 issueに掲載されていたHayes Otoupalik氏の広告で見つけたモノです。久し振りにクレジットカードの番号・有効期限等の情報を相手に直接伝えての買い物をしました。
著名なコレクターであり研究家であるOtoupalik氏相手であるからこそこんな方法を使いましたが、オンライン決済が今や常識であるところ、氏も仰っておられますように、PayPalのポリシーとして「銃器・武器関係の取引には使えない」というのがありまして、已む無く前時代的な決済方法を取る事となった次第です。
でもまぁ振り返ると、私が個人輸入を始めた30年前はキャッシュカードの情報を注文用紙に付記して普通にエアメールで送って決済していましたねぇ。アメリカは早くからカード社会・信用社会でしたから、VISAやMASTERが業者に決済許諾を与えるに当たっては厳重な信用調査を尽くしていますので、業者がカード情報を悪用して…というケースは少なかったんでしょう。そういえば今では注文書にクレカ情報を書いて送る、なんていう通信販売(この言葉も最早懐かしいです)なんて見かけませんね。隔世の感があります。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。衆議院議員選挙、どうなりますでしょうか。
ご機嫌宜しゅう。さようなら。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:01Comments(0)Individual Tools

2021年09月19日

US GI ポケット・ナイフ(US General Purpose Pocket Knife)

みなさん、こんにちは。
この季節には珍しく台風が西日本を西から横断し、和歌山での竜巻被害などそこそこの爪痕を残して関東の南の沖へ抜けて行きました。
自民党の総裁選挙が喧伝されてますが、どんな結果になるのでしょうか。私にはどの顔ぶれを見ても「……。」という感じです。

さて、まだ日中の最高気温は30℃前後をウロウロしております当地大阪から世界中へ発信いたします今回のネタは、米軍がWW2中の1943年にその調達・採用を始めたユティリティ・ポケット・ナイフ、をその始祖として若干の「進化」を遂げた後のユティリティ・ポケット・ナイフです。追い追いその辺にも触れて参ります。今回もモノが小さいのでフローリングの表面加工が一部剥げてきたリビングルーム・スタジオで撮影しています。

↓はい、「最終形態」のポケット・ナイフです。全ステンレス・スティール製で、熱湯にドボンと入れての滅菌が出来るようになってます。シャックルがアルミ合金製であるほかは全ステンレス製です。WW2中の始祖以来全金属製であるのは同じです。初期製造品の一部にはライナーが真鍮製であったモノもありました。


↓折り畳んだ状態で全長約9.5cmで、4つのブレードがあります。シャックルも付いていて便利です。私がこのナイフを入手したのは、WW2以来のGIの手にあったナイフ(から殆ど変わりのない現用モデル)というミリタリー・コレクションとしての観点と、実際キャンプなどで役に立つだろうなという観点の両方からの理由でした。いわゆるビクトリノックスに代表される「〇〇徳ナイフ」ほど多くのブレードが無くても、基本のブレードが4つ揃っているこのナイフは、実に頼りになります。武骨な感じが実にイイです。


↓ここでebayからの画像引用です。ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードを引っ張り出す際、他のブレードを引っ張り出す際と同じく、ブレードの背にある爪掛けを使うのは基本的仕様ではあったものの、このドライバー/ボトル・オープナーのブレードだけは、ブレードの回転軸から爪掛け部分までの距離が短か過ぎて、テコの原理上爪を引っ掛けて引き出すのには物凄い力が必要で、「爪じゃ引き起こせんわ!爪が剥がれるわ!」という意見があったのか知りませんが、爪でなく指先が掛かる大きさの凸ポッチがすぐ横に設えられてました。上の画像のモノにはありませんね。この凸ポッチは、私の狭いリサーチによれば1973年頃には無くなりました。その代わり爪掛けの位置が回転軸から少しだけ遠くなるように変更され(上の画像と比べるとお分かりいただけます)、何とか爪や指先で引き起こせるようになりました。


↓反対側です。こちら側の中央上端は、リーマー・ブレードの爪掛け部分が露出するようにカットされています。この切り欠きが無い時代のモノは、リーマー・ブレード自体の幅が大きくて爪掛け部分がサイド・プレートからはみ出していたので、このような切り欠きはありません。


↓上から。4つのブレードが隙間なく互い違いに上手く収まっています。画像上からリーマー・ブレード、ナイフ・ブレード、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレード、缶オープナー・ブレードの順です。


↓下面です。上からサイド・プレート、ライナー、スプリング、ライナー、スプリング、ライナー、サイド・プレートです。


↓左のサイド・プレートがややたわんでますが、本来は真っ直ぐです。


↓各ブレードを全・半開させました。WW2の出始めからしばらくのモデルは、この画像の缶オープナーの位置にドライバー/ボトル・オープナー・ブレードが、ドライバー/ボトル・オープナー・ブレードの位置に缶オープナー・ブレードが付いてました。つまり両者が入れ違ってました。


