2015年02月01日
ドイツ軍M30ガスマスク(2)(Gasmaske 30 und Tragbüchse(2))
ジャーナリストが人質にされ殺されるという理不尽な事件に言葉がありません。交渉過程がどうのこうのということもさることながら、ジャーナリストを捕らえ殺害するという行為そのものを最大限に非難します。公式には未確認ですが、恐らく不幸にして殺害されたと思われます後藤さんのご冥福をお祈りし、ご遺族の方に深い哀悼の意を表します。
こんにちは。
当地大阪は現在13時30分気温6℃。寒いです。
メールを下さったOさま、近々あらためてそれらについて米軍(US)カテゴリーで触れてみたいと思います。ありがとうございます。
さて前回に続き、ドイツ軍の「M30ガスマスク(gasmaske 30 und Tragbüchse)」について見て参ります。
↓M30は内側がゴム引きになっている綿布製の面体を持つWWⅡドイツ軍のガスマスクです。

↓口吻部の吸気フィルター缶を外して面体を拡げました。

面体は緑の強いフィールド・グレイ(Feldgrau)色、眼鏡周り・口吻部の金具の塗装は灰色の強いフィールド・グレイ色です。因みにM30型では見たことがありませんが、総ゴム面体のM38型では、金具が群青色で塗装されているモノを見ることがあります。当初「なんで青いのか?」と疑問に思いましたが、ちゃんと意味がありました。物資不足が進み、非鉄金属を節約するため鉄(鋼)を使うようになり、「この部品は鉄ですよ」と知らしめるために青で塗装したのでした(コンパスを使うときなんかに注意しないといけないため。1943年7月5日付陸軍総司令部通達による。)。
↓吸気フィルター缶はネジ込み式になっています。ネジの奥に黒い吸気弁が見えます。画像では上側に見える、小さい穴がたくさん開いている部分は排気口です。M30型でも初期のモノは、この小穴が沢山開けられた部分が無くて縦に粗い格子状になっています。また、それに本画像にあるような小穴パンチ部品が後付けされたモノがあります。本品はM30型では最後期のモノで最初からこのようになっています。この口吻部部品は後継のM38型ガスマスクにも引き継がれます。

↓吸気フィルター缶に施されたスタンプ・刻印など。たくさんの表記が見られます。

画像で3時の位置の「FE41」は吸気缶(フィルター)の型式番号です。「FE」とはFiltereinsatz(「挿し込み濾過器?」)の略で、大戦中は大きく分けてFE37、FE41、FE42の3タイプがありました。FE37Rという熱帯地方用のモノもあります。その横の△印スタンプの意味はまだ判りません。「長方形枠の中に国家鷲章と並んでWaAナンバー」は次の画像で拡大します。9時の位置の「Fe」は「鉄の」という意味の「Ferro」の略です。やはりこれも「鉄」を含んでるので注意せよと促すための表示です。10時の位置には「fcc」の文字。ザクセンのバイアーフェルトにあったNier Hermann Metallwarenfabrik社製であることを示す製造者秘匿コードです。ガスマスクフィルターの他にも弾薬や手榴弾の部品等も製造していました。現在も「Feuerhand」ブランドで有名な、元々はランタンの製造会社です。12時の所には「2662」のスタンプ。
↓国家鷲章とWaAナンバー702。ところが参照可能な資料の中には「702」が「fcc」であるとするものはありません。

↓Nier Hermann Metallwarenfabrik社の製造者秘匿コード「fcc」とロットナンバー?「2662」のスタンプ。

↓フィルターの吸気孔。前身のFE37までは真ん中の穴から見えているシャワーヘッドようの部分が露出していましたが、FE37RからはこのFE41のようにカバーが被さるようになりました。

↓口吻部の拡大。「btc」の刻印と「〇に41」の凸モールド。「btc」はMeschendeのHonsel Werke社のコード。フォルクスワーゲンのエンジンブロックを製造しましたし、現在もMartinrea Honsel社として自動車のエンジンブロックなど軽金属製品の分野では著名です。「〇に41」は恐らく1941年製を示していると思います。

↓面体内側から。内側は青灰色のゴム引きです。面体固定用のハーネス、額・こめかみ・頬・顎との気密性を保つために密着するように張られた茶色の革(スエード)、頬・顎の大きさに合わせて調節するためのストラップが見えます。

↓その調節ストラップの拡大。エラの張った人、頬のこけている人、色んな人に対応できます。

上のカマボコ断面部分が吸気孔で、下の円形部分が排気口です。
↓排気口のネジ止めの黒い金属メッシュカバーを外しました。

↓こんな部品です。

↓排気口の部品精度は高そうです。直ぐ下に見えているプラスチック板は排気弁です。

↓その部品の拡大。1939年製を示すと思われる「39」と、いま一つ鮮明でないメーカーロゴのような意匠の刻印。

↓吸気孔のゴム部品の左下の「41」(1941年製)と、

↓右下の「bwz」はAuer社のオラニエン工場のコード。同じAuer社でも例えばダンツィヒ製造だと「gnh」です。Auer社は他にも数多くの工場がありましたので、製造者秘匿コードも沢山あります。

