2013年09月08日
短くなるのは良いこと。(Bayonet, M1 - It's good to be shortened.)
M1ライフル(ガーランド)が正式採用されたのは1936年ですが、その生産ペースは遅く、WWⅡ開戦時ほとんどの部隊ではM1903ライフル(スプリングフィールド)が主力小銃となっていました。
M1903ライフル用として採用されていたM1905バイヨネット(銃剣)とM3スキャバード(鞘)ですが、M1ライフルが正式採用されてもそのままその銃剣・鞘として使われました。
M1903ライフルが採用されたWWⅠ当時とWWⅡとではその用兵・戦術は大きく変わり、M1905バイヨネットのその16インチ(約40.6cm)に及ぶ刀身長はメリットをデメリットが上回ることとなり(重い、座った時につっかえて不快、長すぎて扱いにくい、等)、試しに刀身を10インチ(25.4cm)にしてM1905E1として試作してみるとその評判がよく、1943年3月にM1バイヨネットとして制式化されました。
これにより使用中及び在庫のM1905バイヨネットは廃棄されたわけではなく、試作されたM1905E1と同じ長さになるように刀身を先端から6インチのところで切断し、切先の形状を整えて、実質的にM1バイヨネットと同様のものとして使われました(「M1905改M1バイヨネット」といったところ)。
初めから10インチのM1バイヨネットか、M1905バイヨネットの先端を6インチだけカットして出来た「M1905改M1バイヨネット」かを見分ける方法は簡単。刀身に走っているフュラー(ブラッド・グルーブ(血溝)とも)が刀身先端の手前(先端から7㎝位)で終わっていれば生粋のM1、刀身先端まで走っていれば「「M1905改M1」です。長いM1905の刀身を途中でカットするのですからフュラーもそこまで走っているのは当然ですね。
また、切先の整形も2通りあり、切先の先端が峰にあり、日本刀のように峰から刃へ向かって「片刃」形状になっているものと(海外ではknife pointとかchisel(のみ、たがね)pointとかbeak(くちばし)pointなどと呼ばれています)、もう一つは生粋のM1バイヨネット同様に切先の先端が刀身中央にあって切先が「両刃」のようになっているもの(海外ではspear(鑓) pointと呼ばれています)がありました。
一方同時にスキャバード(鞘)も、銃剣の長さに合わせたM7スキャバード(当初はM3A1が制式名でありましたが混乱を避けるため程無く改称)が制式化されましたが、こちらもバイヨネットと同じく、使用中及び在庫のM3スキャバードも全長を6インチ短くして使ってやらねば勿体ないと、マウスピース部分から鞘本体を一旦分離させ、上から6インチで切断し、もう一度マウスピースに差し込んで固定して、これまた実質的にM7(「M3改M7」と言うべきところ)と同様のものとして使われました。
1865
↑上からM1905バイヨネット&M3スキャバード、
M7(M3A1)スキャバード、
「M3改M7」スキャバード。
長さの差は6インチ(約15.2cm)。
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↑上の画像のものの裏返し。
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↑左からM3、「M3改M7」、生粋のM7の各スキャバード。
1868
↑上の画像の拡大。真ん中の「M3改M7」スキャバードのマウスピース部の左右の下端部分が、隣にあるM3あるいは生粋のM7スキャバードのそれらと違うのがお分かりになりますか?
1869
↑上の画像のさらに拡大。左がM3、右が「M3改M7」。
左のM3は、鞘本体の切り欠き部分にマウスピースの小さい爪が噛み込んで固定されています。右の「M3改M7」は鞘本体に切り欠きが無く、マウスピースの下端を絞り込み、挟み込ませるようにして本体に固定されています。
M3をM7化するプロセスは、次の通り。