↓反対から。リーマー・ブレードだけがこちら側から爪を掛けて引き出すようになってます。


↓ナイフ・ブレードのブレード長は約6cmです。


↓ナイフ・ブレードの基部のタン・スタンプ。刃物製造会社として有名な「CAMILLUS」の1988年製です。因みにWW2の当初はUlster社とImperial社の合弁事業体であるKingston社が製造しておりまして、1949年にその発展形としてCAMILLUS社が自社の製品Model 1760を、新たなスペック「MIL-K-818」に適合させて開発しました。この時に前述の缶オープナーとドライバー/ボトル・オープナー・ブレードの位置変更がなされました。

更に因みに1876年創業のCAMILLUS社はこの種の小型ナイフや軍用刀剣を創業以来製造していましたが、2007年に経営破綻し、ACME UNITED CORPORATION社が「CAMILLUS」ブランドを買い取り、以降「CAMILLUS」の名前で2009年から製品製造を続けています。なお、前述のKingston社製のポケット・ナイフの在庫が沢山あったせいか、朝鮮戦争で再び需要が起こる1957年になるまでは、新たな製造は無かったんだそうです。

↓缶オープナーです。今の世の中缶詰はプルトップになってるモノが多くて、「缶切り」など不要かも知れませんが、まだ缶切りが必要な缶詰は多いですし、使用後の缶を細工してほかのモノに転用する際には缶切りがあった方が便利です。因みにこの缶オープナー・ブレードを起こすのにも結構爪が厳しいです。気合が必要です。こっちには凸ポッチが付いていたという歴史はありません。


↓左のまっすぐ伸ばしているのがドライバー/ボトル・オープナー・ブレードです。このドライバーは銃器のマイナス・ネジを外したいなと思ったとき等に便利です。ボトル・オープナーもペットボトル全盛の今ではあまり出番が無いでしょうか。でも瓶ビールは今でも王冠が使われていますし、まだまだ出番はあります。私が子供の頃はジュースの容器はガラス瓶か缶でした。ファンタやコカ・コーラ、ペプシ・コーラ、ミリンダ、カルピスの瓶などで、蓋は全部王冠でしたなぁ。


↓リーマー・ブレードです。私にとってはこのブレードが唯一、も一つあんまり出番のないブレードです。突き刺して孔を開け、グリグリ大きく拡げることが出来ます。私は手指の爪の甘皮処理に重宝してます。



以上定刻に合わせようと必死で綴ってまいりました(結局約1時間ほど遅刻しましたけど)。
私が入手したのは大昔もう30年くらいも前です。その頃は日本国内でもミリタリーショップで普通に3,000円位で売ってたような。
少しでも安く買おうとアメリカのミリタリー通販会社「US Cavalry」で、確か10ドル台で買ったような気がします。コレクションとしてではなくキャンプ用の実用品としてでした。冒頭でも述べましたが、コレクションとしてならばWW2中製造モノを求めていましたが、なかなか出物は無かったです。
今回ネットで見ましたらUS$300越え!なんていう事になっています。また現在ebayで「1960年Camillus製、1981年再パッケージの未使用品」がUS$297.50で「Buy-It-Now」出品されています。
私としてはそこそこ程度の良いWW2モノや凸ポッチ付きの1960年代製のモノを狙っています。今後手に入れられたらまたご覧いただければなと思います。

今回の記事を書くのにネットでサープラス品(未使用品)として売られているのを見つけようとしましたが、とうとう見つけられませんでした。ebayなどで見たモノの中で一番新しいモノは「2007年Camillus製」でした。ちょうど経営破綻した年のモノです。
なお、現在はNSN番号5110-00-162-2205「KNIFE, Pocket」として管理されているようです。色んなメーカーがそのスペックに従って製造販売されているケースが散見されますが、ブレードにウジャウジャ書かれてあったりしてて、欲しいなとは思いませんでした。値段もUS$60もします。やはり官給(GI)のビンテージモノの方に魅力を感じます。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。またお会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。



  

Posted by Sgt. Saunders at 12:56Comments(0)Bayonets, KnivesIndividual Tools

2020年02月02日

TL-29 ポケット・ナイフ(Knife, Type TL-29)

みなさん、こんにちは。
中国発?の新型コロナウィルスによる肺炎への注意も必要ですが、「桜を見る会」についての質疑応答における安倍首相の頓珍漢答弁が埋もれてしまわないよう注意しましょう。

