2021年08月01日
U.S.ステンレス・スティール・カップ(U.S. Stainless steel Cup)
みなさん、こんにちは。
温暖な気候(JOC曰く)が続いております。定刻を1時間過ぎてしまいました。済みません。
選手の頑張りを称える事と、感染拡大防止の為にオリンピックを中止すべきでは?という考えを表明する事は、何ら矛盾していません。巷間「中止を叫んでたメディアが手のひらを返して競技結果の報道をしている」との何ともチンプンカンプンな事を言う人がありますが、何を言ってるんでしょうかねぇ。同じ手のひらの上で言い得ることです。温暖な気候で頭がおかしくなったんでしょうか。
東京では1日の感染者数が4,000人を超えました。わが大阪の吉村知事は「『このまま行けば(大阪の)医療も間違いなく逼迫する』との認識を示している」んだそうで、まるで他人事のような物言いになっています。
さて今回はいつもより少しあっさりとお届けします。
WW2中に米軍が貴重なアルミ合金の節約のために水筒やカップ、ユテンシル類の新たな材料開発をおこなった結果、ステンレス鋼を材料として製造が始められましたが、今回その中から「カップ」を採り上げます。
↓ステンレス・スティール・カップ(Cup, stainless steel)(ストックナンバー:74-C-317-25)です。かなり程度の良いモノです。カップ本体は表面処理により薄く被膜が出来ていて、いわゆるツヤはありません。

↓「ステンレス・スティール・カップ」ですが、折り畳み式のハンドル(取っ手)は普通の炭素鋼に亜鉛メッキです。

↓ハンドルを展開したこの形ですと、カップの底面に加えハンドルの末端とで大きな三点支持となり、安定して平面に置くことが出来ます。

↓ハンドルに打たれたプロパティ表示、製造者名、製造年の刻印。製造者名はFoley Manufacturing Company、1945年製造。Foley社は食器関係のメーカーとして有名です。

↓カップの縁は玉縁仕上げ(bead)です。アルミ・カップの場合のロール仕上げとは異なります。

↓ハンドルを折り畳んだ状態。スライディング・ロックが下端に落ちています。ハンドルを使う際はこのスライディング・ロックの左右両側の円い爪をハンドル・ヒンジ上端左右両側の四角い爪の向こうに嵌めてハンドルを固定します。

↓折り畳んだ状態の反対側です。ハンドルに穿ってある細長い孔。水平の方の孔(画像では下部)は、カップの中身を温めようと火にかけた時に、ハンドルも熱く熱されて、ハンドルを直に持つと火傷してしまうのを避けるため、ここにフォークの先を通し入れて、フォークを持って火傷せずに火から下ろせるように穿かれた、という事らしいですが、実際やってみるとかなりブラブラしてちょっと危なっかしいです。ハンドルの先(画像では上部)の縦の孔は、ミート・カンやユテンシルと同じく、熱湯等にくぐらせて丸洗い洗浄する際にメス・キットのハンドルなどを通すためのものです。

↓最後に最近(もうやがて半年ほどは経ちますか)手に入れたQuartermasters Corps(需品部)の公式製図面です。と言っても、実は右下の記載の通り、正しくは1950年10月30日付のドローイングです。すぐ上に「1943年8月7日版付図面の9月18日付改訂1の更新」との記載があります。なお、その上のタイトルが「CUP, CANTEEN, CORROSION-RESISTING STEEL(カップ、キャンティーン、耐食鋼)」と、「ステンレス」という語ではなく「CORROSIN-RESISTING(耐食)」となっていることに注意です。

↓この1943年8月版Quartermasters Supply Catalogでも「ステンレス(stainless)」だったのが...

↓1946年5月版Quartermasters Supply Catalogでは「耐食(Corrosion-resistant)」という語に変わっています。ストックナンバーはどちらの版でも同じ「74-C-317-25」です。先ほどの図面上では、これまた微妙に異なる「Corrosion-resisting」と表記しており、意味は同じなのに語が変わっているのは何故なのでしょうか。

