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2020年10月18日

U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

晩秋の候、みなさま方におかれましては愈々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
私儀仕事上での環境変化がありまして、当ブログの更新・新規投稿が出来ませんでした。
今般やっと落ち着きを取り戻しまして約4週間振りにお送りいたします。

今回のネタは何にしようかなと例によってヒントをもらおうと、困った時の故川越のりと先生頼みの「コンバット・マガジン 巻末イラスト・ポスター」シリーズを見ておりましたら、このポスターの中に「あれ?」と感じるところがありまして…↓
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓「あらあら、独立したキャプションも無くイラストだけで可哀想に」と目に付いたこのアイテム。ライト・ウェイト・サービス・マスクの「一部」になってしまっています。もちろんこのアイテムはガス・マスクと共にあらねばその存在意義が無いのですけれども。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓WW2時に使用されたM1ガスマスク防水キット(M1 Gas mask Waterproofing Kit)です。いや、正しくはキットの収納ケースです。防水キットといえども、ガスマスクの表面を防水加工するという訳ではなく、ガスマスクの機能的中枢である吸気缶への水の侵入を防ぐための粘着テープと粘着シート、および面体と吸気缶とをつなぐ波形ホースを面体からすぐの所で閉塞するためのクランプを一式とするキットということです。左がカーキ版、右がOD版です。あとで見て行きますが中身は同じです。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓通常はガスマスク・バッグの中に入れて携行するものなので、ケース自体にはそれほどの堅牢性・耐久性は必要ありません。例えばM1カービン用マガジン・パウチのフラップに使われているダックよりももっと薄手のコットン・ダックで出来ています。裏側には特に何の表記もありません。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓では先ずカーキ版の方から見て行きます。縦100mm横130mmほどのエンベロープ(封筒)です。マチは取られていません。「KIT, GAS MASK, WATERPROOFING, M1」のスタンプがあります。WW2時の装備品としては珍しく留め具はスナップ・ボタンになっています。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓フラップにはプロパティ表示の「US」と化学戦部(Chemical Warfare Service)の兵科章のスタンプ。このベンゼン環とレトルト器の組み合わさった化学戦部の兵科章のデザインは私の好きな米軍兵科章のうちの一つです。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓スナップ・ボタンですが、ごっついモノでなく小さい可愛いタイプです。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓スナップのオス部品の裏側です。「UNITED CARR」社製でした。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓フラップを開きました。フラップの縁の折り返し部分の処理は、布地は裁ちっ放しで縫製も最小限です。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓フラップ内側のスタンプ。「LOT N-4-1812-4」はロット番号でしょう。「CMC」は恐らくメーカー名だと思います。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓もう一方のOD版です。縫製・造りについてはカーキ版と全く同じです。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓メーカー違いによる差でしょうけれども、カーキ版よりもやや小さくて奥ゆかしい「KIT, GAS MASK, WATERPROOFING, M1」のスタンプ。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓フラップにプロパティ表示の「US」と化学戦部(Chemical Warfare Service)の兵科章のスタンプがあるのもカーキ版と同じです。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓フラップ内側のスタンプ。上に「LR.G.C.」と、恐らくメーカー名だと思います。カーキ版の「CMC」も併せて今回少しネットを調べましたが、どこのどんな会社か判明しておりません。下の「LOT C-CWS 431-3」はロット番号でしょうか。「CWS」はChemical Warfare Service(化学戦部)の略でしょうかね。こちらのスナップ・ボタンのメーカーもUNITED CARR社製でした。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓では中身を見て行きます。左に今見て来た収納ケース。画像右側に上から黒染めワイヤー製のクランプ2つ、絆創膏テープ、透明フィルムで密封された使用説明書付きアセテート繊維粘着シート。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓使用説明書付きアセテート繊維粘着シートが両側2か所で黄色く変色したセロハンテープで纏められています」。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓透明フィルムを破って取り出しました。使用説明書に曰く「ガスマスク吸気器を防水化する方法」として、「幅1/2インチ(12.7mm)の絆創膏テープで全ての継ぎ目をカバーする。繋ぎ目は1/2インチ重ねること。布から粘着シートを剥がし、吸気弁を粘着シートの真ん中で覆って縁を押さえる。」「面体の下、ホースの3つ目の波型部分にクランプを噛ませてロックする。」「裏を見よ。」
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓「裏を見よ」とありますので、セロハンテープを切って開いてみます。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓このように説明などが印刷されたボール紙2枚の間に粘着シートが10枚程?挟み込まれています。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓さっきの使用説明書が表紙だとしたら、その表紙裏には「濡れた後のマスクのケア」があります。曰く、「面体の水気を切り、吸気器を上にしてマスクを吊るして乾燥させる。クランプを外してキットへ戻す。吸気弁から粘着シートを外して捨てる。マスクが乾いたらキャリアへ戻す。注意!常に吸気器やホース管に水が入らないようにすること。使用不能となるまで継ぎ目から絆創膏テープを剥がさないこと。」
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)
継ぎ目のテープは貼ったままにするんですね。