まず鞘本体と結合されているマウスピースの爪の部分を開いて鞘本体を引き抜き、鞘本体の上部は6インチ分カットされます。開かれた爪部分は金属疲労で脆いため取り外され、逆に上方向へ5mmほど切込みを入れられます。カットされた鞘本体は切り欠きを入れられないままマウスピースへ再び差込まれます。差し込まれた鞘本体を、マウスピースの切込みを入れられた部分で挟み込むようにして固定し完了です。
つまり、マウスピースの下端が直角になって爪が鞘本体の切り欠きに引っ掛かっていれば「生粋のM7」であり、鞘本体に切り欠きがなく、マウスピースの下端が斜めになって鞘本体を包み込むようになっていれば「M3改M7」であるという事になります。
1870
↑M3スキャバードのマウスピースを裏下側から見る。「B 1/5 N」の刻印。製造者Beckwith Manufacturing社の品質管理用の記番号。
1871
↑「M3改M7」を同じアングルから。「B /3 N」。画像下側には「REP」とありますが、これについては様々な文献等を調べましたが、今のところまだ確認できていません…。
1872
↑M7を。「vP /5」のvPはBeckwithの子会社のVictory Plastics 社です。この「vP」のロゴはすぐ下にバッチナンバーの数字を伴って鞘本体の裏側にも凸モールドで表示されています。この画像の左の方にも、ぼやけて見にくいですが「29」という数字の上に「vP」の凸モールドがあります。
M3スキャバードやM1905バイヨネットが改造されずに16インチのまま残っている例は当然あります。まだまだ価格面でもコレクションはしやすい方だと思いますが、鞘はともかく、銃剣の方は日本では銃刀法により刀身が無残にも切断されていないとコレクションに入れることが出来ないのが、とても残念な事です。
M1903ライフル用として採用されていたM1905バイヨネット(銃剣)とM3スキャバード(鞘)ですが、M1ライフルが正式採用されてもそのままその銃剣・鞘として使われました。
M1903ライフルが採用されたWWⅠ当時とWWⅡとではその用兵・戦術は大きく変わり、M1905バイヨネットのその16インチ(約40.6cm)に及ぶ刀身長はメリットをデメリットが上回ることとなり(重い、座った時につっかえて不快、長すぎて扱いにくい、等)、試しに刀身を10インチ(25.4cm)にしてM1905E1として試作してみるとその評判がよく、1943年3月にM1バイヨネットとして制式化されました。
これにより使用中及び在庫のM1905バイヨネットは廃棄されたわけではなく、試作されたM1905E1と同じ長さになるように刀身を先端から6インチのところで切断し、切先の形状を整えて、実質的にM1バイヨネットと同様のものとして使われました(「M1905改M1バイヨネット」といったところ)。
初めから10インチのM1バイヨネットか、M1905バイヨネットの先端を6インチだけカットして出来た「M1905改M1バイヨネット」かを見分ける方法は簡単。刀身に走っているフュラー(ブラッド・グルーブ(血溝)とも)が刀身先端の手前(先端から7㎝位)で終わっていれば生粋のM1、刀身先端まで走っていれば「「M1905改M1」です。長いM1905の刀身を途中でカットするのですからフュラーもそこまで走っているのは当然ですね。
また、切先の整形も2通りあり、切先の先端が峰にあり、日本刀のように峰から刃へ向かって「片刃」形状になっているものと(海外ではknife pointとかchisel(のみ、たがね)pointとかbeak(くちばし)pointなどと呼ばれています)、もう一つは生粋のM1バイヨネット同様に切先の先端が刀身中央にあって切先が「両刃」のようになっているもの(海外ではspear(鑓) pointと呼ばれています)がありました。
一方同時にスキャバード(鞘)も、銃剣の長さに合わせたM7スキャバード(当初はM3A1が制式名でありましたが混乱を避けるため程無く改称)が制式化されましたが、こちらもバイヨネットと同じく、使用中及び在庫のM3スキャバードも全長を6インチ短くして使ってやらねば勿体ないと、マウスピース部分から鞘本体を一旦分離させ、上から6インチで切断し、もう一度マウスピースに差し込んで固定して、これまた実質的にM7(「M3改M7」と言うべきところ)と同様のものとして使われました。

