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2016年05月01日

FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

こんにちは。
熊本地震による犠牲者の方々・被災者の方々に対し、謹んでお悔やみ・お見舞い申し上げます。僅かですが「義捐金」という形で支援させて頂きました。少しでもお役に立てればいいなと思います。


今回は前回記事「US WWⅡレンザティック・コンパス(US WWII Lensatic Compass)」の中でチラッと出てました「FM(Field Manual)21-25 ELEMENTARY MAP AND AERIAL PHOTOGRAPH READING(基礎の地図および航空写真の見方)」です。
当ブログ開設以来やっと2度目の「紙モノ」についての記事です。

前回の「US WWⅡレンザティック・コンパス(US WWII Lensatic Compass)」の中でコンパスの説明に用いる形で少しだけしか中身を紹介しませんでしたが、本マニュアル自体はコンパスの使い方のみならず、表題にあるように地図と航空写真の見方の初歩についての概説となっています。

私自身は戦地に赴いたことはありませんで、以前述べましたようにオリエンテーリングでしか本格的にコンパスを使った事はありません。本マニュアルの中身と同じような事を習って実践して使い方を学びました。
例えば昨今ヒストリカル・リエンナクトメントが多く開催されていますが、その中での歩兵のドリルなんかで、このような地図とコンパスの使い方の訓練を行なってみてもいいかも知れませんね。もうやってらっしゃるのかな?そんな時には本マニュアルがうってつけです。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
↑1944年8月15日刊、大戦終期発刊分のFM 21-25です。初刊は1941年4月12日で、それ以降発出された回状1号から3号までをまとめて一新されました。

↓ページをめくっていきます。左側のページに「陸軍省長官の命により―陸軍参謀総長 ジョージC.マーシャル(大将(当時))」とあります。右のページには目次があり、13章立てで初学者向けの構成になっています。順に見て行きましょう。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第一章 「何故地図の読み方を学ぶのか(Why learn to read a map?)」では、「市民生活において道は人に聞けばよいが、異国の地では地図に聞くことになる。地図が読めれば全ての答えを地図が持つことになり、地図が読めればそれは貴君の最良の友人の一人になる…云々」と説いてます。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第二章 「地図とは何か(What is a map?)」では、フットボールのスタジアムの写真と飛行場とその周辺の写真を例に、地上での見え方、少し上からの見方、もっと上空からの見え方、真上からの見え方について説き、「地図は真上からモノを捉えたものである。」ということを覚えよ、としています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第三章では「地図には何がある?(What's on a map?)」として、地図記号について書かれてあります。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第四章 「どれくらいの高さか(How high is it?)」では、地形は等高線によって分かるのだという事について説かれています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第五章 「どのくらいの距離なのか(How far is it?)」ではM1銃剣の写真を例に、「写真に写った刀身の長さが2.5インチで、その写真が実際の四分の一だと教えてもらったら、刀身の本当の長さは2.5インチ×4=10インチだ、とわかるよな。地図の場合でも、実際の何分の一で描かれてあるかが示されているから、地図の上で何インチあるか測って計算したら本当の距離が分かるのだ。」と説いています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第六章 「それはどこだ(Where is it?)」では、「『5番街3番通り』ではなく、代わりに『グリッド(grid)』を用いて地点を特定するのだ。」と説いています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第七章 「それはどっちだ(Which way is it?)」では、北を0度として全方位を360度で表わす方位角の規則が解説されてます。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第八章 「地面と地図を合わせる2つの方法(Two ways to line up your map with the ground)」として目視による方法とコンパスを用いる方法、磁北線と地図上の北、コンパス無しで北を見出す方法...が説かれています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第九章 「地図とコンパスが仕事をする(Your map and compass go to work)」では地図とコンパスを使っての実践例の解説がなされています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第十章 「道路上で(On the road)」では、車両のマイレージ・ゲージをチェックしておかないと今自分が何処にいるかが分からなくなることについての解説。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第十一章 「航空写真と写真地図」。航空写真での見え方、位置の示し方についての解説です。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第十二章 「地図上での陸軍(Army on the map)」。部隊の種類、規模のほかさまざまな記号が解説されています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
↓銃器の射線記号も。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」

↓第十三章 「地図の取扱(Taking care of your map)」.。戦場では地図は武器と同じくらい重要なものであると説いてます。敵の手に地図を渡してはならないとし、「捕虜になる恐れのある時は燃やす、燃やせない時は小さく裁断して広く撒き散らす、どちらも出来ない時は出来るだけ小さく折り畳んで埋めよ」と説いています。
FM 21-25 「基礎の地図および航空写真の見方」


いかがでしたか?
今回のFM 21-25はサバゲにはあんまり役に立ちませんが、当時の兵士の気分になりきる一助にはなります。

一口に「マニュアル」と言っても、米軍では本記事で挙げたような、野外・戦場でのHow to的なものであるFM(Field Manual(『野戦マニュアル』とでも訳しておきましょうか))と、特定のモノ(典型例は武器)についての取扱説明書的なTM(Technical Manual(『技術マニュアル』とでもしておきましょうか))があります。また、服制や服務規定などについての陸軍規則(Army Regulations、略してAR)も当時の兵士の在り様を偲ぶのにこの上なく大切です。

私がコレクションを始めた当初も「紙のマニュアルなんてどうでもいい、とにかく先ずは装備品の蒐集だ」とばかりに紙モノを軽視しておりましたが、何かのFMを手に入れる事があって以来、紙モノもコレクションの対象として重視するようになりました。何といっても軍による「正しい情報」の塊ですから。もっとも当時の兵士がマニュアル外で工夫し編み出した技・モノがあるのも事実で、マニュアル至上主義と言う訳ではありませんが、正確な知識の確認をする拠り所として有用です。

それでは今回はこの辺で失礼いたします。






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Posted by Sgt. Saunders at 11:00│Comments(0)米軍(U.S.)Manuals
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