2014年08月03日
M-1936 OD フィールド・キャンバス・バッグ(M-1936 od field canvas bag)
こんにちは。
当地大阪はただいま曇り空、気温28度で、今のところ扇風機で風を送ってもらえればそれほど暑くは感じません。
やっぱり今日も正午どころかこんな時間に投稿完了です。すみません。
さて今回はWWⅡ米軍装備としてはメジャーな「M-1936 OD フィールド・キャンバス・バッグ」、通称「ミュゼット・バッグ」についてです。
「空挺隊が装備していた」、「将校用のモノである」、「徒歩部隊(dismounted)以外用のモノである」云々…等々いろいろに説明されているのを目にしますが、これらの説明は大体において間違ってはいません。「将校用限定」とか「空挺隊専用」などと言い切ってしまうと「間違い」ですが、いろんなシチュエーションで用いられましたし、後掲の「QM Supply Catalog」上のキャプションでも分かるように特に「〇〇専用」などとは紹介されてません。
まずはこれを。↓

かなり色が褪せていますがお許しください。制式名称に「od」とありますように色は「オリーブ・ドラブ」なのですが、この「od」には「シェード#03(いわゆるカーキ)」と「シェード#07(いわゆるOD(緑味の強い色))」とがあるのはご存じの通りで、この個体は「od」の「シェード#03」の、いわゆるカーキ色バージョンの色が褪せたモノです。とても粗っぽい言い方をするとWWⅡ中1942年~1943年頃を境にして#03から#07へと順次色味が変更されていきました。(この「ODシェードの変更」については、またあらためて機会を設けて採り上げるつもりです。)
↓上述の「Quartermaster Supply Catalog」から抜粋。

曰く、「『odフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ』を使って肩掛けでき、あるいは『ベルト・サスペンダー』を使って背負ううこともできる、野戦個人装備を運ぶための小さなキャンバス製バッグ」。「odフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ」もこのバッグのすぐ上で紹介されていますね。その記述にもありますが、このストラップは「アムニッション・バッグ」や「ディスパッチ・キャンバス・ケース」にも用いられます。(これらについてもいずれ採り上げるつもりです…。)

↑大きなフラップのついた大きめの雑納といった感じのモノです。フラップを留めるのは2組のベルトと「目」バックル。
↓向かって左側側面にボタン留めの蓋つきポケットがあります。

↓フラップを開けると…

手前側にメインの大きな区画があり、背面側に2枚のキャンバス地で隔てられた大1つ小2つの区画があります。
↓こうすると分かりやすいでしょうか。

大1つ小2つの区画と言えどもマチが無いので、厚みのあるモノを入れると当然幅が縮まることになります。
↓フラップ裏面の製造者・製造年のスタンプ等。「THE LANGDON TENT & AWNING CO.」「Manufactured in 1942」とのスタンプと、その上に手書きで「3757」の兵士の個人番号(規則では認識番号の下4ケタ)と思われるモノ。

↓背面を上から…

ボタン留めの大きな収納部があります。
↓ボタンを外しました。

上で見た「Quartermaster Supply Catalog」のキャプションにもあった「キャリング・ストラップ」や「サスペンダー」に連結するためのストラップが上部左右に設えてあるのが分かります。
そのストラップですが、この画像で上の方を一番短くした状態、下の方を一番長くした状態にしてみました。あんまり変わりません。↓

↓長さの調節はこのバックルで行います。M-1936ベルト・サスペンダーの背面下部ストラップの長さ調節バックルと同じ仕組みです。

パキンと爪のついている方を回転させると固定が解かれバックルをストラップの任意の所へ動かせます。

↓これで爪が良く分かりますか?