↓「裏表紙」の裏には何も書かれていませんが…
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓裏表紙には彼の「SCOTCH」ブランド製であると分かる表記。「スコッチ アセテート繊維テープ」、「『SCOTCH』はミネソタ州セント・ポール6、ミネソタ鉱工業会社によるアメリカ製粘着テープのトレードマークです。」、「テープが裂けないよう、テープをライナーからまっすぐ引き下げて、ライナーからゆっくりと剥がす。」。下部にはパテントの表示が沢山あります。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓使用説明書にあった「幅1/2インチの絆創膏テープ」と「クランプ」です。説明書ではクランプは1個しか使っていませんでしたが、何故かキットには2個入っていました。カーキ版を入手した時もOD版を入手した時もクランプは2個でしたし、冒頭に掲げました故川越のりと先生のポスターのイラストでも2個描かれていますので、デフォルトで2個、1個は「予備」だったのでしょうか。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓コレ自体が「絆創膏テープ」ではありません。茶色のパラフィン紙?と白く見える蝋で防水化されているボール紙製の円いケースの中にテープが入っています。ケースを振ると、中でコロコロとテープが動きます。ケースを開けてテープを取り出そうかどうか迷いましたが、開けませんでした。開けてみたい気持ちはありますが。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓クランプです。黒に染められたワイヤー製です。2ピース構造です。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓このロック部分を...
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓ウンッと横へずらしてロック状態を解除して…
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓このようにフリーに出来まして
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓白い紙片をホースだと思ってくださいね。ホースをこのようにクランプに噛ませて…
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)

↓ホースを閉塞させてロックし、面体側からの吸気器への水の侵入を防ぎます。
U.S. M1ガスマスク防水キット(Kit, Gas mask, Waterproofing, M1)


ウィキペディアによれば、WW2中は戦場ではガス攻撃は無かったそうですが、結果として「無かった」のであり、当時の兵士は常に相手方がガス攻撃をして来ないか、その場合には防御をどうするかについてまさに戦々恐々、必死の思いだったに違いありません。ですから上陸作戦・降下作戦等では必ずガスマスクを装備していました。

と、ここまで書いて、そう言えばガスマスク本体についてまだ記事にしていないことに気付きました。吸気器と面体とを繋ぐホースの無い、面体と吸気器が直結している「M1A1 トレーニング・ガス・マスク(U.S. M1A1 Training Gas Mask)」は過去に記事にしていますが、ホースのあるガスマスクはまだ記事にしていないですね。
次の記事のネタにしましょうかね。どこにあるか探して埃を掃って綺麗に拭いて写真を撮って…。ま、近いうちにやります。

今回はこの辺で失礼いたします。次回はいつ投稿できるか。一応隔週の日曜日正午を投稿定刻と自主目標にしておりますが、諸事情により変更しますのでどうぞご容赦ください。それではまたお会いしましょう。







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Posted by Sgt. Saunders at 12:11│Comments(0)米軍(U.S.)Gas mask
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