2018年01月21日
大日本帝国陸軍第二種下士卒軍帽(明治19年制)(Army Service Hat of the Meiji Era)
みなさんこんにちは。
年末にふくらはぎに重度の肉離れをやってしまい、今もまだ二足歩行が全くできず、ちょっとトイレに行くにも補助杖がないと動けません。
「凹む」とはこういう時の気分の事を言うんだなと痛感しています。
さてお年賀を除いて新年最初のネタ投稿となる今回は、年末に投稿するのを予定していたモノを採り上げます。
寄り道コレクションからの「明治19年制大日本帝国陸軍第二種下士卒軍帽」です。
明治19年ですから西暦にすると1886年。ノルマントン号事件で領事裁判権への反発が起こった頃です。
明治期の軍装・服制は大なり小なり変更が激しく、同じモノでも細部に細かい変更がなされる例が多く、すべてを類型的に整理するのはとても苦労します。私も全然掴みきれておりません。
↓まず全景。つばが広く鉢巻きより上の帽体がやや大きいので、いわゆる「後期型」と言われるモノです。

鉢巻の黄色は一般師団(鎮台)の歩兵・砲兵・工兵・騎兵であることを示します。明治の頃は兵科色に限らず服制に関するあらゆるモノが朝令暮改と言えるほどコロコロ変わっていました。実際この軍帽の持ち主がどの兵科であったか、これだけでは特定できません。つばは黒染めの革製。保存状態は良くなく、つばにはヒビが入り、鉢巻等に虫食いが見られます。

↓内装です。内側の状態は、これが約120~130年前に製造されたモノである事に鑑みると、比較的良好だと言えると思います。汗止め革はしっかりしています。内張は桜色で桜花型のステッチが付けてあります。これらの特徴から本個体は官製ではなく、私製品だと言えます。

↓内張にはスリットが設けられております。時代が下れば、例えば家族の写真でも入れるところですが、明治のこの頃は写真自体が誰でも写せていた頃ではないので、何らかの書面(紙)や帽垂れ等の布製品かを入れていたのではないかと思います。

↓スリットの中は、帽体のウール地ではなく、白い綿布が見えます。内側から、桜色の内張、白綿布、ウール帽体の3層構造になっているのが分かります。

↓汗止め革をめくってみました。縫製は丁寧になされている方だと思います。

↓額が触れる方の汗止め革です。この部分は劣化が激しい部分になるのですが、本個体では損傷はほとんど見られません。

いかがでしたでしょうか。
全くの寄り道コレクションですので、知識はほとんど有しておりません。範囲が広すぎて今さら勉強する気もありません。守備範囲の米軍ですら道遠しですので。
それではまた、近いうちにお会いしましょう。さようなら。
年末にふくらはぎに重度の肉離れをやってしまい、今もまだ二足歩行が全くできず、ちょっとトイレに行くにも補助杖がないと動けません。
「凹む」とはこういう時の気分の事を言うんだなと痛感しています。
さてお年賀を除いて新年最初のネタ投稿となる今回は、年末に投稿するのを予定していたモノを採り上げます。
寄り道コレクションからの「明治19年制大日本帝国陸軍第二種下士卒軍帽」です。
明治19年ですから西暦にすると1886年。ノルマントン号事件で領事裁判権への反発が起こった頃です。
明治期の軍装・服制は大なり小なり変更が激しく、同じモノでも細部に細かい変更がなされる例が多く、すべてを類型的に整理するのはとても苦労します。私も全然掴みきれておりません。
↓まず全景。つばが広く鉢巻きより上の帽体がやや大きいので、いわゆる「後期型」と言われるモノです。

鉢巻の黄色は一般師団(鎮台)の歩兵・砲兵・工兵・騎兵であることを示します。明治の頃は兵科色に限らず服制に関するあらゆるモノが朝令暮改と言えるほどコロコロ変わっていました。実際この軍帽の持ち主がどの兵科であったか、これだけでは特定できません。つばは黒染めの革製。保存状態は良くなく、つばにはヒビが入り、鉢巻等に虫食いが見られます。

↓内装です。内側の状態は、これが約120~130年前に製造されたモノである事に鑑みると、比較的良好だと言えると思います。汗止め革はしっかりしています。内張は桜色で桜花型のステッチが付けてあります。これらの特徴から本個体は官製ではなく、私製品だと言えます。

↓内張にはスリットが設けられております。時代が下れば、例えば家族の写真でも入れるところですが、明治のこの頃は写真自体が誰でも写せていた頃ではないので、何らかの書面(紙)や帽垂れ等の布製品かを入れていたのではないかと思います。

↓スリットの中は、帽体のウール地ではなく、白い綿布が見えます。内側から、桜色の内張、白綿布、ウール帽体の3層構造になっているのが分かります。

↓汗止め革をめくってみました。縫製は丁寧になされている方だと思います。

↓額が触れる方の汗止め革です。この部分は劣化が激しい部分になるのですが、本個体では損傷はほとんど見られません。

いかがでしたでしょうか。
全くの寄り道コレクションですので、知識はほとんど有しておりません。範囲が広すぎて今さら勉強する気もありません。守備範囲の米軍ですら道遠しですので。
それではまた、近いうちにお会いしましょう。さようなら。
Posted by Sgt. Saunders at 12:01│Comments(0)
│大日本帝国陸海軍(Imperial Japanese)
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