2021年06月20日
U.S. MIA1 ガス・マスク(U.S. MIA1 Gas Mask)
みなさん、こんにちは。
当地大阪が梅雨入りしたのが確か史上最速の5月16日。以来雨降りの日もありましたが、総じてカラ梅雨のような、晴れの多い日が続いている気がします。まだ梅雨明けしておらず、今朝も雲がやや多いものの空は明るくまずまずのお天気です。
コロナワクチン接種の機会は徐々に国民全体に拡がりつつある中、緊急事態宣言・まん防などの政策と感染者数の増減を注視しつつ、政府はオリンピック自体を中止する気は最早なく、観客を入れるか否かについてはハッキリと決めないまま開催へ突き進んでいます。もう博打の様相を呈してきました。
さて今回の投稿ネタを何にしようかなと考えましたが、前に撮り貯めた画像を見直しまして決めました。
ガス・マスクネタははもう7年程も前に「U.S. MIA1 トレーニング・ガス・マスク(U.S. MIA1 Training Gas Mask)」、「U.S. M1A1 トレーニング・ガス・マスク その2(U.S. M1A1 Training Gas Mask;#2)」をやって以来まだ2回目です。
いわゆるガスマスクはその構成を大きく分類すると、マスク本体(面体)、吸気ホース、吸気缶(フィルター・キャニスター)からなり、一つにまとまって初めてガスマスクとして機能しますが、WW2直前からの米軍のガスマスクはその改良開発が構成要素ごとに行われ、且つペースも速かったため、構成要素同士の組み合わせ次第で実に多くのパターンが出来てしまいました。マスク本体は同じモノでも他の構成要素との組み合わせによって「別物」と言わざるを得ない状況があるのです。それ故便宜上今回の投稿タイトルを「MIA1ガスマスク」と致しました。
もっと細かく言えば排気弁、頭に掛けるハーネスにも数種類あり、時代によって純粋に「順列組み合わせ」にはならないにしても、その組み合わせの種類は相当数にのぼります。
しかしまぁガスマスクについてはマスク本体の形式のみを以って呼称しているのが一般的でありまして、イチイチ「面体はMIA1でホースは何々で排気弁が何々・・・のガスマスク」などとしている例は余りと言うか滅多にありませんので、それほど拘る必要はないかもしれません。追い追い触れるかも知れませんが、マスク一式を「マスク本体-吸気缶(フィルター)-収納バッグ」という3種の構成物件の組み合わせとして捉え、制式名称もそれに沿って、例えば「M3-10A1-6 ガス・マスク」と称しておりました。今回採り上げますガス・マスク一式も正しくは「 MIA1-IXA1-IVA1」となります。この辺りになるとかなりのコア・マニア向けの話になってきますし、私なんかが全パターンを蒐集するなど、到底出来ません。
当ブログでは、なるべくたくさんの情報をお届けしたいという気持ちから、一つのモノについて様々な視点・角度から「解剖」する傾向がありまして、今回はいつも以上に画像が多くなりましたので複数回に分けてお送りします。
今回の「MIA1ガス・マスク」について、画像もまだ出てないうちからで恐縮ですが、まず初めに講釈めいたことを。マスク本体の「MIA1」はサイズが5種類展開で、眼鏡レンズは取り外し可能となっております。サイズが4種類で眼鏡レンズが固定式であった前モデル「MI」を、1933年にサイズを1段階増やし、眼鏡レンズが交換出来るように改良して名称も新たに「MIA1」となりました。1937年10月には量産性からの見直しによりサイズ展開が1つだけ(「Universal」=One size fits all)に絞られて名称も「MIA2」となります。サイズが1種類となった以外に変更箇所はありません。
↓さて、まずはMIVA1収納バッグ(MIVA1 Carrying Bag)に収まっているところから見て参ります。バッグ本体はODシェード#9よりもずっと黄色味の非常に強いWW1以来のカーキ色です。上に写っているショルダー・ストラップとバッグ本体の裏側に隠れていて少しだけ見えているウェスト・ベルトはODシェード#3です。
