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2015年11月22日

ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

晩秋か初冬か、暖かかったり急に冷え込んだり、当地大阪は衣服の調整が難しいです。

みなさまお久しぶりです。しばらく体調を崩しておりまして、前回の投稿から4週間振りの投稿になりました。
「大体隔週刊」を目指しております本ブログ、今回のネタはやっと2回目になる「被服ネタ」です。

被服ネタが少ない理由は、以前にも記しましたが一般的な戦闘服についてはもうさんざん他の方々が細かい所まで詳解なさっておられていて、もはや私が今さらしたり顔で講釈する必要は無い...と思っているからです。
また一般的でないレアな衣服は、その価格が高価なため所有できず、紹介しようにもできないという根本的理由に因るところもあります。
ただ最近、巷間「それは違う、それは違うでぇ~!」と言いたくなるような「間違った情報」がかなり蔓延しており、これは正さなければ...と思うこともしばしばあります。そんなときにはメジャーなモノについてもネタとして取り上げようと思っています。

今回採り上げるネタ、ERDL迷彩パターンのUSMC用ジャングル・ファティーグです。

↓ERDL迷彩パターンのUSMC用のジャングル・ファティーグ、正式な名称は「COAT, MAN’S, CAMOUFLAGE COTTON W/R POPLIN RIP-STOP CLASS 2」です。『W/R』は『Wind Resistant(耐風)』の略です。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
ERDL迷彩の、いわゆる「グリーン優性パターン(グリーン・リーフ)」の生地がメインに使われています。ERDL迷彩って何?とおっしゃる方はこちら→Wikipediaをご参照ください。

↓背面です。後のウッドランド迷彩とはちょっと違う「明るさ」が好きです。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

いわゆるジャングル・ファティーグは、諸々の特徴の有無によって私は大きく5パターンに分類・区別しています。コレクター諸氏の中には、もっと細かく、或いは4つに区分される方もおられます。私なりには大体下記のようになるのではないかと考えます(もちろん端境期に製造されたモノの中には、例えばヨークがあるのにエポレットやウェスト調整タブがあるモノ等、この分類から外れてしまうモノも、製造数は少ないものの存在します)。

ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
このうちERDL迷彩生地で製造されるのは第3期からで、第1、2期の特徴を持つERDL迷彩のファティーグがあるとしたらそれは全くのニセモノか稀代の超超レアモノです。
また今回取り上げたモノには、あとで詳しくご覧頂きますが、左胸ポケットに「USMC」とEGAエンブレムのスタンプがあり、これが「海兵隊用」であることを示しています。先進的なものは先ず陸軍が採用・・・という「通例」に反して、実はこのERDL迷彩ファティーグについては海兵隊の方が陸軍より先に採用していたのだそうで、私がそれを知った時は意外に思ったものです。

↓袖先(カフ)の拡大。タブとボタンが2つ。初期のジャングル・ファティーグのようなガセット(マチ布)はありません。上の表を参照すると、このファティーグは第5期の最終型であることが分かります。私の個人的な感触としては69年くらいからこの第5期のソーイング・パターンになったと思っています。また、ほとんどデッド・ストックの68年モノが手許にありますが、これはガセットを有しており、しかしペン・ポケットは左胸だけですので第4期型ということになります。また機会があればお披露目します。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓もっとも細く留めるとこの細さになります。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓サイズとFSN(Federal Stock Number)のタグ。ハンガー・ループはありません。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓拡大しました。SMALL-SHORTです。胸囲が33~37インチ(84~94cm)、身長が67インチ(170cm)以下の人用です。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
FSNは8415-945-7652。末尾の2桁はサイズによって変わります。

↓名称、契約、表示・取扱注意表示ラベルは右身頃の下部ポケットの裏側にあります。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓拡大。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
↓更に拡大。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
制式名称の一番末尾の「CLASS 2」は、ERDL迷彩のモノの事を指します。ここが「CLASS 1」で「CAMOUFLAGE」の語が無ければ通常の「OG-107」、すなわちいわゆる普通のグリーン一色のジャングル・ファティーグになります。DSAは100-69-C-2662。69年契約です。

↓冒頭で「ERDLの、いわゆる『グリーン優性パターン(グリーン・リーフ)』の生地がメインに使われています。」と記しましたが、この画像をご覧頂くと「メインに」の意味がお解り頂けると思います。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
身頃に使用されている生地は「グリーン優性パターン(グリーン・リーフ)」ですが、両胸ポケット部分の生地は「ブラウン優性パターン(ブラウン・リーフ)」です。
「グリーン優性」はグリーンブラウンブラックライム・グリーンの組み合わせ、「ブラウン優性」は同じくグリーンブラウンブラックとライム・グリーンの代わりにタンが入ります。
どちらにも共通して「ブラウン」が入っているのですが、タンと相まってより一層「茶色っぽく」見えるので「ブラウン優性(ブラウン・リーフ)」と呼ばれます。
植生学上の特徴から「グリーン優性パターン」は低地ERDL(Lowland ERDL)、「ブラウン優性パターン」は高地ERDL(Highland ERDL)とも呼ばれています。

↓これで良く分かると思います。右ポケットです。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓左ポケット。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓左胸ポケット・フラップのEGAスタンプとポケット本体のUSMCスタンプ。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
かなり褪色が進んでうっすらとしか見えませんね。フラップにはスタンプせず、ポケット本体にEGAとUSMCの両方がスタンプされているケースもあります。またEGAのスタンプも、シルエットがベタでスタンプされているモノと、画像のように鷲の羽根や地球儀上の大陸が細かく描かれているモノの2種があります。

↓因みに...。海兵隊の公式エンブレム、EGA(Eagle, Globe and Anchor)です。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
Globe(地球儀)とAnchor(錨)は世界中を股にかける兵役と海の伝統を意味します。Eagle(鷲)はアメリカ合衆国そのものです。鷲がくわえているリボンにはラテン語で「Semper Fidelis」、英訳すると「always faithful」、即ち「常に忠実な」という海兵隊のモットーが記されています。

↓左胸ポケットにだけペンが挿せるようになっています。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓ただ単にペンが挿せるように縫い目が空けてあるだけでなく、ポケット内にペンのための独立したポケットがあります。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓内側から見ると、ポケットの中のペン・ポケットが分かります。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)
また、迷彩生地の表面の色プリントは裏側へはそれほど滲み出ていません。

↓画像は右胸ポケットですが、どのポケットにも水抜き用のドレーン・ホールが設えられています。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓これは右の下部ポケットのドレーン・ホールです。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓前合わせは4つのボタン留め。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)

↓縫い合わせは全てシングル・ステッチです。
ERDL迷彩・USMC・ジャングル・ファティーグ(ERDL Tropical Coat)


以上縷々観て参りましたが如何でしたでしょうか?
一時ヴェトナム戦時装備品に取り憑かれた時にERDLファティーグの程度の良いのを片っ端から集めたことがありましたが、私に合うサイズのモノが少なく苦労しました。背が165cmしかないのでSmallでないとRegularでは丈が長すぎて間延びして見えるからです。着丈は少し短めにするのがちょっとでも恰好よく見せるためのコツですね。


それでは、また次回......。








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