↓M-1936ベルト・サスペンダーに連結して背負う場合の連結状態です(正面から)。平面的で見にくいですが、①サスペンダーの両胸部分のDリンクにバッグのストラップ先端のクリップを繋ぎ、②サスペンダーの前側の左右2本づつあるストラップのうち、それぞれ外側のストラップの先端のクリップをバッグの背面左右下部のDリンクに繋ぎます。これでバッグがバタつきません。

↓因みにこれをご覧ください。

連結用ストラップを最長になるようにして、本体背面下部のDリンクに繋いだ状態です。「サスペンダーが無くても、このようにリュックサックのようにして背負える」旨の説明を見聞きしたことがありましたが、このストラップの長さではよっぽど痩せぎすか超小柄のヒトしか窮屈すぎて背負えないことが分かります。私の場合Tシャツ一枚着た状態では何とか背負えましたが、ピッチピチであるため自力で脱ぎ降ろすことができませんでした(他の人にクリップを外して貰わねばなりませんでした)。上述のカタログのキャプションにもそのようにして使えるとは書かれていません。
↓「ODバージョン(od シェード#07)」と並べてみました。

色味のほかの差異としては唯一、フラップ中央下端部に「ハトメ付きタブ」が追加された点だけです。これはM-1928ハバーサックやM-1944/45コンバット・フィールド・パックにエントレンチング・ツール(いわゆる塹壕掘りショベル)装着用の同形状のタブが付いているのに倣って、色目が変更されるのに伴いこのバッグにもタブを付けちゃえ、となったかどうかは分かりませんが、ともかくその意味では機能性はアップしたと言えるでしょう。当初は「背嚢」というよりも「汎用バッグ」で開発・制式化したけれども、背嚢として広く使われたことで、「それならばショベルも装着できた方が良かろう」となったのではないでしょうか?
↓ストラップの長さも…、


↓バックルの基本形状も(少し変化しましたが)…、

↓内部を含め構造も、同じです。

↓製造者・製造年のスタンプ。薄いですが辛うじて「ATLANTIC PRODUCTS CORP」「1945」とあります。

OD色の方の入手は実はほんの2年ほど前です。カーキ色のモノは今回お見せしたモノのほか、1つはもう少し程度が良いながらも表面の「U.S.」スタンプがとても薄くなっているモノ、もう1つはゴム引き布地で作られているモノの2つがあります。
OD色のモノはカーキ色のモノに比べて入手しやすい状況がまだ続いていることと、いわゆる「カーキ病(OD色よりもとにかくカーキ色のモノの方を強く求める一部のUSWWⅡファン特有の偏執狂的症状をしめす疾病)」に囚われがちであったことも関係しています。
今回はここで一旦筆を置きます。次回この続きを少しばかり行います。
それでは、また・・・。
当地大阪はただいま曇り空、気温28度で、今のところ扇風機で風を送ってもらえればそれほど暑くは感じません。
やっぱり今日も正午どころかこんな時間に投稿完了です。すみません。
さて今回はWWⅡ米軍装備としてはメジャーな「M-1936 OD フィールド・キャンバス・バッグ」、通称「ミュゼット・バッグ」についてです。
「空挺隊が装備していた」、「将校用のモノである」、「徒歩部隊(dismounted)以外用のモノである」云々…等々いろいろに説明されているのを目にしますが、これらの説明は大体において間違ってはいません。「将校用限定」とか「空挺隊専用」などと言い切ってしまうと「間違い」ですが、いろんなシチュエーションで用いられましたし、後掲の「QM Supply Catalog」上のキャプションでも分かるように特に「〇〇専用」などとは紹介されてません。
まずはこれを。↓

かなり色が褪せていますがお許しください。制式名称に「od」とありますように色は「オリーブ・ドラブ」なのですが、この「od」には「シェード#03(いわゆるカーキ)」と「シェード#07(いわゆるOD(緑味の強い色))」とがあるのはご存じの通りで、この個体は「od」の「シェード#03」の、いわゆるカーキ色バージョンの色が褪せたモノです。とても粗っぽい言い方をするとWWⅡ中1942年~1943年頃を境にして#03から#07へと順次色味が変更されていきました。(この「ODシェードの変更」については、またあらためて機会を設けて採り上げるつもりです。)
↓上述の「Quartermaster Supply Catalog」から抜粋。

曰く、「『odフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ』を使って肩掛けでき、あるいは『ベルト・サスペンダー』を使って背負ううこともできる、野戦個人装備を運ぶための小さなキャンバス製バッグ」。「odフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ」もこのバッグのすぐ上で紹介されていますね。その記述にもありますが、このストラップは「アムニッション・バッグ」や「ディスパッチ・キャンバス・ケース」にも用いられます。(これらについてもいずれ採り上げるつもりです…。)