バッグにはUSのプロパティ表記と化学戦部(Chemical Warfare service)の兵科章、「1」のサイズ表記、「Army Service Gas Mask」とのザックリとした名称表記があります。何故ザックリなのかはひとえに「色んな形式のマスクが入るであろうことを予期して」のためです。しっかり書くと中に入ってるマスクの制式名称が変わる度に書き直さなくてはならなくなってしまいます。さらにその下にステンシルで「5」との表記がありますが、これはバッグ製造時ではなく後からステンシルをつかって付け足したモノで、何を意味するかについては色々推測されるところ、私はこの中に今入っているマスクの「本当のサイズ」である「5」を表しているのではないかと思っております。元々ある「1」を消して、その脇に・・・ではないのは何故か。うーん、となると所持者の部隊名等の「5」?分かりません・・・。
↓裏側です。裏側が左脇腹にくっ付くようショルダー・ストラップを右肩に掛け、ウエスト・ベルトを腰に廻して装着します。
↓ウェスト・ベルトは「ODフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ」と同じウェブ素材です。
↓連結はピストル・ベルトのバックルとは違います。M1ヘルメットの初期のチン・ストラップを大きくしたような感じです。
↓ショルダー・ストラップもウェスト・ベルトと同じ素材です。肩掛けする時にバッグを持ち上げて頭をストラップの輪の中へ入れなくても済むよう、バッグを腰の位置にしたままストラップを背面から右肩へ廻し、身体左前面で脱着できるようにバックルが設えてあります。また、画像で上方にある「肩掛け部分」はストラップが少しでも肩のラインに沿うようにと曲線を描くように縫製されています。そしてその肩から胸側(画像では左)も、肩から背中側(画像では右)も、それぞれ独立して長さを調節できるように長さ調節用のバックルがあります。
↓肩フィット感を重視したこの曲線縫製。「廉価版」だったらこんな手間な仕事しませんね。「廉価版」ならウェスト・ベルトと同じように調節バックルは一つでストラップはストレートのままでしょう。持てる国、余裕のある国の為せるワザです。
↓こちらの脱着バックルもM1ヘルメットの初期のチン・ストラップの大型版のようなモノです。
すみません。今回はここで一旦終わります。次回またこの続きを投稿いたしますので是非ご覧下さい。
それでは失礼します。さようなら。
当地大阪が梅雨入りしたのが確か史上最速の5月16日。以来雨降りの日もありましたが、総じてカラ梅雨のような、晴れの多い日が続いている気がします。まだ梅雨明けしておらず、今朝も雲がやや多いものの空は明るくまずまずのお天気です。
コロナワクチン接種の機会は徐々に国民全体に拡がりつつある中、緊急事態宣言・まん防などの政策と感染者数の増減を注視しつつ、政府はオリンピック自体を中止する気は最早なく、観客を入れるか否かについてはハッキリと決めないまま開催へ突き進んでいます。もう博打の様相を呈してきました。
さて今回の投稿ネタを何にしようかなと考えましたが、前に撮り貯めた画像を見直しまして決めました。
ガス・マスクネタははもう7年程も前に「U.S. MIA1 トレーニング・ガス・マスク(U.S. MIA1 Training Gas Mask)」、「U.S. M1A1 トレーニング・ガス・マスク その2(U.S. M1A1 Training Gas Mask;#2)」をやって以来まだ2回目です。
いわゆるガスマスクはその構成を大きく分類すると、マスク本体(面体)、吸気ホース、吸気缶(フィルター・キャニスター)からなり、一つにまとまって初めてガスマスクとして機能しますが、WW2直前からの米軍のガスマスクはその改良開発が構成要素ごとに行われ、且つペースも速かったため、構成要素同士の組み合わせ次第で実に多くのパターンが出来てしまいました。マスク本体は同じモノでも他の構成要素との組み合わせによって「別物」と言わざるを得ない状況があるのです。それ故便宜上今回の投稿タイトルを「MIA1ガスマスク」と致しました。
もっと細かく言えば排気弁、頭に掛けるハーネスにも数種類あり、時代によって純粋に「順列組み合わせ」にはならないにしても、その組み合わせの種類は相当数にのぼります。
