2014年06月29日
8mmモーゼル弾:再び (Patronen schweres Spitzgeschoß:Reprise)
こんにちは。
雨は本日未明には止み、今朝方からのそこそこの晴天で蒸し暑さを覚える当地大阪からお送りします。
ネタになるモノ探りとコレクションの梅雨時の手入れをしようかなと思いまして保管スペースへ入りましたら、やっぱりまた小一時間ほどと思っていたのに半日グダグダしてしまいました。
で、今回は以前お送りしたことのある、WWⅡでドイツ軍が使用した「8mmモーゼル弾(7.92x57 IS(Patronen schweres Spitzgeschoß))」の、別の個体のご紹介です。
↓まず箱から出して見ました。

15発が1箱に納められています。これが最小梱包単位です。
↓箱のラベル。

前回の記事でも記しましたが、非常に多くの情報がこのラベルに記載してあります。略称表記が多く、初めは解読がとてもしんどかったです。ドイツ語辞書と格闘した記憶がよみがえります。
1行目は弾薬の種類です。「Patronen」は弾薬、「s.S.」は「schweres Spitzgeschoß」の省略表記で、schweresは「重たい」、spitzは「尖った」、geschoßは「弾丸」、つまり「重量尖頭弾薬」の意です。
2行目の「P635」は製造者コードで、現オーストリアの・ニーダードナウ、ヒルテンベルグにあった「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製であることを示します。つづく「35.L.39」は「ロット番号35で1939年製」の意。
3行目は装薬種類です。「Nz.Gew.Bl.P.」は「Nitrozellulose Gewehr Blättchen Pulver(ニトロセルロース弾薬用小葉体火薬)」の略。「2・2・0,45」は、火薬粒子が2mm x 2mm x 0.45mmであることを示します(ドイツでは小数点は「.」ではなく「,」で表します)。
後ろの「Rdf.」は「Westfälisch-Anhaltische Sprengstoff A.G.社」の製造者コード、「32.L.39」はロットナンバー32で1939年に搬出されたことが判ります。
4行目「Patrh.:S*.P635.40.L.39」は「Patronenhülse(薬莢)」についての標記。「S*」は「銅の含有率が72%の真鍮製」を意味します。「P635」は上記と同じ「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製で、ロットナンバー「40」、1939年製造」となります。 つづく「Gesch.: P.635.15.L.39」は「Geschoß(弾丸)」についての標記。「P635」は上記と同じ「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製で、1939年製ロットナンバー「15」であることを示します。
5行目「Zdh」は「Zündhütchen(雷管)」の略。「S.K D」は「Selve Kronbiegel Dornheim A.G.社」の製造者コード。ロットナンバー「871」で、その後の「L.39.」ですが、これは1939年を示します。
↓蓋を開けたの図。

↓拡大。

薬莢底の刻印(ヘッド・スタンプ)でも、上で見た「薬莢」についての情報(ラベルの4行目と同じ。上記の緑色で示してます。)が判ります。
また、プライマー(雷管)の周りの円いシーリング部分は、「弾薬の種類」を色で示すようになっており、この個体では緑色の輪なので、「s.S.(重量尖頭弾)」であることが判ります。外に、SmE(鉄芯尖頭弾)系なら青、SmK(鋼芯尖頭弾)系なら赤といった具合にたくさんあります。
以上見てまいりましたが、米軍のモノと比べると情報量が格段に多いですね。
また、ラベルについてはラテン文字で書かれたモノ、フラクトゥール(亀甲文字とも)で書かれたモノ、それらが混在しているモノ等々いろいろあり、興味が尽きません。今回取り上げた個体のように1939年において既に全て普通のラテン文字で記してあり、「この時期国威宣揚の意味でもフラクトゥールが盛んに使われた筈なのに・・・」と思うのですが、色々あるのですね。
それでは、また・・・。
雨は本日未明には止み、今朝方からのそこそこの晴天で蒸し暑さを覚える当地大阪からお送りします。
ネタになるモノ探りとコレクションの梅雨時の手入れをしようかなと思いまして保管スペースへ入りましたら、やっぱりまた小一時間ほどと思っていたのに半日グダグダしてしまいました。
で、今回は以前お送りしたことのある、WWⅡでドイツ軍が使用した「8mmモーゼル弾(7.92x57 IS(Patronen schweres Spitzgeschoß))」の、別の個体のご紹介です。
↓まず箱から出して見ました。

15発が1箱に納められています。これが最小梱包単位です。
↓箱のラベル。

前回の記事でも記しましたが、非常に多くの情報がこのラベルに記載してあります。略称表記が多く、初めは解読がとてもしんどかったです。ドイツ語辞書と格闘した記憶がよみがえります。
1行目は弾薬の種類です。「Patronen」は弾薬、「s.S.」は「schweres Spitzgeschoß」の省略表記で、schweresは「重たい」、spitzは「尖った」、geschoßは「弾丸」、つまり「重量尖頭弾薬」の意です。
2行目の「P635」は製造者コードで、現オーストリアの・ニーダードナウ、ヒルテンベルグにあった「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製であることを示します。つづく「35.L.39」は「ロット番号35で1939年製」の意。
3行目は装薬種類です。「Nz.Gew.Bl.P.」は「Nitrozellulose Gewehr Blättchen Pulver(ニトロセルロース弾薬用小葉体火薬)」の略。「2・2・0,45」は、火薬粒子が2mm x 2mm x 0.45mmであることを示します(ドイツでは小数点は「.」ではなく「,」で表します)。
後ろの「Rdf.」は「Westfälisch-Anhaltische Sprengstoff A.G.社」の製造者コード、「32.L.39」はロットナンバー32で1939年に搬出されたことが判ります。
4行目「Patrh.:S*.P635.40.L.39」は「Patronenhülse(薬莢)」についての標記。「S*」は「銅の含有率が72%の真鍮製」を意味します。「P635」は上記と同じ「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製で、ロットナンバー「40」、1939年製造」となります。 つづく「Gesch.: P.635.15.L.39」は「Geschoß(弾丸)」についての標記。「P635」は上記と同じ「Gustloff-Werke, Otto Eberhardt-Patronenfabrik(オットー=エーベルハルト弾薬工業 グストロフ工場)」製で、1939年製ロットナンバー「15」であることを示します。
5行目「Zdh」は「Zündhütchen(雷管)」の略。「S.K D」は「Selve Kronbiegel Dornheim A.G.社」の製造者コード。ロットナンバー「871」で、その後の「L.39.」ですが、これは1939年を示します。
↓蓋を開けたの図。

↓拡大。

薬莢底の刻印(ヘッド・スタンプ)でも、上で見た「薬莢」についての情報(ラベルの4行目と同じ。上記の緑色で示してます。)が判ります。
また、プライマー(雷管)の周りの円いシーリング部分は、「弾薬の種類」を色で示すようになっており、この個体では緑色の輪なので、「s.S.(重量尖頭弾)」であることが判ります。外に、SmE(鉄芯尖頭弾)系なら青、SmK(鋼芯尖頭弾)系なら赤といった具合にたくさんあります。
以上見てまいりましたが、米軍のモノと比べると情報量が格段に多いですね。
また、ラベルについてはラテン文字で書かれたモノ、フラクトゥール(亀甲文字とも)で書かれたモノ、それらが混在しているモノ等々いろいろあり、興味が尽きません。今回取り上げた個体のように1939年において既に全て普通のラテン文字で記してあり、「この時期国威宣揚の意味でもフラクトゥールが盛んに使われた筈なのに・・・」と思うのですが、色々あるのですね。
それでは、また・・・。
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