↑大きなフラップのついた大きめの雑納といった感じのモノです。フラップを留めるのは2組のベルトと「目」バックル。
↓向かって左側側面にボタン留めの蓋つきポケットがあります。

↓フラップを開けると…

手前側にメインの大きな区画があり、背面側に2枚のキャンバス地で隔てられた大1つ小2つの区画があります。
↓こうすると分かりやすいでしょうか。

大1つ小2つの区画と言えどもマチが無いので、厚みのあるモノを入れると当然幅が縮まることになります。
↓フラップ裏面の製造者・製造年のスタンプ等。「THE LANGDON TENT & AWNING CO.」「Manufactured in 1942」とのスタンプと、その上に手書きで「3757」の兵士の個人番号(規則では認識番号の下4ケタ)と思われるモノ。

↓背面を上から…

ボタン留めの大きな収納部があります。
↓ボタンを外しました。

上で見た「Quartermaster Supply Catalog」のキャプションにもあった「キャリング・ストラップ」や「サスペンダー」に連結するためのストラップが上部左右に設えてあるのが分かります。
そのストラップですが、この画像で上の方を一番短くした状態、下の方を一番長くした状態にしてみました。あんまり変わりません。↓

↓長さの調節はこのバックルで行います。M-1936ベルト・サスペンダーの背面下部ストラップの長さ調節バックルと同じ仕組みです。

パキンと爪のついている方を回転させると固定が解かれバックルをストラップの任意の所へ動かせます。

↓これで爪が良く分かりますか?

↓M-1936ベルト・サスペンダーに連結して背負う場合の連結状態です(正面から)。平面的で見にくいですが、①サスペンダーの両胸部分のDリンクにバッグのストラップ先端のクリップを繋ぎ、②サスペンダーの前側の左右2本づつあるストラップのうち、それぞれ外側のストラップの先端のクリップをバッグの背面左右下部のDリンクに繋ぎます。これでバッグがバタつきません。

↓因みにこれをご覧ください。

連結用ストラップを最長になるようにして、本体背面下部のDリンクに繋いだ状態です。「サスペンダーが無くても、このようにリュックサックのようにして背負える」旨の説明を見聞きしたことがありましたが、このストラップの長さではよっぽど痩せぎすか超小柄のヒトしか窮屈すぎて背負えないことが分かります。私の場合Tシャツ一枚着た状態では何とか背負えましたが、ピッチピチであるため自力で脱ぎ降ろすことができませんでした(他の人にクリップを外して貰わねばなりませんでした)。上述のカタログのキャプションにもそのようにして使えるとは書かれていません。
↓「ODバージョン(od シェード#07)」と並べてみました。

色味のほかの差異としては唯一、フラップ中央下端部に「ハトメ付きタブ」が追加された点だけです。これはM-1928ハバーサックやM-1944/45コンバット・フィールド・パックにエントレンチング・ツール(いわゆる塹壕掘りショベル)装着用の同形状のタブが付いているのに倣って、色目が変更されるのに伴いこのバッグにもタブを付けちゃえ、となったかどうかは分かりませんが、ともかくその意味では機能性はアップしたと言えるでしょう。当初は「背嚢」というよりも「汎用バッグ」で開発・制式化したけれども、背嚢として広く使われたことで、「それならばショベルも装着できた方が良かろう」となったのではないでしょうか?
↓ストラップの長さも…、


↓バックルの基本形状も(少し変化しましたが)…、

↓内部を含め構造も、同じです。

↓製造者・製造年のスタンプ。薄いですが辛うじて「ATLANTIC PRODUCTS CORP」「1945」とあります。

OD色の方の入手は実はほんの2年ほど前です。カーキ色のモノは今回お見せしたモノのほか、1つはもう少し程度が良いながらも表面の「U.S.」スタンプがとても薄くなっているモノ、もう1つはゴム引き布地で作られているモノの2つがあります。
OD色のモノはカーキ色のモノに比べて入手しやすい状況がまだ続いていることと、いわゆる「カーキ病(OD色よりもとにかくカーキ色のモノの方を強く求める一部のUSWWⅡファン特有の偏執狂的症状をしめす疾病)」に囚われがちであったことも関係しています。
今回はここで一旦筆を置きます。次回この続きを少しばかり行います。
それでは、また・・・。
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。