さて、新年が明けてもう1カ月過ぎました。早いですねぇ。一年の8.3%が終わってしまいました。時間は大切にしないといけませんねぇ。
そんな思いを新たにしながらも、定刻を1週間過ぎてお送りする今回のネタは通信隊向けに採用されたTL-29ポケット・ナイフ(Knife, Type TL-29)です。

私、WWIIUS陸軍歩兵科一般歩兵装備品をコレクションのメインにしておりますので、このTL-29ポケット・ナイフはコレクション必須というわけではないのですが、”Tool, Linesman”という「専門職」、「スペシャリスト」の道具!というところの、ある種のカッコよさへの憧れもあり、いつか手に入れられる機会があれば欲しいなとは思っておりました。
ただ、私が入手した個体は紐などを通しておけるシャックルを失っています...。TL-29のモデルとなった民間用モデル(後で出て来ますがSCHRADE CUTLERY COMPANYのモデルNo.2042SDなど)には初めからシャックルの無いモノもありますが。
WW I 時代からあるSignal Corps(通信隊)用のポケットナイフに姿がよく似ていて混同しやすいですが、こちらの方がサイズが少し大きいです。 

↓TL-29です。ボルスターはスチール製、ライナーはブラス。ローズウッド(紫檀)製のハンドルに「TL-29」と刻印されています。本来は刻まれた部分は金色に着色されますが、使用・経年によりすっかり消えています。また、刻印ではなく、1942年8月までは「TL-29」と刻まれた小さいシールド型の金属製銘板が埋め込まれていました。その後WWII末期には既に合成樹脂製のハンドルのモノが出現していたそうですが、実は私、まだ未確認です。


↓TL-29の仕様書の青写真です。各部の寸法などが詳細に書かれているほか、左下に1919年5月1日付の「ISSUE A」から1942年8月5日付の「ISSUE D」まで、歴代の仕様変更が記されています。


↓現用のポケット・ナイフを並べてみました。ほぼ同じ大きさです。現用のポケット・ナイフにはキリや缶切りや栓抜き機能も備えられていて、野山でキャンプする時などこれがあればとても便利です。TL-29はナイフとマイナスドライバーと電気コードの被膜剥きだけなので、キャンプするのにはややもの足りません。要求される仕様が違うので当然ですが。


↓反対側。特記無し...です。


↓刃を引っ張り出す側です。手前(画像では下側)がスクリュー・ドライバー&ワイヤー被膜剥き・ブレード(以下「スクリュー・ドライバー・ブレード」とします)、向こう側(上側)がナイフ・ブレードです。


↓「底面」です。ブレードのスチールと、ライナーとサイド・プレートの銀色・金色のツートーンが綺麗です。製造者や製造時期により各部材の材質が異なることがあり、すべてスチール製というモノもあります。


↓ナイフ・ブレードを出しました。写りが悪くギラついていて見にくいですが、ブレード基部にはメーカー名などの刻印(tang stampと言います)があります。あとで見ます。


↓スクリュー・ドライバー・ブレードも半分起こしました。こちらのブレード基部にも刻印があります。


↓向きが逆になってすみません。両方フルに開きました。上側のスクリュー・ドライバー・ブレードを開いた時、真ん中に見えている真鍮製のロック・ライナーが、もともとブレードの方向にテンションが掛けられているバネになっておりますので、その先端がブレードの根元に嵌まり込み、ブレードを開いた状態でロックします。不意にブレードを閉じる方向に力が加わっても閉じません。閉じる時はロック・ライナー先端を指で手前側に押し戻してロックを解除した上でブレードを戻します。ナイフ・ブレードには刀身を開いた状態にしておく通常のロックが、スクリュー・ドライバー・ブレードと同様にありますが、閉じるために解除しないといけないロックはありません。


↓左の開いているのははナイフ・ブレード。右が閉じた状態のスクリュー・ドライバー・ブレード。真ん中の真鍮製のロック・ライナーは真っ直ぐです。


↓右のスクリュー・ドライバー・ブレードを開くと、右方向へ弾性力のテンションが掛かっている真ん中のロック・ライナーが右へ動いてスクリュー・ドライバー・ブレードの根本の切り欠きにハマっているのが分かります。この状態ではブレードを閉じようとしてもロック・ライナー先端が突っ掛かって邪魔して閉じれません。


↓閉じるにはこの様にロック・ライナー先端を左方向へ押し戻してロックを解除してブレードを閉じます。


↓スクリュー・ドライバー・ブレードのタン・スタンプ。「SCHRADE CUT. CO. WALDEN N.Y.」はニューヨーク州ウォルデンのSCHRADE CUTLERY COMPANYの意。1904年創業でポケット・ナイフ、ペン・ナイフの分野での老舗です。もちろんTL-29は他にもUlster、PAL、Utica、Camillus等名だたる刃物メーカーによって製造されました。