↑上からM1905バイヨネット&M3スキャバード、
M7(M3A1)スキャバード、
「M3改M7」スキャバード。
長さの差は6インチ(約15.2cm)。

↑上の画像のものの裏返し。

↑左からM3、「M3改M7」、生粋のM7の各スキャバード。

↑上の画像の拡大。真ん中の「M3改M7」スキャバードのマウスピース部の左右の下端部分が、隣にあるM3あるいは生粋のM7スキャバードのそれらと違うのがお分かりになりますか?

↑上の画像のさらに拡大。左がM3、右が「M3改M7」。
左のM3は、鞘本体の切り欠き部分にマウスピースの小さい爪が噛み込んで固定されています。右の「M3改M7」は鞘本体に切り欠きが無く、マウスピースの下端を絞り込み、挟み込ませるようにして本体に固定されています。
M3をM7化するプロセスは、次の通り。
まず鞘本体と結合されているマウスピースの爪の部分を開いて鞘本体を引き抜き、鞘本体の上部は6インチ分カットされます。開かれた爪部分は金属疲労で脆いため取り外され、逆に上方向へ5mmほど切込みを入れられます。カットされた鞘本体は切り欠きを入れられないままマウスピースへ再び差込まれます。差し込まれた鞘本体を、マウスピースの切込みを入れられた部分で挟み込むようにして固定し完了です。
つまり、マウスピースの下端が直角になって爪が鞘本体の切り欠きに引っ掛かっていれば「生粋のM7」であり、鞘本体に切り欠きがなく、マウスピースの下端が斜めになって鞘本体を包み込むようになっていれば「M3改M7」であるという事になります。

↑M3スキャバードのマウスピースを裏下側から見る。「B 1/5 N」の刻印。製造者Beckwith Manufacturing社の品質管理用の記番号。

↑「M3改M7」を同じアングルから。「B /3 N」。画像下側には「REP」とありますが、これについては様々な文献等を調べましたが、今のところまだ確認できていません…。

↑M7を。「vP /5」のvPはBeckwithの子会社のVictory Plastics 社です。この「vP」のロゴはすぐ下にバッチナンバーの数字を伴って鞘本体の裏側にも凸モールドで表示されています。この画像の左の方にも、ぼやけて見にくいですが「29」という数字の上に「vP」の凸モールドがあります。
M3スキャバードやM1905バイヨネットが改造されずに16インチのまま残っている例は当然あります。まだまだ価格面でもコレクションはしやすい方だと思いますが、鞘はともかく、銃剣の方は日本では銃刀法により刀身が無残にも切断されていないとコレクションに入れることが出来ないのが、とても残念な事です。
この記事へのコメント
軍曹 こんばんは
すごいコレクションですね!
しかもかなりマニアック
私も WW2・ベトナムを細々やっております
知りたいことができたら 質問に来ますのでよろしくお願いいたします
すごいコレクションですね!
しかもかなりマニアック
私も WW2・ベトナムを細々やっております
知りたいことができたら 質問に来ますのでよろしくお願いいたします
Posted by HOPPY
at 2013年09月08日 22:29

HAPPY HOPPY HORVARTH軍曹さん ご高覧ありがとうございます。
まだまだ発展途上です。ぼちぼち行きます。
軍曹のコレクションも凄いですね!
私もSPRは毎年6月6日前後には必ず観てます。
またいらして下さいね。
まだまだ発展途上です。ぼちぼち行きます。
軍曹のコレクションも凄いですね!
私もSPRは毎年6月6日前後には必ず観てます。
またいらして下さいね。
Posted by Sgt. Saunders
at 2013年09月09日 01:58

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