今回ボリュームが少ないですが、次回レンズ部分と皮膚解毒剤に触れて終わりにする予定です。
それでは、また・・・。
こんにちは。
当地大阪は現在13時30分気温6℃。寒いです。
メールを下さったOさま、近々あらためてそれらについて米軍(US)カテゴリーで触れてみたいと思います。ありがとうございます。
さて前回に続き、ドイツ軍の「M30ガスマスク(gasmaske 30 und Tragbüchse)」について見て参ります。
↓M30は内側がゴム引きになっている綿布製の面体を持つWWⅡドイツ軍のガスマスクです。

↓口吻部の吸気フィルター缶を外して面体を拡げました。

面体は緑の強いフィールド・グレイ(Feldgrau)色、眼鏡周り・口吻部の金具の塗装は灰色の強いフィールド・グレイ色です。因みにM30型では見たことがありませんが、総ゴム面体のM38型では、金具が群青色で塗装されているモノを見ることがあります。当初「なんで青いのか?」と疑問に思いましたが、ちゃんと意味がありました。物資不足が進み、非鉄金属を節約するため鉄(鋼)を使うようになり、「この部品は鉄ですよ」と知らしめるために青で塗装したのでした(コンパスを使うときなんかに注意しないといけないため。1943年7月5日付陸軍総司令部通達による。)。
↓吸気フィルター缶はネジ込み式になっています。ネジの奥に黒い吸気弁が見えます。画像では上側に見える、小さい穴がたくさん開いている部分は排気口です。M30型でも初期のモノは、この小穴が沢山開けられた部分が無くて縦に粗い格子状になっています。また、それに本画像にあるような小穴パンチ部品が後付けされたモノがあります。本品はM30型では最後期のモノで最初からこのようになっています。この口吻部部品は後継のM38型ガスマスクにも引き継がれます。

↓吸気フィルター缶に施されたスタンプ・刻印など。たくさんの表記が見られます。

画像で3時の位置の「FE41」は吸気缶(フィルター)の型式番号です。「FE」とはFiltereinsatz(「挿し込み濾過器?」)の略で、大戦中は大きく分けてFE37、FE41、FE42の3タイプがありました。FE37Rという熱帯地方用のモノもあります。その横の△印スタンプの意味はまだ判りません。「長方形枠の中に国家鷲章と並んでWaAナンバー」は次の画像で拡大します。9時の位置の「Fe」は「鉄の」という意味の「Ferro」の略です。やはりこれも「鉄」を含んでるので注意せよと促すための表示です。10時の位置には「fcc」の文字。ザクセンのバイアーフェルトにあったNier Hermann Metallwarenfabrik社製であることを示す製造者秘匿コードです。ガスマスクフィルターの他にも弾薬や手榴弾の部品等も製造していました。現在も「Feuerhand」ブランドで有名な、元々はランタンの製造会社です。12時の所には「2662」のスタンプ。
↓国家鷲章とWaAナンバー702。ところが参照可能な資料の中には「702」が「fcc」であるとするものはありません。

↓Nier Hermann Metallwarenfabrik社の製造者秘匿コード「fcc」とロットナンバー?「2662」のスタンプ。

↓フィルターの吸気孔。前身のFE37までは真ん中の穴から見えているシャワーヘッドようの部分が露出していましたが、FE37RからはこのFE41のようにカバーが被さるようになりました。

↓口吻部の拡大。「btc」の刻印と「〇に41」の凸モールド。「btc」はMeschendeのHonsel Werke社のコード。フォルクスワーゲンのエンジンブロックを製造しましたし、現在もMartinrea Honsel社として自動車のエンジンブロックなど軽金属製品の分野では著名です。「〇に41」は恐らく1941年製を示していると思います。

↓面体内側から。内側は青灰色のゴム引きです。面体固定用のハーネス、額・こめかみ・頬・顎との気密性を保つために密着するように張られた茶色の革(スエード)、頬・顎の大きさに合わせて調節するためのストラップが見えます。

↓その調節ストラップの拡大。エラの張った人、頬のこけている人、色んな人に対応できます。

上のカマボコ断面部分が吸気孔で、下の円形部分が排気口です。
↓排気口のネジ止めの黒い金属メッシュカバーを外しました。

↓こんな部品です。

↓排気口の部品精度は高そうです。直ぐ下に見えているプラスチック板は排気弁です。

↓その部品の拡大。1939年製を示すと思われる「39」と、いま一つ鮮明でないメーカーロゴのような意匠の刻印。

↓吸気孔のゴム部品の左下の「41」(1941年製)と、

↓右下の「bwz」はAuer社のオラニエン工場のコード。同じAuer社でも例えばダンツィヒ製造だと「gnh」です。Auer社は他にも数多くの工場がありましたので、製造者秘匿コードも沢山あります。

今回ボリュームが少ないですが、次回レンズ部分と皮膚解毒剤に触れて終わりにする予定です。
それでは、また・・・。
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