しかしまぁガスマスクについてはマスク本体の形式のみを以って呼称しているのが一般的でありまして、イチイチ「面体はMIA1でホースは何々で排気弁が何々・・・のガスマスク」などとしている例は余りと言うか滅多にありませんので、それほど拘る必要はないかもしれません。追い追い触れるかも知れませんが、マスク一式を「マスク本体-吸気缶(フィルター)-収納バッグ」という3種の構成物件の組み合わせとして捉え、制式名称もそれに沿って、例えば「M3-10A1-6 ガス・マスク」と称しておりました。今回採り上げますガス・マスク一式も正しくは「 MIA1-IXA1-IVA1」となります。この辺りになるとかなりのコア・マニア向けの話になってきますし、私なんかが全パターンを蒐集するなど、到底出来ません。
当ブログでは、なるべくたくさんの情報をお届けしたいという気持ちから、一つのモノについて様々な視点・角度から「解剖」する傾向がありまして、今回はいつも以上に画像が多くなりましたので複数回に分けてお送りします。
今回の「MIA1ガス・マスク」について、画像もまだ出てないうちからで恐縮ですが、まず初めに講釈めいたことを。マスク本体の「MIA1」はサイズが5種類展開で、眼鏡レンズは取り外し可能となっております。サイズが4種類で眼鏡レンズが固定式であった前モデル「MI」を、1933年にサイズを1段階増やし、眼鏡レンズが交換出来るように改良して名称も新たに「MIA1」となりました。1937年10月には量産性からの見直しによりサイズ展開が1つだけ(「Universal」=One size fits all)に絞られて名称も「MIA2」となります。サイズが1種類となった以外に変更箇所はありません。
↓さて、まずはMIVA1収納バッグ(MIVA1 Carrying Bag)に収まっているところから見て参ります。バッグ本体はODシェード#9よりもずっと黄色味の非常に強いWW1以来のカーキ色です。上に写っているショルダー・ストラップとバッグ本体の裏側に隠れていて少しだけ見えているウェスト・ベルトはODシェード#3です。
バッグにはUSのプロパティ表記と化学戦部(Chemical Warfare service)の兵科章、「1」のサイズ表記、「Army Service Gas Mask」とのザックリとした名称表記があります。何故ザックリなのかはひとえに「色んな形式のマスクが入るであろうことを予期して」のためです。しっかり書くと中に入ってるマスクの制式名称が変わる度に書き直さなくてはならなくなってしまいます。さらにその下にステンシルで「5」との表記がありますが、これはバッグ製造時ではなく後からステンシルをつかって付け足したモノで、何を意味するかについては色々推測されるところ、私はこの中に今入っているマスクの「本当のサイズ」である「5」を表しているのではないかと思っております。元々ある「1」を消して、その脇に・・・ではないのは何故か。うーん、となると所持者の部隊名等の「5」?分かりません・・・。
↓裏側です。裏側が左脇腹にくっ付くようショルダー・ストラップを右肩に掛け、ウエスト・ベルトを腰に廻して装着します。
↓ウェスト・ベルトは「ODフィールド・キャンバス・バッグ・キャリング・ストラップ」と同じウェブ素材です。
↓連結はピストル・ベルトのバックルとは違います。M1ヘルメットの初期のチン・ストラップを大きくしたような感じです。
↓ショルダー・ストラップもウェスト・ベルトと同じ素材です。肩掛けする時にバッグを持ち上げて頭をストラップの輪の中へ入れなくても済むよう、バッグを腰の位置にしたままストラップを背面から右肩へ廻し、身体左前面で脱着できるようにバックルが設えてあります。また、画像で上方にある「肩掛け部分」はストラップが少しでも肩のラインに沿うようにと曲線を描くように縫製されています。そしてその肩から胸側(画像では左)も、肩から背中側(画像では右)も、それぞれ独立して長さを調節できるように長さ調節用のバックルがあります。
↓肩フィット感を重視したこの曲線縫製。「廉価版」だったらこんな手間な仕事しませんね。「廉価版」ならウェスト・ベルトと同じように調節バックルは一つでストラップはストレートのままでしょう。持てる国、余裕のある国の為せるワザです。
↓こちらの脱着バックルもM1ヘルメットの初期のチン・ストラップの大型版のようなモノです。
すみません。今回はここで一旦終わります。次回またこの続きを投稿いたしますので是非ご覧下さい。
それでは失礼します。さようなら。
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