↓ナイフ・ブレードのタン・スタンプ。スクリュー・ドライバー・ブレードのタン・スタンプと全く同じです。


↓スクリュー・ドライバー・ブレードを全開にしました。


↓スクリュー・ドライバー・ブレードにも刃が付いています。


↓ナイフ・ブレードです。少し磨いてあげましょうかね。




eBayや海外のショップでは程度の差により価格はピンキリで、高いモノは何でだか分かりませんがUS$300超えもあればUS$15というのもあり、なかなか品定めが難しいです。WWII後のヴェトナム戦頃以降のモノであれば比較的廉価で出ています。
プラスチック製のハンドルが付いた「レプリカ」は国内で2,000円程も出せば十分質のいいモノが購入できます。
ただ機能面ではナイフとマイナスドライバーと電気コードの被膜剥きだけなので、実用性を考えればわざわざレプリカを買おうとは思わないです。上の画像でTL-29との比較として出ていました全金属製の4ブレードのポケット・ナイフの方が断然実用性が高いからです。

あとWWIIUSモノで同じようなポケット・ナイフと言えばパラトルーパー用のスイッチ・ナイフ「M-2 Parachutist Pocket Knife」を思い浮かべますが、こちらはその希少性からそりゃもう高価でとても財政が許しません。まあパラトルーパー装備のコンプリート計画はとうの昔に断念しましたので食指が動くことは無かろうかと思います。

今回画像の大きさを大きくしてみました。いかがでしょうか。スマホ版だと変わらないようです。変え方が分かりません…。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。さようなら。





  

Posted by Sgt. Saunders at 11:57Comments(0)Individual Tools

2018年04月15日

US VN戦バンダナ/ネッカチーフ(OG-109 Knitted cotton man's neckerchief)

皆さんこんにちは。

当地大阪ではお花見シーズンは例年より早く到来し、さっさと終わってしまいました。一般的な桜の開花シーズンからは例年と同様1週間ほど遅れて始まる造幣局の通り抜けも、今年は始まる時にはもうかなり咲きほころんでおりました。17日火曜日まで、平日は午前10時から午後9時まで、 土曜日・日曜日は午前9時から午後9時までやってます。

さて、今回ご覧いただきますのはヴェトナム戦争では名称本来のネッカチーフとしてよりもむしろバンダナとして使われた印象の方が強い「OG-109 コットン・ネッカチーフ(Neckerchief, Man's, Cotton, Knitted, OG-109)」です。

↓この画像はeBayからの引用です。制式名称は「ネッカチーフ」ですが、首に巻いてる写真よりもこの画像のようにバンダナとして利用されている例が多い気がします。


↓U.S. Navyのアーカイブから。1968年10月。Navy SEALsメンバーが頭に巻いています。SEALsとしては一般的なタイガーストライプに身を包み、ドラム・マガジンを装着したストーナー63を携えています。今回いろいろ画像を見てみましたが、陸軍や海兵隊よりもこのようなSEALs等の特殊部隊が頭に巻いて利用している例が多いようです。


↓現物です。折ってあるのを拡げました。真ん中に置いているのはポケット・ナイフです。大きさは36インチ×24インチ(約91cm×61cm)。


↓大きいので普段はこのように8つ折りにして保管しています。縁はしっかりロックされています。


↓スタンプです。

曰く、
NECKERCHIEF, MAN'S, CTN., KNITTED
OG-109 36" LONG, 24" WIDE
DSA-100-69-C-0918
8440-935-6374(←FSNです)
色はOG(Olive Green) shade #109で、ファティーグに用いられた107よりも緑味がやや強い(深い)印象です。1969年度契約分です。

↓生地の拡大です。ネッカチーフとして柔軟性が求められますので、ガーゼのハンカチ位の生地・手触りになってます。コットン100%なので吸水性は優れていますし、ガーゼ状なので干せば比較的乾きやすいです。


↓もう一つ参考画像です。生地の下に光が反射するようにポケット・ナイフと手鏡を置いて撮影しました。生地の薄さ・質感がお分かりいただけますでしょうか?薄手のTシャツよりも更に薄い感じです。



以上見て参りました。
近時オークションでも良く出品されていますが、値段はピンキリで、9ドル前後から、高いモノでは20ドル超えも見られます。
基本的に現存量は多くありそうに思われますので、「サープラスモノ」と言うことが出来、「一枚20ドルは如何なものか」と思います。
ヴェトナムモノの中にはもちろん希少品はありますが、今回採り上げましたようなサープラスの域を超えてないモノは、まだまだ探しようによっては比較的廉価で入手できる余地がありますので、ネットでこまめに調べるのがいいですね。

それでは今回はこの辺で失礼します。





  

Posted by Sgt. Saunders at 12:24Comments(0)Individual Tools