以上見て参りました。
ステンレス・スティール・カップは、WW2中製造分もWW2以降製造分も現在では出物は割と多いと思われますが、まとまった数が出るのは少ないでしょうか。ハンドルがワイヤー製になっていく1970年頃までは製造され続けた筈なので、流通量は多いと思うのですが。
カップ単品で売られるよりも、水筒本体とセット、或いはカバーもろともセットで売られることも多いようです。
本個体はもう10年程も前にアメリカのebayで他の商品と併せて購入したモノで、確かUS$10.00程度だったと思います。WW2中モノなら今でしたら国内で2,000円位は必要でしょうか。実例をあまり見ないので分かりません。ヴェトナム戦頃製造分ならもうちょっと手に入れやすいかも知れません。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。
温暖な気候(JOC曰く)が続いております。定刻を1時間過ぎてしまいました。済みません。
選手の頑張りを称える事と、感染拡大防止の為にオリンピックを中止すべきでは?という考えを表明する事は、何ら矛盾していません。巷間「中止を叫んでたメディアが手のひらを返して競技結果の報道をしている」との何ともチンプンカンプンな事を言う人がありますが、何を言ってるんでしょうかねぇ。同じ手のひらの上で言い得ることです。温暖な気候で頭がおかしくなったんでしょうか。
東京では1日の感染者数が4,000人を超えました。わが大阪の吉村知事は「『このまま行けば(大阪の)医療も間違いなく逼迫する』との認識を示している」んだそうで、まるで他人事のような物言いになっています。
さて今回はいつもより少しあっさりとお届けします。
WW2中に米軍が貴重なアルミ合金の節約のために水筒やカップ、ユテンシル類の新たな材料開発をおこなった結果、ステンレス鋼を材料として製造が始められましたが、今回その中から「カップ」を採り上げます。
↓ステンレス・スティール・カップ(Cup, stainless steel)(ストックナンバー:74-C-317-25)です。かなり程度の良いモノです。カップ本体は表面処理により薄く被膜が出来ていて、いわゆるツヤはありません。

↓「ステンレス・スティール・カップ」ですが、折り畳み式のハンドル(取っ手)は普通の炭素鋼に亜鉛メッキです。

↓ハンドルを展開したこの形ですと、カップの底面に加えハンドルの末端とで大きな三点支持となり、安定して平面に置くことが出来ます。

↓ハンドルに打たれたプロパティ表示、製造者名、製造年の刻印。製造者名はFoley Manufacturing Company、1945年製造。Foley社は食器関係のメーカーとして有名です。

↓カップの縁は玉縁仕上げ(bead)です。アルミ・カップの場合のロール仕上げとは異なります。

↓ハンドルを折り畳んだ状態。スライディング・ロックが下端に落ちています。ハンドルを使う際はこのスライディング・ロックの左右両側の円い爪をハンドル・ヒンジ上端左右両側の四角い爪の向こうに嵌めてハンドルを固定します。

↓折り畳んだ状態の反対側です。ハンドルに穿ってある細長い孔。水平の方の孔(画像では下部)は、カップの中身を温めようと火にかけた時に、ハンドルも熱く熱されて、ハンドルを直に持つと火傷してしまうのを避けるため、ここにフォークの先を通し入れて、フォークを持って火傷せずに火から下ろせるように穿かれた、という事らしいですが、実際やってみるとかなりブラブラしてちょっと危なっかしいです。ハンドルの先(画像では上部)の縦の孔は、ミート・カンやユテンシルと同じく、熱湯等にくぐらせて丸洗い洗浄する際にメス・キットのハンドルなどを通すためのものです。

↓最後に最近(もうやがて半年ほどは経ちますか)手に入れたQuartermasters Corps(需品部)の公式製図面です。と言っても、実は右下の記載の通り、正しくは1950年10月30日付のドローイングです。すぐ上に「1943年8月7日版付図面の9月18日付改訂1の更新」との記載があります。なお、その上のタイトルが「CUP, CANTEEN, CORROSION-RESISTING STEEL(カップ、キャンティーン、耐食鋼)」と、「ステンレス」という語ではなく「CORROSIN-RESISTING(耐食)」となっていることに注意です。

↓この1943年8月版Quartermasters Supply Catalogでも「ステンレス(stainless)」だったのが...

↓1946年5月版Quartermasters Supply Catalogでは「耐食(Corrosion-resistant)」という語に変わっています。ストックナンバーはどちらの版でも同じ「74-C-317-25」です。先ほどの図面上では、これまた微妙に異なる「Corrosion-resisting」と表記しており、意味は同じなのに語が変わっているのは何故なのでしょうか。

以上見て参りました。
ステンレス・スティール・カップは、WW2中製造分もWW2以降製造分も現在では出物は割と多いと思われますが、まとまった数が出るのは少ないでしょうか。ハンドルがワイヤー製になっていく1970年頃までは製造され続けた筈なので、流通量は多いと思うのですが。
カップ単品で売られるよりも、水筒本体とセット、或いはカバーもろともセットで売られることも多いようです。
本個体はもう10年程も前にアメリカのebayで他の商品と併せて購入したモノで、確かUS$10.00程度だったと思います。WW2中モノなら今でしたら国内で2,000円位は必要でしょうか。実例をあまり見ないので分かりません。ヴェトナム戦頃製造分ならもうちょっと手に入れやすいかも知れません。
それでは今回はこの辺で失礼いたします。また2週間後にお会いしましょう。ご機嫌宜しゅう。
タグ :キャンティーン・カップカップCup stainless steelステンレスカップキャンティーンカップStainless cupCorrosion-resisting cipキャンティーン水筒
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